長崎「出島」を楽しみつくす!さぁ、鎖国時代にタイムスリップ!

2018.05.06 更新

異国情緒が漂う長崎市。鎖国時代、日本で唯一ヨーロッパに開かれた貿易の窓口だった「出島」は、長崎らしい和洋ミックスのハイカラ文化が漂う見どころの一つです。現在、復元作業が進み、より当時の出島が体感できるように!海風心地よい「出島ワーフ」など周辺スポットとあわせて、おすすめの見どころを紹介します。

まずはおさらい、出島って?

元亀2(1571)年、ポルトガル船が入港して以来、長崎は世界都市として発展します。町にはポルトガルをはじめとした外国からの宣教師らが暮らし、教会も多く建てられました。しかし次第に幕府はキリスト教の広まりを恐れ、弾圧を始めます。
▲ビル群に溶け込む現代の出島

キリスト教を排除したいものの、魅力的な西洋との貿易は止めたくはない幕府。そこで考えられたのが「出島」です。町に暮らすポルトガル人を一カ所に収容し、貿易の掌握とキリスト教の広まりを防ぐ仕組みをつくったのです。
その後、島原・天草一揆が起こり、寛永16(1639)年にポルトガル船の来航が禁止されると、当時平戸にあったオランダ商館を出島に移すことになりました。以降、幕末まで出島は日本とヨーロッパの唯一の貿易地として重要な役割を果たしました。
▲受付でもらえる出島のパンフレット

海に浮かぶ人工島、出島が完成したのは寛永13(1636)年。面積約15,000平方メートルと、小さな出島。なんといっても扇形が特徴的です。
どんな町の様子だったのか?そしてどんな暮らしが行われていたのか?それらを知るために、当時にタイムスリップしましょう。現代に甦った出島へ、いざ!
▲中島川に架かる「出島表門橋」を渡れば、そこはもう江戸時代!

橋を渡っていざ、鎖国時代の出島へ!

時代の流れとともにその機能も姿カタチさえもなくなった出島ですが、昭和26(1951)年から復元整備が進められています。現在、16棟の建物が復元され、当時の町並みの様子を知ることができます。

島への入口は3カ所。せっかくなら平成29(2017)年11月に復元完成した「出島表門橋」を渡って向かうメインゲートから入りましょう。
▲当時は、門番が出島の出入りを厳しく監視。ご安心を。現代の門番はにこやかにお出迎え

門をくぐった先にある料金所で入場料(大人510円・税込)を支払い、場内マップが掲載されたパンフレットを手に内部へ。
一歩入ればたちまち異空間!オランダ商館員の住居や貿易品を保管する蔵、日本人役人の詰所など復元された16の建物がずらりと並んでいます。
▲日本伝統の建物に窓枠などのグリーン使いが、オランダ人が暮らした出島ならでは

見どころは数ありますが、まずは「カピタン部屋」へ。カピタンと言われたオランダ商館長の住居です。
▲「カピタン部屋」。階段を上って2階へ

商館長をはじめ、商館医のシーボルトや日本人の役人、商館長に招かれた遊女など、さまざまな人物が滞在したという「カピタン部屋」。畳の部屋にシャンデリアなど、和洋折衷の造りが目をひきます。
▲玄関脇にある「17.5畳の部屋」は商館の事務所的な存在だったとか
▲かわいい壁紙。江戸時代に盛んに造られた「唐紙(からかみ)」を使用

目玉は、「阿蘭陀冬至(おらんだとうじ)」というクリスマスの祝宴風景を再現した大広間。
▲テーブルには鯛の塩焼きや牛肉の塩漬け、小鳥の唐揚げなどの模型が並ぶ。デザートにはカステラやコーヒーが供されたそう

商館員たちは毎日朝夕の2回、皆で食事をとるのが習慣だったといいます。

大広間の隣の部屋では、出島の歴史や機能などを解説した映像が流れています。わかりやすいので、ぜひチェックを。

さて、「カピタン部屋」を出たところで着物を着た人に出くわしました。一見、門番のようですが、腰には刀を携えています。聞けば、「乙名(おとな)」と呼ばれる、出島管理の日本人責任者とのこと。現代では、ここ出島の見どころ案内や説明をしてくれます。
▲出島の役人、乙名

乙名さんが「カピタン部屋」の1階で何やら体験ができるというので行ってみることに。日によって内容は異なりますが、ビリヤードやバドミントンといった当時の遊びなどが無料で楽しめます。ビリヤードは2つの玉を転がし、バドミントンはラケットが全面革張りになっているなど、現代のものとは大きく異なります。
せっかくなので筆者は、一人でも気軽にできる「羽ペン体験」にチャレンジ!
▲羽ペンを体験。ペン先が滑るのですらすら書きやすい!

