ブランド高級魚「萩のあまだい」の旬をいただく!超鮮度、産地で味わってこその絶品三昧!

2018.02.03 更新

甘鯛といえば、京料理などでもおなじみの人気高級魚。山口県が漁獲量全国1位というのはご存知ですか?特に萩市がその約7割を占め、「萩のあまだい」というブランド名で全国に出荷されています。“足の早い魚”であり、その美味しさは鮮度が命。ならば萩へ足を運ぶべし!超新鮮&超美味な甘鯛料理を現地で堪能し尽くします!

漁獲量日本一・山口県の「萩のあまだい」。寒さとともにグンと増す美味しさ

JR新山口駅から特急バスで約45分。日本海に面した山口県萩市は、明治時代初期の産業遺構や城下町が世界遺産に登録され、観光都市として注目度がさらに増しています。

近海は水産資源も豊富で、水揚げされる魚介も萩の魅力の一つ。市内には魚自慢の料理店が点在し、「山口県漁業協同組合・萩地方卸売市場」に隣接する道の駅「萩しーまーと」など、“萩魚”が手に入る施設には、獲れたて鮮魚を目当てに県内外から大勢の人が足を運びます。
▲山口県内の道の駅で人気ナンバーワンの「萩しーまーと」。萩産の新鮮魚介がその人気を支えている
▲「萩しーまーと」(手前)は萩地方卸売市場(奥)に隣接。新鮮さは文句なしでしかも安い!

甘鯛はその中でも人気の筆頭格であり、山口県全体での水揚げ量はなんと日本一(農林水産省2015年漁業・養殖業生産統計で約280t、2位は長崎県の約220t)。県内でもその約7割が萩で水揚げされており、関東や関西都市圏の名のある料亭や割烹などから引く手数多なのだそうです。

ちなみに、「鯛」と名が付き「真鯛」に色もよく似ていますが、魚の分類上はまったく別の種類。通年で漁獲されていますが、特に美味しいとされるのは12月から2月にかけての厳冬期です。全国の一流料理人たちにも惚れ込まれる「萩のあまだい」の美味しさとは?
▲やや小ぶりな30cm前後のサイズは産地ゆえに価格もリーズナブル。40cm、50cm以上の大物は開店間もなく売り切れてしまうのだとか
▲家庭向けに軽く塩がふられた「開き」は焼くだけでOK。ごはんのお供、そしてお酒の肴に…想像するだけでよだれが~。小型とはいえ、ワンコインという価格(サイズによる)にもびっくり!

超リーズナブル&ビッグな甘鯛の煮付け!漁師のおかみさん運営「つばきの館」

では、早速その味を堪能してみましょう。まず訪れたのは、気軽に甘鯛を味わえる店として口コミで評判の「つばきの館」。お店は市街地から北東へ車で15分ほど、萩の名物スポット・ヤブツバキの原生林が広がる虎ヶ崎の突端にあります。
▲店のある虎ヶ崎の突端へ向かうには、日本海の荒波を見ながら細い道を車で通らなければならない。不安になってもひたすら進むべし

店は山口県漁協越ヶ浜支店の女性部による運営。つまり、調理をするのは甘鯛の美味しさを知り尽くす漁師のおかみさんたち。期待せずにはいられません!

甘鯛が味わえるメニューは、煮付けがメーンの「つばき定食」のみですが、決して侮ることなかれ。高級魚の甘鯛、そしてサザエ飯までついて税込1,600円という安さにまずびっくり。そして、煮付けのボリュームにさらにびっくり!
▲肉厚な甘鯛の煮付けがど~んと鎮座。季節の小鉢もお楽しみ

出来上がりの熱々の身をほぐして口へと運びます。甘鯛といえば、身が柔らかいイメージなのですが、箸を入れたときの身崩れの少なさから鮮度の高さが伝わってきます。

しかし、口の中では一転してほろほろと溶けていくかのような食感に。そして、ほんのりとした身の甘さが口いっぱいに広がります。わわ、白身で淡泊かと思ったら、なんという濃厚な旨み!さらに、その旨みが存分に溶け込んだこの煮汁との相性は絶句モノ。美味しい~!
▲身と煮汁、お互いが唯一無二の存在。目の周りのゼラチン質の部分や頬の身なども絶品

