「恋成たらいうどん」で縁結び!?カップルで徳島に行ったらぜひ食べよう

2018.03.24

うどん県として有名な香川県。そのお隣・徳島県にも、さぬきうどんとはちょっと違ったご当地うどんがたくさんあります。その中でも、阿波市土成町(どなりちょう)の郷土料理「たらいうどん」は、その美味しさだけでなく、歴史や作り方も個性的。さらに、恋愛成就もできる…!? そんな「たらいうどん」の魅力に迫ります!

▲縁結びができるという、ピンクのうどんが入った「恋成たらいうどん」

まず「たらいうどん」とは、その名の通りたらいに入っているうどんです。
その発祥の地は、阿波市土成町。土成町の御所地区で生まれたものなので、正式には「御所のたらいうどん」と言います(以下、たらいうどん)。

御所地区にはたらいうどんの専門店が6店舗あり、立地や店内の造り、サイドメニューになどそれぞれ特徴があります。

今回はその中でも、ロケーションが抜群の「たらいうどん新見屋」、そして恋愛成就のたらいうどんを出している「一天たらいうどん」にお伺いしました。

美味しくて楽しい!
老舗で知るたらいうどんの特徴5

昭和40(1965)年創業の「新見屋」は、宮河内谷川(みやごうちだにかわ)沿いに店舗を構えます。「新見屋」で、たらいうどんとはどんなものか、そしてその歴史についてお聞きします。
▲駐車場からのお店への入口。ここから…
▲階段を下っていきます。なんだかレジャー感があってワクワクします!

階段の先には…
▲さらさらと流れる川と青々とした緑に囲まれた自然豊かな風景が広がっています!
まずは受付でたらいうどんやサイドメニューを注文し、食券を受け取ります。
▲創業時から使っている食券を入れた棚。「レトロで珍しい!」とここで写真撮影をする人も多いそうです。芸能人も多く訪れていて、サインがたくさん飾られています
▲座敷の個室。大広間や宴会場もありますよ

今回は特別に、たらいうどんが出来るまでの様子を見せていただきました。
▲これが、たらいうどんの生麺。少し黄色みががっています

たらいうどんの特徴その1は、まず麺にあり。
通常のうどんは小麦粉と塩で出来ますが、たらいうどんはここに卵を練り込んだ麺を使います。
▲注文を受けてから生のうどんを釜で茹で上げます

ここでたらいうどんの特徴その2。
例えばさぬきうどんの茹で時間が8~10分ほどなのに対して、たらいうどんは茹であがるのに20分ほどかかります。注文を受けてから生麺を茹でるため、そして太めの麺だから時間がかかってしまうのだそうです。
茹であがるまでの時間、暖かい時期には外の川原で遊んだり、サイドメニューをつまんだりなど、思い思いに楽しめるのもポイントです。
▲ときどきかき混ぜながら、茹でること20分
▲釜から大きな木製の飯盆(はんぼ)と言われるたらいの器にうどんを入れて出来上がり
じゃーーん!これが徳島の郷土料理「たらいうどん」です!
▲これで一人前(540円・税込)です

ここで特徴その3。
たらいに入ったうどんは、つけ汁につけて食べるんです。
「新見屋」のつけ汁は、いりこ、昆布、カツオ節など8種類ほどの素材をふんだんに使い、醤油で味付けしたもの。そこに、溶き卵が入っています。
その食べ方が特徴4!
麺は、たらいのふちで湯切りしながらつけ汁に入れて食べます。そうすると、つけ汁が薄くならず、ゆで汁のハネを気にせず最後までおいしくいただけるんです。

では、いただきます!
麺は太めでがっしりとしたコシと歯ごたえがありつつ、もちもち!喉越しもなめらかです。小麦の香りに卵の風味が加わって、まろやかでふんわりやさしい甘みも感じるほど。
力強く香ばしいつけ汁に麺がよく絡み、一気にズルズルッとかきこんでしまいます!

今回オーダーしたのは一人前ですが、玉数に合わせてたらいのサイズが大きくなります。
大きなたらいに数人前のうどんを入れて提供されるので、ひとつのたらいをみんなで囲み、ワイワイ楽しみながら食べられる。それが5つめの御所のたらいうどんの特徴です!

他、釜飯やコンロを使って自分たちで焼く焼鳥など、サイドメニューもおすすめです。

中でも人気なのが「とりのから揚げ」!
▲自家製ダレがかかった「とりのから揚げ」(630円・税込)

初代から受け継いだ自家製味噌が隠し味の甘辛いタレが、ジューシーなから揚げにベストマッチ!一度食べるとヤミツキになる美味しさですよ。

たらいうどんが
阿波市土成町で生まれた理由

お腹がいっぱいになったところで、御所のたらいうどんの歴史について「新見屋」三代目の新見貴史さんと奥様の奈緒美さんにお聞きしました。
阿波市土成町の御所地域では古くから小麦が栽培され、主食として大切に味わってきたそうです。また、林業が盛んだったこの場所では、1年の仕事納めに仲間同士で麺や釜を持ち寄り、川原で「じんぞく」という川魚を獲ってダシをとり、釜に入ったうどんを囲みながら宴会をするのが習わしだったそうです。

昭和6(1931)年、御所にある御所神社で大きなお祭りがあったときに、当時の徳島県知事が来るときのもてなしとしてうどんを出すことに。でも、釜のままでは失礼だということで飯盆にうどんを盛り付けたんだそう。
うどんを食べた知事は「たらいのような器に入ったうどんが美味しかった」と話したのが広まり、いつしか「御所のたらいうどん」と呼ばれるようになったのがはじまりなんだそうです。

地元のごちそうが、時を経て徳島を代表するグルメになったんですね!

