「越前がに」は新鮮さが命!獲れたてをリピーター続出の料理旅館でいただく

2018.02.09 更新

毎年11月6日から3月20日頃まで解禁となる「越前がに(ズワイガニ)」。この時期になると全国から多くの人たちが越前がにを目当てに福井を訪れます。越前海岸沿いの旅館は大にぎわい!なかでも極上の越前がに料理をいただける大人気の旅館があると聞き、荒波が打ちつける越前海岸へとやってきました。

地元漁師が経営する料理旅館「秀竹」

ざっばーん!
やってきました、越前海岸!
道路まで波しぶきが飛んでくるほど荒れ狂う日本海。
これぞ冬の海!という感じですね。

北陸自動車道・敦賀ICから車を走らせること約50分。越前海岸沿いにある玉川温泉に全国からお客さんが訪れるお宿があります。

到着したのは料理旅館「秀竹(ひでたけ)」。
地元の漁師さんが経営しているということで、越前がにをはじめ、越前漁港で水揚げされた新鮮な魚介類をいただくことができるのです。
今回選んだのは、「得TOKUコースプラン」(1泊2食付1名27,800円~、税・サービス料込)。越前がにや地元の港で水揚げされた旬の海鮮料理がいただけるそうです。

早速チェックインし、お部屋へ。夕食のときを待ちます。
▲14畳の広々とした和室はグループでの宿泊にもぴったり。思わずゴロゴロしてしまいます
▲館内のお風呂は家族がゆったり入れる広さ(時間制貸切)。越前玉川温泉の源泉をひいた立派な温泉です

越前がにの美味しさを余すところなくいただきます!

さぁ、待ちに待った夕食の時間です。いただくのはこちらの食事処で。落ち着いた雰囲気の和室にテーブル席が嬉しいです。
「はーい、こちらが越前がにです!」とかにを抱えて登場したのは、看板娘の笠嶋優美(かさじまゆみ)さん。
▲明るくてきさくな優美さん

大きな越前がにが足をばたばたさせながら動いています。この活きの良いかにを今から茹で上げてくださるそう。楽しみです!

では早速、越前がにづくしの料理をいただきましょう!
最初は「焼きがに」から。陶板にのせられた生のかにを火にかけ蓋をして、蒸し焼きにしていきます。
▲かにスプーンを差し込むと、するする~っと身がきれいにほどけていきます

うわっ、甘い!
ぷりっとした身は弾力があり、かにの旨みと甘みに思わずのけぞってしまうほど。生臭さはまったくなく、口の中にさわやかな潮の香りが広がります。
▲美味しい~!

次にやってきたのは「越前がにの天ぷら」。カラッとした衣とふんわりとしたかにの身の組み合わせが抜群!焼きがにとはまた違う美味しさを楽しめます。
越前漁港はかにだけではありません。地元で獲れた新鮮な魚介類のお刺身も抜群です。
▲旬のカンパチをはじめ、甘エビ、真イカ、バイ貝の盛り合わせ
▲つやっつやのカンパチ。脂がのっていて口のなかに入れるととろけます

その時期で一番美味しいものが並ぶというお刺身ですが、これからの時期はどんなものが獲れるのでしょうか?

「2月からはヤリイカの漁が始まるんです。春には終わってしまうので、たった3カ月ほどなのですが、こちらもすごく美味しいので、かにが終わってからの季節もおすすめですよ」と優美さん。

そういえば、旅館近くには秀竹の漁船「秀竹丸」が停泊していました。早朝に漁に出て、その日獲れたものを夕食に使うそうです。
▲イカ漁で使うランプがかかった「秀竹丸」
▲館内にも漁の写真が飾ってありました

そんな話をしていると、ついに運ばれてきました!真っ赤に茹であがった越前がにの登場です!
茹でたてほやほや、お皿から湯気があがっています。
▲越前がには1人一杯!両手で抱えてやっと持てるサイズです

「越前がに」のブランドを表す黄色いタグもついています。このタグは越前町漁業協同組合が、全国で初めてブランド化を行ったもの。セリにかけられる前の雄のズワイガニにタグを取りつけ、一度つけると外れないようになっています。
▲水揚げされたらすぐにタグが取りつけられる(写真提供:越前町観光連盟)
▲タグははさみの根元部分に取りつけられています。さらにタグの裏側には水揚げした港も表記
▲タグについているQRコードを読み取ると、越前がにの美味しい食べ方やかに漁の動画を観ることができます

美味しい越前がにを見分けるポイントは、“大きさに対する重さ”。しかしセリではいちいちかにを持ち上げるわけにはいかないので、目視で見分けるそうです。これぞ長年の勘ですね。

越前がにをきれいに美味しく食べたい!