「カピタン部屋」の隣から続く6つの建物は2016年に復元したものです。主要輸入品の一つであった砂糖を保管する「十四番蔵」、日本からの輸出品の一つ、銅を保管した「銅蔵」などが並び、それぞれで当時使われていた道具や歴史を紹介するパネルなどが展示されています。
▲手前の白い蔵は香辛料などを保管した「十六番蔵」

商館員の住まいであった「筆者蘭人(ひっしゃらんじん)部屋」では、巨大な地図や映像を使って、出島と世界のつながりが視覚的に学べるようになっています。
▲「筆者蘭人部屋」内部。1階は「世界とつながる出島」、2階は「日本とつながる出島」がテーマ
▲出島の「オランダ東インド会社」を通じて西洋から輸入された陶磁器なども展示

さらに進んでいくと、明治期の洋風建築が見えてきました。こちらは倉場富三郎(長崎開港とともに来日したトーマス・ブレーク・グラバーの息子)らの尽力により造られた、長崎に暮らす外国人と日本人の社交場「旧長崎内外クラブ」。現在は「トルコライス」や「ミルクセーキ」など、長崎ご当地グルメが楽しめるレストランになっています。
▲明治36(1903)年築の「旧長崎内外クラブ」

「旧長崎内外クラブ」の先に立つフォトジェニックな建物は、明治11(1878)年築の、現存する日本最古のプロテスタント神学校「旧出島神学校」です。現在は「出島史料館」となっています。
▲木造2階建ての「旧出島神学校」

出島の中にいると全体像がつかみにくいのですが、「旧出島神学校」の裏手にあるミニチュアをみるとよくわかります。この小さな人工島から、砂糖や香辛料などのモノだけでなく、医学や学問など西洋文化が伝えられ、日本各地に広がっていったと思うと感慨深いものです。
▲出島のミニチュア(15分の1スケール)。奥に見えるのは「旧出島神学校」

さて、おみやげもチェックしましょう。商館長次席(ヘトル)の住まいであった「ヘトル部屋」は、ミュージアムショップになっています。出島みやげから長崎みやげまで揃いますよ。
▲「カピタン部屋」の壁紙に使われていた「からかみ」のミニカード350円、カード450円(右は710円)※いずれも税別
▲長崎の伝統凧に描かれるナガサキ文様のプレート各1,500円、カップ各1,000円(いずれも税別)
▲長崎商業高校の生徒さんと地元の洋菓子店がコラボして作った「出島クーヘン」。6個入り1,000円(税別)

ハーバービューをおともに長崎グルメを満喫

出島で好奇心をフル回転させたらお腹もペコペコに。ということでランチタイム!出島から歩いて3分ほど、長崎港沿いに広がるオープンテラスの「長崎出島ワーフ」へ。
▲ベイエリアに広がる複合商業施設「長崎出島ワーフ」。夜のライトアップもステキですよ

カフェやレストランなど15店ほどがありますが、ひと際賑わっているのが「Attic(アティック)」です。オーナーの野田信治(のぶはる)さんは、長崎のコーヒー業界で知らぬ者はない一流のバリスタ。長崎でコーヒー業界を目指す人の多くがここ「アティック」の門を叩くといいます。
▲人気のテラス席。天気のいい日は終日ほぼ満席

バリスタがいれるコーヒーやラテ、カプチーノはオーダー必至の人気メニューですが、インスタなどSNSで評判なのが「龍馬カプチーノ」。実はメニューには「カプチーノ」としか書かれておらず、龍馬仕立てにするには「あのカプチーノを」や「龍馬で」とお願いする必要があります。なお、龍馬のほか、グラバー、弥太郎、シーボルトもあり、全4種類。
▲右「龍馬カプチーノ」、左「グラバーカプチーノ」各380円(税別)

15時までオーダーできるランチは、パスタやハンバーグなどが680円~とリーズナブル。長崎らしい一品なら「Atticデリシャストルコライス」を。トルコライスは長崎のB級グルメの定番で、ピラフ、トンカツ、スパゲッティがひと皿に盛られたまんぷくグルメです。
▲「Atticデリシャストルコライス」880円(税別)

こちらのトルコライスは、個性が光るスペシャル版。揚げ物はクリームコロッケ、エビフライ、ヒレカツの豪華3点盛りで、アルデンテの麺にトマトソースが絡むスパゲッティも本格派です。デミグラスソースもコク深く絶品!

食後のデザートには「長崎ミルクセーキ」をぜひ。長崎のミルクセーキは他とはちょっと違っていて、ドリンクというよりカキ氷に近く、スプーンですくって食べるのが常識です。
▲「長崎ミルクセーキ」500円(税別)

アティックのそれは、またちょっと変化球。ドリンクとカキ氷の中間で、スプーンではなく、ストローで楽しみます。バニラが濃厚で、味はバニラアイスといった感じ。甘さ控えめなので、トルコライスで満足のお腹にもすんなりと入っていきます。

テラス席は海風が心地よく、目の前には船が行き交う特等席です。時間を忘れてのんびり寛ぎましょう。
▲すべてを茜色に染める夕暮れ時もキレイ

帰りにはアティックオリジナルのコーヒー豆をおみやげに。アティックの並びにある焙煎工場「出島珈琲焙煎所」でオーナーの野田さんが焙煎するスペシャルティコーヒーです。
▲7種ほどをラインナップ。100g600円~(税別)
また、出島から歩いて5分ほどの「長崎新地中華街」で長崎ちゃんぽんというのもおすすめですよ。
▲横浜、神戸と並ぶ日本三大中華街の一つ。中華料理店やみやげ店など40軒がひしめく

長崎出島の旅、いかがだったでしょうか?賑わう街中にありながら、非日常感たっぷり。教科書では教えてくれないことを楽しく学べるのも魅力です。港町・長崎らしい風景を眺めながらのんびりできる「長崎出島ワーフ」とあわせて、ぜひ訪れてみてはいかがでしょうか。
宮崎由希子

宮崎由希子

福岡在住のフリーライター。九州7県をメインに取材にかけずり回り、年間取材件数はのべ1000件以上。得意分野はグルメと温泉と旅。温泉好きが高じて、おんせん県おおいたが主催する「温泉マイスター」を取得。著書に『おいしい博多出張』(エイチエス出版)。

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