そばの本場・安曇野でおしゃれなガレット&本格的なそば打ち体験

2017.11.21 更新

長野県で外せないグルメと言えば「信州そば」。食べるのはもちろん、自分で作ってみるのも楽しいものです。そば処・安曇野にある「体験倶楽部 道祖神(どうそじん)」では、本格的なそば打ちだけでなく、そば粉を使ったガレット作りなど、ちょっと珍しい体験も可能。自分で打ったそばの味わいは格別ですが、秋の新そばシーズンは一段と香り高くおいしいそばやガレットが味わえますよ。

雄大な北アルプスを望み、水に恵まれた安曇野市

北アルプスのふもとに広がる長野県安曇野市。県の中央部に広がる松本盆地の北西部に位置し、3,000m級の山々から流れる清らかで豊富な雪解け水は地下水となって、安曇野市内のあらゆる場所で1日70万tも湧き出しています。その豊かな水によってさまざまな農産物が育まれていますが、そのひとつがそば。信州そばの名店も数多くあり、秋になると新そばを求めて多くの観光客がこの地を訪れます。
▲北アルプス山麓に一面のそば畑が広がる安曇野市

そんな安曇野で、そば打ちやガレット作りを体験できるのが「体験倶楽部 道祖神」。JR大糸線・柏矢町(はくやちょう)駅から徒歩5分ほど、長野自動車道・安曇野ICからも車で10分ほどというアクセス良好な場所にあります。
▲ややわかりづらい場所にあるが、駐車場のこの看板が目印
▲平屋の戸建住宅のような佇まいの「体験倶楽部 道祖神」

まずはガレット作りに挑戦!

ガレットとは、そば粉を使ったクレープのこと。フランスの北西部、ブルターニュ地方が発祥の郷土料理です。小麦粉で作るクレープは、甘い生地にフルーツやクリーム、チョコレートなどをのせてクルクルと巻いたデザートが一般的ですが、そば粉で作るガレットは塩気があり、本場フランスではランチやディナーとして親しまれています。
▲食事として食べられるガレット。生地を四角く折りたたみ、ナイフとフォークで食べるのが基本

今回は、そんなガレット作りにチャレンジ!
講師でオーナーの小林弘忠さんは、以前は市内の公民館を使って体験教室を開いていましたが、2016年11月に現在の場所に移転しました。
▲そば打ちに魅了され、そば打ち体験施設でのインストラクターやホテル併設のそば屋での勤務を経て独立した小林さん

小林さん曰く、一番人気はそば打ち体験だそうですが、20分ほどで作れるガレット作りは初心者にもやさしく、ファミリー層にも人気とのこと。1人1枚を焼き、料金は1人1,500円 (税込)。申し込みは2名からで、エプロンや道具はすべて用意されているので、手ぶらで体験可能です。

それでは、いざ、ガレット作りスタート!まずは用意されている粉に水を加え、泡だて器でよく混ぜて生地のタネを作ります。
▲使う食材はこちら。野菜やハムなどの具材も用意されている
▲そば粉と小麦粉をミックスした粉に水を加えて混ぜる

そして、油を引いて熱したフライパンに一気にタネを流し入れます。
▲フライパン全体にタネが行き渡るように薄く広げ、弱火~中火で、具材をのせるまで4~5分ほどかけてゆっくりと焼いていく

クレープと違って、焼くのは片面のみ。生地の周囲が焼け始め、次第に浮き上がってきたら中央に具材をのせていきます。
▲まずは中心部に卵を落とす
▲続いて、卵の周辺にハムとチーズを並べる

「卵の近くに他の具材を置くと、最後に四角く折る時に楽ですよ」と小林さん。数分でチーズが溶けてくるので、生地に焼き色がついたら四角形になるよう四方を折り曲げます。
▲フライ返しを使って四隅を内側に折りたたみ、ガレットの基本スタイルに成形

四角く形を整えると、一気に本場のガレットのように!見た目からは高度な技術を要しそうなガレットですが、生地を焼きながら具材をのせるので手間もかからず、思っていた以上に短時間でできました。子どもでも気軽に体験できるというのも納得です!
▲完成したガレットはお皿に移し、添え物のカイワレやミニトマトをトッピング。ここでセンスが問われそう!
▲今回はお皿を持参しておしゃれに盛り付け。チーズとハム、卵のガレットは、本場では「ガレットコンプレ」とよばれ、一番シンプルな定番スタイルなのだそう

それでは、いざ実食!生地はそば粉の風味をしっかりと感じ、もちっとした食感で食べ応え満点。麺にして茹でたそばの味わいとは異なり、焼いたそば粉の香ばしさはまた違った深みがあります。半熟の卵やチーズの塩気もよく合います。
▲とろりと流れた黄身に生地をディップ

生地からそば粉の香りが口いっぱいに広がり、最高の味わい!お腹がいっぱいになった上に、ガレットならではのおしゃれな雰囲気も相まって大満足。そば粉の新たなおいしさや可能性も実感しました。

本格的なそば打ち体験にもチャレンジ!