さて、いよいよ食べるわけですが、どうしてもかにを上手に食べることができないという方も多いのではないでしょうか。上手なかにの剥き方を優美さんに教えていただきました。

「まずはかにの足の付け根を持って腹側に持ち上げるとお腹と足がガバッと取れます。そこからハサミを使って足をお腹から切り離すと、足とお腹部分に分かれます」

そう言いながらあっという間にかにを解体していく優美さん。あまりの早技についていけません。
▲2分もあれば全て解体してしまうそうです。すごい!

お腹の部分、ここもいつも食べる時に苦労するのですが、足の付け根と付け根の間にハサミをいれると一口サイズに分けられます。かにスプーンをつかっていつまでもほじほじする必要はありません。
そして肝心のかにの足ですが、こちらは手で殻を押し出すだけでつるん!とこの通り。
▲面白いように身がきれいに出てきます

こんなにきれいに身が出てくるのは、生きたままのかにを茹でるから。鮮度が落ちるとどうしても殻に身がついてしまい、食べにくくなってしまうそうです。

先ほど焼きがにをいただきましたが、こちらの茹でがにも絶品!程よい塩気がさらに甘みを引き立てています。かにってこれまで淡白なイメージがあったのですが、こんなに旨みが強いとは驚きました。聞くと、なんでも茹で汁にもひと工夫しているとのこと(残念ながら企業秘密だそうです)。
▲かにの爪を使うと殻が細くなっている部分でもきれいに身を取り出せます

「かにを食べると人は無口になる」と言うように、つい殻から身を取り出すことに集中してしまいますが、せっかく美味しい越前がにを食べるなら、楽しく会話しながら食べたいもの。
かにの解体が上手になると、さらに食事が楽しめそうですね!
▲これからかにを食べるときは会話も楽しめそうです

そして身と同じくらい、いやそれ以上に楽しみにしていたのが「かに味噌」。甲羅から掻き出した濃厚な味噌はそのままでももちろん美味しいですが、かにの身と一緒に食べるとさらに食べ応えが増します。
▲ごはんにのせる人も多いそう。日本酒にも合いそうですね

パンチのある味噌と身のコラボレーションに完全ノックアウトです。

「かにの中でも“越前がにじゃないとだめ”というお客さんも多いんですよ」と優美さん。

越前がにの季節には全国各地からお客さんが訪れる秀竹。なんとシーズンになると月1回ペースで予約を入れる方もいらっしゃるそうです。
▲このほかにもタラの子のゼリー寄せや旬の焼き魚(この日はカレイでした)、かにの身が入った茶碗蒸し、デザートがついて満腹になりました

越前がにの美味しさの秘密

いやー、美味しかった!大満足!
しかし、ここで「越前がにじゃないとだめ」という言葉に疑問が浮かび上がります。

越前がには福井で獲れるズワイガニ。山陰では「松葉がに」、丹後の一部では「間人(たいざ)がに」、石川県では「加能がに」と産地により名前は変わるものの、同じ日本海側で獲れるズワイガニには違いがありません。
そのなかでなぜ「越前がにが美味しい」と言われるのでしょうか?その理由も優美さんにうかがってみました。

「越前海岸の沖は、かにが生息する水深250~400mまで一気に深くなります。船で走れば漁場から港まで約1~2時間で戻ることができるので、新鮮なまま水揚げすることができるんです。越前の海は暖流と寒流がぶつかるのでプランクトンが豊富なことや、海水の温度なども美味しさに関係しているようです。また、荒い波に流されないよう、かにが地面にしっかりつかまろうとすることで身が締まるとも言われていますね」
▲越前漁港は、小型底引き網船が主流。22時頃からたくさんの小型船が沖に向かいます(写真提供:越前町観光連盟)

なるほど、納得。同じズワイガニでも越前がにならではの特徴があるんですね。

美味しい料理と楽しい会話、あたたかい心配りが嬉しい「秀竹」。全国からお客さんが訪れる理由がよくわかりました。また来年もこの時期に来たいと思います!
石原藍

石原藍

ローカルライター。 大阪、東京、名古屋と都市部での暮らしを経て、現在は縁もゆかりもない「福井」での生活を満喫中。「興味のあることは何でもやり、面白そうな人にはどこにでも会いに行く」をモットーに、自然にやさしく、心地よい生き方、働き方を模索しています。趣味はキャンプと切り絵と古民家観察。

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