【保存版】絶対においしい!栃木名物・佐野ラーメンの名店3選
佐野ラーメンは、栃木県佐野市で大正時代から食べられているというご当地ラーメン。透き通った醤油味のスープと、「青竹手打ち」によってつくられるもちもちの麺が特徴です。市内に200軒以上あるともいわれるラーメン店のなかでも、「絶対においしい!」と地元の人も太鼓判を押す3軒をご紹介します!※本記事の情報は取材時点のものです。最新情報は直接施設にお問い合わせください。

噛むほどに麺がうまい!田村屋系の総本山「青竹手打ちラーメン 田村屋」
天気に恵まれたこの日は、都内から車で行くことに。
川口JCTから東北自動車道に乗り入れ、佐野藤岡ICで下車。出発から1時間半ほどで到着しました。
さっそく、ラーメンを食べに行きましょう!


2005年創業の田村屋は、いまや「佐野市民なら知らない人はいない」といわれるほどの超有名店。店主の田村章(あきら)さんは、気さくな人柄で、弟子を積極的に受け入れることでも知られています。田村さんのもとで修業を積み、その後独立したお店は「田村屋系」といわれ、「一麺一心」の看板を掲げているそうです。

この看板が表すとおり、一本一本心を込めてつくった麺は絶品です。田村屋は、数ある佐野ラーメン店のなかでも、「麺がものすごくおいしい!」と評判のお店なんです。

佐野ラーメンの生地の材料は、小麦粉、かん水、水、塩と一般的なラーメンの生地と同じです。佐野は古来から「名水の地」として知られ、その恵まれた水があったおかげで、ラーメン文化が根づいたとされています。

佐野ラーメンといえば、この「青竹手打ち」が代名詞ともいえますが、じつは最近では手打ちするお店が減ってきていて、いまでは全体の約1割なんだそうです。



田村屋の麺は、強力粉と中力粉をブレンドしてつくられています。
「小麦粉の配合割合はだいたいいつも同じだけど、気温、湿度、天気などによって状態が変わるから、加える水の量と温度を毎日、微調整しているんだよね。その感覚は俺にしかわからない。毎回、同じものにはならないから、それがおもしろい。粉って、生きてるんだよね~」と話す田村さん。





「牛肉と牛筋は、ほかの店ではあまり使ってないんじゃないかな。これらも煮込むことで、コクが増してとろみがつくんだよね」(田村さん)




あ、餃子もそろそろ焼きあがりそうです。




「ほかのお店の麺とぜんぜん違うと思うよ」と田村さんにうながされ、麺を一口食べてびっくり!一口噛めば押し返してくるようなコシが感じられ、小麦のいい香りが鼻にぬけていきます。
スープはやや甘さが感じられる、すっきりとした醤油味で、ちぢれ麺によく絡む。手打ちならではの太さがふぞろいな麺が、食感に変化をつけて最後まで飽きさせません。





はじめて佐野ラーメンを食べましたが、田村屋は評判どおりのおいしさで、「本格派」という感じがしました。
青竹手打ちラーメン 田村屋
栃木県佐野市浅沼町780-3
[営業時間] 11:00~21:00※麺がなくなり次第、終了
[定休日]水曜(祝日の場合は営業、翌日休み)
0283-24-8617
鶏油を加えたスープが絶品!「青竹手打ちラーメン 大和」


ここ大和は、2013年オープンの“若手”ですが、いまや行列が絶えない名店として話題になっています。多いときには、1日で400食も売れるそうです。

麺に使う小麦粉は、群馬県産のものを中心に3種類をブレンドしているとのこと。
「打ち終わった麺は1日寝かせて熟成させてから使います。打ったその日に使う店もあれば、3日寝かせる店もあって、麺の熟成期間はつくり手の好みで、まちまちですね」(大芦さん)



「これは鶏油(チーユ)で、煮込んだスープの上澄みから抽出してつくりました。これをつかうことでスープのコクが増します」(大芦さん)

大和のスープは鶏ガラがベース。ほかに豚ガラやネギ、玉ねぎ、しょうがなどを加えて4時間ほど煮込むそうです。




そして、もうひとつの名物がこちら。



大和のラーメンの特徴は、一口飲めば「ガツンッ!」とくるスープのうまさ。
「ほかの店よりもパンチを効かせている」と大芦さんが話すとおり、動物系のガラの味がスープにしっかり溶け出しています。さらに、鶏油によって濃厚な旨みが増していますが、けっして油っぽくはなく、甘めの醤油とマッチしたさらりとした口あたりです。
どんぶりに直接口をつけて、ごくごくと飲み干したくなるスープです。

