日本有数のパワースポット!諏訪大社の参拝は四社めぐりがおすすめ
長野県の中央部“諏訪湖エリア”に境内地を持つ「諏訪大社」は、古事記の中にも登場する由緒正しき神社。その起源は1500~2000年ほど前ともいわれています。全国各地にある諏訪神社の総本社としても名を馳せる存在ですが、実は4つのお宮から成っていることをご存じでしょうか?今回は、そんな諏訪大社四社の見どころを一挙ご紹介。諏訪大社をお参りするならば、ご利益をたっぷり授かれる四社めぐりがおすすめですよ。※本記事の情報は取材時点のものです。最新情報は直接施設にお問い合わせください。

ボランティアの市民ガイドさんと共に四社めぐり
今回は、界隈の観光スポットや歴史に詳しい「諏訪湖エリアまちなか観光案内人」のガイドさんに、四社めぐりを案内していただくことに。ガイド料はお客さん1人につき1スポット税込200円(1時間まで)。完全予約制(4月~10月は9:00~16:30終了、11月~3月は9:00~16:00終了のツアーを予約できます)ですが、1人税込800円でガイド付きの四社めぐりを楽しむことができます。

ちなみに、諏訪大社の4つのお宮はすべて同格なので、「この神社からまわるべき」といった順路はないそうです。が、下社(春宮・秋宮)から上社(本宮・前宮)までは車で30分ほどかかるため、それぞれセットで参拝するのがよいとのこと。そこで、まずはガイドの有賀さんに、下社の2社を案内していただきました。
【下社春宮】見事な彫刻が施された幣拝殿に注目!

「“諏訪大明神”の名で親しまれている建御名方神は、出雲大社の御祭神『大国主命(おおくにぬしのみこと)』の息子。かつては軍神として崇められたことから、現在も、勝運や開運にご利益があるといわれています」と有賀さん。しかも、坂上田村麻呂や源頼朝、武田信玄、徳川家康といったそうそうたる面子も崇敬していたのだというから、そのご利益を確信せずにはいられません。

「また、雨や風、水の守り神としての信仰も古く、農業の守護神としても知られています。ご夫婦でお祀りされていることから、縁結びや子授けのご利益なども期待できるそうですよ」と有賀さん。まさにご利益のオンパレードですね!

ところで、諏訪大社は本殿を持たない神社(前宮を除く)であることはご存じですか?御神体は自然そのもの。春宮では御神木である杉の木に神様が宿るとされています。幣拝殿(へいはいでん)と呼ばれる社殿の奥に御神木が立つため、参拝はこちらで行うのが一般的のようです。幣拝殿には素晴らしい彫刻が施されているので、ぜひ注目してみてくださいね。



また、諏訪大社と言えば忘れてはならないのが“御柱(おんばしら)”の存在。四社それぞれの境内には社殿を囲むように4本の御柱が建てられていて、春宮では、そのうちの2本を間近で見ることができます。

春宮参拝の後、参道の真ん中にある不思議なスポットにも案内してもらいました。
「下馬橋(げばばし)と呼ばれるこの橋は、神様の通り道。下社では年に二度(2月・8月)、春宮と秋宮の間を神様が行き来する『遷座祭』という神事が行われていて、その時にだけこの橋が使われます。当日は、御霊代(みたましろ)を乗せた神輿(みこし)がこの場所を通り、参道の真ん中や神楽殿の真ん中を通って、社殿へと進んでいくんですよ」(有賀さん)


時間のある方は、ぜひ下馬橋までじっくりご覧ください。
諏訪大社 下社春宮
長野県諏訪郡下諏訪町193
参拝自由(社務所は9:00~17:00)
[定休日]なし
0266-27-8316
春宮参拝とセットでまわりたい!「万治の石仏」と「おんばしら館 よいさ」
「その昔、春宮の大鳥居奉納を命ぜられた石工が巨大な石にノミを入れたところ、血が流れ出たといわれています。伝説によると、その祟りを恐れ、石に阿弥陀如来を祀ったのがこの石仏とか。万治3(1660)年の文字が刻まれていることから、この呼び名が付けられました」(有賀さん)。

