北野天満宮 梅の花咲き誇る、早春の御宮を歩く

2018.02.23 更新

学問の神様「菅原道真(すがわらのみちざね)公」をお祀りする北野天満宮は、京都で「梅見」といえば必ずと言っていいほど名が挙がる梅の名所です。例年2月初旬から3月下旬にかけて、境内や梅苑に咲く種々の梅の花のほか、境内のみどころをご紹介します。

50種、約1,500本。競い合うように咲き誇る梅の花

『東風吹かば匂いおこせよ梅の花 主なしとて春を忘るな』
菅原道真公が太宰府に左遷されるとき、庭に咲く梅の木に別れを告げて詠った歌だそうです。ここ北野天満宮は、菅原道真公をご祭神としてお祀りする全国約1万2,000社の天満宮、天神社の総本社。古くより美しい梅の花が咲く場所としてしられ、2月の上旬から3月下旬にかけては多くの参拝者が訪れています。
▲境内には紅白の梅が咲き誇る

2万坪の境内一円に、さまざまな種類の梅が植えられています。その数は50種、約1,500本。早咲の「寒紅梅」、薄っすらと青緑色の「月の桂」、珍しい品種の「黒梅」などの梅の花が、品種によっては正月明けから徐々に咲きはじめ、3月中旬まで楽しむことができます。
▲本殿の裏側に咲く八重の「雲龍梅」

それではさっそく、美しい梅の花咲く北野天満宮のみどころを紹介していきましょう。

天神信仰の発祥の地「北野天満宮」のみどころ

▲高さ11.4mの「一の鳥居」

北野天満宮の創建は天暦元(947)年。平安時代の中ごろに遡ります。道真公の乳母を務めていた多治比文子(たじひのあやこ)らが、この地に道真公をお祀りしたのが始まりと言われています。

幼少の頃より学業を修め、優れた和歌や漢詩を数多く残した道真公。学者出身の政治家として活躍しますが、藤原氏の策謀により大宰府に左遷され波乱の生涯を閉じます。道真公の死後は、その活躍と晩年の不遇によりさまざまな伝説を生み、やがては天神さまへの信仰として全国各地に根付きました。学問、芸能、厄除けなど、さまざまなご神徳を求め、多くの人々が参拝しています。
一の鳥居を通り、少し歩くとこちらの「楼門(ろうもん)」が見えてきます。壮麗な桃山時代の建築様式の巨大な楼門は迫力満点。年始にはその年の干支を描いた「ジャンボ絵馬」が掲げられることでも知られています。
続いては「三光門」。楼門と社殿の間に立つ中門です。楼門と同じく桃山様式の建築で、天満宮のシンボル的な存在。重要文化財に指定されています。
三光とは、日(太陽)、月、星の意味で、梁の間には日と月の彫刻があります。星の彫刻だけが見られないとも言われていますが、その理由はかつて朝廷があった大極殿から見た際に、ちょうどこの門の上に北極星が輝いていたから、と言われています。この伝説は「星欠けの三光門」として今も北野天満宮の七不思議に数えられています。
▲見ごろの時期の三光門の様子
こちらは三光門の横にある「紅梅殿 船出の庭(こうばいどの ふなでのにわ)」の様子。取材時(2018年2月2日)はまだつぼみに色が付き始めた位でしたが、見ごろは例年3月上旬頃だそうです。
三光門をくぐり社殿へと向かいます。
国宝に指定されている社殿は、本殿と拝殿、石の間と楽の間を連結した日本最古の「八棟造(やつむねづくり)」で、神社建築の歴史を伝える貴重な遺構です。現在の社殿は、豊臣秀吉公の遺命により豊臣秀頼公が慶長12(1607)年に造営したもの。 三光門や楼門と同様、極彩色で絢爛豪華な装飾は見るものをひきつけます。
本殿の前にある梅の木。梅は本殿に向かって左側にあり、右側には松の木が植えられています。
▲拝殿の欄間に刻まれた立ち牛

境内には天神さまのお使いとして神牛の像や彫刻が数多くみられますが、いずれも故事にならい伏せた姿のものばかり。しかし、なぜかこちらの牛だけ唯一立った姿で刻まれています。これも、北野天満宮の七不思議の一つとして数えられています。
社殿の裏側、境内の北西の角には「一願成就のお牛さま」が祀られています。数々ある牛のなかでも、こちらの牛はなでると一つだけ願いが叶うと言われていて、取材した際も多くの人がそのご利益を求めて列をなしていました。
▲「一願成就のお牛さま」には数えきれないほどの絵馬が奉納されている
こちらはなで牛。頭をなでると頭がよくなると言われています。受験生や学生さんはぜひ頭をなでてみてください。また、体の悪いところを触ったあと、牛の同じ場所を触ると悪い場所が治るとも言われています。

本殿での参拝や学業祈願を済ませたら、いよいよ梅苑へと向かいましょう。
梅苑には白梅、紅梅、一重、八重と、とりどりに咲く梅の間を縫うように散策路が延びています。紅梅殿や本殿などの周辺の梅も素晴らしいですが、こちらの梅苑の様子はさらに圧巻。入園は有料ですが一見の価値ありですので、機会があればぜひ立ち寄ってみてください。
▲色鮮やかな梅苑の様子。「梅に鶯(うぐいす)」なんてステキな風景がみられるかも
▲梅花祭の様子。菅原道真公の月命日に行われ、約900年の歴史を誇る

梅苑の公開期間中は、お茶とお菓子を供する茶屋も開かれ、また例年2月25日には「梅花祭」と「梅花祭野点大茶湯」が行われます。
秀吉公ゆかりの「北野大茶湯」にちなんだ「梅花祭野点大茶湯」の様子。上七軒の芸舞妓のお手前で、お茶とお菓子を味わいながらゆったりと梅を愛でるのも一興です。
いかがでしたか?梅の花咲き誇るこの季節、のんびりと花を愛でながら、春の気配を感じる境内を散策してみませんか。

【北野天満宮までのアクセス例】
京福電車・北野白梅町駅下車徒歩約5分
京都市バス・北野天満宮前バス停、降りて直ぐ

※記事内の梅、梅花祭、梅花祭野点大茶湯の写真は過去に撮影したものです。
妙加谷 修久

妙加谷 修久

京都市在住の旅行系ライター兼ディレクター。全国各地に足を運び、旨いモノを食べ、温泉に浸かる日々。ここ京都を中心に、知っているようで知らない「日本のイイトコロ」を紹介します。日本酒好きが高じて利き酒師の資格を取得しました。

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