新潟のご当地グルメ「柏崎鯛茶漬け」おすすめ3選!旬の美味を気軽に味わい尽くす

2018.05.16 更新

古くから縁起物として、お祝いの席では欠かせない鯛。季節が春から夏へと移り変わる4月~6月、新潟県柏崎地域では鯛が旬を迎えます。そんな特産の鯛を贅沢に使った「柏崎鯛茶漬け」は、2013年開催の「第4回 全国ご当地どんぶり選手権」でグランプリを受賞した、柏崎を代表するご当地グルメ。今回は柏崎で鯛茶漬けを提供する約30店舗の中から、おすすめの3軒をご紹介します。

柏崎地域は、新潟県の日本海側のほぼ中央に位置し、JR新潟駅から快速列車を乗り継ぎ約1時間30分。約42kmもの海岸線を持ち、県内有数の鯛の水揚げ量を誇ります。入り組んだ岩場のリアス海岸が海流の流れを複雑にし、鯛にとっては格好の餌場。日本海の荒波に揉まれた柏崎の鯛は、姿形は大きくも身が締まっていることが特徴です。

また柏崎市の西部に位置する笠島地区の沖には鯛の産卵場があると言われており、産卵期には「桜鯛」と呼ばれる鮮やかな桜色を帯びた鯛が集まるそうです。
▲桜のように鮮やかなピンク色の桜鯛

そんな柏崎特産の鯛を贅沢に使ったご当地グルメが「柏崎鯛茶漬け」。基本のスタイルはご飯の上に鯛をのせ、出汁をかけた料理ですが、店舗によってアレンジ方法は様々。鯛の香り揚げや生の鯛、鯛のなめろうなど、鯛の調理法だけでもそれぞれ異なります。

そのなかでも2013年の「全国ご当地どんぶり選手権」に出場する際に考案され、グランプリを受賞したのが、「グランプリ仕様」と呼ばれる柏崎鯛茶漬け。鯛めしの上に鯛の香り揚げ、味噌やみりん、擦ったごまを加えた鯛のなめろう、いくら、岩のり、三つ葉をのせ、かつお出汁をかけた一品です。
▲「グランプリ仕様」の柏崎鯛茶漬け(写真提供:一般社団法人 柏崎観光協会)

グランプリを受賞すると全国から注目が集まり提供店が増加。柏崎鯛茶漬けを目当てに多くの観光客が集まるようになり、現在はホテルや旅館、民宿などの宿泊施設や和食店、居酒屋などの飲食店で、各店こだわりの一杯を提供しています。
柏崎では約30店舗が独自のメニューを提供しているなか、今回はおすすめ3軒の柏崎鯛茶漬けを紹介します!

グランプリ仕様の柏崎鯛茶漬け発祥店「割烹 いなほ」

最初に訪れたのは、「グランプリ仕様」の鯛茶漬けを提供する「割烹 いなほ」。JR東柏崎駅から徒歩約5分とアクセスも良好。昭和50(1975)年の創業以来、地元客に親しまれてきた老舗の割烹です。
鯛料理が自慢のこちらで提供する鯛は、身がしまって美味しいと言われるこだわりの「真鯛」。料理人である小池さん自らが市場で仕入れます。漁港が近いからこそ新鮮なまま手に入るそうです。

実は、2013年にグランプリに輝いた「柏崎鯛茶漬け」のスタイルを考案したのが、小池さん。グランプリ受賞の立役者の一人です。
そんな自慢のメニューがこちら!
▲お店の看板メニュー「柏崎名物 鯛めし茶漬け」。お新香・果物付で、一人前1,200円(税抜)

鯛めしの上に、醤油や酒に漬けて揚げた「鯛の香り揚げ」、いくら、ネギがのったどんぶりと、醤油やみりんで漬けた「鯛の漬け」、薬味なども一緒に運ばれてきました。

当初はグランプリ受賞時と同じく鯛のなめろうを一緒に提供していましたが、より華やかな見た目になることから、鯛の漬けに変更したそう。なめろうはなくとも鯛めし、鯛の香り揚げ、鯛の漬けで3種類の鯛の味を存分に楽しめるメニューです。

「まずは鯛めしをそのまま食べてください。半分ほど食べ進んだら薬味をのせ、出汁を注いでお茶漬けにしてみてください」と小池さん。
言われた通り1膳目は鯛めし本来の味を楽しみます。
▲鯛めしには細かくほぐされた鯛がびっしり

柏崎産コシヒカリを使った鯛めしはふっくらと炊き上げられ、ほんのりと鯛の香りが漂います。ふわふわの鯛の身が、コシヒカリの甘みと良く合い、口の中で旨味に変わっていきます。ほぐされた鯛は細かくも、しっかりと味を出していて、鯛本来の力強さを感じます。

