阿波に「藍食」ブーム到来!?染めるだけじゃない、食べてもうれしい藍の魅力に迫る

2018.05.18 更新

「JAPAN BLUE」とも称えられている、鮮やかな色合いの藍。藍染料「蒅(すくも)」づくりの本場として現在もその伝統が引き継がれてる徳島県では、染料としてはもちろん、藍の持つ健康成分などの特性を食の分野で活かしていこうとさまざまな商品やメニューが登場しています。どんなものがあるのか、いろんなお店で実際に食べてみましたよ!

美容と健康にいい!?食べる藍の効果とは?

藍の産地である徳島県では、昔から「藍職人は病気知らず」という言葉があるほど、藍職人たちを中心に藍を漢方薬のように暮らしに取り入れてきたそうです。しかし、染料としての藍の知名度が上がるにつれて食用としての藍の存在は目立たなくなり、その効能が広まることはありませんでした。
▲阿波の藍染商品の数々

が、ここ最近のスーパーフードブームの中で、中国では薬として藍の種が使われていたことや、藍商人が解毒剤として飲んでいたことなど、生薬として藍が活躍してきた歴史があることが分かり、食用の藍が一躍脚光を浴びることになりました。

藍を食べることによる美容・健康面での効果、効能についての研究も活発化。四国大学の近藤真紀教授によって、抗酸化作用が高いほかコレステロール値の改善や内臓脂肪を減らす効果が証明され、染料としてだけではない藍の魅力に注目が集まるようになったそうです。
▲一般的な藍の葉(写真はイメージです)

抗酸化作用が高いということはアンチエイジング効果も見込まれるということで、美意識アンテナの高い美容マニアたちの間でも藍への関心がどんどん高まっているようです。

女性にうれしい「食べる藍」、一体どんな味なんでしょうか?

「食べる藍」を旬の野菜とともに、コース仕立てでいただきます!

そんな食べる藍を取り入れたコース料理があると聞き、車をビュビューンと走らせました。

やってきたのは古くから藍が栽培されており、今でも歴史館「藍の館」があるなど“藍の町”として有名な、その名も藍住町(あいずみちょう)。県北部に位置し、徳島駅から車で30分ほどのエリアになります。

この町で話題のレストランが「農園直営 旬感ダイニングaqulier(アクリエ)」です。
▲木のぬくもりを感じるオシャレな外観

こちらは、水耕栽培の野菜を生産・販売している「カネイファーム」が、地元産野菜の魅力やおいしさを多くの人々に体験してほしいとの想いでオープンしたレストランです。野菜が主役のアラカルトやスイーツは女性客に大人気。

お店の入り口には水耕栽培機を設置して、どんなかたちで野菜を育てているか分かりやすく伝えてくれています。
▲みずみずしい野菜が元気に育っています!

野菜の中に…
おお!藍を発見しました!

実は「カネイファーム」は県内随一の食用藍の生産会社でもあるんです。藍を作っている会社のレストランで提供される藍のコース…、どんなメニューが出てくるんでしょうか!? 
ワクワクしながら「藍と旬感野菜のコース」(2,900円・税抜)をオーダーしました。

最初に運ばれてきたのは「季節野菜のアミューズ」。
▲白魚と菜の花のフリットが盛り付けられてます

次に登場するのが、お野菜モリモリのサラダ!
▲「~農園からの贈り物~カネイファームのグリーンサラダ」

お皿からあふれんばかりに季節の野菜がたっぷり! 取材時はフリルレタスやスイスチャードなど4種類のレタス、パプリカ、たまねぎ、ミニチンゲンサイやつぼみな、紅サンタという大根などが盛り付けられていました。
そして、春から初夏あたり、このサラダに仲間入りするのが藍の新芽。
▲中央の葉っぱが藍の新芽。見た目はバジルに似てますね

虫がつかない水耕栽培で育てた食用藍は新芽も食べることができるんだそうです。
苦味やクセがなく、バーニャカウダソースにつけたり、ガーリックやチーズで味付けしたパン粉をまぶしたりしていただきます。柔らかな食感で野菜感覚でパクパクっと食べられちゃいます。

