【丸岡城】今だけ!日本最古の現存天守と桜が織りなす絶景に出合う

2018.03.30

春らんまんの桜のなかに浮かぶ「丸岡城」は福井県内有数の桜の名所。この時期は約400本のソメイヨシノが咲き乱れ、桜まつりも開催されます。日本最古の現存天守を愛でながら、満開の桜を楽しんでみませんか?

福井の桜スポット「丸岡城」の桜まつり

北陸道・丸岡ICから車で約5分。福井県坂井市にある「丸岡城」は日本さくら名所100選のうちの一つ。ここでは毎年桜が満開の時期に「桜まつり」が開催され、期間中は約6万人が訪れます。
▲(写真提供:坂井市丸岡観光協会)

2018年は4月1日(日)~20日(金)に開催。地元グルメが堪能できる屋台や子ども縁日、甲冑などの時代衣装を着て練り歩く武将なりきり体験、地元中学校茶道部によるお茶会、幻想的な夜のライトアップなど、さまざまな催し物が目白押しです。
▲丸岡町のゆるキャラ「城丸くん」(左)と「たけだ桜ちゃん」(右)も出没(写真提供:坂井市丸岡観光協会)
▲場内のボンボリが点灯するライトアップは期間中18:00~22:00に開催(写真提供:坂井市丸岡観光協会)

今回は、「桜まつり」がさらに楽しくなるスポットをご紹介したいと思います!

隠れた工夫がいっぱい!日本最古の個性派現存天守「丸岡城」

日本に12ある現存天守の一つで国の重要文化財にも指定されている丸岡城は、合戦中に大蛇が現れて霞を噴き、城を隠したという伝説があることから別名「霞ヶ城」とも言われています。

築城されたのは戦国時代のこと。当時、各地で一向一揆が勃発し、その備えとして織田信長が柴田勝家の甥、柴田勝豊に築城を命じました。
最終的な建築年は諸説あるそうですが、日本に残っている天守としては最古のものです。
▲(写真提供:坂井市丸岡観光協会)

明治時代になると廃城令が敷かれ、日本各地で城の解体が進められます。丸岡城も本丸や二の丸が解体されるなど、廃城の危機に遭いますが、丸岡町により買い戻しされたことで天守だけは解体を免れました。さまざまなドラマを経て今も残っている丸岡城。早速向かいましょう。
▲入城料は高校生以上450円、小・中学生150円(いずれも税込)

入城口にある案内所では天守の特徴をぎゅっとまとめた映像や資料などを見ることができます。まずはここで予習するのもありですね。
▲丸岡城のことがよくわかる映像は、地元の丸岡高校放送部が制作

案内所ではボランティアガイドをお願いすることもできます(ガイドは無料。小冊子<500円・税込>購入の協力をお願いします)。城内各所の見どころなどをユーモアをまじえて案内してくれるので、丸岡城を詳しく知りたい!という方にはおすすめ。利用する場合は1週間前までに予約が必要です。

入城口からなだらかな坂を少し登ると、すぐに天守が見えてきました。
▲石垣を合わせると、高さは20mほど。内部は三階建です

こぢんまりしていますが実は個性的な丸岡城の天守。いたるところに工夫が施されています。

たとえば、石垣。
隙間が多い積み方のように思われるかもしれませんが、これは「野面(のづら)積み」という古い方式。水はけがよく、大雨でも崩れる心配はありません。
▲ちゃんと理にかなっているんですね
▲門や櫓(やぐら)はなく、いきなり入口が登場。すっきりしていて潔い「独立式天守」です

一階で注目すべきはこの一列に並んだ柱。この柱が天守すべてを支えています。支える重量は、なんと約80t!
▲天守を支えている柱。写真の一番手前は築城当時から残っている柱だそう
▲天守内のいたるところに敵を攻撃するための「狭間(さま)」があります

二階、最上階に上がるにはこの階段から。笑っちゃうほど急な角度です。
▲この角度の階段はなかなかありません。戦のことを考えてつくられていたことがよくわかります
▲ロープも垂れ下がり、ちょっとしたアスレチック気分

そして、個性的なのが屋根瓦。丸岡城のある地域は冬、雪が多く冷え込むため、普通の瓦では割れてしまうそう。そのため、福井市の足羽山(あすわやま)で採掘されていた笏谷石(しゃくだにいし)の特製瓦が使われています。この笏谷石は現在はもう採掘されていないので、とても貴重なんです。
▲瓦の重さは一枚20~60kg。屋根全体で120tにもなります

天守最上階の間は回廊付きの望楼になっています。訪れた日は嵐だったため、残念ながら窓は閉じられていましたが、ここから見える東西南北の景観は格別とのこと。ぜひ実際にその目で確かめてみてください!
▲天気の良い日は日本海までくっきり見えるそうです

