北野天満宮 梅の花咲き誇る、早春の御宮を歩く
学問の神様「菅原道真(すがわらのみちざね)公」をお祀りする北野天満宮は、京都で「梅見」といえば必ずと言っていいほど名が挙がる梅の名所です。例年2月初旬から3月下旬にかけて、境内や梅苑に咲く種々の梅の花のほか、境内のみどころをご紹介します。

50種、約1,500本。競い合うように咲き誇る梅の花
菅原道真公が太宰府に左遷されるとき、庭に咲く梅の木に別れを告げて詠った歌だそうです。ここ北野天満宮は、菅原道真公をご祭神としてお祀りする全国約1万2,000社の天満宮、天神社の総本社。古くより美しい梅の花が咲く場所としてしられ、2月の上旬から3月下旬にかけては多くの参拝者が訪れています。

2万坪の境内一円に、さまざまな種類の梅が植えられています。その数は50種、約1,500本。早咲の「寒紅梅」、薄っすらと青緑色の「月の桂」、珍しい品種の「黒梅」などの梅の花が、品種によっては正月明けから徐々に咲きはじめ、3月中旬まで楽しむことができます。

それではさっそく、美しい梅の花咲く北野天満宮のみどころを紹介していきましょう。
天神信仰の発祥の地「北野天満宮」のみどころ

北野天満宮の創建は天暦元(947)年。平安時代の中ごろに遡ります。道真公の乳母を務めていた多治比文子(たじひのあやこ)らが、この地に道真公をお祀りしたのが始まりと言われています。
幼少の頃より学業を修め、優れた和歌や漢詩を数多く残した道真公。学者出身の政治家として活躍しますが、藤原氏の策謀により大宰府に左遷され波乱の生涯を閉じます。道真公の死後は、その活躍と晩年の不遇によりさまざまな伝説を生み、やがては天神さまへの信仰として全国各地に根付きました。学問、芸能、厄除けなど、さまざまなご神徳を求め、多くの人々が参拝しています。






国宝に指定されている社殿は、本殿と拝殿、石の間と楽の間を連結した日本最古の「八棟造(やつむねづくり)」で、神社建築の歴史を伝える貴重な遺構です。現在の社殿は、豊臣秀吉公の遺命により豊臣秀頼公が慶長12(1607)年に造営したもの。 三光門や楼門と同様、極彩色で絢爛豪華な装飾は見るものをひきつけます。


境内には天神さまのお使いとして神牛の像や彫刻が数多くみられますが、いずれも故事にならい伏せた姿のものばかり。しかし、なぜかこちらの牛だけ唯一立った姿で刻まれています。これも、北野天満宮の七不思議の一つとして数えられています。



本殿での参拝や学業祈願を済ませたら、いよいよ梅苑へと向かいましょう。



梅苑の公開期間中は、お茶とお菓子を供する茶屋も開かれ、また例年2月25日には「梅花祭」と「梅花祭野点大茶湯」が行われます。


【北野天満宮までのアクセス例】
京福電車・北野白梅町駅下車徒歩約5分
京都市バス・北野天満宮前バス停、降りて直ぐ
※記事内の梅、梅花祭、梅花祭野点大茶湯の写真は過去に撮影したものです。
北野天満宮
京都府京都市上京区馬喰町
[楼門開閉時間]4月~9月/5:00~18:00、10月~3月/5:30~17:30
[定休日]なし
■梅苑公開(例年2月初旬~3月下旬まで)
[公開時間]9:00~16:00
[入園料]中学生以上700円、小学生以下350円※いずれも茶菓子付
075-461-0005

妙加谷 修久
京都市在住の旅行系ライター兼ディレクター。全国各地に足を運び、旨いモノを食べ、温泉に浸かる日々。ここ京都を中心に、知っているようで知らない「日本のイイトコロ」を紹介します。日本酒好きが高じて利き酒師の資格を取得しました。
また、本記事に記載されている写真や本文の無断転載・無断使用を禁止いたします。
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