400度に熱した石を投入!秋田の「石焼桶鍋」は、豪快な漁師料理だった

2018.02.07 更新

秋田県にはさまざまな郷土料理がありますが、今回はその中でも、インパクト抜群の鍋料理をご紹介します。その名も「石焼桶鍋」。なんと!仕上げに400度に熱した石を投入して調理するんです。そのパフォーマンス見たさに、近年では海外の観光客も訪れるほどの人気ぶり。特注の桶鍋で豪快に調理する様子はSNSに投稿せずにはいられません!

「石焼桶鍋」ってどんな鍋?

石焼桶鍋は、秋田県男鹿地方に伝わる郷土料理。みそベースのだし汁に、近海で獲れた魚介類と旬の野菜をたっぷり入れて煮込んだ鍋料理です。

面白いのはその調理法。秋田杉で作られた桶鍋にスープと具材を入れ、仕上げに熱した焼き石を入れて沸騰させるのです。
▲熱々の焼き石を投入して調理する

本場の男鹿市には石焼桶鍋を食べられるお店がたくさんありますが、今回は気軽に行きやすい秋田市内のお店で、その全貌を探ってきました!

本場・石焼桶鍋を秋田市内で食す!

秋田市内で石焼桶鍋を楽しめるのは、昭和55(1980)年創業の郷土居酒屋「元祖 秋田乃瀧(あきたのたき)」。
秋田市最大の繁華街・川反(かわばた)にあり、秋田の郷土料理をリーズナブルに味わえることから、地元の人はもちろん観光客にも人気のお店です。
▲秋田駅から徒歩約20分

実は、こちらの店主・斎藤育雄さんは石焼桶鍋の本場・男鹿市出身。通年で提供している石焼桶鍋のルーツについて聞いてみました。

「石焼桶鍋は、日本海から戻った漁師が磯のくぼみや岩場で焚火をしたときに、偶然にも浜石の熱によって海水が温まったことから生まれたと聞いています」と斎藤さん。

その発祥には諸説ありますが、船を洗う木桶を鍋代わりにして海水と魚を入れ、そこへ焚火で熱した浜石を入れて調理したところ、熱々の鍋が完成したことから誕生したのだとか。なんとも男らしい発想の鍋です。
▲「石焼桶鍋」2人前・税別2,600円。2人前より(要予約)

そんな石焼桶鍋を目の前で作ってもらうことにしました。
作り方はとってもシンプル。木製の桶鍋に、みそと酒で味を調えたスープを張ります。そこに旬の海鮮具材(取材日はエビ、カニ、ホタテ、イカ、アサリ、パーナ貝、サケ)と肉や野菜(鶏肉、シイタケ、ネギ、みず菜など)をガバーっと投入。お店によって具材の種類は異なりますが、「秋田乃瀧」の石焼桶鍋には豊富な具材がたっぷりと入っています。
▲石焼桶鍋を作ってくれた店主の斎藤さん。大きな木桶に具材を投入する様は、なんともダイナミック!

「うちの桶鍋はとにかく具材が多いところが自慢。みんな満足してくれます」と斎藤さんは話します。

400度の焼き石を入れた瞬間にグツグツと煮えたぎる!

具材を入れた後は、いよいよ焼き石を投入します!石は厨房で400度に熱せられ、鉄のトレーに入れて客席に運ばれてきます。
▲小玉スイカほどのアツアツに焼けた石が登場!

斎藤さんから「いくよ!」「入れるよ!」と言葉をかけられドキドキが止まらない状態に!「お願いします!」
▲石を入れた瞬間、白い湯気が一気に立ち上る!

せっかくなので投入の瞬間を動画でも撮影してみました。

▲この一瞬にしてボコボコ沸騰する瞬間を見たいお客さんがほぼ100%!(フラッシュの点滅にご注意下さい)

石を入れた瞬間、ジュワッジュワ~っとすごい音!海鮮具材は鮮度が高いまま急激に加熱されるため、身が一気に引き締まります。

ちなみに石焼桶鍋は通常、厨房で石を入れてから運ばれてきます。石を入れる瞬間を見たい方は、予約時にぜひ「石を入れるところを見たいです!」とひと言添えてくださいね。
石を投入して約5分。具材に火が通ったところでさっそくいただきます。桶から器によそって、まずスープを一口。言わずもがな、口の中いっぱいに海鮮風味が広がり思わず目を閉じてしまいます。ゴボゴボ沸騰して熱そうに思えたけれど、ちょうど良い温度で、カニ、エビ、アサリとなんともぜいたくな味わいです。

「秋田のおいしいお酒もすすみますよ」と斎藤さん。
▲1杯目は斎藤さんおすすめの地酒と一緒に

さらに時間が経つと魚介類のエキスがジュワーッと溶けてくるので、お代わりする度にスープが濃厚になって、その味の変化を楽しめるのも魅力です。石の保温効果は抜群で、石を桶鍋の端にゴロゴロ寄せながら最後まで温かく食べられるのもうれしいところ。
▲まだまだ熱い石は保温効果もあり、2杯目、3杯目も熱々で食べられる

食べすすめると鍋底にホタテの大きな殻が入っていました。実はこの殻、秋田杉で作られている桶鍋が石で焼けないようにするため最初から下に敷いているのだそうです。
▲2杯目には、1杯目ではよそいきれなかったサケやパーナ貝も。具材の種類が多いのでお代わりもたのしみに

2人前なら、2人で3回ずつはお代わりできるので、ボリューム満点!魚介、肉、野菜とそれぞれ食感も風味も異なり、一つ一つの食材から旨みが口の中にジュワーと広がります。一口ごとに思わず「おいし~」がこぼれます。

〆には、追加で雑炊かうどん(ともに税別250円)を頼むこともできますよ。
▲みんなでおいしくいただきました

「石焼桶鍋」は単品で注文できますが、観光で来た方におすすめなのは、この石焼桶鍋も楽しめる税別5,000円のコース(2名より・飲み放題付き)。前菜・小鉢・お刺身・煮物・揚げ物・漬物・石焼桶鍋・デザートと盛りだくさんです。
「秋田乃瀧」では秋田の地酒も多くの銘柄を取りそろえています。今回石焼桶鍋と一緒にいただいたのは、斎藤さんおすすめの純米酒「太平山 生酛純米(左)」(300ml・税別750円)と「高清水 純米生貯(右)」(300ml・税別750円)の2種類。鍋と合う自分好みの味を見つけながらいただくのも、「美酒王国・秋田」の楽しみ方のひとつです。
▲1階カウンター席。常連さんも観光客もこの雰囲気に日本酒がすすみそう。2階にはお座敷の個室もある
▲レトロな雰囲気を演出するポスターもいい感じです
▲多言語会話シートがあるので外国人も気軽に来店することができそうです

寒い時期も海の幸が豊富な秋田県だからこそ生まれた、石焼桶鍋。そのルーツにも思いをはせながら、地酒と一緒に秋田の味をぜひ味わってみてください。
Team Clover Plus

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秋田の企画・編集プロダクションです。秋田県内・東北エリアを中心に、主に秋田の食ネタ、農業ネタ、食材ネタ、観光ネタなどを取材しております。イイモノいっぱいの東北が、秋田が、たくさんの方に伝わりますように。よろしくお願いします。

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