麺は、1軒目の田村屋よりも少し軟らかい気がしますが、充分にコシがあって、喉越しもよく、どんどん胃袋に吸い込まれていきます。

炙りチャーシュー丼は、香ばしいチャーシューがたまりません!舌の上でホロリと崩れ、噛めば肉の旨みがあふれ出てきます。「ガガッ!」とご飯と一緒に口にかきこんで、ワシワシと豪快に食べるのがおすすめです。
さすが人気のラーメン屋店主が「おいしい」と太鼓判を押すお店です。大和では、スープ、麺、チャーシュー、煮たまごと、すべてのクオリティが高い一杯を堪能できました。
青竹手打ちラーメン 大和
栃木県佐野市北茂呂町1-5-2
[営業時間]火~金曜11:00~14:00、17:00~20:00 土・日曜・祝日11:00~20:00
[定休日]月曜日(祝日の場合は営業、翌日休み)
0283-55-4584
創業50年を越える、佐野ラーメンの伝統を守る「森田屋総本店」


1961(昭和36)年創業の森田屋総本店は、佐野市内のラーメン店ではかなりの古株で、ここで修業して独立した人も少なくないとのこと。市外のお店も含めると、現在7~8軒が森田屋総本店から暖簾分けしてもらって営業しているそうです。
創業当時からの味を守り続け、もちろん青竹手打ち麺にもこだわっています。

リズミカルな麺打ちの様子を動画撮影させてもらいました。


店主の森田徳成(とくなり)さんは三代目。創業者である父が体調を崩したため、母が継ぎ、その後母が高齢になったことから、2006年に森田さんが受け継いだ。



「チャーシューはヒゲタ醤油の『あまくちしょうゆ』に漬けてつくっていますが、その漬け汁を醤油だれとして、スープにも使っています」(森田さん)
見た目の色どおり、スープはやや濃い目です。


森田屋総本店のラーメンは、まさに「中華そば」といった素朴な味わいです。しっかりした味つけで、ビールともよく合いそうですが、今回はぐっと我慢。車で来たことを後悔しました…。麺は先の2軒よりも軟らかく、数回噛めばフワッと消えるような、独特の食感です。




森田屋総本店は、シンプルなラーメンが好きな方にとくにおすすめです。
店内にはアットホームな空気が流れ、家族連れのほか、常連らしきお年寄りや部活帰りと思われる高校生など、多くの地元の人でにぎわっていました。
森田屋総本店
栃木県佐野市堀米町70
[営業時間]11:00~14:00、17:00~19:00 ※麺がなくなり次第、終了
[定休日]水曜
0283-22-2318
ちょっと足を延ばして「さのまる」グッズを手に入れよう



さのまるは、2011年2月25日生まれのおサムライさんです。佐野ラーメンのお碗型の笠をかぶり、腰には佐野名物「いもフライ」の剣を2本差しています。

この日はお昼過ぎに訪れましたが、さのまるは、午前中子どもたちと遊んで、疲れて眠っているとのこと。どうしても会いたい!とスタッフの方にお願いすると、特別に起こしてもらえることに。

さのまるは、土日を中心にここでイベントも行っているので、タイミングがあえば、ぜひ立ち寄ってみてください。
さのまるの家
栃木県佐野市高砂町2790
[営業時間]10:00~17:00
[定休日]不定休
0283-20-3055



初めて佐野ラーメンを食べるという方は、はじめにここを訪れるといいかもしれません。
好みのラーメンを見つけましょう!
らーめんミニ博物館
栃木県佐野市若松町481-4(佐野駅前交流プラザぱるぽーと1階)
[営業時間]9:00~19:00
[定休日]なし
0283-27-0005
佐野市には、厄除けで有名な「佐野厄除け大師」、海外からショッピングに訪れる客も多いという「佐野プレミアム・アウトレット」などもあるので、観光やショッピングがてら、佐野ラーメンを食べに訪れてみませんか?
写真:河野豊

相澤良晃
編集者、ライター。出版・編集プロダクションデコ所属。地方生活を勧める雑誌や医療系情報誌の編集などを行う。趣味は将棋、フットサル。これまで編集を担当した本に『腎臓病の食事療法とかんたん献立』(池田書店)、『新しい自然免疫学』(技術評論社)、『新幹線を走らせた男 国鉄総裁十河信二物語』などがある。
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