杜の都・仙台のシンボルロード、定禅寺通をおさんぽ

2015.09.02

仙台市役所など官庁街に近い定禅寺通は、ケヤキのアーチが続く並木道。四季折々の祭りやイベントの会場にも使われ、杜の都・仙台のシンボルロードともいえる存在です。秋冬には、毎年ジャズフェスティバルや光のページェントが開催されます。

▲定禅寺通の散策路にはベンチもあります(写真提供:仙台観光国際協会)

仙台開府から続く歴史ある道

「定禅寺通(じょうぜんじどおり)」という名称は、藩政時代から明治初期までこの地にあった「定禅寺」に由来します。
仙台城を築いた伊達政宗は、北東の鬼門封じに真言密法の祈願寺「定禅寺」を置きました。

当時、その定禅寺の前の通りが定禅寺通、国分町から西が定禅寺通櫓丁(じょうぜんじどおりやぐらちょう)と呼ばれていたそうです。
しかし、広大な敷地を誇った定禅寺は明治維新とともに伊達家の庇護を失い、廃寺となってしまいました。

明治初期には、境内跡に陸軍病院が建てられましたが、終戦後、その場所には仙台合同庁舎が建てられ、現在に至っています。

仙台が「森の都(現在は「杜の都」)」と呼ばれるようになったのは、明治の終わり頃からといわれます。伊達家は屋敷の中に栗や梅、柿など実のなる樹木を植えることを藩士らに奨励したため、明治に入っても屋敷林が多数残っていました。

さらに、寺や神社、広瀬川の河畔、城のある青葉山も豊かな緑に包まれていたことから、「森の都」と呼ばれるようになったようです。
▲仙台市内を流れる広瀬川(写真提供:宮城県観光課)
「杜の都」と表記されるようになったのは昭和に入ってからといわれます。

1945(昭和20)年7月、仙台空襲で、定禅寺通も含めた仙台市街は灰燼(かいじん)に帰してしまいます。屋敷林も寺社の樹林も、そのほとんどが焼き払われてしまいました。

復興が始まったのは1946(昭和21)年。戦災復興計画のもと、定禅寺通は46mに拡幅され、1958(昭和33)年から数次にわたり、ケヤキの若木が植えられました。

それから60年近い年月を経て、ケヤキは立派に成長し、戦前とはまた違った形で新しい「杜の都・仙台」のシンボルロードになりました。

現在、定禅寺通には、勾当台公園市民広場前から西公園付近まで、約700mの緑道が整備され、166本の大きなケヤキが並んでいます。
▲エミリオ・グレコの「夏の思い出」(写真提供:仙台観光国際協会)
緑道では、イタリアの彫刻家の作品「夏の思い出」や「オデュッセウス」、「水浴の女」を見ることができます。近くのカフェで飲み物をテイクアウトし、緑道にあるベンチに座って、ゆっくり過ごすのもおすすめです。
▲定禅寺通は秋の紅葉も必見です(写真提供:宮城県観光課)

アート&カルチャースポット「せんだいメディアテーク」に立ち寄り

▲せんだいメディアテークは建築家・伊東豊雄(とよお)氏が設計したモダンな建物
地下鉄勾当台公園駅から歩いて約10分。右手側に、ガラス張りの建物が見えてきます。それが、「せんだいメディアテーク」です。

「せんだいメディアテーク」はギャラリーや図書館などがある複合文化施設で、1階には「KANEIRI Museum Shop 6」もあります。

東北のクリエイターが手掛けた作品が揃っていますから、ぜひとも立ち寄ってみたいところ。こけしや器、手ぬぐいなどおしゃれな伝統工芸品が並びます。館内にはカフェや図書館もあるので、散策の休憩にもぴったりです。
▲かわいいこけしアイテムなどが揃うKANEIRI Museum Shop 6

たくさんの人で賑わう秋のジャズフェス、冬のページェント

仙台を代表する祭りやイベントが行われる定禅寺通。
これからの季節に楽しみなのは、2015年9月12日(土)と13日(日)に開かれる「定禅寺ストリートジャズフェスティバルin仙台」です。
▲初開催から今回で25回目を迎える「定禅寺ストリートジャズフェスティバルin仙台」
このイベントは、プロ・アマチュア問わず、多数のミュージシャンが参加し、定禅寺通をはじめ、市内の公園や広場などで演奏するというもの。ここ数年、参加バンド数は700を超え、70万人以上の観客が訪れています。
▲街全体がステージと化し、街中は多彩なジャンルの音楽であふれます
最近はジャズにとどまらず、クラシックやロック、ゴスペルなど演奏はさまざま。市内を歩き回れば、音楽で心も弾みます。この2日間、仙台は音楽一色です。
また、毎年12月には「SENDAI光のページェント」も開催。仙台の冬の風物詩として全国に知られるようになったビッグイベントです。
開催30回目を迎える2015年は、160本のケヤキに約60万球のLED電球を装飾。光のアーチをくぐりながら、定禅寺通を歩くことができます。
▲点灯の瞬間は歓声が上がります(写真提供:SENDAI光のページェント実行委員会)
2015年の開催は、12月6日(日)から31日(木)まで。点灯開始は17時30分で、消灯は23時(31日は24時)です。

毎日18時、19時、20時の3回、1分間消灯したのちに再点灯する「スターライト・ウインク」が行われます。点灯の瞬間は、ため息がもれる美しさです。
さらに12月23日(祝)はパレードやステージが開かれ、イベントも最高潮。寒さの厳しい時期ですが、ロマンチックな夜を過ごせること請け合いです。

定禅寺通界隈は、ショッピングも、食事も、イベントも楽しめる充実のエリア。定禅寺通で、杜の都・仙台の魅力を体感してみてはいかがですか。
加藤亜佳峰

加藤亜佳峰

編集者・記者。編集プロダクションMOVE所属。仙台を拠点に、企画・編集・取材・執筆を担当。旅行誌を中心に、情報誌やムック、書籍、パンフレットなど幅広いジャンルの印刷・出版物を手がける。

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