身をほぐすだけで、こんなにも心が躍る魚の煮付けがあろうとは…。家庭的ながらも、ここでしか味わえない究極の“おふくろの味”に、リピーター続出というのにも納得です。この味は忘れられない~。

なお、萩では年間を通じて甘鯛が水揚げされるため、この定食は一年中味わうことができますが、時化(しけ)の影響で出漁できなかった場合などは、ノドグロなどに代用されるそうです。
▲2月から3月にかけては、店の近くに約25,000本のヤブツバキが一斉に咲き誇り、多くの見物客で賑わう。時期があえば、甘鯛とダブルで楽しめる

絶品美味な甘鯛料理の数々!老舗割烹でいただく「萩のあまだいコース」

次に訪れたのは、割烹料理店として萩で一番の老舗「割烹千代」。多種多彩な“萩魚”を美味しく食べられるとあって、地元でも評判のお店です。
▲創業50年ほどの「割烹千代」。閑静な城下町の一角に店を構える。JR山陰本線東萩駅より車で約10分
▲お座敷だけでなくカウンター席もあり、ランチなどでも気取らずに利用できる
▲「割烹千代」代表で板長の河村剛太郎さん。甘鯛はもちろん萩の食材の美味しさを知り尽くす

三代目板長・河村さんの腕が冴え渡る「萩のあまだいコース」は、もちろん看板メニューの一つ。通年で味わえます。早速、甘鯛三昧を心ゆくまで堪能します。どんな料理に出合えるのか楽しみ~。
▲見るからに美しく、そして美味しそうな「萩のあまだいコース」(1人税込8,640円、2人より受付、要予約)。

まず一品目は、甘鯛の蕪巻。甘鯛のお刺身が、レタスとともに蕪に巻かれています。口に運んでみると…、甘酸っぱい蕪の風味とレタスのシャッキリ食感、そして甘鯛の旨みがふわり。酢味噌が全体をぎゅっと引き締めて絶妙なお味、これはいっそう食欲をそそります。美味しい~!
▲蕪と甘鯛の相性はぴったり。食材や彩りから縁起の良さも感じる一品

蕪巻を味わっていると、カウンターの向こう側で河村さんは次の一品を準備中。お皿に盛られていく様子は、まぎれもなくお造りではありませんか!
▲甘鯛を捌く河村さん。一流料理人による調理や盛り付けの所作は見ていて飽きない

鮮魚の流通が発達しているとはいえ、冒頭で述べたとおり鮮度の落ちが早い甘鯛。その刺身に出合えるのは産地の萩だからこそ。しかも、水揚げされたばかりの超新鮮な甘鯛となれば別格の味わいのはず、早く食べたい~。

蕪巻の余韻に浸って待つことしばし、目の前に甘鯛のお造り、それも姿盛りが運ばれてきました。おおお、美しい~!全体が見事な桜色、これはSNS映えも抜群~!
▲身が柔らかい甘鯛の刺身は、皮の部分に熱湯をかける「松皮造り」が定番。はち切れんばかりの身の反り具合から鮮度が伝わる(写真は2人前)

最初の一切れは、何となく直感で、何も付けずにそのまま口へと運びます。上品ながらお味はしっかり、皮の部分からは濃厚な旨みが~。その見た目は一見真鯛にも似ていますが、味わいはまったくの別物。身はよりしっとり、香りははるかに芳醇、こ、これは鳥肌ものの美味しさです…!
▲身の色はほんのり桜色。醤油につけるとその美しさがいっそう引き立つ

今度は、板長特製のブレンド醤油でいただきます。んん~、甘鯛の豊かな味わいがいっそう引き立てられて…もうなんと言葉を発してよいやら。つばきの館での煮付けに続いて、刺身も忘れられない“萩の逸品”になりそうです。
▲お造りの次は“おしのぎ”で握り寿司。皮がさっと炙られており、ほんのり香ばしさがたまらない。そして、身の旨みがたたみかけるように口いっぱいに広がる

