国内唯一のふぐ料理体験を下関で!超お得にふぐを食らう方法はコレだ

2017.12.22

「ふぐ」といえば、言わずと知れた山口県下関市の名物。最高級のとらふぐは10月から2月にかけて、特に白子が大きくなる12月以降の厳冬期に旬を迎えます。今回は本場・下関ならではの、ちょっと変わった堪能プランをご案内。国内唯一と言われるふぐの料理体験に挑み、最高級のとらふぐを骨の髄までお得に味わいし尽くします!

日本一のふぐの集積地・下関。最高級の“王様”とらふぐは味も別格!

本州の最西端に位置する山口県下関市。西日本でも有数の漁業拠点であり、その豊富な海の幸を気軽に堪能できるのも魅力の一つです。

名物の筆頭といえば、やはりふぐ。下関では「不遇」を連想させる「ふぐ」と濁らずに、「福」にあやかり「ふく」と発音します。
▲下関の街中を歩けば、いたるところでふぐに関連するオブジェに出合える

ふぐを専門に取り扱う南風泊(はえどまり)市場には、日本各地で水揚げされた天然・養殖物のふぐの多くが集積され、その取扱量は日本一。同市場で競りにかけられ再び日本各地へと出荷されていきます。
▲ふぐ専門の南風泊市場。競りは午前3時20分前後に始まる

その中でも70cm前後と大型であり特に美味しさが際立つことから、“王様”と呼ばれるのが最高級品のとらふぐです。ふぐ刺し、ふぐちりなど、関東、関西都市圏に比べても割安に堪能できる下関ですが、本場であっても高嶺の花でシーズン中にそう何度も味わえる価格ではありません。
▲最高級品のとらふぐ。その味わいはふぐの中でも群を抜いている

…ですが、なんと!超お得に味わえるという驚きの方法が存在するんです。それはなんと自ら料理体験をしてふぐを味わうというもの!

その体験ができるのは、南風泊市場からほど近くにある「天白ひらこし『ふく楽舎』」(以下、ふく楽舎)というお店。ふぐの料理体験は日本唯一で、日本国内だけでななく海外からの観光客も多く訪れているそうです。

「ふく楽舎」で国内唯一のふぐ料理体験!そもそも素人が調理していいの!?

「ふく楽舎」はJR下関駅から車で約15分。5分ほど進んだ先には南風泊市場が立地しています。
▲市街地から橋で陸続きの彦島に立地。入口横にあるふぐの像がお出迎え

「ふく楽舎」は創業1935(昭和10)年という、ふぐ専門の仲卸「平越」が母体。平越といえば、東京・築地市場においてもその名を知らしめ、取り扱うふぐの質の確かさや「磨き」(除毒処理済みのふぐのこと。「身欠き」ともいう)の高品質さから、業界内では「名門」「トップブランド」などと認識されているのだそうです。

そんな同社が「最高の技によって支えられている高品質で美味しいふぐを、もっと大勢の人に気軽に味わってもらいたい、文化や伝統も含めて下関のふぐを全国に広めたい」という思いを実現すべく誕生させたのが、「見る」「学ぶ」「味わう」をテーマにした「ふく楽舎」なのです。
▲料理体験は一度に90人までが受講可能。旅行ツアーのプランとしても人気(写真提供:天白ひらこし)

その目玉こそが、ふぐの料理体験です。でも「毒がこわい!」「そもそも素人がふぐを調理してもいいの?」などと不安になる人も多いはず。先に結論を言ってしまえば、全く心配はいりません!

なぜなら、この料理体験では平越自慢の磨きを1尾分用いるからです。除毒処理、つまり磨きの状態に仕上げるためには「ふぐ処理師免許」(都道府県ごとに取得条件も名称も異なる)が必要ですが、磨きになってしまえば一般人でも自分で調理して食べることができるのです。この事実、きっと驚く人も多いはず。ご存知でしたか?
▲磨きであれば誰でも調理可能。一般向けの販売は下関ではごく当たり前

※この体験は「ふぐ処理師免許」の取得を目的とした講習ではありません。あくまでも一般の方にふぐの簡単な調理を楽しんでいただくためのものです

ふぐ調理において全国でも最高クラスの技術を持つ料理長が指南!

