フランス料理の街・弘前で訪れるべきコスパ抜群のランチスポット3選

2018.04.15 更新

青森県弘前(ひろさき)市といえば、日本一の生産量を誇るりんごで有名な観光地…というだけではありません。実は「フランス料理の街 ひろさき」と呼ばれるほど、絶品フレンチを食べられるお店が数多くあるんです。というわけで、今回は弘前観光で立ち寄りたい、カジュアルにフランス料理を味わえるランチスポットを紹介します!

「フランス料理の街 ひろさき」は街並みにヒントが隠されていた!?

そもそも、弘前城を中心に城下町として栄えた弘前がなぜ「フランス料理の街」と呼ばれるようになったのか。それには、市内に点在する洋館と関わりがあると言われています。

明治以降、弘前は「学都 弘前」を目指し、外国人教師を積極的に招いて新しい技術や学問、教育文化を取り入れました。また、洋風建築様式についても熱心に学び、明治・大正の時代に多くの洋館を建築。その過程で徐々に西洋文化が浸透し、地元には優れた食材や研究熱心な料理人がいたこともあり、フランス料理を提供するお店が増えていったのだそうです。
▲「洋館の街」としても有名な弘前。明治時代に建てられた和洋折衷のレトロな建築物が点在する(写真は旧弘前市立図書館)

現在の弘前にはフランス料理を提供するお店が10数軒以上も点在。高級なイメージのあるフランス料理ですが、ランチであればリーズナブルに味わえるお店が多いのも弘前の魅力です。それでは早速、本格フレンチに舌鼓を打ちにいきましょう。

「奇跡のリンゴ」が味わえるフレンチコース!?「レストラン山崎」

まずおすすめしたいのが、弘前を代表するフランス料理店「レストラン山崎」。地元の安心な食材を活用した弘前フレンチが人気を博し、観光客はもちろん地元民からも愛されているお店です。
▲普段はフランス料理店にまったく行かないという、弘前市在住の高田春菜さんに体験してもらいました
▲店頭には本日のランチメニューが

今回のお目当ては「本日のサーヴィスランチ」(2,160円・税込)。スープとメーンディッシュ、デザートがセットになっています。セレクトするメニューによってプラス料金はあるものの、本格フレンチを手頃な価格でいただけることが嬉しいですね。
▲赤い椅子が印象的な高級感のある店内

店内に入ると、華やかながら落ち着いた空間が広がっていました。平日の開店直後の11時30分頃に入店しましたが、この日もすでにランチの予約が複数入っており、人気の高さが窺えます。
▲少し緊張気味の高田さん

早速「本日のサーヴィスランチ」をオーダー。メーンは肉か魚料理のどちらか、スープは5種から選べます。今回はメーンディッシュに「下北産釣りタラのムニエル」(+540円・税込)、スープはお店おすすめの「りんごの冷製スープ」(+540円・税込)をチョイス。多彩なパターンから自分好みの組み合わせを選べることも楽しみの1つです。
▲アミューズ(前菜の前にサービスで提供される小さな一皿)の「カレー風味のりんごパスタ」からスタート
▲コースなので、料理は一品ずつ提供されます。店員さんが笑顔で丁寧に説明してくれるのが嬉しいですね
▲「木村秋則さんの自然栽培りんごの冷製スープ」

大人気メニューだというスープがやってきました。木村秋則さんとは映画「奇跡のリンゴ」のモデルとなった人物で、当時不可能といわれていた無農薬りんごの栽培に成功したお方でもあります。
りんごの甘酸っぱさとなめらかな舌触り、そして泡状のミルクのクリーミーさがアクセントとなり、言葉にできない美味しさです。中央のトッピングはりんごの皮と種と芯を香りづけしたパウダー。器を氷入りの大きなグラスに入れて、冷やした状態で提供する演出といい、細部にまでこだわっていることがわかります。
▲「下北産釣りタラのムニエル 赤ピーマン風味のワインバターソース 旬の菜」

お次はメーンの魚料理。下北産のタラの身はふわふわで、塩加減が絶妙!バターのきいたソースをたっぷり絡めて食べると、濃厚な赤ピーマンとワインの風味が口いっぱいに広がります。あまりの美味しさに、あっという間に完食してしまいました。
▲「レアチーズと旬のフルーツ」

最後にコーヒーと一緒に食後のデザートが運ばれてきました。下から順にレアチーズ、白ワインのジュレ、季節のフルーツが乗った贅沢な一品。3つ一緒に口に入れると、濃厚なチーズとワインの風味がよく合う!酸味のあるフルーツをまろやかにまとめてくれています。
▲すっかりデザートにハマってしまった高田さん

