日本のウユニ塩湖!?凍った海の上を歩く野付半島・氷平線ツアーでトリック写真撮影!

2018.03.01 更新

オホーツク海に接する北海道野付半島。冬の厳しい寒さは半島に囲まれた野付湾をも凍りつかせます。そこに現れるのが水平線ならぬ“氷平線(ひょうへいせん)”の景色。どこまでも続く白い氷の大地と広い空は、南米ボリビアの絶景地・ウユニ塩湖にも例えられるとか。そんな絶景の海の上でSNS映えするトリック写真が撮れちゃう「トドワラ・氷平線ウォークツアー」が評判と聞き、参加してきました。

全長26kmの小さなエリアに多様な動植物があふれる野付半島

ツアーの舞台となるのは北海道東部標津(しべつ)町と別海(べつかい)町にまたがる野付半島。オホーツク海に突き出したカギ状の細長い半島で、全長は約26km。港口の砂が堆積して、海に突き出るように形成された地形である「砂嘴(さし)」としては、日本最大の規模を誇ります。
▲小さな半島の中には、ここでしか見られないような世界が広がっています(写真提供:別海町観光協会)
▲半島の一番細いところは幅50mほど。オホーツク海と野付湾、2つの海に挟まれてのドライブは爽快!

春から秋にかけては数多くの花々が咲き、白骨化したような樹木が立ち並ぶ「トドワラ」や「ナラワラ」といった不思議な風景を見ることもできます。冬には四角い朝陽や流氷を見られることもあり、1年を通してバラエティに富んだ景色が楽しめます。
▲ネイチャーセンターへ向かう道の途中から見えるナラワラ。無数の枯れた立ち木が独特の景観を生み出しています
▲冬には流氷がやってくることも。運がよければ氷平線と一緒に楽しめるかもしれません(写真提供:野付半島ネイチャーセンター)

そんな野付半島で1月中旬~3月中旬に見られるのが“氷平線”。内海である野付湾が凍り、水平線のようにどこまでも続く真っ白な氷の大地が現れます。この氷の大地には自由に進入できませんが、ガイドさんとなら入ることができるんです。

まずは野付半島ネイチャーセンターでツアーの準備を

氷平線ウォークツアーを催行するのは、半島内にある野付半島ネイチャーセンター。今回のような冬期間(1~3月)と夏期間(5~10月)に野付半島の自然を巡る様々なツアーを提供しています。中標津空港から車で約50分。送迎サービスはありませんので、冬道の運転が不慣れな人はレンタカーではなくタクシーの利用をおすすめします。
▲ネイチャーセンターの館内には観光案内や地域の名産品を扱った売店などがあります
▲2階では、半島で見られる野生動物や植物に関する様々な資料を見ることもできます。ここで半島について予習をしていきましょう

氷平線ツアーの所要時間は約2時間。ネイチャーセンターから約1.6kmほど先に位置するトドワラを目指し、折り返して再びネイチャーセンターへ帰ってきます(参加料金大人税込3,500円、小学生以下は半額、未就学児は無料、ツアー日3日前までに要予約)。 

凍った野付湾の上を歩くので、氷の薄い場所など危険がいっぱい。植生保護のため立入禁止の場所もあるので、ガイドさんの注意事項をよく聞いてから出発しましょう。
▲出発前にツアーの楽しみ方やルート、危険な場所などについて説明があります

なお、こちらでは防寒着やスノーブーツはレンタルしていないので、事前の準備が必要です。ツアーの季節は日中でも氷点下が当たり前。暖かいインナーにダウンやスキーウエアなどを重ね着して防寒対策をしっかりと!帽子、マフラー、手袋も必需品です!雪や氷で滑りやすくなるので、靴もスノーブーツなど滑り止め付きのものを用意しましょう。

それと、短い時間とはいえ寒さは体力を消耗します。水分はもちろん、飴やキャラメルなどの軽いおやつも携行するのがおすすすめです。
▲今回は積雪が少なく、普通に歩いてのツアーでしたが、雪が積もった時はスノーシュー(レンタル料はツアー代金に含む)を借りて進みます(写真提供:別海町観光協会)
▲準備ができたら、ネイチャーセンター裏手からツアーのスタートです!

海の浅瀬に掛けられたトドワラの木道から、氷平線を眺める

まずはネイチャーセンターを出てすぐの散策路を通っていきます。ここは春から秋にかけて様々な花が咲く原生花園とのこと。エゾシカやキタキツネ、冬になるとオオワシなどに出会えることもあるそうです。
▲雪道に慣れていない人は、この辺りで歩くコツを覚えておきましょう
▲案内してくれたのはベテランガイドの鎌重宏子さん(奥)。季節に咲く花のことや、野生動物の足跡のことなどを写真を使って解説してくれます
▲雪がない季節は、センダイハギ・エゾカンゾウ・ハマナス・ノハナショウブなどの野花が咲き乱れます。この時期にも来てみたいです(写真提供:野付半島ネイチャーセンター)
▲半島のいたるところで見かけるエゾシカたち。立派な角が生えた雄は間近でみると迫力があります
▲翼を広げると全長約2.5m。日本最大級の猛禽類オオワシは、冬になるとはオホーツク海沿岸から南下してきます (写真提供:別海町観光協会)

