薩摩切子がグッと身近に!自分でも作れちゃうアクセサリー「ecoKIRI」がかわいすぎっ♡

2017.11.22

鹿児島の伝統工芸品「薩摩切子」。中でもアクセサリーは、「手軽に切子特有の上質なキラキラ感を楽しめる」と大人気なんです。そんな薩摩切子のアクセサリーを自分で作れる工房があると聞き、早速行って来ました!

薩摩切子に新たな風を呼び込む「霧島切子」

鹿児島市内から車で約1時間。霧島市に工房を構える「ガラス工房 弟子丸(でしまる)」を訪ねました。代表兼切子師の弟子丸努氏は、その道30年以上になる大ベテラン。長い間製造が途絶えていた薩摩切子を復興させるプロジェクトにおいて、切子師の第1期生になった人物です。
自ら工房を構えたのは2011年のこと。伝統的な技法をトレースするだけではなく、自ら高めた技術で薩摩切子に新たな価値を見出すことをポリシーとしています。それを体現しているのが、「霧島切子」です。
▲薩摩切子の新潮流「霧島切子」。伝統とモダンが融合した斬新な文様が特徴

これまでの薩摩切子にはなかったブラックやクリスタル(透明)といった新しいカラー展開や、伝統的な文様と斬新でモダンな文様を組み合わせた独自のデザインが霧島切子の特徴。特にブラックの霧島切子は、スタイリッシュでとってもかっこいいですよ!

かわいいだけじゃない!豊富なバリエーションも「ecoKIRI」の魅力

霧島切子と並んで弟子丸が取り組んでいるのが、薩摩切子の廃材で作るアクセサリー「ecoKIRI(エコキリ)」です。女性向けのアクセサリーはもちろん、ゴルフマーカーやカフス、ループタイといった男性向けのアイテムもあり、全14種類のラインナップ。そしてカラーは単色6色、グラデーションが美しい二色被(かぶ)せ3色の全9色展開です。
▲左上から時計回りにヘアゴム(単色)3,780円、ペンダント小(単色、チェーン別売り)4,320円、帯留小(二色被せ)6,480円、ヘアピンともに4,320円(二色被せ) 

ecoKIRIの生地(きじ)は、薩摩切子の廃材です。そもそも薩摩切子は、色ガラスと透明ガラスを別々に溶かし、まず色ガラスを型に吹き込んで、その中に透明ガラスを流し込むことで2層の色ガラスを作ります。これを「生地」と言い、すべての薩摩切子のベースとなります。
▲廃材(右)をカットし(中の右)、電子炉で熱を加えて成型してできた生地(中の左)に文様をつけるとアクセサリー(左)ができる

このecoKIRI、もちろん購入しても良いのですが、弟子丸では日曜限定でカット体験(3日前までに要予約、所要時間約40分・6,480円)もできます。県内で薩摩切子のカット体験ができる工房は珍しいので、筆者も挑戦してみることにしました。

アクセサリー作り体験スタート!

▲下簗(しもやな)さんのアドバイスをもとにイメージを膨らませて生地を選んでいく

体験のサポートをしてくれるのは、ecoKIRIの製造を担当する下簗友太(ゆうた)さん。筆者は超がつくほど不器用で、内心不安でいっぱいでしたが、「失敗しても修整できるから大丈夫ですよ」という下簗さんの言葉にホッとしつつ、いよいよ体験スタートです。

まずは作るアクセサリーを決めます。一番人気は使い勝手の良いヘアゴムだそうですが、筆者は髪が短いため、ヘアピンをチョイス。

次に色・サイズ・形の異なるたくさんの生地の中から好きなものを選びます。この体験では練習もさせてくれるので、練習用と本番用の2つの生地を選ぶことができますよ。
▲シンプルながら贅沢なカットが印象的なピアスも人気

色で迷いがちですが、下簗さん曰く、意外と大切なのはサイズ。小さい生地ほどカットするのは難しく、かといって大きすぎると使い勝手が悪くなる場合もあるとのこと。体験では、下簗さんが最適なサイズをアドバイスしてくれるので安心です。

そして最後に文様のデザインを決めます。デザインは基本的に自由。中には自分のイニシャルをアレンジしてカットする人もいるそうです。筆者は「伝統的な文様の中でも比較的挑戦しやすい」という下簗さんのアドバイスを信じて「菊紋」をベースにしたデザインにしました。
▲筆者は二色被せ・蒼黄緑(あおきみどり)の生地をチョイス

