2019年の初辰日は?住吉大社で最大限ご利益を得る「初辰まいり」の巡り方

2018.12.07 更新

全国に2,300社ある住吉神社の総本社であり、大阪人のあつい信仰を集める住吉大社。昔から「すみよっさん」と呼ばれ、地元はもちろん国内外から多くの参拝者が訪れます。そんな住吉大社で最大限のご利益を得るなら、毎月最初の辰の日に参拝する「初辰(はったつ)まいり」がおすすめ!今回は「初辰まいり」で賑わう住吉大社を訪れ、境内の見どころと得られるご利益、押さえておくべきポイントをご紹介しましょう。

▲住吉大社を象徴する反橋(そりはし)。この橋を渡って本殿へ向かいます

朱く優美な「反橋」と神使のうさぎがお出迎え!

住吉大社へのアクセスは、南海本線・住吉大社駅から徒歩約3分。または阪堺線・住吉鳥居前駅で下車すると、もう目の前です。
正月の三が日には例年200万人を超える初詣客が訪れることでも有名。また、毎月最初の辰の日に開催される「初辰まいり」も有名で、商売発達(はったつ)と家内安全に一層ご利益があると多くの参拝者で賑わいます。


【2019年 初辰日】
1月7日(月)、2月12日(火)、3月8日(金)、4月1日(月)、5月7日(火)、6月12日(水)、7月6日(土)、8月11日(日)、9月4日(水)、10月10日(木)、11月3日(日)、12月9日(月)
▲住吉大社の入り口にある鳥居

こちらでお祀りしているのは、伊邪那岐命(いざなぎのみこと)が禊祓(みそぎはらえ)をした際に、海中より生まれた底筒男命(そこつつのおのみこと)、中筒男命(なかつつのおのみこと)、表筒男命(うわつつのおのみこと)の住吉三神。さらに、住吉大社を創祀した息長足姫命(おきながたらしひめのみこと/神功皇后のこと)を合わせた4柱の神様です。

昔は社の近くまで海岸線が迫っており、また海から生まれた神様を祀っていることから、奈良時代には遣唐使がここで航海の無事を祈ったこともあるそうです。
▲この日は「初辰まいり」ということで、鳥居の前には海産物などを扱う出店が並んでいました
▲鳥居をくぐった先には、神池に架かる「反橋」が。朱い欄干が印象的な橋で「太鼓橋(たいこばし)」とも呼ばれます

最大傾斜が約48度もある朱い反橋は、住吉大社の象徴。反橋は「渡るだけで罪や穢(けが)れを清められる」といわれています。毎年、中秋の名月に行われる「観月祭」の際には、この橋の上で舞楽が奉納されます。
▲かなり急勾配に見えますが、階段になっているので安心です
▲手水舎では、かわいいうさぎさんがお出迎え!

住吉大社の手水舎はうさぎです。それは、神功皇后が住吉三神を祀り、神社を創祀した日が「卯年、卯月、卯日」だったことに由来しているそうです。ここではうさぎが神様の使いとして大切にされているのですね。
▲手水舎の先にある「角鳥居(かくとりい)」。柱が円形でなく、その名の通り角ばった形をしているのは国内でも珍しい。「住吉鳥居」とも呼ばれています

一礼して角鳥居をくぐったら、本殿は目の前です。

まずは住吉三神と神功皇后が祀られた4つの本殿を参拝

住吉大社には、それぞれ祭神の異なる4つの本殿があり、第一本宮~第四本宮と呼ばれています。これら本殿の建築様式は「住吉造」と呼ばれ、「大社造」や「神明造」と並び、日本最古の神社建築様式の1つ。屋根は反りがなく、棟の上には交差する2つの柱が設けられている点が特徴です。
▲4つの本殿はすべて国宝に指定されています(写真一番手前は第三本宮)

本殿は東西の縦に3殿、南北の横に1殿が並び、L字を描くような配置になっています。その由緒は定かではありませんが、海から生まれた神様をお祀りしている故に船団のような配置をしているといわれています。

通常は南向きか東向きに正面が建てられることの多い本殿も、ここではすべて西正面。西にある海(大阪湾)に向かい、行き交う船を見守っているといわれています。
▲西を正面に、南北に横並びに立つ第三本宮(手前)と第四本宮(奥)

境内に上がって最初に見えるのが、並び合う第三本宮と第四本宮です。しかし、みなさん一番奥にある第一本宮から順番にお参りされているとのこと。正しい参拝順は決まっていないそうですが、まずは奥へ進んで第一本宮へ行ってみましょう。
▲一番奥にある第一本宮(祭神:底筒男命)。参拝の作法は「二拝二拍手一拝」です
▲扉にある細工。ふとした所にも職人の技が光ります

来た道を戻り、第一本宮の手前に立つ第二本宮、さらに第三、第四の順番でお参りしていきましょう。
▲手前から第二本宮、第三本宮、左に第四本宮を見た風景。朱色の柱と白壁、そして薄い檜の皮を重ねた桧皮葺(ひわだぶき)の屋根が美しい
▲続いて第二本宮(祭神:中筒男命)へお参り
▲はじめに見た第三本宮(祭神:表筒男命)へ戻って来ました。最後に隣に並ぶ第四本宮(祭神:息長足姫命)へもお参りします

