ヤン坊マー坊の聖地・長浜「ヤンマーミュージアム」で童心にかえる!

2018.04.25 更新

ヤンマーと言えば、おなじみ「ヤン坊マー坊天気予報」やトラクター・耕運機などで有名な企業ですよね。実はヤンマーの製品は農業機械だけでなく、暮らしのあんなところやこんなところにも使われているのです。ヤンマーの技術を気軽に体験できる「ヤンマーミュージアム」は子どもから大人まで大人気!今回はその人気の秘密を探ってきました。

建物で長浜のまちを表現!

JR北陸本線・長浜駅から10分ほど歩いた場所にあるヤンマーミュージアム。入口ではおなじみ「ヤン坊マー坊」が出迎えてくれます。
▲写真撮影にぴったり!

このミュージアムは、ヤンマーの創業100周年を記念して誕生したもの。創業者・山岡孫吉(まごきち)の生誕地である長浜市に2013年オープンし、年間10万人以上が訪れます。
緑が繁った屋根、キラキラ光る水面、黒く輝くモダンな建物は、ヤンマーが展開する事業領域「海洋」「大地」「都市」と長浜の景観を表したもの。優秀な建築物に与えられる「BCS賞」や「グッドデザイン賞」も受賞しています。
▲長浜の有名な観光地といえば「黒壁スクエア」。その黒壁をイメージした建物や、琵琶湖に流れ込む琵琶湖疏水も表現しています
▲壁は昔から長浜に伝わる船の廃材を使った「舟板塀(ふないたべい)」をコンクリートで表現したもの。独特の模様を生み出しています

ヤンマーの原点「ディーゼルエンジン」

早速、入館料(高校生以上600円、小・中学生300円、未就学児無料、いずれも税込)を支払い、なかへ。

エントランスでは、いきなりドドーンと存在感のある巨大なエンジンが登場します。
こちらはドイツのルドルフ・ディーゼル博士が開発した世界初の「ディーゼルエンジン」のレプリカ。ヤンマーの歴史に影響を与えた重要なエンジンなのです。
ディーゼルエンジンが誕生したのは明治25(1892)年のこと。ピストンによって圧縮加熱した空気に液体の燃料を噴射することで着火するディーゼルエンジンは、石油エンジンなどに比べて燃費が良くて安全で力強いというメリットがあり、画期的なものでした。

ドイツでこのエンジンに出合ったヤンマーの生みの親、山岡孫吉は、農家の人に役立てたいと開発に取り組み、世界で初めて小型化に成功。これを機に用途が広がり、さまざまな機械が誕生することになります。

農家の仕事を楽にしたい、それがヤンマーの原点

まずはヤンマー創業の歴史を知ることができる「山岡孫吉記念室」に行ってみましょう。

長浜の貧しい農家で10人兄弟の6番目として生まれ育った山岡孫吉。16歳で大阪に行き、さまざまな仕事を経験するなかで、ガス発動機(エンジン)の修理を手がけるようになります。19歳の時には山岡瓦斯(がす)商会を開業し、大正元(1912)年、24歳で山岡発動機工作所を設立。そして大正元(1912)年、孫吉は30歳のときに農業用の石油エンジンを開発し、商標を「ヤンマー」としました。これが現在の社名となっています。ベンチャー魂がすごい!

ちなみに社名の由来は、豊作の象徴であるトンボの「オニヤンマ」からとったものなんですよ。
▲現在は「FLYING-Y」というYAMMERの「Y」とトンボの羽をイメージしたブランドマークになっています

農家の仕事を少しでも楽にしたい、そんな思いを持ち続けていた孫吉。しかし、当時の石油エンジンは引火事故が多く、人のために作ったはずが人を傷つけてしまうことに落ち込んだそう。

しかし孫吉は44歳の時に旅先のドイツで先ほどのディーゼルエンジンと出合い、安全で安心なエンジンの小型化に乗り出します。
▲これが世界で初めて小型化に成功したディーゼルエンジン。昭和8(1933)年12月23日に誕生し、以来毎年この日は、ヤンマーの社内で「ディーゼル記念日」となっています

農業ってかっこいい!ハイテクトラクターに萌える

ヤンマー創業の歴史を知ったところで、いよいよミュージアムのメインエリアに向かいます!
▲いたるところに登場するヤン坊マー坊
▲まずは13mの巨大スクリーンがあるシアタールームでエンジンの動きを体感