万治の石仏
長野県諏訪郡下諏訪町東山田(諏訪大社下社春宮付近)
0266-26-2102(下諏訪観光協会)
そもそも御柱祭とは、数え年で7年に1度、寅(とら)と申(さる)の年に行われる天下の大祭。社殿の四隅にあるモミの大木を建て替え、それぞれの宝殿を新築する(前宮を除く)お祭りです。その大木を山から人力で運ぶ際に行われるのが、木にまたがって急な坂を猛スピードですべり下りる「木落し」や、冷たい川を渡る「川越し」。ハイライトの多い、勇壮な祭りとして知られています。


今から1200年ほど前にはすでに行われていたとされる御柱祭。その盛り上がりは今なお衰えることなく、祭りに参加する氏子の人数は26万9千人にものぼるといいます。その迫力や、祭りにかける諏訪の人々の熱い想いを知ることで、諏訪大社の境内に建てられている御柱を見る目もきっと変わることでしょう。
「万治の石仏」も「おんばしら館 よいさ」も、希望すればガイドさんと一緒にまわることができますよ。館内にも専門のガイドさんがいるそうです。
おんばしら館 よいさ
長野県諏訪郡下諏訪町168-1
[開館時間]9:00~17:00
[休館日]なし(臨時休館あり)
[入館料]大人300円、子ども(小・中学生)200円 ※ともに税込
0266-26-0413
【下社秋宮】日本最大級!出雲大社様式の巨大なしめ縄


秋宮の参拝方法も、春宮と同じく左回りを推奨。正面に見える神楽殿には、春宮以上に巨大なしめ縄が飾られていて、参拝する人の目を奪います。こちらのしめ縄も、出雲大社と同じ様式。長さはなんと13mもあり、出雲大社型のしめ縄としては、日本有数の大きさだといわれているそうです。


さらに境内の奥へと進んでいくと、幣拝殿が見えてきました。
「あれ?春宮のものと、なんだか形が似ていませんか?」
「それもそのはず。春宮と秋宮は、同じ図面をもとに造られたものなんですから」と有賀さん。当時の二大建築流派が腕を競い合って建てたのだと教えてくれました。


もちろん、秋宮の境内にも御柱が建てられています。近くで見ることができるのは二之御柱までですが、三之御柱、四之御柱も遠くに見ることができますよ。

時間のある方は、幣拝殿の右側に立つ「天覧の白松」と頒布所脇にある「さざれ石」もお見逃しなく。「白松の下で3本につながっている葉を見つけたら、すぐにお財布にしまってくださいね。お金が貯まるといわれています。万年もの歳月を経て小石が凝結し、岩になったとされるさざれ石も見応えがありますよ!」(有賀さん)


下社を案内していただいた有賀さんとはここでお別れ。おかげで、春宮の下馬橋や、秋宮の三葉(さんよう)の松やさざれ石など、知る人ぞ知る見どころもバッチリ押さえることができました!
諏訪大社 下社秋宮
長野県諏訪郡下諏訪町5828
参拝自由(社務所は9:00~17:00)
[定休日]なし
0266-27-8035
【上社本宮】時間のある方は、ぜひ正しいルートで参拝を!

大鳥居をくぐると、目の前には早速立派な一之御柱。境内は広々としていて、正面には社殿へと続く階段が続いています。

「どんな神社なのかワクワクしちゃいます!」とテンションが上がる私をよそに、ガイドの宮坂さんから意外な一言が……。
「実は、いまくぐってきた大鳥居は本来の正門ではないんです。ここから入って幣拝殿に向かう人も多いのですが、正門は大鳥居から見て左奥にあるので、お時間のある方は正門経由でぐるりと境内をまわることをおすすめします」

上社の御祭神は、「建御名方神」とその妃「八坂刀売神」。大鳥居のすぐ先にある「明神湯」と呼ばれる温泉を使った手水は、八坂刀売神が化粧水としても使ったお湯だそうです!

と、ここでおもむろに一之御柱を指さす宮坂さん。
「上社に来たら、御柱の裏側を見てください。ほら。下社のものとは違って、裏側が平らになっているでしょう?下社の御柱は祭りの1年前に伐採し、祭りの日まで皮をむいた状態で保存しますが、上社の御柱は切ったばかりの生の木を使っているんです。生の木は乾燥した木と違って重いので、てこの原理で木を揺らしながら運ぶ間に背中が削れてしまうんです」(宮坂さん)

宮坂さんがもう1つおもしろいものを見せてくれました。向かったのは正門とは逆手の右奥、社務所の方向。
「今でこそ、湖から神社まではだいぶ距離がありますが、かつては境内のすぐ近くまで湖が迫っていたといわれています。ここの鳥居をよく見ると、脚が付いているでしょう?湖に浸かってしまっても鳥居が浮いてしまわないよう、このような設計にしたといわれています」(宮坂さん)