約30分ほど歩いて原生花園を抜けると、「トドワラ」の看板が立った広場に到着しました。しかしここが終点ではなく、さらに海の浅瀬に架けられた約300mの木道を歩くとのこと。
▲遠くに白くたたずむ木々が見えます。あそこが折り返し地点です
▲木道の上を歩き始めると、視界が開けダイナミックな氷平線が広がりはじめます

木道の中間あたりまで来ると、360度見渡すかぎり氷の大地と大きな空だけ!まさに写真で見たウユニ塩湖のような絶景!広い北海道でも、これほど開けた場所は他にないかもしれません。
▲どこまでも広がる真っ白い風景は、日常とは大きくかけ離れた別世界

見渡す限りの絶景に、大きな驚きと感動を覚えます。何もない不思議な空間に見入っていると、鎌重さんが「野付半島が波をさえぎることによって、浅瀬である湾内の海を凍らせているんですよ」と教えてくれました。
▲当日は雲一つない晴天だったため、白い大地と青空のコントラストがとても美しかったです!
▲終点が見えてきました。木道の幅は約50cm。すばらしい絶景に目を引かれますが、足元に注意を!

木道も終点となり、数本の枯れた木が立ち並ぶ一角に到着です。
「この場所にはかつてトドマツなどの原生林が広がっており、これが“トド”マツの“原”っぱのようだということで、“トドワラ”と呼ばれるようになりました。江戸時代の中頃以降、半島自体が徐々に地盤沈下し、林が海水に浸かってしまったために、このような立ち枯れた場所になったのです」と鎌重さんが解説してくれました。
▲荒涼とした中に、どこかわび・さびを感じるトドワラの情景
▲真っ白な氷平線の景色も相まって独特の空間を演出していました
▲雪のない時期のトドワラの景色。枯れ木は年々減少しており、いつかは見られなくなるかも(写真提供:野付半島ネイチャーセンター)

木道から降りて木々に近づくことはできませんが、トドワラの不思議な景色に魅了されながら少し休憩を取りました。持ってきたおやつなどで元気を取り戻したら、来た道を引き返します。

帰りは氷上ウォーク、トリック写真も撮ってみよう

木道を歩いて、再び「トドワラ」の看板がある広場へ戻ってきました。ここからは行きに通った散策路ではなく、凍った海の上を歩いてネイチャーセンターに戻ります!
▲行きは氷平線を眺めながらの行程でしたが、帰りはその景色の中に自分たちが入り込みます

海の上を歩くのに少し不安はありましたが、いざ一歩踏み出すとしっかりと凍った足元に不安が吹き飛びます。天候や積雪量にもよりますが、平坦で歩きやすく、この広くて気持ちの良い景色を独占しているような優越感にひたれました。果てしなく広いフィールドは遠近感がわからなくなるほど!
▲野付半島の北側は世界遺産知床半島。晴天と相まって知床連山の山並みもきれいでした

ここでやってもらいたいのが、トリック写真の撮影です。カメラのアングルを上手く合わせることで、手前の人は大きく、奥の人は小さく映ります。SNSで「いいね!」をもらえること間違いなしの楽しい写真をたくさん撮っちゃいましょう!
▲一緒にツアーに参加したお母さんの幸(さち)さん(中)と、お兄さんの櫂(かい)くん(左)、妹の遥(はるか)ちゃん(右)にモデルをお願いしました
▲「お兄ちゃんにおしつぶされる~」
▲遙ちゃんの反撃!櫂くんを持ち上げちゃいました

ポーズやポジションの調整など鎌重さんからアドバイスを受け、撮れた写真をみんなでワイワイ見ながら撮影が進みます。試行錯誤は必要ですが、楽しさも満点!ネイチャーセンターで無料で貸してもらえる、スプーンやコップなどの小道具を使った撮影も満喫しました。
▲「はい、あ~ん」「食べないで~」。面白い写真を撮るにはノリが大事。恥ずかしがらず思いっきりポーズをとりましょう
▲アイデアしだいで楽しい写真がたくさん撮れる!(写真提供:別海町観光協会)

40~50分ほど写真を撮りながら氷上を歩き、予定通り約2時間でネイチャーセンターに到着。今まで見たことのないような景色を次々と見られ、面白いトリック写真も撮影できて大満足のツアーでした。
▲櫂くんと遙ちゃんもツアー中、ずっと楽しそうでした!

あまり時間がない人や、トドワラまで歩くのが大変という人には、ネイチャーセンター近辺でトリック写真を撮影する「氷平線ミニウォークツアー」もあります。ぜひこの別世界を体験しに野付半島へ訪れてみてください。
▲寒い冬の朝に見られることがある「四角い太陽」。気温と海水温の差により生じる蜃気楼によって、昇る朝陽がこう見えるそう(写真提供:別海町観光協会)
長尾悦郎

長尾悦郎

北海道十勝地方でカメラマン、ライター、新聞記者として活動中。撮影ジャンルは広告、風景、人物など幅広く。地元観光協会勤務やご当地キャラマネージャーなどの経験を生かし、地元をもっと盛り上げていきたいと思っています。(編集/株式会社くらしさ)

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