神社のテーマパーク!? 12の社が鎮座する盛岡八幡宮でパワースポットめぐり

2018.01.02 更新

建立から300年を越える歴史を持つ「盛岡八幡宮」。本殿を含めて境内には12の社(やしろ)が鎮座し、神社のテーマパークとも評されています。安産祈願から学業成就、縁結び、芸事上達、料理の神様まで、それぞれの社が持つご利益はさまざま。自分にぴったりのご利益を授かれる社を探してみましょう。

まずは、神聖なパワーみなぎる本殿へ!

初詣の参拝客数では、県内一の24万人を誇る盛岡八幡宮。JR盛岡駅から車を走らせ10数分、表参道にあたる八幡町をまっすぐ抜けた先にドーンとそびえる真っ赤な鳥居が目印です。
▲パワーを感じられる大きな鳥居に招かれて、いざ!

盛岡八幡宮は、今から300年以上前、延宝8(1680)年に建立。古くから八幡大神を氏神として城内に祀っていた南部家第29代重信公が、庶民も参詣できる神社としてこの地に新しく造営しました。
以来、藩の鎮守府としてお城を見守り続けると共に、一般庶民が自由にお参りできる「お八幡さん」として長く親しまれてきたのです。
▲実はハイテク技術を駆使し、冬でも凍らない手水舎(てみずしゃ)

「街と人を見守ってきた神社」という歴史を心に置きつつ、鳥居をくぐる前に一礼。左手にある手水舎で、まずは心身を清めましょう。
▲階段の先には、朝日を浴びて厳かなる本殿が出迎えてくれます

参道の階段をあがり、いよいよ本殿へ。境内をめぐるにあたって、特別に権禰宜(ごんねぎ)・高橋数馬さんにご案内いただきました。
▲さわやかな笑顔で迎えてくれた高橋さん

八幡宮に祀られる品阿和気命(ほんだわけのみこと)は「八幡大神」と呼ばれ、農業や商工業、学問、衣食住など生活のあらゆるものに関わる根源の神さま。長く地域の人々から崇拝されてきたといいます。

振り返ると、鳥居の先にまっすぐと続く八幡町。「かつて、その先にあった不来方城(こずかたじょう/別名・盛岡城)を見守る形で盛岡八幡宮が建立されたんですよ」と高橋さん。小高い位置から眺める街なかの景色は圧巻です。
▲拝殿前から望む八幡町商店街

盛岡八幡宮の社殿は、明治期の盛岡大火や雨雪を経て数回建て直されており、現在の社殿は平成9(1997)年に新築したもの。なんと、現代の名工・宮大工の菊池恭二氏が手掛けたそうです。

拝殿全体を彩る朱塗りの鮮やかさが印象的ですが、「朱塗りは見た目の美しさだけでなく、雪国の長く厳しい風雪から劣化を防ぐためでもあります」と高橋さん。
▲美しい朱塗りの社殿は24時間いつでも参拝可能

通常はご祈祷をお願いした参拝客以外は拝殿の外で参拝を行いますが、せっかくなので特別に中も見せていただきました。拝殿の奥にはさらに本殿があり、八幡大神と春日大神、白山大神の3神が祀られているそうです。
▲奥の奥にある本殿は、位の高い宮司だけが入ることのできる神聖な場所

拝殿の中を見渡せば、欄間にも美しい彫刻。「拝殿と本殿の2棟の建物を前後につなげて一つの社殿にする八幡造という神社建築の様式です」と高橋さん。
▲拝殿の随所に、県花である桐の花が描かれています

何気なくお詣りしていた拝殿の彫刻をじっくり見たのは初めて。いろいろ教えていただいた高橋さんとはここでお別れし、いよいよ境内の社殿をめぐります。

ぜひ参拝したい!商売繁盛や運気向上の神様たち

さて、盛岡八幡宮には本殿に祀られる3神だけでなく、境内にある8つの摂社と3つの末社に、実に多くの神様が集まっています。その中でも、商売繁盛や運気向上のご利益が授かれると特に人気の「笠森稲荷神社」と「大国様・恵比寿様」を次に参拝しました。

【笠森稲荷神社】期待できるご利益:商売繁盛など
「笠森稲荷神社」は、なんと八幡宮が建立される前から八幡山の山頂に祀られていた、境内で最も古い神社。現在の社殿は昭和32(1957)年に建立されました。
五穀豊穣や商売繁盛の守り神であり、新しく商売をはじめる人もよくお参りに来るそうです。
▲賽銭箱に置かれた木槌を使って
▲この板を3つ、コンコンコンと打ってから参拝する。まさかのダジャレ的な?

【大国様・恵比寿様】期待できるご利益:五穀豊穣、商売繁盛、福徳開運など
▲右側の大国様は五穀豊穣・福徳開運の神、左側の恵比寿様は大漁満足・商売繁盛の神

同じく、五穀豊穣や商売繁盛の神様といえば「大国様・恵比寿様」。平成9(1997)年の拝殿新築にあたって移築した旧楼門の中に、2体並んだ大きな本彫りの両神様がどっしりと腰を据えています。

女性におススメ、縁結びや安産祈願の神様たち

境内の神社めぐりはまだまだ続きます。聞けば境内敷地はおよそ2万坪。一つひとつの神社をお詣りしていると、さほど疲れることなく歩けます。ここからは女性に特におすすめの神様を紹介します。

【縁結美(えんむすび)神社】期待できるご利益:良縁成就、恋愛成就など
まずは本殿向かいにある「縁結美神社」から。「縁結美神社」は縁結びの成就を願う神社ですが、男女の縁だけでなく、人と人の縁結びにもご利益があると言われています。人間関係に悩めるビジネスマンにもおすすめかも……。
▲願いを込めて結ばれた、沢山の赤い「結び紐」

【梅宮】期待できるご利益:安産祈願、子孫繁栄など
続いては、安産や子孫繁栄の守り神「梅宮」。「梅宮」は、寛保元(1741)年創建という歴史ある社殿で、4体の神様が祀られています。人々の子孫繁栄を願った南部家23代利視(としみ)公が京都梅宮大社の御分霊を祀ったものです。
▲境内には、安産祈願の日がわかりやすく掲示されています

地元在住の筆者は、ふだんは拝殿だけをお詣りすることが多いけれど、こうして境内を歩いてみると、実にいろんな神様が祀られていることを知ってびっくり!次はどんな神様とお会いできるのか、だんだんワクワクして楽しくなってきます。

ちょっとユニークな神社をまとめて紹介!