続いては甘鯛の塩焼き。大きめに身をほぐして、思いきり頬張ることにします。焼きたての身はほっくほくで、骨からも素直に外れます。香ばしい皮とともに味わうこの美味しさといったら、なんとふくよかで濃厚なことでしょう~!
▲甘鯛の姿そのままがお皿に鎮座。頬の身、目の周りへと、隈無く箸を運んで身をほぐすのに夢中になります
▲さらに茶碗蒸しが登場。もちろん中には甘鯛が入っている
▲どんどん出てくる甘鯛料理。洋風に仕上げられた唐揚げは、鱗がパリパリと楽しい食感、そして身はふっくら
▲最後にごはんとともに登場する碗物。頭の塩焼きに、甘鯛のあらでとった出汁がはられる。これも絶品、美味しい~!

全部で7品、皿が登場する度、そして口に運ぶ度に感動の連続でした。お造り、塩焼きなどなど、コースで味わえる甘鯛は、1人分になんと1.5匹分が使われているそう。

「甘鯛の良いところは、刺身はもちろん、揚げて、蒸して、焼いて、さらに和風にこだわらず、どんな料理で味わっても美味しいところです。萩の地酒と一緒に味わうのも格別ですよ」と河村さん。
▲平日お昼限定の「あまだいの唐揚げ定食」(税込1,944円)もある。こちらは予約不要だが、仕入れがあった場合のみ注文可

なお、「萩のあまだい」はすべて萩沖で獲れる天然物。一番美味しい冬期は、時化が多い時期でもあり、予約を済ませたからといって必ず味わえるわけではありません。予約日の前日に海が荒れないことをひたすらに祈りましょう!

萩沖の日本海は甘鯛の宝庫。その美味しさの秘密に迫る!

しっかりとその美味しさを堪能したところで、ブランド魚としての人気の秘密にさらに迫ってみましょう。「萩のあまだい」は、主に萩から北北西45kmの沖合に浮かぶ見島(みしま)近海で水揚げされています。一本の幹となる縄に、先端に釣り針の付いた枝縄を等間隔に結びつけた「延縄(はえなわ)」という漁法で、一尾ずつ丁寧に釣り上げられます。

港から漁場まで片道3時間程度と聞けば、何だか遠そうなイメージ。しかしながら1kgを超える大型クラスが数多く釣り上げられるポイントとしては、むしろ「近い」という認識なのだそうです。
▲萩市内の越ヶ浜漁港は、延縄による甘鯛漁の一大拠点

丁寧な漁法、そして漁が終わり次第、すぐに港へと引き返し市場へと運べるため、高鮮度、高品質が保たれるのが「萩のあまだい」の美味しさの秘密。もちろん、水揚げされたばかりの鮮度は別格ではありますが、東京・築地などでもその美味しさは人気高級魚として、高く評価されているといいます。
▲山口県漁業協同組合・萩地方卸売市場で、競りのために並べられた甘鯛。鮮度保持のため表面にはフィルムがかけられている
▲1kg超クラスの大物も萩ではごく当たり前の存在(写真の甘鯛は60~70cm前後)。なお、市場は数日前までに入場申請をしておけば見学可能(申請先電話番号:0838-21-0030)

「超」がつくほどの鮮度、高級店といえども関西や関東など都市圏に比べれば、はるかにリーズナブル!何度も書きますが、萩で味わう「萩のあまだい」は文句なしに記憶に刻み込まれる絶品です。

萩においては、甘鯛は晴れの席や盆正月など家庭のごちそうとして定番の縁起物。味わえば味わうほど、開運、運気上昇も間違いなし!?「忘れられない」感動の味を楽しみに、ぜひ真冬の萩へ訪れてみませんか?
兼行太一朗

兼行太一朗

フリーライター・カメラマンとして、山口県を拠点に活動中。 主に旅行、グルメ、歴史、地方創生などについての書籍やウェブサイトを中心に取材・執筆を行っている。拠点とする山口市では、歴史資源を生かした地域活性化に取り組むNPO法人「大路小路まち・ひとづくりネットワーク」にも所属し、守護大名大内氏や幕末に関する史跡、ゆかりの場所や人物についての取材を担う。(編集/株式会社くらしさ)

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