宮崎のご当地グルメがカレーに!「KUH」のチキン南蛮カレーは、爽やかで胃もたれ知らずだった

2018.05.15 更新

宮崎県に、ご当地グルメのチキン南蛮とカレーをコラボレーションさせた「チキン南蛮カレー」を味わえる店がある。胃もたれしそうな組み合わせだが、酸味が効いた爽やかな味わいで、子どもから年配まで幅広く愛されている。しかもこのカレーには、インド料理だけでなくイタリア料理と日本料理の修業も重ねてきた店長だからこそできる巧みな技が隠されている。宮崎県に来たら、ぜひ食べてもらいたい一品だ!(by カレー調査隊隊長・井上岳久)

どうも、こんにちは!
カレーの第一人者である井上岳久先生と、一番弟子りかです。私たち2人は「カレー調査隊」として、ぐるたび編集部に届いた耳寄りカレー情報をもとに全国津々浦々を旅しています。

今回は、宮崎県にある「チキン南蛮カレー」のうわさを調査してきました。

宮崎駅直結!昼はカレー、夜はイタリアンダイニングバー「KUH」

りか「ぐるたび編集部宛てに、こんな調査依頼のメールが届きました」

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今度、宮崎県に出張に行くことになりました。出張ついでにおいしいカレーが食べたいです。おすすめのカレー店はありますか?できれば、宮崎県だからこそ食べられるカレーを知りたいです!
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井上先生「宮崎県らしいカレーか。りかさん、何かいいお店知ってる?」

りか「宮崎のご当地グルメのチキン南蛮とカレーがコラボレーションした『チキン南蛮カレー』を食べられるお店があるとカレー仲間から聞きました。そちらを調査しに行ってみましょうか?」

井上先生「チキン南蛮とカレー?カレーにチキン南蛮をトッピングしたカレーなら、東京にもたくさんあるよ」

りか「そうかもしれませんが、でも物は試しと言いますし。調査しに行ってみましょうよ!」

井上先生「りかさんがそこまで言うなら、試しに行ってみるか!」
ということで、やってきたのはJR宮崎駅から徒歩約1分の「KUH(クウ)」。駅ビル型複合商業施設「えきマチ1丁目宮崎」内にあります。ランチタイムはカレー店、17時からはイタリアンダイニングバーとして営業しています。

酸味が効いた爽やかなカレー!胃もたれ知らずの「チキン南蛮カレー」

りか「先生!こちらが、うわさの『チキン南蛮カレー』です!」
▲アツアツの鉄鍋で提供される「チキン南蛮カレー」(税込900円)。ご飯の上に揚げたチキンがのっていて、チキン南蛮の定番であるタルタルソースも添えられている

井上先生「うーん、見た目はチキン南蛮がトッピングされたよくあるカレーだよね。特に変わった点はないように見えるけど…」

りか「そんなこと言っている間に、カレーが冷めちゃいますよ」

井上先生「わかったよ、まずはひと口食べてみるか。それにしても胃もたれしそうな組み合わせだな…」
▲パクっ

井上先生「おや…?カレーは香味野菜の旨みやニンニクのコクもあって爽やかだし、チキン南蛮は甘酸っぱい。それに唐揚げというよりも、天ぷらのようにふわっと揚げられていて脂ギッシュな感じはしない。結構おいしいな」

りか「お、先生の口から『おいしい』が出ました!私もちょっと食べてみていいですか…」
▲パクっ

りか「おいしい~!どろっとしたカレーなのかと思いきや、トマトの酸味が効いていてあっさりしていますね。チキン南蛮の衣は軽くて、お肉はジューシーです!」
りか「でも…、このカレーとチキン南蛮はどうやって食べるのが正解なんでしょうね?」
「食べ方はお客様のお好みでどうぞ!」
そう声をかけてくれたのは店長の朝稲(あさいな)圭介さん。人によってはチキン南蛮とカレーを混ぜて食べたり、別々に食べたりと様々だそう。マヨネーズ感の強いタルタルソースとトマトの酸味が効いたカレーが混ざると、コクが出てまろやかな味わいに。

井上先生「揚げ物がのっているのに、意外にも軽くてペロッと食べられますね」

朝稲さん「観光などで県外からも多くのお客様がいらっしゃるのですが、やっぱり皆さんチキン南蛮を求めていまして。それでカレーと組み合わせてみました。ちなみに宮崎県の人は鶏肉と酸っぱいものが好きなんですよ。だからカレーもチキン南蛮も酸味を効かせた爽やかな味わいに仕上げてあります」
井上先生「なるほど。カレーはどのように作っているのですか?」

朝稲さん「まずにんじんとセロリ、じっくり炒めた玉ねぎの中にトマトのホール缶を入れてトマトスープを作り、そこにナツメグやガラムマサラなど数種類のスパイスとルウを入れて、味を調えていきます。チキン南蛮は、ふわっとした食感を出すために溶き卵にくぐらせて揚げたあと、仕上げに温かい南蛮酢にくぐらせています。冷たい南蛮酢だと、ふわっとした食感がなくなってしまうんですよ」