お次は「季節野菜のスープ」と「フォカッチャ」。
▲この日のスープは、じゃがいものポタージュ
▲藍が入った「フォカッチャ」

生地の中に細かいツブツブが見えますでしょうか?
この粒が乾燥した藍パウダーなんです。
フォカッチャはモチモチしっとり~。ペロリと食べきっちゃいそうですが、メインも控えているのでガマンガマン…。

続いては「〈藍の手打ちパスタ〉ズワイガニと季節野菜のクリームパスタ」。
▲彩りもキレイで美味しそう

この料理のどこに藍が使われているかというと、実は麺なんです!
▲藍パウダーを練り込んだ生パスタです

平打ちのパスタはモチモチ食感。ズワイガニの旨みたっぷりのソースとも相性抜群です。
▲取材時は菜の花やキノコなどが入っていました

続いて、肉か魚かを選べるメイン料理へ。
▲取材時は「パンタード(ほろほろ鳥)のコンフィ」をチョイス。ほか「桜エビのベシャメルと新玉ネギのフォンデュ」「タイのパイ包み焼き」など5種類から選べます

最後はデザートと食後のドリンク。
▲デザートは3種類から選べます。この日はガトーショコラをチョイス

そして、コーヒーや紅茶、オレンジジュースと並んで選べるのが紅茶のような色の「藍のハーブティー」。
▲「藍のハーブティー」とマカロン。こちらにも藍が使われていますよ

スッキリ飲みやすいハーブティーでほっとひといき。あー、満足満足!

と、そこへ「藍を使った料理、いかがでしたか?」とシェフ。
もー、ほんと満腹!ボリュームもあって最高でした!味や香りは言われなければわからないけれど、美容にもいいと言われる藍をたくさん摂れて、なんだかキレイになれたような気がします♪ウフ。

ところで、この藍のメニューを出すようになったのはなぜですか?
「藍が食べられるということを知っている人はほとんどいないと思います。健康にいいことが実証されていて、加工しても栄養価が高いまま取り入れられる食用藍を、藍の産地である徳島の人をはじめ多くの人々にもっと知ってほしいという思いでこのコースを作りました。」
なるほど!
そんなシェフの思いが詰まった「藍と旬感野菜のコース」が食べられるのはランチタイムのみ。予約なしでオーダーOKです。

ちなみに、夜は藍の手打ちパスタやフォカッチャを単品で楽しむことができますよ。
徳島の新鮮で美味しい野菜と一緒に、藍料理をゆったり味わってみてはいかがでしょうか?

インパクト大!藍色のラーメンやスイーツなど、いろんな藍食品に出合えます

さらに、食べる藍を使った商品がたくさん並んでいる場所があると聞いてやってきたのは、徳島市のランドマーク「眉山」のふもとにある「阿波おどり会館」。徳島駅から徒歩15分ほどの場所にあります。
▲阿波おどりに関する資料展示があるだけでなく、一年中阿波おどりが観覧できる観光施設でもあります

ここの1階にあるのが「あるでよ徳島」。
▲“あるでよ”とは、“ありますよ”という、徳島の方言です

徳島の物産・観光情報の発信地として、地元の特産品、お土産品、名物、名産を多数取り揃えています。
▲ハンカチやシャツ、ワンピースなどの藍染商品も購入できます

こちらには約1,800点以上のアイテムが並んでいますが、最近は県外からだけでなく、海外の観光客からも熱い注目を集めているのが食べる藍の商品なんだそうです。

まず紹介してもらったのが、インパクト大のこちら!
▲じゃーん!その名も「阿波藍ラーメン」(2食入)972円(税込)

徳島といえばご当地ラーメン・徳島ラーメンが有名ですが、これはなんと藍を練り込んだ麺を使ったラーメンなです!
スープは豚骨醤油…ではなく、鶏塩風。仕上げに藍フレークをパラリとかけて完成になります。
▲これが完成した阿波藍ラーメン。藍のツブツブが練り込まれた麺と藍色のスープにビックリ!!!