ガレットが意外と短時間で完成したため、せっかくなので、ちょっと難易度の高いそば打ち体験にもチャレンジすることに。1人前は約170~180gの大盛り程度で、所要時間は試食も含めて2時間ほど。料金は1,650円(税込)で、こちらも申し込みは2名からです。

打つのは、長野県産のそば粉8割に対して2割の小麦粉(強力粉)を使った「二八そば」(時期によって北海道産のそば粉を使用する場合もあり)。そばの風味もしっかりと感じつつ、つるつると喉越しがよい食感も楽しめる分量のそばです。
▲まずは用意されたそば粉と小麦粉をふるいにかけながら鉢に入れる

ふるった粉はさらさらとした手触り。その粉に、3回に分けて水を入れ、粉と混ぜ合わせていきます。
▲水が一カ所に溜まらないように回しながら入れる

水に粉を乗せるように指先を使って軽く混ぜ、次第に大きく荒々しく混ぜていきます。水と粉が均一に混じっていないと、茹でる時に切れてしまうそう。
▲両手でたっぷりと粉をすくってすり合わせ、荒いパン粉のような状態にする

「そばは時間との勝負なので作業は早く」と小林さん。次に2回目の水を入れて同じ作業を繰り返し、今度は細かいパン粉のような状態にまで仕上げます。
▲少しずつ白かった粉が茶色っぽくなり、ふわっとそばの香りが漂ってテンションがアップ!

粉に白っぽい部分があれば、水が回っていない証拠。白い部分がなくなるようにすり混ぜ、3回目の水を入れたら指先で小さい団子状の塊を作り、その塊を徐々に大きくしていきます。耳たぶくらいの固さになったらひとつに丸めていきます。
▲鉢の傾斜を利用しながら親指の付け根を使って200回(!)こねる。小林さん曰く「頭に来ている人の顔を思い浮かべながら力を入れるといい」のだとか(笑)

こねることで粉っぽさがなくなり、コシが出て喉越しがよくなるのだそう。「菊練り」「へそ出し」という空気を抜く仕上げの作業は小林さんが行ってくれます。
▲十分に練った生地は、まるで赤ちゃんの肌のように滑らかでツヤがある

そば玉が完成したら、両手の平でつぶしながら丸く平たく広げ、グーの手を綿棒の上に置き、円形を大きく広げていきます。
▲生地を回転させながら綿棒で薄く丸く伸ばす「丸出し」をし、次に四角形に仕上げる「角出し」へ。均一な厚さに伸ばしていくのは難しい!
▲1mmほどの厚さになったら、打ち粉をしながら折りたたむ

たたんだ生地を、そば切り包丁で切っていきます。包丁は深く握ったほうが力が入り、前方にややスライドさせるように切ると、1本1本がしっかりと切れるそうです。
▲生地の上に「こま板」を乗せて左手で軽くおさえ、包丁の重量と刃の鋭さを生かしながら板の側面に沿って切る。リズム感が大切だそう
▲切り終えたら、茹でる体験も。1mmほどの太さなら、茹で時間は約40秒。麺が太い場合は、その分、時間がかかる

茹でた麺は流水でぬめりを取りつつ、余熱で茹ですぎないよう冷やし、ざるに盛り付けて完成!ガレットに比べ、より高度な技術が必要で時間もかかる分、完成した喜びはひとしおです。

それでは、自分が打ったそばに舌鼓。ここでは、安曇野産の天然わさびを自分ですりおろして食べられるのも特徴!わさびの名産地である安曇野ならではの贅沢です。
▲実はうまく切れていない太い麺もあったものの、香り高い安曇野産わさびが添えられたことで一気に名店のそばのように!
▲太い麺はご愛嬌…

いざ実食!打ち立て茹で立てのおいしさに“思い入れ”も加わり、やはり自分で打ったそばは格別です。さらに、本わさび独特のツンと抜けるさわやかな辛味は極上の味わいです。
▲小林さんのおすすめは、すりおろしたわさびを直接そばにつける食べ方。そばの味わいにダイレクトにわさびの風味が加わるおいしさを実感!

なお、冬季はそばの持ち帰りも可能とのこと(要相談)。年末には年越しそばを自分で打ちに訪れる人も多いそうです。

信州の郷土食・おやき作り体験も!

さらに「体験倶楽部 道祖神」では、信州の郷土食であるおやき作りも体験できるのです。粉から生地を練り、4種の具材(野沢菜、ネギ味噌、かぼちゃ、あんこ)の中から好きな具を包んで丸く成型して焼きます。1人あたり6個作って、料金は2,500円(税込)。残ったおやきはお土産に持ち帰ることができます。
▲信州を代表する郷土食・おやき。蒸し焼きにし、表面がきつね色になったら完成!
雄大な北アルプスを望み、登山やキャンプなどアウトドアが盛んな地でもある安曇野市。多彩なアクティビティーとともに、信州ならではの料理体験を「体験倶楽部 道祖神」で楽しんでみてはいかがでしょう。
▲日本一のわさびの産地としても知られる安曇野市。市内には日本最大級のわさび園である「大王わさび農場」もある
島田浩美

島田浩美

編集者/ライター/書店員。長野県出身・在住。信州大学卒業後、2年間の海外放浪生活を送り、帰国後、地元出版社の勤務を経て、同僚デザイナーとともに長野市に「旅とアート」がテーマの書店「ch.books(チャンネルブックス)」をオープン。趣味は山登り、特技はマラソン。体力には自信あり。(編集/株式会社くらしさ)

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