朝稲さんによれば、一番のこだわりは南蛮酢とのこと!ショウガやレモン汁、ゴマ油などが入ったオリジナルの酢だれと玉ねぎをじっくり2時間ほど煮込み、玉ねぎの旨みと甘みを引き出します。その後、ハンドミキサーで玉ねぎを潰し、裏ごしした液体だけを使っているそうです。
朝稲さん「以前はもっと尖った味わいのカレーを提供していたのですが、駅ビルという土地柄、お子さんや年配の方も来店されるので、少しマイルドな味わいに変えました」
そのため、辛味やスパイス感が足りなければ、テーブルに置いてあるミックススパイスをお客様自身であとがけして調整してもらっているとか。
井上先生「東京にも似たようなカレーはあると思ったけど、実際に食べてみると全然違うね。特に、ふわっとした食感と酸味のある味わいが特徴的なチキン南蛮の差は歴然。これこそが本場の味だね」

りか「宮崎県に観光に来たら、この『チキン南蛮カレー』は食べておきたいですね!」

本格インドカレーをアレンジ!店長オリジナルの「海老トマトクリームカリー」も必食

最初はカレーのレベルに半信半疑だった井上先生も、食べてみたらすっかり「KUH」の虜に。ぺろっと平らげたうえに、何やらメニュー表を見ています…。
井上先生「りかさん、このカレーも気にならない?これだけ他のカレーにくらべて異色だし」

りか「え、まだ食べるんですか!?」
▲先生が指したのは「海老トマトクリームカリー」

りか「たしかに『チキン南蛮カレー』とは毛色は違いそうですが…」
朝稲さん「そちらは、私が以前インド料理店で修業した時に習得した『ジンガマサラ』というカレーにアレンジを加えたものなんですよ。先ほど『チキン南蛮カレー』をマイルドな味にしたとお伝えしましたが、この『海老トマトクリームカリー』だけは少々尖らせています」
▲「海老トマトクリームカリー」(税込980円)

「ジンガマサラ」とは、ココナッツミルクを使用した北インドの海老カレーのこと。ですが「KUH」では、ココナッツミルクではなく生クリームを使用しているそうです。またトマトの甘みと、清涼感あるカルダモンの香りを強調した仕上がりにしているのだそう。

井上先生「それは食べてみたい!」
ということで、まさかの本日2皿目をいただくことに!

井上先生&りか「いっただきまーす!」
▲ぷりっとした食感のバナメイエビが4尾入っています
井上先生「おお!トマトの酸味とクリームのコクのバランスがいいし、ホールスパイスのカルダモンがゴロゴロと入っていて、良いアクセントになっている。見た目はイタリアン風のカレーのようだけど、食べてみると北インド系のカレーだね。ナンやパンにも合いそう」

「チキン南蛮カレー」に続き、再び絶賛する井上先生。「海老トマトクリームカリー」はどうやって作っているのでしょうか?
朝稲さん「まずバターとローリエ、ガラムマサラでスパイスの香りを引き出し、そこに玉ねぎを入れて、ゆっくり弱火で炒めます。それからトマトのペーストと、ターメリック、クミン、ナツメグ、辛みのあるガラムマサラを混ぜたオリジナルのミックススパイスを入れて煮込み、塩と砂糖で味を調えます」
朝稲さん「そこに生クリームを入れて、ひと煮立ちしたらカレーソースは完成です。エビは、オーダーが入ってから少量の水で蒸し煮にして、あとからカレーソースに混ぜ合わせます。そうすることで身が小さくなったり硬くなったりするのを妨げますし、エビの香りと旨みが蒸した水分に移って、その液体がカレーソースをよりおいしく仕上げるんです」

ちなみにお米は地元・宮崎県産のもの使用し、炊き方にもこだわっているんだとか!

朝稲さん「カレーの味にご飯が負けないように、お米を炊くときに塩とオリーブオイルを混ぜています。そうすることでオリーブの香りと味がご飯につくだけでなく、オイルにコーティングされることによって、ご飯がパサつかなくなるんですよ」
りか「オリーブオイルって普通はカレーに使わないですよね。夜はイタリアンダイニングバーになるお店だからこそ、生まれた技ですね!」

朝稲さん「実は私、京都などでイタリアンをメインに修業し、その後オーストラリアの和食店、宮崎のインド料理店でも調理師として働いてきたんです。いろんな料理を学んだ経験から、『KUH』のカレーが生まれました」

りか「すごい!いろんな料理のテクニックを生かしてできたカレーなんですね。このおいしさにも納得です!」

では井上先生、カレーの評価をお願いします。
井上先生「『KUH』のカレーチャートはこちら!」
井上先生「さすが本場の味!と言いたくなるくらいレベルの高いチキン南蛮を使ったカレーだったので、ご当地グルメ度は5。『海老トマトクリームカリー』にはカルダモンをアクセントに使っていたので、スパイステクニックも5。正直、宮崎県でこんなにもおいしいカレーと出合えるとは思ってもいなかったよ」

りか「はい!とっても美味しくいただきました。やっぱり現地に調査しに来るって大事ですね!」
▲最後は朝稲さんとパシャリ!

宮崎県でランチにカレーを食べるなら、「KUH」へ。
ご協力ありがとうございました!

井上岳久(カレー大學学長/株式会社カレー総合研究所代表)

カレー業界を牽引する、業界の第一人者。横濱カレーミュージアム責任者を経て現職に至る。カレーの文化や歴史、栄養学、地域的特色、レトルトカレーなど、カレー全般に精通。レトルトカレーは全国から2,000種類を収集し試食している。著書に『一億人の大好物 カレーの作り方』『国民食カレーに学ぶもっともわかりやすいマーケティング入門』など多数。

名久井梨香

名久井梨香

フリーライター。毎日カレーを食べるカレー愛好家で、現在はカレーパンも研究している。カレー大學、カレー大学院卒。趣味はカレーとJリーグ。

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