たらいうどんで縁結び!?
「恋成たらいうどん」とは

さて、そんな歴史を持つたらいうどん。
今、若いカップルを中心に話題を集める、新たな試みのうどんがあるんです。

それは縁結びを目的に2011年に誕生した「恋成(こいなり)たらいうどん」!

それが食べられるのは、昭和20年代に創業した「一天たらいうどん」。
▲お店からは滝のようなダムを眺めることができます

まずはそのうどんを見てもらいましょう。
▲これが「恋成たらいうどん」。二人前で1,080円(税込)

たらいに入ったうどんの中に、運命の赤い糸ならぬ「運命のピンクのうどん」が一本入っています!
▲キュートなピンク色。桜餅などに使われる色粉で着色しています

食べ方は、普通のたらいうどんと同じ。こちらでは鶏ガラベースのつけ汁でうどんをいただきます。
カップルなら、二人でピンクのうどんの端と端を持ちあって食べてみるのもいいかも!

この「恋成たらいうどん」を食べるとついてくるのが専用の箸袋。
▲箸袋には「運命のピンクのうどんで結ぶ…ふたつの心」のメッセージが。忘れないで大切に持ち帰りましょう。その理由はのちほど…

うどんを食べ終えたら終わりではありません。恋愛成就を祈願しに、この箸袋を持って「一天たらいうどん」から車で20分ほどのところにある四国霊場第七番札所「十楽寺(じゅうらくじ)」へ。
▲龍宮城を彷彿とさせる朱塗りの鐘楼門が特徴的な「十楽寺」

「十楽寺」は、弘法大師作のご本尊が安置され、眼病にご利益のある仏様「治眼疾目救歳地蔵」でも有名な場所です。

こちらのお堂の中に安置されているのが愛染明王(あいぜんみょうおう)様。
▲炎と太陽を想起させる赤い体で煩悩を焼き尽くし、3つの目で過去・現在・未来の全ての世界を見通し、6本の腕で悪者を払うといわれている

愛染明王様は、煩悩のひとつである「愛欲」を悟りに変える力を持つそうで、縁結び・家庭円満のご利益があるそうです。つまり、恋愛成就の仏様!ありがたやー!

愛染明王様の前には特製たらいが設置されています。
「恋成たらいうどん」に付いてきたピンクの箸袋がここで活躍!2枚の袋をしっかり結びます。
結んだら、この特製たらいの中に入れて恋愛成就をお祈りしましょう!
▲二人の仲がしっかりと結ばれますように…

この奉納された箸袋は十楽寺でお焚き上げしてもらえます。
十楽寺の参拝は朝7時から夕方5時までとなっているのでご注意を!

うどんを食べ、仲良く十楽寺に祈願しに行くというアミューズメント性あふれるこの企画。県内だけでなく県外からも「恋成たらいうどん」を目当てに訪れる人が多いそうです。
「恋成たらいうどんは、恋愛だけでなく縁を結ぶことを目的にしています。若いカップルさんはもちろんですが、ご夫婦やご家族、友人など、絆を深めてより結びつきを深くしたいという人にも楽しんでもらえていると思います」と話す「一天たらいうどん」の三代目・糸田川(いとたがわ)さん。
▲「一天たらいうどん」の三代目・糸田川さん

ちなみに、お店のメニューに「恋成たらいうどん」という名前は記載されていませんが、スタッフに注文すれば出してもらえます。
月~土曜は対応可能で、日曜や祝日はお昼のピーク時以外であればできるだけ対応してくれるそうです。GW、お盆期間中はオーダーできないのでご注意を。

「一天たらいうどん」では、もちろん通常のたらいうどんが食べられるほか、柔らかな鶏肉を自家製ダレにつけて食べる若鶏タレ焼きも人気なのでぜひ。
雄大な自然を席から眺めつつ、みんなでたらいを囲んで食べる楽しさ。
ユニークで美味しい、そして縁結びにもなる郷土料理・たらいうどんをぜひ味わってみてください!
野々村まり

野々村まり

大学卒業後に徳島のタウン誌「あわわ」に入社。営業部・編集部を経験したのち4誌の編集長を務め、現在は編集統括マネージャーに。管理職になるも未だに月30件の取材をこなす現役バリバリアラフォー編集者。

※本記事の情報は取材時点のものであり、情報の正確性を保証するものではございません。最新の情報は直接取材先へお問い合わせください。
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