青森・十三湖のしじみ食べ尽し!ラーメン、チャウダー、アイスも!?

2018.01.26 更新

青森県津軽平野の北端にある十三湖(じゅうさんこ)は、岩木川の淡水と日本海の海水が一緒になった汽水湖。文豪・太宰治も訪れたこの美しい湖でとれる特産品「ヤマトシジミ」は味が濃く、粒も大きい、栄養価も高いという青森自慢の食材です。そんなヤマトシジミを使った、しじみラーメンやお味噌汁などの定番グルメからしじみアイス!? といった変わりダネも味わえる「しじみづくし」の旅に出かけてきました!

北海道新幹線・奥津軽いまべつ駅から車で約1時間、山道を越えると大きな湖が一面に広がります。海水と岩木川の栄養ある淡水が混合した水質はしじみの生息に最適な環境らしく、新鮮な天然しじみが採れる貴重な産地として知られています。
▲冬の十三湖。気温が低い日は終日氷が張っている場所も

十三湖のしじみには「オルニチン」と呼ばれるアミノ酸の一種が多く含まれていて、解毒作用など、肝臓のさまざまな働きを助けるだけではなく、疲労回復などの効果もあります。 二日酔いにしじみの味噌汁がよいと聞くのはオルニチンの働きだったのですね。

そんな体にも良い十三湖のしじみですが、まずは地元が誇るしじみ料理の数々を紹介します。

あさりのように大きい!「和歌山」の特製しじみラーメン

十三漁業協同組合の隣にある食事処「和歌山」は、しじみラーメン発祥のお店と言われている有名店。十三湖に来てお腹が空いてきたら、まずは立ち寄りたいお店の1つです。
▲「特製しじみラーメン」(1,100円・税込)

名物の「特製しじみラーメン」は大粒のしじみがたくさん入った人気メニュー。ネギにメンマ、わかめに卵というシンプルな具ですが、主役はやはりしじみ。
大粒のしじみは噂の通り食べ応えがあり、全く泥くさくないため食べやすい!そもそも普段スーパーなどで買うしじみは小さすぎて「食べる」という意識ではなかったため、やはりあさりを食べているような感覚になります。
しじみと昆布をふんだんに使ったあっさりスープは、口に運ぶと止まらなくなるおいしさ。スープだけでもおかわりしたくなるほどグイグイと飲めてしまいます。
中細のちぢれ麺はスープとの相性もよく、ずるずると喉ごしが気持ちよくあっという間に完食。

元祖しじみラーメンは十三湖に来たら絶対に味わいたいメニューですね。もちろん、大粒のしじみが出てくる特製ラーメンを注文しましょう!

チャウダー、釜飯、アイスまで!? しじみ三昧の「しじみ亭奈良屋」

十三湖東部に位置する「しじみ亭奈良屋」は、十三湖産のしじみを変わりダネ含め色々なメニューでいただけるお店。お土産も充実していて、しじみ三昧の旅にはぜひ立ち寄りたいところです。
▲薪ストーブが温かい広々とした店内
▲「しじみ釜飯」(900円・税別)

まずはしじみの煮汁をたっぷり使って炊き込んだしじみ釜飯をオーダー。奈良屋の人気メニューで、蓋を開けるとダシの香りが拡がり、食欲をかきたてます。
しゃもじでよくかきまぜると、トッピングとして貝ごと炊き込まれたしじみも。しじみのうまみが染み込んだご飯は何倍でもいけちゃうおいしさ!
釜飯についてくる「しじみ汁」はほとんど味噌を使わず、しじみのダシだけで作られたシンプルなスープ。たっぷりのうまみで体の芯から温まる……。
▲「しじみ味噌の焼きおにぎり」(200円・税別)

しじみの煮汁エキスをたっぷり入れて煮込まれたしじみ味噌をおにぎりに塗り、しじみ南蛮漬を添えた一品。濃厚な味噌と南蛮漬のピリ辛さがクセになるおいしさです。
▲「しじみチャウダー」(350円・税別)

女性に人気なのがこちらのチャウダー。ホワイトソースでしじみを煮込んだスープはコクがあり、貝のうまみも十分に味わえます。スプーンで中を探ればしじみの姿が。
▲冬季限定の「しじみ雑炊」(650円・税別)

極寒の冬には雑炊がおすすめ。かつおと昆布とたっぷりのしじみでダシを取った雑炊は熱々のうちにいただきましょう。きのこやにんじんとの相性もよく、しじみのうまみがよく出ています。
▲「しじみバターいため」(430円・税別)

ドライバーでなければ迷わずビールと一緒にいただきたいのが、しじみバターいため。バターとしじみの濃厚な味わいは最高で、ビールが恋しすぎて一瞬泊まっていくことも考えました(笑)。

ちなみに、これらのしじみメニューを少しづつ味わえる「しじみづくし」(1,700円・税別)セットも観光客には人気ということで、「全部をちょっとだけ食べたい!」という人にはおすすめです。
▲「しじみアイス」(300円・税込)

そしてこんな変わり種も。十三湖産しじみが100gも入っているというアイスは食べるのに勇気がいりますが、意外にも口当たりがよく、しじみの風味がほどよく楽しめる面白いメニューです。

十三湖のしじみは、他と何が違う?

