38度のぬるさが心地いい!古湯温泉の人気宿で日帰り入浴めぐり

2018.03.23 更新

佐賀市の北部にある「古湯(ふるゆ)温泉」。佐賀市の中心部からは車で約35分、福岡県との県境にある三瀬トンネルを超えれば、福岡市中心部からも車で約1時間とアクセス抜群。美人湯と名高い古湯温泉の、日帰りで楽しめるおすすめの3湯を紹介いたします。

古湯温泉は、約8割が森林の山間の町・佐賀市富士町にあります。緑溢れる山々や嘉瀬(かせ)川、北山(ほくざん)湖などの水にも恵まれた豊かなエリア。新緑の時期は特にドライブルートとしても人気です。
▲国道323号線沿いにある古湯温泉の石碑

その歴史は古く、2200年ほど前に開湯したと言い伝えられています。何と、秦の始皇帝の命で日本に不老長寿の薬を探しに来た学者・徐福(じょふく)が発見したというからその古さに驚き!以降湯治場として栄えてきた古湯温泉の特徴は、何といってもその温度にあります。

お母さんのお腹の中にいるよう!?38度の心地よさ

一般的に観光地化されている温泉は、入浴すると人肌で「熱い」と感じる40度以上の湯温が多いと思いますが、ここ古湯温泉の湯温は38度。ほぼ人肌の温度であるぬるさと、ぬるぬるとした肌ざわりの「ぬる湯」なのです。
▲湧出口からの温泉を触っても、人肌より少し温かい程度

この38度という温度は、浸かれば長湯したくなる心地よさ。通常の温泉入浴だと長くても30分が限度だと思いますが、古湯温泉は約1時間も浸かっていられるというから、スゴイ。さらにアルカリ性の数値を表すpH値が9.5以上もある、アルカリ性単純温泉。肌触りなめらかな「美人湯」と泉質までパーフェクト!!

お母さんのお腹の中(羊水)とだいたい同じ温度、さらに肌を守ってくれるような優しいお湯…。だから、まるで人がお母さんの体内にいるときのようなリラックス効果があるそう。
▲無色透明の湯は入浴のほか、飲用できるところも

そんな心地よい古湯温泉には、13もの旅館・温泉施設があり、ほぼ全施設で日帰り入浴を受け付けています(夏季シーズンのみの宿もあり)。今回は、古湯の名湯を素敵な雰囲気で楽しめる、3つの人気宿に行ってきました。

洗練されたモダンスタイル。男女あわせて15もの湯が楽しめる「ONCRI」

▲黒を利かせたモダンな外観

まずは、古湯温泉街から少し離れた高台にあるホテル「古湯温泉ONCRI(おんくり)」(以下、ONCRI)へ。こちらは2012年に “ジャパニーズコンテンポラリー”をコンセプトにしたデザインにリニューアル。洗練されたサービスで非日常を感じさせてくれる施設です。
▲入口から素敵な趣き!
▲日帰り入浴は正面入り口より2階に
階段を上がって右手に進めば、日帰り温泉施設「湯処 SHIORI」(以下、SHIORI)にたどり着きます。
▲この奥にある「SHIORI」のフロントで、入浴料(大人1,200円)を支払います

中に入り、奥行きがある広々とした大浴場に歓声。大浴場には男女あわせて15もの浴槽があるそう!ぐるりと見て回ると、内湯には石造りの浴槽に寝湯、有田焼を使用した陶器風呂、歩行湯、サウナ、ジャグジーが。
▲大理石の浴槽。手前はジャグジー、奥には寝湯が!
▲内湯からは一面に緑の山々を見渡せます

屋外に出ると木漏れ日が差し込む岩造りの露天風呂、檜風呂、打たせ湯、桶風呂、水風呂とバラエティ豊かな風呂がズラリ。
▲岩露天。浴場は男女ともに同じ造り

首だけ箱から出す箱蒸し風呂というユニークな風呂も。よもぎ草(772円)を受付で購入し、箱蒸しの底に薬草を敷けばよもぎ蒸し風呂にできますよ。
▲檜風呂も屋根付きなので雨でも快適

天然砂にセラミックを混ぜて保温効果倍増!マイナスイオンにデトックス効果も?