さて、ここまで5つの神社を参拝しました。境内には全部で12の社がありますが、全部は紹介できないので、ユニークなご利益で人気の社をいくつか紹介しましょう。

【阿国稲荷(おくにいなり)神社】期待できるご利益:習い事や芸事上達、商売繁盛など
こちらは、芸能上達や商売繁盛の神様「阿国稲荷神社」。盛岡芸妓の守り神として盛岡市内の劇場敷地内に造られた社を、平成27年に盛岡八幡宮に遷座しました。盛岡芸妓さんをはじめ、習い事やスポーツの上達を願う学生たちの参拝も多いそうです。

【健康神社】期待できるご利益:健康全般
その隣にあるのが、ストレートな名前の「健康神社」。肺、肝臓、腎臓、心臓、脾臓の五臓の神様、癌神、中風神、健康神、生命神、薬神など、健康にまつわる神様が祀られています。

「以前、スポーツ新聞で紹介された直後、参拝者が増えたことがありました」と高橋さん。「健康神社」という名前そのものが珍しいのだとか。

【高部神社】期待できるご利益:料理の上達、商売繁盛など
そして、料理の神様を祀る「高部神社」。この神様が祀られているのは関東以北では盛岡八幡宮のみ!県内の料理人をはじめ、新婚女性も料理の腕があがることを願って参拝に来るのだとか。今や主夫も多い時代、男女問わず料理上達をめざす人は、ぜひ訪れてみては?
▲勤めを終えた包丁を供養している「包丁塚」も

以上、ぐるりと駆け足でめぐった盛岡八幡宮の神社の数々。紹介した以外にも、干支の神様がずらり祀られた「十二支神社」、学問・受験合格の神様「盛岡天神社」、岩手県出身の戦没者を祀る「岩手護国神社」など、実に多くの神社が集まっているのですから、この上ないパワースポットといえますね。
▲受験シーズンには多くの学生が集まる「盛岡天神社」。「通りゃんせ」は“試験を通る”にかけて!

選ぶのも楽しい、450種ものお守りやグッズ!

ひと通り境内をめぐって沢山のパワーをいただいたあとは、お守りや絵馬などの神社グッズを購入するのも楽しみの一つ。拝殿の脇にずらり並んだお守りや縁起もののアイテムは、なんと450種も用意されているそうです。
▲ずらり並んだお守り(800円~)。9頭の馬が描かれた「うまくいく」お守りは、どんな願いも叶えてくれそう
▲どれにしようか迷ったら、巫女さんに相談してみましょう
▲縁結びのハート鈴(800円)
▲こちらは縁結びの絵馬(500円)
▲鯛を釣りあげる「目出鯛おみくじ」(200円)も人気
▲こんな風にして、鯛を釣りあげます

パワースポットの余韻に浸って、甘味処でひと休み

さて、少し歩き疲れた足を休めたいと思っていると、境内の一角にお休み処「愛名亭 茶欧(あいなてい ちゃお)」を発見。この場所に店を構えて30年以上の同店は、参拝帰りに立ち寄るお客さんだけでなく、ランチタイムは常連客など多くの人で賑わいます。
▲3日間火を入れて麹の甘さを引き出した甘酒(税込410円)

神社帰りといえば、やはり「甘酒」と「お汁粉」が定番(?)のおやつ。そこで、創業当時から愛されてきたという人気メニュー2品をオーダーして、カフェタイムを楽しむことに。麹の甘みを引き出した「甘酒」は、やや冷えた体にじんわり染みてほっとする味。
▲焼きたてのお餅が2つ入ったお汁粉(税込500円)

十勝産小豆をじっくり6時間ほど炊いた「お汁粉」は、甘さと塩加減のバランスがほどよく懐かしい味わいで、神社めぐりの締めくくりにはぴったりでした。

街なかの身近な「お八幡さん」は行事もいっぱい!

たくさんの人で賑わう初詣だけでなく、盛岡八幡宮では古くから続く神事や祭事が年間を通して行われています。毎年1月15日には「どんと祭」「裸参り」、2月3日は「節分祭」「火防祭」を開催。また、9月14日から16日まで行われる「盛岡八幡宮例大祭」では多くの山車が繰り出し、境内は溢れんばかりの人で賑わいます。
▲9月の例大祭で行われる神輿渡御(みこしとぎょ)

訪れた朝は静かな冬晴れの日で、地元の人たちが参詣する姿がちらほら。初詣などの大きな節目に限らず、ゆっくりと境内を歩きながらパワーをいただくのもまた、盛岡八幡宮らしさかも……、そんな思いで鳥居を後にしました。
水野ひろ子

水野ひろ子

岩手県在住フリーライター。行政や企業等の編集制作に関わる傍ら、有志とともに立ち上げた「まちの編集室」で、ミニコミ誌「てくり」やムック誌の発行をしている。 (編集/株式会社くらしさ)

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