仙台が誇る緑色のスイーツ・ずんだを作り続ける「村上屋餅店」

2015.10.08 更新

枝豆の香りと甘みを楽しめる「ずんだ」。仙台市内では、あんみつやパフェ、洋菓子など、さまざまなスイーツで使われる定番の素材です。ずんだスイーツの代表格であるずんだ餅を食べて、その魅力に迫ります。

香りと甘みにこだわり、枝豆を選ぶ

ずんだとは、ゆでた枝豆をすりつぶして砂糖や塩で味付けをした餡のこと。その名前の由来は諸説ありますが、豆を打って作ることから「豆打(づだ)」がなまり、ずんだになったというものが有力です。
栄養価も高く、郷土料理の一つとして古くから地元で親しまれてきました。
今回訪れた「村上屋餅店」は1877(明治10)年創業の歴史ある餅店。カウンターには和菓子店のように焼き団子や蒸しまんじゅうなどの菓子が並びます。
餅や餡はすべて手作り。作りたての味を大切にし、変わらぬ味を守り続けています。
餅菓子や汁粉を食べられるスペースが12席併設されており、甘味処としても人気です。
▲漬け物付きのづんだ餅637円(税込)。お持ち帰りは617円(税込)
メニュー名は「づんだ餅」。昔からの名前という「づんだ」の表記にも歴史を感じます。隣に添えられているのは、甘いづんだ餅と好相性の漬け物です。

美しい緑色が目をひくずんだ餡は、毎日店で手作り。着色は一切せず、枝豆の薄皮を丁寧に取り除くことで、滑らかで鮮やかな色の餡に仕上げます。
材料は枝豆と砂糖と塩のみ。枝豆の中でも香りと甘みの強い茶豆にこだわり、香り豊かな餡が特徴です。

枝豆の甘みを大切にするため、砂糖はわずかな量しか使いません。少し粒を感じる餡を口にほおばると、枝豆の香りが爽やかに鼻を抜けていき、あとから優しい甘みが広がります。
甘さ控えめで、ついついたくさん食べたくなってしまうおいしさです。
作りたての味にこだわり、注文が入ってから餅をちぎり、餡に絡めます。
宮城県産のもち米「ミヤコガネ」を使った餅はやわらかく、そのまま食べるとほんのりともち米の甘みを感じます。餅のおいしさは、やはり専門店ならではのものです。

老舗が作るづんだ菓子も必食

ずんだスイーツは、づんだ餅のみにあらず。づんだ大福1個194円(税込)は、淡い緑色の餅の中に、ずんだ餡がたっぷり。餅に沖縄県産のまろやかな塩をきかせ、餡の甘みを引き立てています。
笹のしづく(づんだ茶豆)1個194円(税込)は、ずんだ餡入りの葛まんじゅう。触れるとプルプルとする葛は、口溶けがよく、ずんだ餡にしっとりと合います。餡の鮮やかな色が葛に透けて見え、涼やかな印象です。
夏限定のかき氷にはづんだミルクがあり、こちらも毎年多くのファンが楽しみにしている人気のずんだスイーツです。
「普通に作るだけじゃ面白くない。おいしく食べていただくために、どんな商品でもちょっとした工夫を凝らすことを忘れません。それが長くお店を続ける秘訣ですよ」と笑顔で話すのは四代目店主の村上康雄さん。
づんだ餅とづんだ大福、笹のしづく(づんだ茶豆)の餡は別々に作り、それぞれの風味や口当たりを変えるなど、手間を惜しみません。

ずんだ以外にも、トマトやイチゴなど季節の素材を使った季節限定品を多く手がけ、チアシードなど話題の食材を使った新商品を毎年生み出すなど、訪れるたびに新しい魅力に出合えるのもこの店ならでは。

「話題の食材を使って、次はどんな菓子を作ろうか考えているんです」
定番のづんだ餅と村上さんの新たな試みを楽しみに、何度でも足を運びたくなる店でした。
菊地裕子

菊地裕子

広告営業、編集プロダクション勤務を経て、仙台を拠点に活動するフリーのライター。グルメ、観光を中心に幅広い記事を執筆中。

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