シアタールームで迫力のある映像を楽しんだ後やってきたのは「農業ゾーン」。
ヤンマーの事業のなかでも知名度の高い分野です。
ここではトラクターや耕運機、田植え機などさまざまな機械に試乗することができます(追加料金不要)。
「農業は辛くて苦しいもの」というイメージを変えるべく、どの機械もスタイリッシュ。フェラーリのデザインも手がけた工業デザイナー・奥山清行(きよゆき)氏による最新型のトラクターに試乗してみました。
▲ヤンマーが手がけた「プレミアムアグリウエア」も試着できます。農業が一気にオシャレに!
▲トラクターのなかはちょっとしたコックピットのよう。ハイテクです
▲座席もクッションがしっかりしていて座り心地抜群
▲ライトも空調もタッチパネルで操作楽々
▲エアコンやオーディオも完備。農作業がはかどりそうです

乗用車並み、いやそれ以上に快適かもしれません。農業のイメージが変わりますね。
そのほか田植え機や脱穀機にも試乗することができます。
▲麦わら帽子などの小道具も充実。すっかり農家さんの気分になっています。楽しい!

まちで見かけるあの乗り物も操作できる

次にやってきたのは「まちづくりゾーン」。
日本の土地にあわせた小型の建設機械が展示されています。工事現場などでよく見かける機械もヤンマーの得意分野なのです。狭い場所や建物の壁際でも安全に効率良く作業ができるよう、機械の形状もコンパクトに工夫されています。

ここで体験できるのはミニショベルの操作。ヤンマーのOBスタッフの方が操作方法を教えてくれます。ヤンマーミュージアムでは会社へ恩返しをしたいというOBの方が、ボランティアスタッフとして働いているのです。

大人はもちろん、お子さんもかなり楽しめます!ちなみに操作は私の後に体験した小さな男の子の方がずっと上手でした。とほほ。

思わず全部揃えたくなるかわいい缶バッジ

ショベルカーの操作体験のあとは、「ものづくりゾーン」へ。
こちらではプレス加工の技術で缶バッジづくりを体験することができます。
▲ここでもヤンマーOBスタッフの方が教えてくれました

天気予報でもお馴染みのキャラクター・ヤン坊マー坊の絵柄を選び、オリジナルの缶バッジをつくります。
▲機械をがちゃんと下ろすと……
▲かわいい缶バッジの完成!1人1個つくることができます

季節に応じてオリジナルの柄も登場するそう。ここでしか手に入らない缶バッジ、ぜひ手に入れたいですよね。

「ものづくりゾーン」では、実際に工場内の製造ラインに入る前の準備運動に使われるロープワークも体験できます。数字の順と矢印の向きにロープをかけていき、速さと正確さを測るもの。

▲なんとヤンマー新入社員レベルの10秒台を記録!(なかなか出ない記録だそうです)私もヤンマーに入社できるでしょうか……

海のあんなところにもヤンマーの技術が!

ヤンマーのディーゼルエンジンは船舶にも使われています。
「ものづくりゾーン」のお隣、「海洋ゾーン」には約10mの大きな船があり、操船体験もできるんです。
▲間近で見るとかなり大きいです
▲大画面で実際に操縦しているかのような感覚を味わえる操船体験は、ミュージアムのなかで一番人気。子どもから大人まで気軽に挑戦できます

船のエンジン以外にも、さまざまな場所に登場するヤンマーの技術。どこでその技術が使われているか、タッチパネルでわかりやすく学ぶこともできます。
▲養殖の網を綺麗にする機械にもヤンマーのエンジンが。そんな機械があることすら知りませんでした

エネルギーのゾーンや過去のエンジンのギャラリーも

農業、都市、海洋と3つの事業領域のことを知りましたが、ヤンマーではエンジンによって生み出されたエネルギーも無駄なく使われています。

例えばエンジンで発電し、エンジンから出た排熱をお湯に変える「コージェネレーション」や、クリーンな天然ガスをつかってエンジンを回して空調する「GHP(ガスヒートポンプ)」というシステム、非常用電源など見えないところにも実はヤンマーのエンジンは利用されているんです。
▲人力ではどれくらいのエネルギーを出すことができるか、ハンドルを手で回して発電した電力量を測ることもできます。たった30秒でもかなり大変。エンジンのパワーのすごさを実感するはず
▲ミュージアムの2階には、歴代のエンジンがずらり。マニアにはたまらない展示コーナーです
▲OBスタッフが作った木製ディーゼルエンジンの模型も飾られていました。すごい!

