西条酒蔵通りの酒グルメが驚きの旨さ!鍋にケーキに唐揚げも酒、酒、酒!

2018.03.06 更新

東広島市の西条は灘や伏見と並ぶ「日本三大酒処」のひとつ。JR西条駅の周辺には今も多くの酒蔵が残り、なまこ壁や白壁が独特の町並みを形成しています。今回は、その西条で日本酒を使った鍋やスイーツ、唐揚げなどご当地“酒”グルメの食べ歩きを楽しんできました。日本酒が好きは人はもちろん、あまり飲む機会がない人も必見ですよ。

日本酒をダバダバ!蔵人の賄い料理を再現した鍋【佛蘭西屋】

▲京町屋をイメージした外観の佛蘭西屋(ふらんすや)

JR西条駅から徒歩5分ほど。佛蘭西屋は吟醸酒づくりでは全国トップクラスの評価を受ける賀茂鶴(かもつる)酒造の直営店で、酒蔵の一角にあります。
▲屋根裏や梁を見せた米蔵のようなデザインの内装

店内は木の温もりを感じる落ち着いた雰囲気です。壁には酒蔵の直営店らしくお猪口をズラリとディスプレイ。何とその数は約500個もあるそうで、アート作品のような存在感です。
▲名物の「美酒鍋(びしゅなべ)」をオーダー

こちらの人気No.1メニューは美酒鍋。元々は賀茂鶴酒造の蔵人が酒の仕込み時期に賄い料理として食べていたそうですが、毎年10月上旬に行われる「酒まつり」などのイベントで振る舞ったところ大好評となり、今では西条のご当地グルメとして多くの飲食店で提供されるようになりました。
▲美酒鍋(1人前税込1,900円)※写真は2人前

食材は鶏肉、鶏の砂肝、豚肉、白菜、ニンジン、ネギ、シイタケ、厚揚げ、こんにゃくなど。賄い料理のころは鶏の砂肝と有り合わせの野菜だけの質素な料理だったそうですが、少しずつ工夫して食材も多彩になり、西条の名物料理と呼ばれるようになったそうです。そして、何よりの特徴は2人前の鍋で300mlの瓶入り日本酒を丸々1本投入すること!
▲最初に肉類を塩コショウとニンニクで炒める

食材が出揃ったら、鍋を温めてさっそく美酒鍋づくりです。2人前以上の大鍋はスタッフが目の前でつくってくれます。
▲肉が浸る程度に日本酒を注ぐ

おっ!早くも日本酒をダバダバ!でも、ここで入れるのは三分の一程度。残りは後半の調理に取っておきます。
▲続いて残りの野菜を素早く入れる
▲さらに塩コショウとニンニク、日本酒を加える

キタ~~!再び日本酒を投入!瓶に残っていた日本酒を残さず入れて、後はでき上がりを待つだけ。
▲水気がなくなるまでかき混ぜながら炒め煮

これだけ日本酒を入れれば香りも相当なものかと思っていましたが、意外にもほんのりと香る程度。それなら、安い料理酒でもいいんじゃないかと思いますが、それは酒処のこだわり。やはり美味しい日本酒じゃなければ、納得できる旨みが出ないのだとか。
▲でき上がり!それではいただきま~す

ところで、日本酒を300㎖も入れたのに酔っぱらったりしないのか?と思いましたが心配は無用。熱でアルコール分は飛んでいるので、お酒が苦手な人や子どもでも安心して食べられます。もちろん車の運転も大丈夫とのこと。
▲賄い料理らしい気取らない豪快な仕上がり
▲お好みで卵にくぐらせて

すき焼きのように、生卵もついています。食材を個別に味わうのもいいですが、ガバッと手当り次第に食べて口の中で混ぜ合わせたほうが美味しく感じます。
▲食材の旨みが愉しめるあっさりした味

塩コショウとニンニクだけのシンプルな味付けですが、アルコール分が抜けて残った日本酒の旨みと、肉や野菜の旨みも加わって、いくらでもイケます。もう、箸が止まらない~!
▲これなら毎日でも食べられそう♪

美酒鍋は蔵人たちの賄い料理だったこともあり、利き酒に影響がないようにとシンプルな味付けにされたそうです。砂糖やみりんとは異なる糖分控えめの甘めの日本酒を使用することで、食材の旨みが引き立って飽きのこない味になるんですね。
▲あっという間に完食。ごちそうさまでした

今回は目の前でつくっていただく単品(大鍋/2人前~)の美酒鍋をいただきましたが、この他にもあらかじめ調理された一人鍋が付いた美酒鍋御膳(税込1,706円)や、海鮮美酒鍋(税込2,203円/3日前までの要予約)などもあります。

試飲のできる蔵元でお土産もGet!

▲並んだ煉瓦煙突が絵になる賀茂鶴酒造

佛蘭西屋に隣接する賀茂鶴酒造では、観光客に酒蔵の一部を開放しています。
▲大型モニターで酒づくりの様子を紹介

酒樽で作った椅子が並ぶ視聴覚室では、酒づくりの様子を紹介する19分間のビデオが上映されています。
▲無料の試飲コーナー

月替りで5~6種類の日本酒が試飲できるコーナーもありました。もちろん、すべて味見をさせてもらって、ちょっとい~い気分に。
▲お土産に日本酒も購入

左は昭和33(1958)年に発売された代表銘柄の「大吟醸 特製ゴールド賀茂鶴(720ml税込2,700円)」。全国的にも大吟醸ブームの先駆けとなった逸品で、2014年にオバマ大統領(当時)が来日の際に飲まれたことでも話題になりました。右の「特別本醸造 蔵出し原酒(720ml税込1,600円)」は、ここでしか購入できない蔵元限定酒。お土産にすれば喜ばれること間違いなし!