香り揚げはふわふわの鯛めしとは打って変わり、身がしっかりとしていて噛めば噛むほど味わい深くなります。更にいくらもあわせていただくと、贅沢な味わいに。

思わずどんどんと箸を進めてしまいそうになりますが、ここはぐっと我慢して、一旦ストップ!次のお楽しみを残しておきましょう。
▲岩のりや三つ葉をのせ、出汁を注いでお茶漬けに

2膳目は、薬味をのせ、出汁をかけていただきます。
あっさりとしたかつお出汁は、鯛めしの美味しさを一層引き立ててくれます。汁に浸った香り揚げからはほのかに醤油の香りが漂い、しっとりとした味わいに。さらに薬味が入ることにより、気づけばあっという間に完食!
まだまだ食べ続けたいと願う味でした。
▲小鉢によそられた「鯛の漬け」

また、鯛が自慢のお店らしく鯛の漬けもこだわりの品。「鯛の漬けはそのまま食べても、薬味と一緒に出汁をかけてもどちらでも美味しいのですが、漬けのみで食べていただくのがおすすめです」とのこと。厚めに切ってあるため、しっかりとした弾力のある食感で、鯛本来の旨味を味わうことができました。
営業時間は基本的に夜のみですが、昼でも予約をすれば柏崎鯛茶漬けをいただけるそう。
鯛めしに、香り揚げに、鯛の漬けと、鯛の味を余すところなく堪能することができるこだわりの一杯をぜひ楽しんでみてください。

生の鯛でいただく極上の鯛茶漬け!温泉宿「湯元館」

次に訪れたのは生の鯛を使った鯛茶漬けを提供する、広田温泉「くつろぎの宿 奥の湯 湯元館」(以下、湯元館)。JR柏崎駅から車で約40分の静かな山あいに佇む温泉宿です。
▲創業150年以上と長い歴史を持つ宿

江戸時代から湧き続ける源泉かけ流しの露天風呂が楽しめる湯元館では、近隣漁港から水揚げされた新鮮な魚介類や地元産の野菜・山菜を取り入れた料理が人気。宿泊客以外でも利用できるランチ(要予約)では、鯛茶漬けを頂くことができます!
▲「鯛茶漬け」1,800円(税別)。お造り、小鉢、茶碗蒸し、漬物付き

旅館らしい風格のあるお盆の上に鯛茶漬けやマグロなどのお造り、小鉢などがのせられています。
湯元館の鯛茶漬けは、生の鯛。こちらでも真鯛を使っています。また、ご飯は鯛めしではなく、白いご飯を使用。若女将の吉原さんは「生の鯛の美味しさを引き立てるには、魚沼産コシヒカリそのままの白いご飯が合うと思って今のスタイルにしています」といいます。
いくら、岩のり、三つ葉、わさびが乗ったご飯の上に、小鉢に分けられた鯛の刺身と味噌で味付けした鯛のなめろうをのせます。そして土瓶で沸かされた熱々の出汁をかけてお茶漬けに…
かつお出汁を鯛の上に注ぐと、身がほんのり白く色づき、出汁の香りがふわっと広がります。
アツアツの出汁で半生となった鯛は柔らかく、ひと噛みですっと切れてしまうほど!淡白ながらも甘みを感じることができます。そして、鯛の味わいをしっかりと引き立てる魚沼産コシヒカリの白飯との組み合わせは絶妙です!
▲湯元館こだわりのなめろう。細かく切ったタイプと刻んだタイプとその日によって異なる。写真は細かく切ったタイプ

味噌味のなめろうと一緒にいただくことで、まろやかな味わいに。なめろうの量を調整すれば、味噌の風味と塩気がアクセントとなり味わいを変えることもできます。お茶漬けと聞くとシンプルなイメージですが、一碗でさまざまな味わいを楽しめることに驚きました!
▲広々としたロビーの様子

また、湯元館では別途600円(税別)で温泉に入ることもできます。昼食の提供時間は、11:00~14:00で、お風呂は10:00~16:00。お昼を食べてゆっくりと休んだ後、温泉に浸かって日々の疲れを癒すのもおすすめですよ。
もちろん宿泊して、夕食で鯛茶漬けをいただくことも。プランに合わせて鯛茶漬けを楽しんでください。

ひつまぶしスタイルで3度楽しめる!「レストラン日本海」

最後は、鯛をひつまぶし風に味わえる御膳が自慢の「レストラン日本海」へ。JR柏崎駅から徒歩約1分とアクセスも良好です。「ホテルサンシャイン」の1階にあり、宿泊客はもちろん、宿泊客以外でも朝食(要予約)・昼食・夕食を楽しむことができます。
昼と夜に楽しめるこちらの「真鯛せいろ御膳」は「レストラン日本海ならではの鯛茶漬けを楽しんでもらおう」という思いで考案されました。
▲「真鯛せいろ御膳」1,620円(税込)

真鯛を使った鯛めしに真鯛の香り揚げ、真鯛焼き霜造りと、まさに鯛のオンパレード!
最大の魅力は一膳で3つの味が楽しめることです。
「まずは鯛めしのみで食べてください。その後に焼き霜造りと薬味をのせて出汁をかけて。最後は、香り揚げと薬味をのせて出汁をかけてお召し上がりください」と支配人の與口(よぐち)さん。色んな味が楽しめるとは、女性には嬉しいポイントですね。
▲せいろに入った鯛めしはビジュアルも華やか!