毒の心配がないと安心したところで、いよいよ料理体験のスタート。今回はふぐタタキ(ふぐ刺しは柵取り後に2日間の熟成が必要なため)と皮刺し、ふぐちりの3種類を作る「天白コース」(1人税込7,000円、4名~受付)に挑戦します。

「ふく楽舎」の同コースでは、養殖とらふぐ丸々1尾分を1人で調理します。料理店で味わえば、およそ3~4人前に匹敵し、下関といえど15,000円前後はかかるはず。最高品質の平越ブランドの磨きを調理して味わい、さらに残った片身はお土産として持ち帰れてこのお値段は超が付くほどお得といえます。
▲「天白コース」のセット。口、カマ、皮、身に分けられたとらふぐの磨き1尾分、その横に使用する出刃、刺身包丁が並ぶ

最初の工程はあらの処理。料理長・内田祐介さんの説明を聞き、その包丁捌きにならって進めていきます。

「まずは手元をよく見ていてください。料理は得意なほうですか?あまり上手にされてしまうと、わたしの出番がなくなりますね(笑)」と参加者の心もさらりと掴みます。
▲トークも楽しい料理長の内田祐介さんの実演、説明とともに体験の始まり始まり
▲出刃包丁を使ってカマ部分と尻尾を切り離す。まだまだ簡単!
▲口は歯と歯の隙間に包丁を入れて、半分に切り分ける。ストンと上手く刃が通ると、なんだかテンション上がります!
▲最初に調理したあらはふぐちりでいただく

あらの処理が終わったら、続いてタタキの下ごしらえ。あらを取り除いた身を3枚におろし、柵取りします。ふぐのタタキとは身の表面を強火でサッと炙ったふぐ刺しのことで、ふぐ刺し同様に薄く身を引いて(ふぐ刺しは包丁を引くようにして切るため、「引く」という)いきます。
▲身と骨がはっきり分かれているので、3枚おろしはアジやイワシよりも簡単。…などと言っていると…あれ、骨に刃が引っかかる?そこで、内田さんからアドバイス。たちまちあっさり解決、ササッと刃が進んでなんだか料理人な気分~!
▲柵取り完了。真ん中の骨の部分は3等分にしてあらに追加
▲次に炙りの準備。3枚におろした身の部分に串を刺す
▲さっと湯通しして氷水へ

湯通しが終わったら、炙りの作業へ。炙ると素人でも切りやすくなるだけでなく、ふぐ刺しのもっちりしっとり食感に香ばしさが加わりとっても美味しくなるのだそう。これは早く食べてみたい~!
▲焼き網に押しつけるようにしてガスコンロで炙る。角度を変えながら全体に焦げ目が付くように表面をまんべんなく

ふぐといえばコリコリ、クニュクニュとした皮の湯引きも絶品!表面にあるトゲは前もって除去されていますが、ゼラチン質を豊富に含む皮は、湯引きにする場合、余分なゼラチンをしっかり落とすために氷水で丁寧にもみ洗いする必要があるのだそう。
▲手に持っている方が“怒って膨らむ”腹筋部分。広げている方が外側の皮

「ふぐの皮は二重構造になっていて、怒って丸々と膨らむのは内側の腹筋部分です。皮の中でも特にコラーゲンが豊富で、氷水でしっかりもみ洗いしておかないと、切った後に皮同士がすぐにくっついてしまいます」と内田さん。
▲しっかり氷水でもみ洗いをして、余分なゼラチン質を取り除く。表面が透明になってくるとうまく取り除けているサイン
▲最後は食べやすいように細切りにしていく。腹、背、それぞれの内外2枚ずつ、計4種の皮ごとに切り方が異なる。写真は腹の内側の皮

最後に料理体験のメーンイベント、タタキの仕上げに入ります。炙った身を半分に切り、薄造りにしていきますが、さすがにここは難所中の難所、しっかり料理長の手捌きに注目しましょう!
▲まずは料理長が実演。思わず見とれてしまうほどの所作の美しさ。「薄く切ろう」と思わないのがコツなのだそう
▲料理長にならって、挑戦!料理に慣れている人でも、薄さを均一にするのが難しい~
▲手こずっていると、内田さんが助け船。盛り付け方にも注目しておこう
▲四苦八苦して完成!どちらが料理長の皿かは一目瞭然(もちろん左)

タタキにせずに残った半身は、同店特製のポン酢などとともにお土産となります。ただし、旅行行程などの都合で持ち帰りが難しい場合は、ふぐちり鍋と一緒にしゃぶしゃぶとして味わうことも可能ですよ。
▲体験の残りの片身とともに持ち帰れるお土産セット。小冊子、ひれ酒用とらふく焼ひれ2~3枚、オリジナルふくポン酢(95ml)1本入り
▲残った片身は希望すれば、ちり鍋の中に入れて味わえるが、当然自分で切り分ける。ぶつ切りするも良し、写真のようにしゃぶしゃぶ風に薄切りするも良し
▲体験後には参加者全員に終了証書が授与される。ふぐ料理体験は修学旅行やアジア圏からの旅行者にも大人気なのだそう

実際に調理を体験してみて、ふぐを味わうまでの大変さを実感!ふぐ刺しやタタキを引いて美しく盛り付ける料理人さんの凄さがあらためて分かったような気がします。

待ちに待った実食!絶品のとらふぐ丸1匹分を食らう!