そのビジュアルから最初はギョッとしますが、食べるとさっぱりとした鶏塩味がヤミツキになりそうです。

お次は藍を使ったハーブティー、その名も「インディゴハーブティー」。
▲「インディゴハーブティー」(ティーバッグ5袋入)は1箱734円、4箱セットで2,938円(ともに税込)。左からアクティビティ、リラックス、ビューティ、リバース。

富士山、松、竹、梅、鶴、亀など、おめでたい絵柄のボックスに、それぞれ違ったブレンドティーが入っています。

「アクティビティ」は“からだの中から健康的に”、「リバース」は“すっきり爽快な気分に”、「ビューティ」は“美しく、艶やかなあなたに”、「リラックス」は“落ち着きたいとき、癒されたいときに”など、それぞれ気分やシーンに合わせてブレンドしたハーブに藍の葉を加えています。
▲4箱合わせると1枚の絵が完成!

ツンとくるような藍の独特の匂いもなく、あっさりしていて飲みやすいと好評なんだそう。「飲むと身体がポカポカしてきた」「お通じもよくなった」などの声も届いているようです。

パッケージがかわいいので、ギフトにもピッタリですね。
▲「リバース」を購入して、自宅で淹れて飲んでみました。落ち着く香りとスッキリした飲み心地で癒やされます!

お次は藍のお茶。
▲「阿波藍茶」(ティーバッグ5包入)は810円(税込)

徳島県産の藍の葉を100%使用したノンカフェインティー。焙煎工程を加えることでエグみや青臭さをなくし、飲みやすさにこだわって作られているそうです。やさしい香りの緑茶に似たような、ホッと落ち着くような味わいです。

続いてはお菓子。
▲「藍びすこってぃ」(1枚154円、8枚入1,340円・税込)

藍の葉をビスコッティ生地に練り込んであります。ほんのり香る藍の風味と素朴な甘さが特徴です。
▲こんがりとした焼き色の中に藍色の葉が散りばめられています。牛乳、バター、小麦不使用で、ベーキングパウダーもアルミフリーと、体にやさしい素材を使用

サクッと香ばしいビスコッティと藍のハーブティーやお茶は相性バツグンです。

続いて、2種類のフレーバーの飴ちゃんはいかが?
▲「藍の飴ちゃん」。左は香り高く程よい酸味の「藍と木頭柚子」、右が塩がアクセントの「藍と海部乃塩」。各421円(税込)

藍パウダーと、県内随一の柚子の産地・木頭(きとう)の柚子、徳島海部沿岸の新鮮な海水のみを原料にしたミネラルたっぷりの海部乃塩(かいふのしお)をそれぞれかけ合わせた飴は、どこか懐かしい味わい。
京都で100年続く老舗のこだわり職人が、丹精込めて作りあげているそうですよ。

さらにはこんなものも!徳島の名産コラボスイーツです。
▲さつまいもと藍のカラーリングのパッケージもオシャレな、なると金時の芋きんつば「阿波藍」(3個入)540円(税込)

徳島名産のさつまいも「なると金時」を使用したお菓子を多数製造する「栗尾商店」の藍を使った芋きんつばです。
食用藍をいも餡に混ぜ、ブルーベリー風味を加えてきんつばに仕上げています。
▲さつまいものホクッとした甘みとブルーベリーの甘酸っぱさが絶妙にマッチ

「食べる藍」といっても、こんなにいろんな商品が出ているんです。
どれも購入して実食してみましたが、藍のクセというものはなく美味しくいただけるものばかり。
これは徳島土産の新定番になりそう!
▲「徳島観光の思い出になる食べる藍商品、ぜひ手にとってみてくださいね」とスタッフの岸さん
徳島県人の筆者も取材するまで知らなかった「食べる藍」。
美容や健康にいいだけでなく、パスタやパン、お菓子にお茶、ラーメンなどいろんなかたちで気軽に楽しめるのもポイントのひとつ。
普段使いはもちろん、県外からのお客さんのおもてなしランチやお土産にどんどん利用したいと思います!

みなさんも徳島に遊びに来たときは、藍染体験にプラスして藍食体験をしてくださいね。
野々村まり

野々村まり

大学卒業後に徳島のタウン誌「あわわ」に入社。営業部・編集部を経験したのち4誌の編集長を務め、現在は編集統括マネージャーに。管理職になるも未だに月30件の取材をこなす現役バリバリアラフォー編集者。

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