京都で舞妓さんに変身!本物と同じ化粧と衣裳で“伝統美“を体験

2018.01.30

京都を旅するならいつもと違う自分になってみたい!……そんな女子たちの間で根強い人気なのが和装変身スタジオです。今回は嵐山にあるスタジオ「時代や」で、舞妓衣裳体験に挑戦してきました。本物の舞妓さんと同じ水化粧をはじめ、本格的な着付けや所作指導など京都の撮影所で培われた技が、新しい自分を引き出してくれますよ。

プロ仕様の道具、衣裳で、気分は“女優”!

京都随一の観光地・嵐山。JR山陰本線の嵯峨嵐山駅や、京福電鉄の嵐山駅から歩いて約10分という便利な場所に「時代や」のスタジオがあります。
撮影スポットとしても人気の渡月橋や嵯峨野の竹林にも近く、京都旅行のメインイベントに加えるにはぴったりです。
▲町家の風情を残しつつ、中には本格的な撮影スタジオが

昔ながらの町家をリノベーションしたスタジオは、中に入ると本格的な照明器具などが設置されていて、時代劇などで見覚えのあるかつらがずらりと並びます。
▲左から「姫」「花魁」「太夫」に使われるかつら

もともと京都は昔から撮影所や劇場が多いまち。このスタジオの代表を務める中川喜照(よしてる)さんは、京都で長く映画や舞台に携わってきた演劇衣裳コーディネーターです。美空ひばりさんなど昭和の大スターをはじめ、いまも大物歌手たちの舞台衣裳などを手掛けるかたわら、日本服飾史の研究家として、衣裳の時代考証など国内外で活躍しています。

中川さんが「一般の女性たちにも時代衣裳の美しさを実際に身に着けて楽しんでもらえたら」と考え、変身スタジオを立ち上げたのは今から20年以上前。まさに変身体験の先駆けなんですね。
▲舞妓さんの化粧や舞台メイクでも用いられる鬢付け油やおしろい用の刷毛

舞妓や芸妓の衣裳は京友禅に西陣織、花魁の打掛には総刺繍が施され、平安時代の十二単には伝統的な有職紋(ゆうそくもん)が用いられています。衣裳だけでも一見の価値あり、です。
▲幅広い年齢層に人気の花魁(写真提供:時代や)

「単に衣裳を着て変身していただくだけでなく、その方の美しさがより際立つよう仕上げることを心掛けています」と話してくれたのはスタッフの叶ゆかさん。

メイクや衣裳で華やかな“女優気分”が味わえるとあって、観光客だけでなく、宝塚などの演劇ファンや歌舞伎ファンの利用も多いとか。花魁やお姫様、十二単の宮廷女官から大奥など衣裳のバリエーションも豊富。いまでは若い女性から70代、80代のお客様もいらっしゃるそうです。

舞妓さんのメイクに美肌の秘訣あり!

変身は身長が140cm以上であれば誰でも体験でき(男性は男装のみ)、通常販売価格のメニューには、ヘア&メイク、スタイリング、スタジオ撮影(フォトセッション8カット)、写真2Lサイズ4枚がセットになっています。
▲友達とあれこれおしゃべりしながらカタログで衣裳をチョイス

今回はリーズナブルな「ぐるたび限定プラン」を利用して、モデルのお二人が舞妓さんに変身してみます。3日前までの予約制で、ヘア&メイク、スタイリング、スタジオ撮影1カット、写真2Lサイズ1枚セットで5,400円(税込)というお値打ちプランです(冬期休暇、夏季休暇期間を除く)。

この他にも、豪華な花魁姿になれるプラン(税込12,960円)や、カップルプラン(税込9,720円)など、ぐるたび限定でリーズナブルなプラン設定がされています。
限定プランでは、かつらは頭全体を覆う「全かつら」を用いますが、「せっかくなので2人で違う体験をしてみよう!」と、1人は、自分の髪を部分的に生かす「半かつら」をオプションで利用してみました。オプション料金は2,160円(税込)。  まずは、化粧・着付け用の肌着に着替え、自前のメイクを落として鏡の前へ。
▲半かつらでは、前やサイドの自分の髪を生かし、かつらになじませる

化粧は、本物の舞妓さんと同じ水化粧という手法を用います。おしろいを水で溶いて練り、刷毛で塗っていくというもの。下地には、なんと「鬢付け油」を使うのだとか。
▲化粧下地の鬢付け油は「ほんのり甘くていい香り…」とうっとり

鬢付け油といえば舞妓さんや力士など、日本髪に使う整髪料として知られていますが、実は古くから化粧下地にも用いられてきたのだそう。時間がたつほどにしっとりと肌の輝きが増すといわれていて、舞妓さんや芸妓さんのお肌がきれいな理由の一つは、この鬢付け油にあるのだとか!
▲水で溶いたおしろいを、まずは鼻筋から

白塗りのお化粧は肌に悪いのでは?と思っていましたが、このスタジオでは、自然素材のものを厳選して使っているので、お肌にとてもやさしいそう。
▲ほんのりとした紅色のおしろいを、まずは顔の上半分に