ランチタイムには、今回いただいた「本日のサーヴィスランチ」のほか、オードブルも含めた計4品の料理が楽しめる「弘前フレンチお好みコース」(3,780円・税込)や、木村秋則さんのりんごを使った料理をフルコースで味わえる「奇跡のりんごフルコース」(5,400円・税込)も選べます。

本格フレンチはもちろん、有名な「奇跡のりんご」を使った料理もカジュアルに味わえる「レストラン山崎」。ぜひ観光中のランチにおすすめしたいお店です。

リーズナブルなのに本格的!「フランス食堂 シェ・モア」

続いては、JR弘前駅から徒歩10分ほどの代官町エリアにある「フランス食堂 シェ・モア」。創業は1987(昭和62)年、気軽に来店してほしいという願いをこめて「シェ・モア」(フランス語で『わが家』)と命名されたそう。まさに気軽にフレンチを味わいたい人におすすめのお店です。
▲店内は広々として落ち着いた空間

ランチタイムのメニューはA・B・C-Lunch、「シェフのおまかせランチコース」、「りんごランチコース」とバリエーションが豊富。品数や品目で値段が異なります。

今回は最もリーズナブルな「A-Lunch」(1,650円・税抜)をオーダー。プチ・オードブル、スープ、メインディッシュにパン、デザート、ドリンク(エスプレッソコーヒー又は紅茶)がついてこの値段というから驚き!メインディッシュも好みに合わせて選べるのが嬉しいですね。
▲メインは14種類ある料理の中から一皿を選ぶ(その他、ハンバーグ、牛サーロインステーキ、牛フィレステーキもグラム単位でオーダー可能)

どれも美味しそうで、選ぶのに時間がかかってしまいます…。この中でも特に人気だという「牛ほほ肉の赤ワイン煮込み ブルゴーニュ風」(+500円・税抜)にしました!
▲この日のスープは、県産サツマイモを使ったポタージュ。サツマイモ独特の上品な甘さがクセになる一品

地元食材にこだわり、シェフ自ら市場で素材を買いつける徹底さと、常に美味しいものを提供し続けたいという真心をコンセプトにしているこちらのお店。1つ1つの料理から、素材の新鮮さと手間ひまかけた愛情を感じることができます。
▲「青森産牛ほほ肉の赤ワイン煮込み ブルゴーニュ風」

メインのお肉はもちろん青森産!フォンドヴォーと赤ワインを煮込んだ特製ソースと、ボリューム満点のお肉がインパクト大です。
▲お肉が登場した瞬間、この表情の高田さん
「まったく力を入れなくても切れるー!」と興奮するくらい軟らかいのが特徴で、お肉の旨みを存分に味わうことができました。
▲「ガトーショコラとグレープフルーツのジュレ」

綺麗に盛り付けられたデザートは、これだけでも大満足の内容。グレープフルーツの実がたっぷり入ったジュレと、しっとり濃厚なガトーショコラは甘さも程よく、上品な美味しさです。本当にこの値段設定で良いのだろうかと心配になってしまうレベル。
※デザートは日替わりになります
▲名物の「まるごとりんごチーズ風味パイ」(880円・税込)※テイクアウトも同価格にて販売

とにかく気になってしまい、追加でオーダーしたこちらのスイーツ。青森県産の紅玉りんごを皮ごと丸々1個使用し、アーモンド、カスタード、クリームチーズの3種類のクリームを、食感の異なるタルト生地、パイ生地の2種類で包み込んだアップルパイです。ボリューム満点なので、友達とシェアして食べてもいいですね。
真ん中でカットすると、紅いりんごの果実の中心にはチーズがぎっしり!綺麗すぎて食べるのがもったいないくらいです。
シャリシャリとしたりんごの気持ち良い食感がありながら、甘さと酸味がマッチしているアップルパイって今までありましたかね?テイクアウトもできるので、観光で訪れる方々にはマストで持ち帰っていただきたいお土産ですね。
※賞味期限5日程度、10度以下の冷蔵にて保存して、早めに食べてください。
▲高田さんがパリジェンヌに見えてきた

良心的な価格設定はもちろんのこと、1つ1つの食材にこだわりが詰まった料理の数々。そして、フレンチの雰囲気は残したまま、ラフすぎず落ち着いた心地よい空間が、まさに「わが家」のように温かいお店でした。