さすが酒処!スイーツも日本酒で【酒泉館】

▲町並みを楽しみながら徒歩移動

西条には徒歩で移動できる範囲に7軒の酒蔵が集まり「西条酒蔵通り」を形成しています。町歩きを楽しむ観光客も増え、お洒落なカフェも増えました。これから行くお店もその一つ……。
▲JR西条駅から徒歩8分。「酒泉館(しゅせんかん)」は洋風の外観

全国に先駆けて純米酒づくりを始めた賀茂泉(かもいずみ)酒造では、昭和4(1929)年に清酒醸造場として建てられた洋館を改装。酒泉館と名付けて、土日祝には日本酒の飲み比べやスイーツが愉しめるカフェとして営業しています。
▲店内もレトロな雰囲気

木枠の窓からやさしい光りが差し込み、ホッとひと息つけるステキな空間です。お洒落な椅子は使わなくなった酒樽でつくられていました。これもお洒落~!
早速、気になったスイーツをいくつか注文。
▲酒フルーツケーキとほうじ茶セット(税込540円)

ケーキは日本酒をフレーバーに、レーズンやオレンジピール、プルーンなどのドライフルーツが入ったオリジナル。
▲ずっしりして、ほろっとした口どけ

口に運ぶと、鼻へ抜ける日本酒のほんのりとした香りがたまりません。フルーツの甘みはあるものの、全体的には上品な甘さで、大人のスイーツといった感じ。ほうじ茶もよく合います。
▲酒粕ムース(税込350円)

こちらは酒粕の入ったムースの上に、日本酒で溶いたブルーベリージャムがのった手づくりスイーツ。
▲トッピングはピスタチオナッツ

見た目のかわいらしさでお酒が入っていることを忘れそうですが、ひと口食べれば意外なほどのパンチ力。酔うほどではありませんが、しっかり日本酒の風味を感じて、しかもそれがムースの甘さにピッタリ。
▲日本酒のスイーツ三昧で大満足

無理やりお酒を入れた感じではなく、むしろ必然的な美味しさ。改めて日本酒の奥深さを感じる絶品スイーツです。でも、どうしてもお酒がダメな人や車を運転する人には、お酒抜きでつくってもらうこともできます。
▲賀茂泉飲み比べセット五種(税込540円)

酒蔵直営なので、日本酒も飲まないわけにはいきません。こちらは古酒や生酒、本仕込みなど熟成の違いを愉しめる飲み比べセット。他にも女性におすすめのフルーティな三種飲み比べ(税込432円)や、大吟醸のプレミアムな四種飲み比べ(税込1,080円)もあります。
▲日本酒でスキンケア♪

気になるお土産も販売していました。左は日本酒に含まれる潤い成分を配合したオリジナル入浴剤(税込216円)。右は賀茂泉酒造の仕込み水と純米酒を配合した潤いマスク(3枚入税込1,296円)。これ、自分用のお土産に買っちゃお!
▲要予約で藍染め体験(税込1,080円~)もできる

隣りには藍染め工房&ギャラリーもあり、電話予約すれば藍染め体験ができます。ハンカチ1枚なら約30分。もちろん初心者でも、この通り立派な作品をつくることができます。

カリッと美味しいコメカラ【くぐり門珈琲店】

▲「くぐり門」で記念撮影♪

酒蔵通りのほぼ中心にあるのが築80年の古民家を改装し、観光案内所も併設した「くぐり門」。2階が渡り廊下で繋がったユニークなつくりで、酒蔵通りのシンボル的存在です。
▲「くぐり門」はJR西条駅から徒歩5分

こちらには酒の仕込み水で淹れた美味しいコーヒーが飲める「くぐり門珈琲店」があります。
▲お土産選びにもピッタリ

1階は自家焙煎のコーヒー豆と、東広島の特産品や雑貨などのお土産販売。ドリンクやフードのテイクアウトコーナーもあります。
▲まったりできる喫茶スペース

2階は古民家の趣きを残してゆっくりした時間を過ごせる喫茶スペース。格子の入った窓からは、酒蔵が立ち並ぶ町並みを見ることもできます。
▲鶏のコメカラランチ(税込1,180円)。プレートは酒蔵のデザイン

ここで食べておきたいのが、西条のお酒と米粉を使った唐揚げ「コメカラ」。東広島市内の30店舗以上が参加して、和風や豚肉を使ったもの、カレー風味のものなど、店ごとのアレンジが楽しめる注目のご当地グルメです。
▲カリッとした食感が特徴

日本酒とニンニク、生姜、塩で下味をつけた鶏肉に、衣は東広島産の米粉。二度揚げすることでカリッとした食感に仕上げています。あっさりして食べやすいので、揚げものが苦手な人でも食べてみる価値はアリです。
▲低カロリーでヘルシーなのもうれしい

米粉は小麦粉より油を吸いにくいので、カロリーも抑えられているそうです。冷めてもカリッとした食感はそのままで、カップに入ったテイクアウト用(税込500円)もあります。
いかがでしたか?紹介したお店はJR西条駅からすべて徒歩圏内。酒蔵の町を散策しながら回れるので、食べ歩きを楽しんでくださいね。
廣段武

廣段武

企画から取材、撮影、製作、編集までこなすフリーランス集団「エディトリアルワークス」主宰。グルメレポートの翌日に大学病院の最先端治療を取材する振り幅の大きさと「NO!」と言わ(え?)ないフレキシブルな対応力に定評。広島を拠点に山陽・山陰・四国をフィールドとして東奔西走。クラシックカメラを語ると熱い。

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