生地が決まったところで、カット工具「ダイヤモンドホイール」のある場所に移動します。この部屋はちょっと暗め。というのも、薩摩切子は外側を覆う色ガラスを削ることで透明ガラスの部分が浮かび上がり、文様となります。そのため、手元にLEDライトを当てて削った部分を浮かび上がらせ、確認する必要があるのです。部屋が暗いと削った部分がより見やすくなるというわけですね。

まずは下簗さんがお手本を見せてくれます。
ダイヤモンドホイールに生地を押しつけるようにして削っていきます。薩摩切子の生地は透明なガラスと色ガラスの2層(二色被せの場合は3層)仕立てになっているので、外側の色ガラスを削って透明ガラスに到達すると白い線が浮かび上がります。この線が文様になるのです。
▲ダイヤモンドホイールは、手が触れても怪我をすることはないので安心

さぁ、次は筆者の番。いよいよこの時がやってきました。緊張の一瞬です。
菊紋は、縦・横・斜めに線をクロスさせるように削っていきます。

まずは縦に線を引くようにカットします。下簗さんはいとも簡単に削っていましたが、実際にやってみるとこれがなかなか難しい!小心者のせいか、ホイールにグッと押しつけることができず、生地がグラグラ動いてしまいます。

「白い線が浮かび上がるまでは生地を動かさず、しっかり固定して削ってください」と下簗さん。少しでも気が逸れると線が歪んでしまうため、この小さな生地にすべての意識を集中させます。
線を引くたびに光に照らして確認します。エッジをきれいに出さなくてはならなかったり、繊細でありつつも思い切りの良さが必要だったりと、薩摩切子のカットは何となく書道に似ている気がします。
縦・横・斜めに線を引くだけだと少し寂しい感じがしたので、外側の隙間に点を足してみることに。下簗さんのお手本と比べてみると雲泥の差ですが、ひとまず自分の力は出し切りました。
仕上がったものを下簗さんにチェックしてもらいます。筆者は全体的にカットが浅すぎたようです。薩摩切子はカットから生まれるボカシ(グラデーション)が魅力。カットが浅いとボカシはきれいに出ません。とはいえ、これ以上自分でカットすると、線が太ってしまいそうだったので、下簗さんに修整していただくことにしました。
下簗さんに修整していただくと、驚くほど雰囲気が変わりました。深くカットすることで立体感が増して、とても華やかになりました。あまりの美しさに感激!
▲修整前よりエッジが整って文様がくっきりと浮かび上がった

カット体験では、このように仕上げの修整をお願いするケースがほとんどだそうです。

練習用と本番用の生地のカットが終わったら、体験は終了です。生地はこのあと何度も研磨しなければならないため、出来上がるのは1ヵ月半後。首を長くして待ちましょう。

ただ、練習用はそのまま持ち帰ることができます。裏にマグネットシールを貼ったり接着剤で手持ちのピンにつけたりと、思い思いのアレンジを楽しめますよ。

1カ月半後、とうとう完成!

さてさて、筆者のヘアピンはどうなったかというと、思った以上に美しく仕上がりました。もちろん下簗さんに修整していただいたおかげなのですが、「自分がカットした」という達成感があります。
▲薩摩切子ならではのキラメキと存在感にうっとり♪

筆者が選んだ二色被せの蒼黄緑というカラーは、明るいグリーンと新芽のようにフレッシュな黄緑色のグラデーションが楽しめます。爽やかな色合いと薩摩切子ならではの高級感に思わずうっとり…。カラーによって雰囲気がガラリと変わるので、色違いで作ってみたくなります。
▲好みの色だけでなく髪型やファッションによって色を選んでみては

弟子丸のギャラリーには様々なアクセサリーがディスプレイされているので、デザインの参考にしても良いですね。なお、体験する際のデザインは自由ですが、生地の外側をカットするのは非常に高度な技術が必要とされるため、星やお花、クロスなどの形にしたい場合は内側だけカットして、外側のカットは切子師にお任せしましょう。
▲ギャラリーに展示されているものは購入可能
▲ペンダント小(単色)4,320円~ ※チェーン別売り

薩摩切子や霧島切子は高価なので、買うには少し勇気が要りますが、ecoKIRIならトライしやすいはず。さらにアクセサリーは身につけられるので、薩摩切子がグッと身近に感じられます。
これまでに3歳の子どもから80代のお年寄りまで幅広い年齢層の人々が体験しているという「ecoKIRI」作り。鹿児島旅行の記念に、または大切な人へのプレゼントとして、世界に一つだけのアクセサリーを作ってみませんか?
※記事内の価格・料金はすべて税込です
さわだ悠伊

さわだ悠伊

鹿児島市出身・在住のフリーライター。グルメ、旅、コラム等ジャンルや媒体を問わず活動中。鹿児島県内の離島取材も豊富。

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