喫茶店で味わうお手軽フレンチ「サロン ド カフェ・アンジュ」

「フランス料理と聞くと肩に力が入ってしまう…」という人には、弘前公園から徒歩3分ほどの場所にある喫茶店「サロン ド カフェ・アンジュ」はいかがでしょう?入りやすいオシャレなカフェの中で、手軽に弘前フレンチをいただけるとあっておすすめです。
▲1900(明治33)年に建てられた洋館「旧東奥義塾外人教師館」1階にあるカフェ。外国人教師たちが当時ここで生活をしていたそうで、2階はその生活を再現した展示スペースになっている
▲建物の中もレトロでかわいい。ちなみに奥に見えるカフェの入り口は引き戸になっている
▲アンティークな雰囲気が素敵な店内。一番人気は奥の窓際席

お店に入ると、レトロながら高級感のある空間がお出迎え。窓から光が差し込む店内には4人掛けのテーブル席やカウンター席が並びます。
▲何気ないインテリアにも歴史とこだわりを感じる

フードメニューが充実していて、「昔なつかしいミートライス」や「りんごカレーライス」などの単品メニューもありますが、お目当ては「フランス御膳A」(1,600円・税抜)。メインに肉か魚料理を選べ、気軽にフレンチが楽しめると評判ということで早速オーダーします。
※「フランス御膳B」は肉と魚料理の両方が楽しめて2,100円(税抜)
※冬期(1~3月)は提供休み
はじめに運ばれてきた「本日のオードブル」は、左下から時計回りに「陸奥湾産ベビーホタテのマリネとマスタード風味のポテトサラダ」、付け合わせのサラダ、そして「りんごの冷製スープ」。お箸でも食べられるフレンチって、なんだかホッとしますね。
「りんごの冷製スープ」は、りんごの甘さとクリーミーな舌触りが味わい深い一品。赤い花びらは「ベルローズ」と呼ばれるもので、食べることができます。
▲メインの「豚肉のトマト煮込み」

この日のメインは肉料理を選択しました。青森県産の豚肉と季節の野菜が入った、シンプルながら彩りの綺麗な一皿。豚肉はとても軟らかく、トマトソースとも相性抜群です。
「フランス御膳」にも軽いデザートは付きますが、こちらのお店に来たならぜひ食べていただきたいのが、アンジュ名物の「弘前りんごづくしセット」(1,000円・税抜)。

左下から時計回りに、津軽限定のりんご「栄黄雅(えいこうが)」を使ったアップルパイ、りんごシャーベット、そして大福の中にりんごと白あんが入ったオリジナル大福「キャラりんこ」にドリンクが付いた贅沢セットです。「弘前らしく、りんごスイーツもじっくり味わいたい」という方にはぴったりの一皿。
※アップルパイはミ・キュイ(りんご入りのチーズケーキ)と変更可能
食後はゆったりとブレイクタイムを楽しみたいところ。ここに来たら一度は頼んでみてほしいメニューがもうひとつあります。それは「津軽藩 再現珈琲」(フランス御膳+350円・税抜でオーダー可能)。日本で庶民が初めてコーヒーを飲んだのは1855(安政2)年頃と言われており、その当時に津軽の藩士たちが飲んでいたものを再現したメニューです。
普段飲んでいるコーヒーよりも色が薄い印象。スプーンでぐっぐっと1分ほど袋を押しながらコーヒーを抽出し、色づきを濃くしていきます。
もう大丈夫かなと思って湯飲みに注いだら…全然ダメでした。どうやら、そもそもの色が相当薄いみたいで、「色も味もアメリカンより薄いかも」と高田さんも言うほど。現在とは違う、当時のコーヒーを味わえるのも面白いですね。
ちなみに「弘前さくらまつり」の時期になると、フランス御膳が桜祭り限定メニュー「フランス花見弁当」(2,200円・税抜)にリニューアル。オードブルとスープ、本日の魚・肉料理が付いた大満足の内容で、春のおすすめメニューです。
※テイクアウトはできません
「フランス料理の街 ひろさき」のランチスポット、いかがでしたか?4月下旬~5月上旬の「弘前さくらまつり」開催時に弘前を訪れる方も多いと思いますが、弘前のフレンチを食べずに帰ってしまうのはもったいない!その時々で旬な食材を使っているお店も多いので、弘前の四季を旅しながら、その季節ならではの弘前フレンチを味わってみてくださいね!
下田翼

下田翼

東京生まれ、東京育ち。観光で青森県に初上陸し、人の暖かさに感動し2015年に移住。地域おこし協力隊を経て、青森の魅力を伝えるフリーランスのプランナー・ライターとして活動中。

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