一日中居たくなる「日本一短い手紙の館」

さて、丸岡城の天守の近くにはこんな石碑があります。
「一筆啓上 火の用心 お仙泣かすな 馬肥せ」
これは徳川家康の家臣、本多作左衛門重次(ほんださくざえもんしげつぐ)が陣中から妻へ宛てた手紙です。

現代風にすると
「妻に一筆したためます。火事には気をつけなさい。跡取りの仙千代を大切にしなさい。戦に欠かせない馬もしっかり面倒みてね」
という意味でしょうか。

たった17文字にこれだけの意味が込められるなんて、日本語って奥深い!
この手紙に出てくる「お仙」は後の初代丸岡藩主となったことから、丸岡町では日本一短い手紙「一筆啓上」の文化が根づくようになりました。

そんな一筆啓上をじっくり味わえる施設がここ、「一筆啓上 日本一短い手紙の館」です。
▲丸岡城の目の前にある「日本一短い手紙の館」。丸岡城の入場券でこちらの施設にも入場できます

さきほどの本多作左衛門重次の手紙の心を受け継ごうと、1993(平成5)年に日本初の手紙コンクール「一筆啓上賞」が誕生しました。

毎年テーマを変えて募集される一筆啓上の手紙は、日本だけでなく世界各地から応募が寄せられています。その数毎年3万通以上。「日本一短い手紙の館」では、これまでの応募作品約130万通の手紙がさまざまな形で展示されています。
▲入口近くでは日替わりでさまざまな一筆啓上を紹介。このお父さんの気持ち、想像できるなぁ……
▲2017年度のテーマは「母へ」。大賞のなかにはなんと4歳の女の子の作品もありました。かわいいですね~
▲こんなくすっと笑える手紙も
▲「わすれない。」をテーマに書かれた手紙。不覚にも涙が出そうになりました

企画展示室では丸岡の「一筆啓上」と愛媛県西予市で毎年募集されている「かまぼこ板の絵」がコラボした作品が展示されています。こちらもまた素敵です!
常設展示室には、第1回からの作品の展示に加え、これまでの入賞作品が滝のように流れ落ちるモニターも。
▲想いのこもった手紙の数々に、釘付けになってしまいます
▲三階にある古城展望室は丸岡城の最上階とほぼ同じ広さ。狭間のような形の窓も再現されています
▲ベランダは回廊になっていて、丸岡城下を一望できます
▲展示室には手紙を書くスペースも。書いた手紙は施設の前のポストに投函できます

一つひとつの手紙を読んでいると、時間を忘れてしまいそうです。来館者のなかには半日以上かけてすべての展示に目を通す方や、人知れず涙する方もいらっしゃるそう。丸岡城と合わせて、ぜひこちらにも足を運び、手紙に込められた想いを味わっていただきたいです。

蕎麦の産地で絶品おろしそばをいただく!

じっくり丸岡城周辺を散策したら、おなかが空いてきました。
丸岡城のある坂井市丸岡町は、県内有数の蕎麦の産地。丸岡城の隣にある「一筆啓上茶屋」内の「そば処 一筆啓上」では、丸岡産の玄(げん)蕎麦をつかった手打ちの「越前おろしそば」をいただくことができます。
▲手打ちおろしそば(650円・税込)

県下最大級の栽培面積を誇る丸岡町の蕎麦は、風通しの良い平地で育った実を早刈りするのが特徴です。通常より2週間ほど早く刈り取ることで風味や味わいがよくなる上、ポリフェノールが多く含まれるため抗酸化作用が高いなど、良いことづくしなのだとか。石臼で丁寧に挽いた打ち立ての蕎麦は香りも高く、のどごしも最高です。
▲福井名物「ソースカツ丼」がついた県人セットも(880円・税込)
▲そばの手打ち体験もできます(前日までに要予約)
さらに一筆啓上茶屋内の「まる桜花(まるおか)ふぇ」ではスイーツメニューが人気。
そば粉をまぶした餡を入れた大判焼き風のおまんじゅう「ほやほや焼き」をいただきながら、丸岡城を眺めてほっこりするのもおすすめです。
▲窓側の席からは丸岡城を眺めながらゆったりとくつろぐことができます
▲抹茶ラテ(350円・税込)と銘菓「ほやほや焼き」(150円・税込)。ちなみに「ほやほや」とは福井の言葉で、“そうそう~”と相槌を打つときに使います
桜もちらほら咲き始めました。丸岡城の桜まつりはもうすぐ。ぜひ丸岡城に足を運び、この時期ならではの景色やグルメを楽しんでいただきたいと思います!

※桜の写真は2018年のものではありません。
石原藍

石原藍

ローカルライター。 大阪、東京、名古屋と都市部での暮らしを経て、現在は縁もゆかりもない「福井」での生活を満喫中。「興味のあることは何でもやり、面白そうな人にはどこにでも会いに行く」をモットーに、自然にやさしく、心地よい生き方、働き方を模索しています。趣味はキャンプと切り絵と古民家観察。

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