琵琶湖の自然を再現した屋上エリア

天気がいい日にぜひ訪れてほしいのが、屋上エリア。テラスのビオトープは琵琶湖周辺の植生を再現しており、メダカやドジョウなど近隣の生き物が生息しています。なかにはニゴロブナといった琵琶湖にしかいない生き物も。メダカは最初20匹程度でしたが、今では2,000匹以上に増えたそうです。
▲植物もこの周辺のものを集めてきたそう(写真提供:ヤンマーミュージアム)
▲季節ごとに開催されるビオトープ観察会。普段は入ることができない池に入って楽しそう(写真提供:ヤンマーミュージアム)

そしてビオトープの奥にある「足湯」は、館内で発電しているエンジン廃熱を利用する「コージェネレーション」技術が使われています。ぬるすぎず、熱すぎず、ちょうどいい湯加減!実は南極の昭和基地にも同じ技術が使われており、ヤンマーではエンジニアが毎年1人ずつ越冬隊員として派遣されているそうです。ヤンマーに入社すると南極で働くことがあるかもしれません!
▲エントランスで購入できる「ヤン坊マー坊タオル」(200円・税込)もここでしか手に入りません

ヤンマーでは屋上エリアをはじめ、館内や近隣の田畑でさまざまなワークショップを開催しています。当日参加が可能なものもありますので、詳しくは公式ホームページをチェックしてみてくださいね。
▲田植えのワークショップでは、実際にヤンマーの機械も登場するそうですよ~(写真提供:ヤンマーミュージアム)

ミュージアムショップ&カフェでは限定アイテムに注目!

最後にご紹介するのは1階入口横にあるミュージアムショップ&カフェ。
カフェでは琵琶湖の伏流水が育てた近江米の米粉で作った「ヤンマーミュージアムカレー」をはじめ、軽食からスイーツまで揃っています。遊び疲れた後はこちらでゆっくりするのもおすすめです。
▲大きな野菜がゴロゴロ入った「ヤンマーミュージアムカレー」(ミニドリンク付き750円・税込)

ショップにはヤン坊マー坊グッズやヤンマートラクターのミニチュア、スポンサーになっているJリーグ「セレッソ大阪」のグッズ、ヤンマーのアグリウエアなどが勢ぞろい!ここでしか買えないものも多いので要チェックですよ。
▲「ヤン坊マー坊天気予報」は2014年に放送を終了(地方によって時期は異なります)。愛らしいキャラがかわいいですよね
▲一番人気の「ヤンマーせんべい」(3枚入り108円・税込)
▲文具からお菓子、マグカップまでさまざなまヤン坊マー坊グッズが揃います
▲ヤンマーの農業事業部がつくっている野菜のドレッシング(1本800円・税込)
▲ヤンマートラクター「YT3シリーズ ミニチュア」864円(税込)はここでしか買えないレアな商品
▲サッカーファンに嬉しいセレッソ大阪のグッズも

創業者・山岡孫吉の座右の銘「美しき世界は感謝の心から」という言葉のごとく、ヤンマー創業100周年の感謝の思いを表す施設として、子どもから大人まで楽しめる工夫が満載のヤンマーミュージアム。今まで人の手でやっていたことがエンジンによって大きく変わり、便利で豊かな暮らしをつくっていることがよくわかりました!

長浜にお越しの際は、ヤンマーミュージアムで楽しい時間を過ごしてみてはいかがでしょうか。
「人生、運や不運に左右されることもあるかもしれないが、感謝の心を忘れず努力すれば美しい世界が自ずとひらけてくる」という意味が込められている山岡孫吉の座右の銘。素晴らしい言葉を胸に、今回の旅を締めたいと思います。
石原藍

石原藍

ローカルライター。 大阪、東京、名古屋と都市部での暮らしを経て、現在は縁もゆかりもない「福井」での生活を満喫中。「興味のあることは何でもやり、面白そうな人にはどこにでも会いに行く」をモットーに、自然にやさしく、心地よい生き方、働き方を模索しています。趣味はキャンプと切り絵と古民家観察。

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