名古屋に来たら「えびせん」食べよまい!愛知県でえびせんべいのルーツを徹底解剖

2018.02.21 更新

えびせんべいの生産・消費量がとても多いと噂の愛知県。名古屋名物エビフライのイメージもありますし、名古屋の人は無類のえび好きなんでしょうか?今回は、名古屋(愛知)に根づくえびせんべいの文化を探るため、“ゆかり”で有名な「坂角総本舖」、老舗「桂新堂」、オリジナルえびせんべいを作ることができる「えびせんパーク」の3店を訪れました。

▲坂角総本舖の「ゆかり」

「ゆかり」で全国に名を馳せる「坂角総本舖」

お茶うけに、ビールのおともに、女性だけでなく男性にも喜ばれる贈答品として名高いえびせんべい「ゆかり」を求めて、まずは愛知県東海市にある坂角総本舖・本社工場売店へやってきました。
▲本社工場売店

店内に入り、さっそくえびせんべいの歴史をリサーチ。お店の方によると、江戸時代に横須賀(現在の愛知県東海市)の漁師が浜で獲れたえびをすり身にして火で炙って食べていた「えびはんぺい」が「えびせんべい」のルーツなのだとか。
1666(寛文6)年に尾張藩主の徳川光友公がその味を絶賛して以降、徳川家への献上品にもなった「えびはんぺい」。その後、貯蔵できる天日干しの「生せんべい」に進化し、坂角総本舖の創業者である坂角次郎(ばん・かくじろう)氏が工夫を重ね、1889(明治22)年に炭火で焼き上げる「えびせんべい」が完成。これが現在の「ゆかり」の原形なのだそう。
▲名古屋地区限定販売の「ゆかり黄金缶」27枚入・2,656円(税込)

おみやげにもオススメなのがこちら。
名古屋のシンボルといえば、名古屋城の屋根を飾る金のしゃちほこ。
金色に輝く名古屋地区限定販売の「ゆかり黄金缶」は、見るからに名古屋らしくて惹かれます。
「ゆかり黄金缶」は、1缶につき5円(ご縁)を、名古屋城本丸御殿の復元のために寄付しているのだそう。
▲坂角総本舖の工場では、1日平均約20万枚ものゆかりが焼かれているそう

ストレートにえびを感じる「ゆかり」。頭や尾・殻などは一切使われておらず、1枚のゆかりには丁寧にむいた約7尾ものえびの身のみが使われています。
▲「ゆかり」をはじめ、さまざまなえびせんべいを購入できます
▲右は煎餅型のレプリカ。1955(昭和30)年ごろまで、職人さんがこのような鋳物の型を使って直火でえびせんべいを焼いていたそう。左は当時の店舗に使われていた欄間
▲お店を訪れたお客さんに心温まるおもてなし

本社工場の売店では、お店を訪れたお客さんに「ゆかり」とお冷・おしぼりのサービスがあります。
心温まるおもてなしにほっこり!
喜ばれることを喜びとする伝統的な贈答文化が根づく日本。その伝統を紡ぐ一助を担ってきたのが、名古屋を代表する銘菓「えびせんべい」なのかもしれません。
▲お買い物をしながら「ゆかり」とお冷でホッとひと息!

そしてなんと本社工場売店では工場稼働日の14時以降、その日にできたばかりのゆかりを購入することができるんですよ~。
さっそくできたての「ゆかり」をGETしちゃいました!
▲できたての「ゆかり 工場できたて便」8枚入・691円(税込)

ん~!
袋を開けた瞬間にふわぁ~と広がる芳ばしく豊かなえびの香りは、できたてならでは。

噛みしめるたびに鼻にぬけるえびの香りが、えびせんべい好きにはたまりません!
ザクザク…ボリボリ!
「ゆかり」の魅力のひとつが、この噛みごたえのある食感。
いや~!助けて~!止まらない~!

美しいえびの姿焼きは芸術品!老舗の名店「桂新堂」

続いて、JR・名鉄・地下鉄が乗り入れる金山駅の目の前にある、創業150余年を誇る名店・桂新堂本店を訪れました。
▲金山駅前の「桂新堂本店」

桂新堂のえびせんべいは、国産えびにこだわり、美しい姿そのままに焼き上げるなど、えびそのものの魅力を活かす技法が特徴。素材を選び抜く目利き、鮮度を保つ工夫、えびの姿を活かすさばきの腕、美味しさの決め手となる焼き、そのすべてに熟練の技が生きています。
▲桂新堂の代表作品「海老づくし」

上の写真の左から時計回りに、甘えび・芝えび・ぼたんえびの炙り焼き、甘えびの姿焼き、甘えびの浜焼きと赤えびの渦巻き、甘えび・車えびの踊り焼きと、赤えびの渦巻き。
どれもが手間ひまかけて作られる逸品です。
▲えびが波の上をピチピチと跳ねているよう!

美しい姿のえびせんべいは、食べてしまうのがもったいないほど。
沖縄・九州・和歌山など、恵まれた環境で育てられた車えびと、北海道の広い海で育まれ、エビカゴ漁で水揚げされた甘えびたちが、生きたまま大切に大切に運ばれ、熟練の職人の手によって焼き上げられます。
▲「海老づくし」11袋と2カップ入・3,240円(税込)
▲定番のえびせんべい以外にも季節限定のものが並ぶ店内

ショーケースを彩る美しい姿のえびせんべいに、テンションが上がります!

桂新堂本店の御食事処「百福庵」でえび三昧!