また、おしろいというとどうしても厚塗りでのっぺりと平面的になってしまうイメージがありますが、それも大きな誤解。
まず最初に少し紅がかったおしろいを顔半分に塗り、目元や頬にほんのりとやさしい色と立体感を出してから、真っ白のおしろいを幾重にも重ねて深みのある美しい白を出していきます。「いつもはチークを後から入れるけど、水化粧は順序が逆なんだ」と体験中の彼女もびっくり。
▲顔上部に塗った薄い紅色の上から、真っ白のおしろいを幾重にも重ねる

そして舞妓さんといえば、何といっても美しい襟足。「足」とも呼ばれるW字型の塗り残しを作って、両肩までしっかりおしろいを塗り込めます。
▲刷毛を首元でくるりと回し、ひと筆で襟足を描く技はお見事!

一方、全かつらを付ける場合は、先にメイクからはじめます。かつらをかぶりやすくするために、髪を「羽二重」と呼ばれる下地布でまとめた様子は、役者さんの楽屋姿などで見たことがありますね。

羽二重を巻くと、目元や顔全体がキュッと上がって、リフトアップ効果があるのだとか。確かに、顔の印象がシャープになりました!!
▲こちらは全かつらの化粧の様子。「目元の紅がとっても色っぽくて自分じゃないみたい」と満足げなようす。最後に紅をさしてもらって化粧は完了

昔ながらの化粧法を用いますが、やはりより美しくなれてこその変身です。「目を大きめに、マスカラはたっぷりと」といった要望にももちろん応えてもらえます。目元や眉などには発色のいいメイク用品なども使って、深みや色気を表現していきます。
▲先に選んでおいた衣裳に袖を通し、二人がかりで着付け

着物に慣れていない人でも苦しくないよう、絶妙の力加減で衣裳が手早く着付けられていきます。
▲鮮やかな緑と金糸の帯をあわせると、ぐっと華やかに
▲最後にかつらをかぶり、かんざしを挿して完成

一方の半かつらは、かつら→化粧→着付け→かんざしの順番で完成。
▲季節ごとに違う舞妓のかんざし。写真は12月に行われる歌舞伎の顔見世に合わせた「まねき看板」のかんざし
▲舞妓さんならではの「だらりの帯」を結べば完成

衣裳選びから完成までは約1時間。見たことのない道具や豪華な衣裳に囲まれ、2人とも「どんどん変わっていく自分の姿に驚きながらの時間はあっという間でした」とのこと。

オプションを利用して街へ撮影に出かけてみる

変身が完成したら、次はプロ仕様のスタジオで本格的な撮影です。ポージング指導もしっかりしてもらえるのが、ここの特徴の一つで、表情やしぐさなどを細かなところまでアドバイスに沿って少しずつ変えていくと、「普段からは考えられないようなおしとやかな舞妓さんに見えてくるから不思議!」と見ているお友達も絶賛。
限定プランでのプロの撮影は1カット。終了後は10分間のセルフ撮影タイムです。持参したデジカメやスマホを使って好きなポーズで写真を撮り合います。
▲友達といろんなポーズで撮り合って早速SNSにアップ

ぐるたび限定プランはこれにて終了ですが、「せっかくなので嵐山の街に出て、外での写真を撮りに出かけたい」と、オプションを付けることにしました。自由散策に出る場合は30分1,080円、60分2,160円(いずれも税込)です。
▲有名な嵯峨野の竹林まではスタジオから歩いて5分弱

観光客であふれる嵐山を歩いていると、たくさんの人が振り返っていきます。「少し気恥ずかしいような、うれしいような…」。
▲素敵な風景といっしょに舞妓姿をパシャリ!

カメラをもって撮影スポットを探しつつ散策します。本当は舞妓さんはあまり手を表に出してはダメなんだそうですが、そこは目をつぶってもらって、やっぱりたくさん自撮りしたいですよね。
▲せっかくの美しい帯なので、後ろ姿もしっかりカメラに。三脚などを持参すると便利かも(社寺内や季節によって三脚禁止の場所があるので要注意)
スタジオに戻ると、写真が完成していました。ばっちりのポージングのうえに、美肌補正もしてもらえて、「まるで本物の女優さんみたい!」と大興奮。思い出の一枚の完成です。「衣裳を脱ぎ、化粧を落とすのが惜しいぐらい」とおしゃべりしつつ体験終了。「リピーターが多いというのもわかる」「次は花魁に挑戦してみたい」との感想でした。
伝統的な衣裳と化粧で、自分のなかの大和撫子を発見できる旅の一日。たくさんのプロの手で丁寧に化粧をしてもらい、高価な衣裳を身に纏うことで、どこか女優になったような華やかな気分も味わうことができたようです。いつもがんばっている自分へのご褒美に、夢のようなひとときを体験してみませんか。

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若林扶美子

若林扶美子

フリーのライター&プランナー。京都をはじめ関西を中心に、雑誌、書籍、PR誌の企画・執筆を手掛け、伝統文化や地域情報などを発信している。6匹の猫とともに滋賀在住。

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