正門を目指す途中には、天流水舎(てんりゅうすいしゃ)と呼ばれる雨乞いに使われる建物、江戸時代の太鼓が見られる神楽殿、推定樹齢1000年ともいわれる大ケヤキ、ハート形に見える猪の目型の石灯籠などなど、さまざまな見どころがあります。




さらに境内を左手方向に進んでいくと、鳥居が見えてきました。ここが、本来の正門なのだそう。手水舎もあります。

鳥居をくぐり、布橋から拝殿へと向かうのが本来の順路とか。布橋とは、屋根付きの67mにも及ぶ長い通路のことで、実際に歩いて渡ることができます。

下社同様、本宮も本殿を持たず、幣拝殿と両側に片拝殿を従える諏訪造りという独特の様式がとられています。

さて、見どころ満載の本宮ですが、ぜひともじっくり見ておきたいのが、慶長13(1608)年に徳川家康が寄進したとわれる四脚門(よつあしもん)付近。下社ではしっかり見ることのできなかった宝殿もすぐそばにあり、拝むことができますよ。



お守りやお札などの頒布品も多数取り扱っている本宮。いただいて帰れば、ご利益が倍増することでしょう。
諏訪大社 上社本宮
長野県諏訪市中洲宮山1
参拝自由(社務所は9:00~17:00)
[定休日]なし
0266-52-1919
【上社前宮】四社で唯一本殿を持つお宮!4本の御柱からもパワーチャージ

前宮は、建御名方神が最初に出現したといわれる場所。四社の中で唯一本殿を有するお宮です。もともとは広大な敷地にたくさんの建物が立っていましたが、いまは大きな建物はほとんどなく、南東約2kmの地に小さな社がいくも点在するのみとなっています。

大鳥居を抜けて坂道を5分ほど歩くと、歴史を感じさせる佇まいの本来の鳥居の姿が見えてきました。神原(ごうばら)と呼ばれるこの場所こそが、諏訪明神こと建御名方神が初めてお出ましになったとされる神聖な場所だそうです。

「諏訪明神の子孫である生き神様『大祝(おおほうり)』は、かつてはこの場所で暮らしていました。それに付随するように境内には数多くの建物があったのですが、室町時代に大祝が居館を移したことで、そのほとんどは消滅してしまいました」(宮坂さん)


参道をてくてく歩くこと約5分。いよいよ本殿が見えてきました。振り返ると、眼下に広がるのは諏訪の町。この地から、諏訪信仰が広まっていったのかと思うと感慨深いものがありますね。ちなみに現在の本殿は、昭和7(1932)年の伊勢神宮の御用材で建てられたものなんだそうです。

「前宮の見どころは本殿だけではありませんよ。四社の中で唯一、三之御柱と四之御柱を間近で見ることができるお宮でもあるのです。触れることもできるので、しっかりパワーをもらってくださいね」と宮坂さん。


四社の中でも、とりわけ歴史が感じられる前宮。時間に余裕のある方は、ぐるりと歩き回りながら点在する社を探してまわるのもおもしろいかもしれません。宮坂さんの案内のおかげで四之御柱にもばっちり触ることができ、パワーチャージをすることができました!
諏訪大社 上社前宮
長野県諏茅野市宮川2030
参拝自由(社務所は9:00~17:00)
[定休日]なし
0266-72-1606
諏訪湖エリアまちなか観光案内人
[営業時間]
4月~10月 9:00~16:30(終了時間)
11月~3月 9:00~16:00(終了時間)
[ガイド料金]1スポット税込200円/1人
[定休日]お盆(8/13~17)・年末年始(12/27~1/7)
0266-52-7185
※記事内の金額は取材当時のものとなりますので、変更している可能性があります。
諏訪大社近くのお土産もチェック
諏訪大社の参拝ついでに購入したい!諏訪の名物グルメ土産7選

松井さおり
出版社勤務を経て、フリーランスのライター&編集者に。雑誌や書籍を中心に、主に、食・旅・くらしなどにまつわる記事を執筆している。現在は、東京から長野県長野市に拠点を移し、県内外を奔走する日々。(編集/株式会社くらしさ)
また、本記事に記載されている写真や本文の無断転載・無断使用を禁止いたします。
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