ここでは屋根の上にご注目!交差した2本の「千木(ちぎ)」と呼ばれる柱があるのがおわかりでしょうか。第三本宮の千木の先端は地面と垂直にスパッとカットされていますが、これは男性の神を祀っている印。一方、第四本宮の千木は地面と水平にカットされていて、これは女性の神の印なのだそう。
▲少し離れて眺めてみると、違いがわかりやすいですね

第四本宮の参拝を終え後ろを振り向いてみると、翡翠でできたうさぎが見えます。これが神様の使いとされている「住吉神兎(すみよしかみうさぎ)」。なでてお祈りすると無病息災で過ごせると言われることから「なでうさぎ」とも呼ばれています。
▲翡翠は新潟県の糸魚川で採れたものだとか。「無病息災」を祈りながらよーく撫でましょう

さらなるご利益を求めて「初辰まいり」へ!

4つの本殿をお参りしたら、いよいよ「初辰まいり」へ出発!住吉大社には4つの本殿の他に、4つの摂社と多数の末社がありますが、初辰まいりで巡るのは、末社のうちの4社。1番参りの「種貸社(たねかししゃ)」から「楠珺社(なんくんしゃ)」「浅澤社(あさざわしゃ)」「大歳社(おおとししゃ)」と順番に巡るのが慣わしです。

【1番参り:種貸社】期待できるご利益:資金調達、子宝、知恵など(初辰まいり受付時間 6:00~15:30)
▲種貸社の狛犬。背中に子どもを乗せた狛犬は珍しい!

昔は、稲穂を授かり豊穣を祈っていた信仰が、徐々に商売の元手、元本、また子宝祈願の信仰に発展してきたそう。ゆえにここでは資金調達、そして子宝安産を祈願して「願いの種」を授かります。
▲子どもを授かった親が、人形の裏に子どもの名前と生年月日を書いて奉納する「種貸人形」(1,000円)も
▲約1カ月間でこれだけ奉納されています

【2番参り:楠珺社】期待できるご利益:家内安全、商売発達(初辰まいり受付時間 6:00~15:45)
▲案内の立て看板があるので、広い住吉大社でも迷いません

こちらの社は「願いの発達」を祈る初辰まいりの中心的な神社。樹齢千年を超える楠(くすのき)がご神木で、同時にご神体としてお祀りしています。
▲樹齢千年を超えるという楠は、そばで見上げると大迫力!
▲社殿奥では御祈祷の最中。手前にはご祈祷の順番を待っている人々が(祈祷料は1,500円)

ここ楠珺社で有名なのが、初辰の日にいただける「招福猫(しょうふくねこ)」。お参りしたら、小さい猫の人形を1体500円でいただきましょう。4年間毎月通って48体集めると、晴れて「中猫」1体と交換。48カ月ということで「始終発達」(しじゅうはったつ)の福が授かれるといわれています。
さらに中猫2体と子猫48体を揃えたら、「大猫」1体と交換。大猫2体を揃えて大願成就となるには、最短24年かかる計算です!
▲奇数月は左手、偶数月は右手を挙げた招福猫が授与されます

お参りしたら小さな招福猫をいただけて、貯まれば大きな招福猫と交換できる――現代にも通じるような仕組みが昔からあったなんて、おもしろいですね。
▲社殿内に並んで鎮座する大猫。右手を挙げているのは「お金招き」、左手を挙げているのは「人招き」の意味があるそう
▲毎月1体ずついただく小さい「招福猫」たち。とってもかわいくて集めたくなっちゃいますね

なお、3番参りの「浅澤社」と4番参りの「大歳社」は、住吉大社の敷地外にあります。住吉大社入口などに設置している初辰まいりの案内パンフレットをもらい、進みましょう。

【3番参り:浅澤社】期待できるご利益:芸能上達・女性守護など(初辰まいり受付時間 6:00~16:00 ※祈祷は大歳社にて受付)
▲「浅澤沼」の中に鎮座していている浅澤社は、カキツバタの名所として万葉集にも詠まれています

祭神である市杵島姫命(いちきしまひめのみこと)は、「住吉大社の弁天様」と親しまれ、美容の神様ということで女性に人気。また芸能の神様としても信仰を集める神社です。

【4番参り:大歳社】期待できるご利益:諸願成就・集金満足など(初辰まいり受付時間 6:00~16:00)
▲いよいよ最後の「大歳社」。しっかりお参りしましょう

最後にやってきた大歳社で「願いの成就」を祈りましょう。大歳神(おおとしのかみ)は五穀収穫の神様。また、家の安全や幸福の守護神でもあります。いつの頃からか集金のご利益もあると信仰されてきました。