教えていただいた通り、1膳目はそのまま鯛めし本来の味をいただきます。ほかほかの鯛めしといくら、三つ葉の味わいに思わず、笑みがこぼれます。鯛の身は少し大きめにほぐされているので、柔らかい鯛の身を存分に楽しむことができます。
▲次は焼き霜造りをのせ、お茶漬けに

2膳目は、焼き霜造りの真鯛をご飯にのせ、かつお出汁を注いでいただきます。焼き霜とは、強火で皮を炙り、すぐに冷水にとって冷やし、刺身にする料理手法のこと。ほどよく炙られた皮と主張しすぎない出汁が合わさり、より一層上品な味わいとなりました。

3膳目は、香り揚げと岩のり、三つ葉、ネギ、みょうが、乾燥のり、わかめといった薬味を入れます。
まずは香り揚げだけでひと口!
ん~!厚みのある鯛がふっくらジューシーに揚げられ、口の中に鯛の旨味が広がります。
その後、出汁を注ぎ、お茶漬けにしていただきます。香り揚げが出汁を吸い、少ししんなりと。柔らかい食感になり、より味わい深くなりました。様々な薬味が入ることで味に変化が出て、次から次へと食べ続けられます。
▲計3種類の食べ方でいただきました

最初は量が多いかなと思ったのですが、3度味を変えていただくとあっという間にたいらげてしまいました。「せっかくの旅行、少し豪勢に楽しみたい!」そんなときには高級魚の真鯛を様々な調理法で存分に楽しめる「真鯛せいろ御膳」はいかがでしょうか。
▲広々とした店内では、朝食も食べられます(6:00~9:30、要予約)

レストラン日本海の朝食では、白飯の上に鯛と薬味のみをのせた、シンプルな鯛茶漬けも提供しています。
まずはぜひ、昼食や夕食で豪勢な「真鯛せいろ御膳」を味わってみてください。

震災の復興の取り組みとして始まった「柏崎鯛茶漬け」

今や柏崎を代表するご当地グルメとなった「柏崎鯛茶漬け」ですが、元々は2007年に起こった新潟県中越沖地震の復興の取り組みの一つとして生まれました。
甚大な被害を受けた柏崎地域は、震災の影響で観光客も減少してしまいました。そんな中、柏崎地域観光復興推進協議会(当時)が立ち上げたのが、柏崎特産の鯛を使ったPRを促進する、「鯛プロジェクト」でした。
▲割烹 いなほの小池さんが編み出した、グランプリ仕様の「柏崎鯛茶漬け」(写真提供:一般社団法人 柏崎観光協会)

鯛茶漬けと鯛めしに絞って研究が重ねられる中で生まれたのが、鯛めしの上に香り揚げやなめろうなどをのせた、グランプリ仕様の柏崎鯛茶漬け。2011年10月に行われた柏崎市内の選考会では、「炊き込みの香ばしさがある」と好評で、現在の鯛茶漬けのスタイルが確立されました。
▲「第4回 全国ご当地どんぶり選手権」グランプリ受賞・表彰式の様子。インタビューを受ける当時委員長の佐藤さん(写真提供:一般社団法人 柏崎観光協会)

2012年に行われた「第3回 全国ご当地どんぶり選手権」では準グランプリ、翌2013年に見事グランプリを獲得し、柏崎鯛茶漬けは全国から注目を集めるようになりました。

現在はお店ごとに鯛の調理方法やトッピング、出汁なども異なり、各店こだわりの一杯を提供しています。様々な店舗をめぐり、ぜひ柏崎でお気に入りの鯛茶漬けを探してみてください。
長谷川円香

長谷川円香

ライター。新潟をもっと楽しくするWEBマガジン「にいがたレポ」参加ライター。広告会社にて勤務後、フリーランスに転向。「暮らすような旅」をモットーに地域に住む人・日常も含めて伝えることを目標にしている。 編集:唐澤頼充

※本記事の情報は取材時点のものであり、情報の正確性を保証するものではございません。最新の情報は直接取材先へお問い合わせください。
また、本記事に記載されている写真や本文の無断転載・無断使用を禁止いたします。

こちらもおすすめ

もっと見る
PAGE TOP