しじみ料理をたっぷり堪能したところで、次はしじみ漁の様子を見に行きました。

十三湖のしじみの旬は夏と冬の2回。夏(7~8月)に水揚げされるしじみは産卵に備えてぷっくりと太っていて、最高の食感を楽しむことができるのだとか。

一方、冬(1月~2月)にかけては「寒しじみ」と呼ばれ、しじみが湖底に沈み、うまみ成分を閉じ込めるため濃厚なダシが出ると言われています。

厳寒の湖に入る腰びき漁と丁寧すぎる選別方法にびっくり!

▲朝から腰びき漁をする漁師さん。長い竿に砂を掘る爪つきのカゴがついた「ジョレン」を使い、貝を丁寧に水揚げしていく

冬の時期は船での漁は行わず、腰まで浸かりながらの「腰びき漁」が行われますが、「寒いと言う感覚もない」と言う声もあるほど大変な作業です。

また、水揚げされたばかりのしじみには死貝や小さすぎるサイズのものも含まれるため、何回も選定作業をするそうです。

今回は特別にしじみ漁師の秋元佑公(ゆうこう)さんに選別の様子を見学させてもらいました。
▲しじみの選別機。筒状の機械がぐるぐると回り、規格外の小さなしじみを落とす仕組み

まずは選別機に入れられ、規格内のサイズのものだけを残します。しかし、機械だけでは細かい選別はできないそうで、ここからは手動での選別作業になるとのこと。
▲「通し」と呼ばれる網のついた枡を使いしじみを選別する秋元さん

チェックするのはサイズだけではなく、石・殻・ごみなどが混じっていないかはもちろん、ちゃんと中身が入っているかも確認するのだそう。

しかし、目で確認できないものをどうやって選別するのでしょう…?
すると、それぞれの手でしじみを握り、じゃらじゃらとしじみ同士を軽くぶつける秋元さん。その中から一つを抜き出し、捨ててしまいました。

実はしじみの選別は「音」で判断し不良品を除去するのだとか。しかし、素人が聞いてもどれが空なのかわかりません…。
「地面に落としてみるとよくわかる」と言うのでやってみることにしました。

「カチッ」
「カチッ」
「パチッ」

あれ?一つだけ軽い音がしたので開いてみると…。
大当たり!
こういった見た目ではわからないものも音で聞き分けて選別してしまうから驚きですね。効率が求められる作業でもあるため、早いスピードでスイスイとこなしていくには経験が必要なため、しじみ漁師ならではの職人技と言えるでしょう。
▲小粒・中粒・大粒・特大粒に並べてみた

こうして選別されたしじみをサイズごとに並べてみると違いは明らか。

私たちが普段味噌汁で食べているのは小粒から中粒だと思いますが、大粒から特大粒に至ってはあさりのような大きさ。湖底に眠っている年数に比例して大きくなり、大体2~4年ほどで漁獲できるサイズになるのだとか。

このような工程を経て、一級品が私たちのもとに届くんですね!

定番の味噌汁からおつまみまで。幅広いしじみのお土産も

▲「活きしじみ」(中粒1kg1,944円・税込)

最後に、お土産もしじみ三昧といきましょう。
先ほどの「しじみ亭奈良屋」では、しじみのお土産を豊富に揃えています。冬季は採れたての寒しじみを量り売りで販売しているので、十三湖の新鮮なしじみを持ち帰って味噌汁を作るのもいいですね。
※砂抜きはされていません
▲「しじみの味噌汁」(1,000円・税込)

お土産の一番人気は、やはりしじみの味噌汁。真空しじみと味噌のセットで、しじみの風味を楽しむことができます。
その他にも、しじみラーメンやしじみチャウダーをご家庭で簡単に作れるセットやしじみだし醤油、しじみエキスのサプリメントなど人気商品が多数。ぜひのぞいてみてくださいね。
▲放牧地の高台にあるため、牛がモチーフになっている入り口

続いてしじみ亭奈良屋から車で約10分、「道の駅 十三湖高原トーサムグリーンパーク」にも足を延ばしました。
▲「グイット50」(756円・税込)

十三湖産しじみエキス10%+ウコン配合ということで、キツめの飲み会の前に助けてくれそうなドリンク。その名も「グイット50」。栄養満点のしじみだからか、こういったサポート系商品は充実してました。
▲「しじみ佃煮」(540円・税込)

お店の人に強力にプッシュされたのが、お店手作りという「しじみ佃煮」。十三湖産しじみ100%で味に評判があるらしく、すぐに売り切れてしまうこともあるのだとか。
▲「味わいしじみ」(540円・税込)

おつまみしじみとして売れているのが「味わいしじみ」。柔らかく生姜で味付けされた濃厚なおつまみは、ビールのお供に。味噌汁やチャーハンの具に入れてもおいしいそうです。

しじみに限らず、この他にも奥津軽の名産をチェックできますので、時間のある方はぜひ立ち寄ってみてください。
夏は大粒の食感を、冬はダシのうまみを楽しむことのできる青森県十三湖のしじみ。恵まれた自然環境で育った新鮮なしじみがスーパーとどう違うのか、食べ比べてみてはいかがでしょうか。
下田翼

下田翼

東京生まれ、東京育ち。観光で青森県に初上陸し、人の暖かさに感動し2015年に移住。地域おこし協力隊を経て、青森の魅力を伝えるフリーランスのプランナー・ライターとして活動中。

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