お湯に浸かる入浴だけではありません。砂湯もあるのが「ONCRI」の魅力!
天然温泉の蒸気で温めた砂蒸し温泉が、ここ古湯温泉でも楽しめるのです(大人2,000円※入浴料別途1,200円要)。この砂湯のみでも、もちろん利用OKですよ。
▲脱衣所は男女分かれているが、砂湯スペースは浴衣を着用するため混浴

65度の蒸気で温められた砂の中に入れば、体の芯からポカポカに!
▲砂の深層部に手を入れれば、熱がダイレクトに伝わってきます

天然の砂にマイナスイオン効果や遠赤外線効果があるトルマリン、保温効果があるセラミック麦飯石を混合することで、砂湯の効能を倍増させているのだとか。すべて自然素材なので、体に優しいのも嬉しいですね。
▲この黒い粒が麦飯石、丸いボールがセラミックだそう

一般的な海岸にある砂湯と違い、こちらは室内で管理されているため清潔に保たれているのも女性に嬉しいポイント。老廃物が排出された砂は、毎日温泉で浴槽を溢れさせることによって、砂を洗っているのです。だから毎日清潔な砂を楽しむことができますよ。
脱衣所にはシャワーもあるので、そちらで砂を流し落とせば気分は爽快!
▲東屋には温泉をかけ流しで使用した贅沢な足湯も
▲足湯には無料のタオルも完備

そして、大浴場や砂湯で入浴タイムを楽しんだ後は、足湯や食事処、休憩スペースでのんびりできるのも嬉しいところ。「SHIORI」には、入浴客専用の休憩スペースがあり卓球台も備わっています(砂湯のみの利用者でも利用OK)。
▲畳敷きの休憩スペースは飲食もOK。奥にはカラオケボックス(1時間540円/1名)も
▲1階にあるキッズスペース。パソコンもあり利用も自由
▲ギフトショップには、焼き物やお酒、お菓子などセンス良い佐賀産の商品が並ぶ

ここ「ONCRI」には専用の源泉があり、pH値9.5のぬるぬるとした温泉が毎日43tも湧出しているそう。38度のぬる湯でのんびり入浴、休憩して再度入浴するのも可能です。15種類の湯と、食事処やショッピングを楽しみながら一日を過ごすのも良いですね。

川のせせらぎを聞きながら、ゆっくりとぬる湯を楽しむ「山あかり」

次は、古湯温泉街にある旅館「風がささやく離れの宿 山あかり」(以下、山あかり)へ。少し離れた高台にある「ONCRI」から、車ならおよそ3分。旅館や温泉施設、飲食店などが徒歩圏内で並ぶ古湯温泉街に、全室離れの小ぢんまりとした旅館「山あかり」はあります。
▲「山あかり」の入口。アプローチを通ってフロントへ

こちらは6部屋だけの離れ宿。2007年にリニューアルした、和情緒あふれる大人の雰囲気漂う施設です。
▲赤いソファが印象的なフロント横のロビー。冬は暖炉も灯ります

こちらには、男女1つずつ大浴場があり、男性は岩造りの露天風呂「三日月」、女性は内風呂「十五夜」が立ち寄り入浴OK(大人800円)。
▲男性大浴場の「三日月」

各1つですが、侮ってはいけません。どちらも山々を一望する絶好のロケーションに加え、旅館と同じく雰囲気も抜群。脇に流れる嘉瀬川のせせらぎを聞きながら、入浴を楽しむことができますよ。

「三日月」は開放感抜群の露天風呂ですが、「十五夜」は内風呂。折り戸の窓は全開にすることもできるので、室内とはいえ開放感と外の景色は十分楽しめます。
▲女性大浴場の「十五夜」

「山あかり」のpH値は9.76。ぬる湯に浸かっていれば、肌にまとわりつくような感触に気づくはず。風呂から眺める景色と川のせせらぎや鳥のさえずりのBGM、そして古湯温泉のトロトロの湯をじっくり楽しんではいかがでしょう。
▲フロント脇にある焼酎バー(18:30~22:00まで)