大歳社では、境内の「おもかる石」が人気です。自分の願いが聞き届けられるかを占う石のことで、初辰まいりの日には行列をつくることも。石の種類は3つありますが、どれか1つで占ってもいいし、3つ全てで占ってもいいそうですよ。
▲占い方の説明が書かれた看板を確認してチャレンジ

二拝二拍手一拝したら、まずは石の重さを確認するために一度持ち上げてみます。次に石に手を添え、願かけ。さあ、もう一度石を持ち上げてみましょう。二度目に「軽い」と感じたら、その願いは叶うのだそう。
▲意外に重たかった!終わったら、二拝二拍手一拝して神様にお礼を伝えましょう

なお、初辰まいりの日以外でも、これら神社のご利益に変わりはありません。知る人ぞ知る住吉大社のパワーをいただきに、それぞれの神社を巡ってみるのもいいですね。

まだある!ちょっと珍しい参拝ポイント

ここまで本殿と初辰まいりの様子を紹介してきましたが、住吉大社を参拝する際に押さえておきたいポイントはまだまだあります。

第一本宮に向かって右手の門を奥に進んだ先に、何やら人が集まって何かを探している場所があります。ここは「五所御前(ごしょごぜん)」というスポット。
▲「五所御前」。実はここ、約1800年前の創祀ゆかりの地として伝わる神聖な場所

囲いの中にある無数の小石の中から「五」「大」「力」と書かれた石を見つけ、お守りにすると体力、智力、財力、福力、寿力の5つの力を授かることができるそう。授与所で、小石を入れるお守り袋を300円で授与しているので、ぜひ持ち帰りましょう。

願い事が叶ったら、同じような大きさの石を拾ってきて、自分で感謝の気持ちを込め「五」「大」「力」と書き、「五所御前」で拾った小石とともにここに返します。文字通り「倍返し」です。
▲「五」「大」「力」、3つ見つけました!見つからなかったらどうしようと思っていましたが、意外にもいくつも発見。それだけ「倍返し」に来る人が多いのでしょうか

「五所御前」に隣接して、ひっそりと石舞台が佇みます。こちらは「四天王寺の石舞台」(大阪市)、「厳島神社の板舞台」(廿日市市)に並び、日本三大舞台のひとつ。国の重要文化財にも指定されています。
▲5月の初卯の日に行われる「卯之葉神事(うのはしんじ)」では、この石舞台で舞楽が奉納される

お参りを終えたら、帰りに社務所で御朱印も忘れずにいただきましょう。
▲住吉大社の御朱印帳は3種類。2種類は色違いでうさぎと反橋のデザイン、もう1種類は紺色に朱色の反橋が映えるデザインです(すべて1,000円)
▲こちらが住吉大社の御朱印(初穂料500円)

長い間、大阪人の心の拠り所として信仰を集めてきた住吉大社。さまざまなご利益やユニークな参拝方法に、住吉大社の懐の深さを感じます。「すみよっさん」と庶民に親しまれている理由が、よくわかりました。

参拝のあとは門前町の名物和菓子をどうぞ

お参りを終えてホッと一息。甘いものが食べたくなりますね。
住吉大社を出ると阪堺電車の走る通り沿いに、創業から150年以上続く和菓子屋さんがあります。「住吉銘菓 さつま焼」を販売する「末廣堂」です。さつま焼きは、さつま芋を形どったお菓子。照りのあるしっかりした生地で、こし餡か鳴門金時餡のいずれかを包んでいます。
▲「さつま焼」1個152円(税込)。指でつまんでいただける大きさです

あっさりとしたこし餡に、昔ながらの製法で作られている味わいを感じます。元はこし餡だけでしたが、「さつま焼というからお芋が入っていると思った」というお客様の声をアイデアに、15年ほど前から鳴門金時餡ヴァージョンも作り始めたそう。こちらも上品な甘さで、いくらでも食べられてしまうやさしいおいしさです。
もう1軒、「末廣堂」の近所にある和菓子屋さんをご紹介しましょう。どら焼きで有名な「喜久寿(きくじゅ)」です。もちろんおすすめはどら焼き。しっとりしたきめ細かい生地で挟まれた粒餡には、ほどよく栗の粒が混じり、食感にアクセントを添えています。
▲どら焼きは1個180円(税込)(写真提供:喜久寿)

こちらでは、初辰まいりの日限定で販売されている「初辰招き餅」も人気です。初辰まいりの日に訪れることがあれば、ぜひ購入してみてくださいね。
▲喜久寿の「初辰招き餅」140円(税込)。中には粒餡がずっしり。よもぎの風味が濃く、餡の甘みとよく合っておいしい
初辰まいりで賑わう住吉大社の周囲や内部は、お参りやご祈祷を受ける人々の活気と熱気でいっぱい。歴史ある神社の持つ神聖なパワーをいただきに訪れてみてはいかがでしょうか。
國松珠実

國松珠実

大阪エリアの女性ライターズオフィス「おふぃす・ともとも」所属。人と話すのが好きで店舗や企業取材を得意とする。また旅行好きが高じて世界遺産検定1級を持っている。 編集/株式会社くらしさ

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