そして、桂新堂本店の地階にある御食事処・百福庵(ひゃくふくあん)では「海老まぶし膳」という、えびづくしのお食事がいただけるんです。

席に着くと、桶の中でピチピチと跳ねる活き車えびが運ばれ、お刺身にするか塩焼きにするかを聞かれます。どちらも魅力的ですが、今回は塩焼きを選択。
なんとこの活き車えびは、えびせんべいに使われるものと同じものだそう。
▲桂新堂の御食事処「百福庵」

わ~ぉ!
運ばれてきた「海老まぶし膳」のお料理たちが美しすぎ!
車えび・甘えび・桜えびなどの素材が、桂新堂オリジナルのだしで調理されています。
それぞれにえびの旨みと風味が活きた絶品料理。えびへのこだわりや愛情までもが伝わってきます。
▲「海老まぶし膳」2,160円(税込) ※数量限定。料理の内容は予告なく変更される場合があります

上の写真の手前「活き車えびの塩焼き」は、頭から尻尾まで食べられますよ~。
「えびが、あまぁ~い!!!」

メインの「海老まぶし」の食べ方をご紹介しましょう。
▲贅沢に車えびが散りばめられた「海老まぶし」。ご飯の中にも赤えびそぼろが入っています

まず、1膳目はそのまま車えびとご飯の中に入った赤えびそぼろの旨みを楽しみ、2膳目はだし醤油に柚子胡椒などの薬味を加えて、3膳目はほんのり温められた玉子をまぶして、4膳目にだし汁をかけていただきます。
うなぎのひつまぶしと食べ方が似ていますが、それにはない玉子かけごはんがことのほかまろやかで美味しいと人気なのだとか。
▲最後は、だし汁をかけてサラサラっといただきます

「海老まぶし」は、かなりのボリューム。
でも食べ方を変えることで、ぺろっといけちゃいます。

「海老まぶし膳」は、前菜として活き車えびの料理と玉子焼きが運ばれ、食べ終わるのを見計らって椀物、吸物、海老まぶし、最後に季節のえびせんべいが順に運ばれてきます。
食事には約1時間ほどかかるので、ゆったりとした気分でえびづくしのお料理を楽しみましょう!

えびだけでこんなに楽しめて幸せな気分になれるなんて思いませんでした。
えび好きには外せないお店ですね!

オリジナルえびせんべいが作れる「えびせんパーク メイカーズピア店」

最後にご紹介するのは、名古屋市港区のレゴランド®・ジャパンすぐ近くにあるメイカーズピア内の「えびせんパーク」。
メイカーズピアは、さまざまなモノづくり体験ができるショップや、レストラン・カフェなど、多くの店舗が立ち並ぶショッピングモール。こちらのえびせんパークでは、オリジナルのえびせんべい作りが楽しめるんです。
えびせんパークに到着です。店内は広々!ベビーカーを押しながらでも余裕でお買い物ができそう。
それではさっそく、えびせんべい作りに挑戦したいと思います。
体験スペースで、知多の工場から直送の大きな丸いえびせんべいを受け取り、3色の食用絵の具で絵を描きます。
▲オリジナルえびせんべい作り1枚・600円(税込)

オリジナルえびせんべい作りにかかる時間は約20分。体験の実施時間は11:30~15:00、予約優先で先着30組までです。
▲絵を描いたら、軽く炙り焼きをします。裏面がほんのりきつね色になったら完成!
▲童心に返って楽しんじゃいました!

焼きあがったえびせんべいは、数種類のラッピング袋から好みのものを選び、おみやげとして持ち帰ることができます。
えびせん作りのあとはゆっくりお買い物!
えびせんパークの店内には、地元産のえびを使ったえびせんべいなど、たくさんの種類のおせんべいが並んでいますが、どれも試食用のものが用意されているので、自分好みのものが見つけられて嬉しい!

休憩スペースもあるので、疲れた足を癒やしながらショッピングを楽しめますよ。
そして、ここえびせんパーク メイカーズピア店では、名古屋名物の「たません」がテイクアウトできるんです。もちろん休憩スペースで食べるのもOK!
ところで、「たません」ってなんでしょう?…初体験にワクワクします!
▲カラフルな椅子が並ぶ休憩スペース

「たません」は、少し崩した目玉焼きを大きなえびせんべいではさんだもので、お好み焼き風の甘辛いソースとマヨネーズがかかっています。名古屋周辺では駄菓子屋さんやお祭りの屋台などで売られているおやつなのだそう。

これが想像以上においしい!
誰がはじめに考えたのでしょう?
…グッドアイデアです!
▲これが噂の名古屋名物「たません」300円(税込)。中には食感の違うえびせんべいを挟むという心にくい演出も

えびせんパークの「たません」にはシャキシャキキャベツも入っていますよ~。
名古屋といえば「えびせんべい」!
伊勢湾・知多湾・三河湾と豊かな海に囲まれ、昔から新鮮で美味しいえびに恵まれている土地で、えび好きにならずにはいられないはず。
そして、手間ひまかけてつくられるえびせんべいを贈り、喜んでもらうことが喜びとご縁をつなぐ文化もまた名古屋らしさなのかもしれません。
名古屋へ来たらぜひ、今も受け継がれるえびせんべいの文化を体験してみてはいかがでしょう。
Yukitake

Yukitake

三重の雑誌「Edge」をはじめ、さまざまな雑誌・情報誌において、グルメ・観光などの記事を執筆。女性目線の取材とソフトな文体を大切にしています。

※本記事の情報は取材時点のものであり、情報の正確性を保証するものではございません。最新の情報は直接取材先へお問い合わせください。
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