そして、「山あかり」には温泉以外のお楽しみも。夜の入浴を楽しむなら、帰りに一杯お酒を…なんてこともできます。焼酎バーには、佐賀県内の焼酎・日本酒を中心とした品揃えで、1杯600円から味わえますよ。
もちろん、交通機関で来られる方、同乗者の方のみどうぞ。

「鶴霊泉」で、全国的にも珍しい温泉遺産に認定された天然砂湯を

最後の一湯は、「山あかり」から徒歩約2分の場所にある「鶴の恩返し よみがえりの宿 鶴霊泉(かくれいせん)」(以下、鶴霊泉)。こちらには全国的にも珍しい温泉があるんです。
▲しっくいの白壁に赤い番傘。純和風の佇まいの「鶴霊泉」

…それは、天然砂湯!
え?砂湯って「ONCRI」も含め、結構あるけど?

そう思うのもごもっとも!こちらの天然砂湯とは、砂で蒸す入浴方法を指すのではありません。本当の“砂の湯”なんです。
天然砂湯は、「日本温泉遺産を守る会」が温泉施設の建造物、温泉文化・風俗、源泉風呂の三つの視点から、後世に残したい温泉宿・温泉施設を認定した「温泉遺産」の一つ。
▲天然砂湯を含めた大浴場は1階フロントで受付(大人1,000円)し、地下へ
▲地下では男女の大浴場に分かれています

ワクワクしながら、大浴場へ。鶴霊泉の大浴場は2017年8月にリニューアルしたばかり。まだまだ新しいですね!
▲こちらは男性大浴場。男女ともに同じ造り

手前がぬる湯を楽しめる浴槽、奥が天然砂湯です。
▲こちらが天然砂湯

写真では分かりづらいかもしれませんが、浴槽底に敷き詰められているのは何と砂!なんです。
この天然砂湯とは、岩盤から温泉とともに湧出してくる砂をそのまま利用した温泉。砂から岩盤を守るため、あえて底に砂をそのまま敷き詰め、その砂を介して湧出する温泉を楽しむことができるのです。
▲底から掬ってみると、結構粒子荒めの砂が!

こんなに荒めの砂が敷き詰められて痛くないの?そんな心配もご無用!足にも心地よいくらいで、痛さはまったくありませんよ。

天然砂湯のほか、貸切風呂も日帰り利用ができます。貸切風呂は「夕鶴の湯」と「朝霧の湯」の2タイプあり、窓から庭園を望む和情緒あふれる贅沢な造り。いずれも大浴場と同じく11:00~14:00の受付です。
▲「夕鶴の湯」は1室2,500円/60分
▲貸切風呂から、鯉が泳ぐ庭園を望めるなんて…!
▲こちらは「朝霧の湯」。1室2,000円60分

「鶴霊泉」のpH値は9.5。化粧水のようななめらかな湯を、大浴場や貸切風呂でぜひ堪能してくださいね。

古湯温泉の実力は湯あがりにわかる!ツルツル美肌になれるかも?

今回は3カ所の立ち寄り湯を紹介しましたが、いずれも本当にぬる目の温泉+肌にするりと馴染む質の良さを実感!もちろん個人差はありますが、本当に1時間はストレスなく入浴を楽しめますよ。「母親の胎内にいた温度」と例えられますが、あまりの心地よさに何となくそれも実感できる不思議な感覚。
▲古湯温泉には温泉を持ち帰りできる「温泉スタンド」が数カ所あります

休憩を挟みつつ何度も楽しんだり、一般的な温度の内湯があれば交互に入浴して新陳代謝を高めるのもいいかもしれませんね。

また、今回紹介の3湯では使用できませんが「ぬる湯手形」(1,200円)もあり、古湯温泉またはお隣の温泉地で同じぬる湯の「熊の川温泉」の中から、3湯を楽しむこともできますよ。

「美人湯」と名高い古湯温泉の効果は、ぜひ入浴して確かめてくださいね!
※価格・料金はすべて税込です。
桑野智恵

桑野智恵

フリーの雑誌ディレクター/ライター。福岡生まれ、福岡育ちの博多女。3つの出版社を渡り歩き、雑誌編集歴20年弱。食育アドバイザー、フルーツ&ベジタブルアドバイザー。

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