「天白コース」のふぐタタキにふぐちりがついに完成!今回はお土産用の残りの半身もしゃぶしゃぶで味わいます。価格もさることながら、最高級のとらふぐを丸々1尾分という贅沢さも体験コースの“美味しい”ところといえますね。
▲完成した「天白コース」。野菜、豆腐、さらに雑炊用のご飯(写真は、ふぐ以外いずれも2人前)まで付く

それでは、さっそくタタキからいただきます!ん~、ふぐならではの歯ごたえ、そして淡泊な中にも噛むほどにしっかりと主張を始める旨み…、苦労して自身で切り分けただけに、感動の美味しさです!
▲タタキ1枚1枚、格好悪くても味は紛れもなくとらふぐそのもの。平越オリジナルのポン酢でいただく

続いて、ふぐちりの方も良い感じになってきました。ふぐの身は火が通って真っ白、こちらもオリジナルポン酢でいただきます。
▲ふぐちりも完成。見ているだけでシアワセな気分~
▲身がたっぷり付いたカマの部分

んん~、ほろりと骨から外れる身はぷりぷりの弾力、骨の隙間までしゃぶりつくようにして残すところなく味わいます。そして、とらふぐのあらから存分にエキスが溶け出したスープは絶品!その旨みをしっかり吸い込んだ白菜やネギ、豆腐も極上の味わい!箸が止まりません~。気が付けば無言、誰もがその美味しさに夢中になっています。
▲しゃぶしゃぶ風に薄切りしておいた残りの片身。ほんのり白くなったところでひとくちで口の中へ放り込む、これもたまらない~!
▲最後に〆の雑炊をいただく。ふぐの骨や身から旨みがたっぷり染みだしており、満腹になっていても別腹の美味
なお、「ふく楽舎」では4~10月限定で「義経コース」(1人税込3,980円、12名~受付)という体験プランも開催しています。こちらは1尾を2人で、天白コースと同内容の調理(お土産、修了証はなし)に挑戦できるというもの。

同体験スペースでは食事だけの利用も可能です。料理体験のように1人で丸々1尾というわけにはいきませんが、ふぐ刺し、ふぐちりに加え、コースによって唐揚げ、さらに白子がつくという、文字通りフルコースを堪能することが出来ます。
▲「活きとらふく」コース料理は5,400円、7,000円、10,800円(すべて1人税込。写真は10,800円コースの2人前)の3種類。ふぐちりはあらのみではなく、切り身も味わえる!また、ランチのみの「南風泊コース」(1人税込2,980円、12名~)もある

施設見学でさらにびっくり!日本最大級の活きとらふぐ備蓄設備!

「ふく楽舎」には、平越のとらふぐ専用水槽が隣接しています。縦3.0m、横1.5m、深さ1.0mの水槽が34基も並ぶ規模は国内でも最大級!同店に訪れれば誰でも自由に見学することができます。
▲最盛期ともなれば約8,000匹が泳いでいるそう。ここにいるのは養殖物のみで、別の水槽で管理される天然物は、なんと1尾10万円を軽く超えるのだとか!

大きさや養殖場所ごとの水槽に分けられ、毎日のようにとらふぐの入出荷が行われているのだそう。事前に連絡しておけば、ふぐたちを目の当たりにしながら、より詳しく話を聞くこともできますよ(繁忙期の12月は除く)。
▲水槽内をゆうゆうと泳ぐとらふぐたち。さすがふぐの王様と呼ばれるだけあって貫禄十分!

「下関には、とらふぐを通じた伝統と文化が根付いており、それに基づいた質の確かな『磨き』の技術が存在します。料理体験を通じて、美味しさとともに“下関の磨き”を全国の人に知ってもらいたいと考えています」と話すのは、取材を受けてくださった同社の緒方達也さん。

単に食べるだけではない「超お得」なふぐの楽しみ方は、本場・下関ならでは。高級なとらふぐであっても、「ふく楽舎」で料理方法を体験しておけば、より身近に楽しめるものとなるはずです。

国内でもここだけ、超レアな料理アクティビティといえる「ふぐ料理体験」。下関を訪れたなら絶対におすすめです!
兼行太一朗

兼行太一朗

記者兼営業として、地元山口の地域情報紙に14年間勤務。退職後はNPO法人大路小路ひと・まちづくりネットワークに籍を置き、守護大名大内氏や幕末における歴史資源の取材に携わる。同時にフリーライターとして活動しながら、たまに農業も。自称ネコ写真家。(編集/株式会社くらしさ)

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