自家製カレー粉を使用!宮崎県「スパイスカフェ ヒトツブ」のチキンカレー
宮崎県日南市にスパイス専門店がある。このお店では、スパイスをより身近に感じてもらうために、店内でスパイス料理を提供している。子どもの頃にスパイス事典を読むのが好きだったという店主が作り出すチキンカレーは、南インドと欧風カレーの要素を融合させた、誰でも食べやすい味わいだ。そしてカレー好きなら、ぜひともカレー味のチキンソテーも一緒に食べてもらいたい!(by カレー調査隊隊長・井上岳久)

カレーの第一人者である井上岳久先生と、一番弟子りかです。私たち2人は「カレー調査隊」として、ぐるたび編集部に届いた耳寄りカレー情報をもとに全国津々浦々を旅しています。
今回は、宮崎県日南市にあるスパイス専門店のカレーのうわさを調査してきました。
カレーも提供!スパイス専門店「スパイスカフェ ヒトツブ」

りか「ぐるたび編集部宛てに、こんな調査依頼のメールが届きました」
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この間、ネットショップでスパイスを購入したところ、販売元は宮崎県日南市に店舗を構えるスパイス専門店でした。このお店は、店内でカレーも提供しているそうです。どんな人が経営していて、どんなカレーを提供しているのか調査してきてもらえないでしょうか?
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井上先生「ほぉ、宮崎県にスパイス専門店があるのか。それも日南市。宮崎市から車で1時間ほどかかる地域だよね。東京都内ではスパイス文化がだいぶ定着してきたが、宮崎県ではどうなんだろう?」
りか「そうですよね。宮崎県ではどうなんでしょう?気になるので、ぜひ調査に行ってみましょう!」

飫肥地区は、飫肥藩・伊東氏の城下町として栄えた地域で、江戸時代を彷彿とさせるような風情ある町並みが特徴です。「スパイスカフェ ヒトツブ」の外観も、町の景観になじんでいます。

出迎えてくれたのは、店主の小玉幸太郎さん。

小玉さん「はい!スパイス専門店として、店頭とインターネットで自家製ブレンドのミックススパイスを販売しています。だけど近隣に住む方はご年配の方が多くて、スパイスとなじみがないんです。そこで、うちの商品を使った料理を提供すれば、スパイスを身近に感じてもらえるのではないかと思い、カレーやカレーチキンプレートなどのスパイス料理を用意しています」
井上先生「カレーライス以外にもメニューがあるんですね。カレーチキンプレートも食べてみたいな。それにしても、なぜここでスパイス専門店を始められたのですか?」

カレー好きなら両方食べたい!チキンカレーとカレーチキンプレート

赤味がかった茶色のカレーソースに、スライスオニオンとカスリメティ(インドで一般的に使用されるスパイスの一つ)、パセリが振りかけられています。辛さは「なし」「小辛」「中辛」「大辛」「激辛(+税込100円)」の5段階から選べ、今回は「中辛」をチョイス。

井上先生「おいしそうだね!せっかく宮崎県まで来たんだし、カレー好きとしてはカレーライスとカレーチキンの両方を食べたいよ」



井上先生「ほんとだ!思っていたより辛い!のどの奥にグッとくる辛味だね!」
りか「先生、大丈夫ですか!?」

りか「たしかにそうですね。このカレーなら、スパイスになじみがない人でも食べやすいのではないでしょうか。では、今度はカレーチキンプレートのほうをいただきますか」

井上先生「そうだよね。私はね、このチキンをカレーにトッピングして食べたいんだよね」


小玉さん「お~、新メニューの開発まで(笑)。ありがとうございます!」
ポイントはあえて簡単に!チキンカレーとカレーチキンの作り方
小玉さん「チキンカレーは、まずホールスパイスのシナモン、カルダモン、クローブで油に香りをつけてから、玉ねぎをあめ色になるまでしっかり炒めます。そこにトマトピューレやココナッツパウダー、牛乳などを入れ、おいしいトマトスープを作っていきます。そこにカレー粉を入れて味を調え、塩コショウした鶏肉を投入し、少し煮込んだら完成です。水は使用しません」

りか「ココナッツミルクではなく、パウダーなんですね?」
小玉さん「ココナッツミルクは苦手な人も多いので牛乳を使用しています。だけどコクを出すのにココナッツは必要なのでパウダータイプを加えているんです。僕は南インドのカレーが好きなんですが、宮崎の方は食べ慣れていないので、日本人好みになるようアレンジを加えています」

カレー粉は、自社製品の「カリースパイス」を使用。カルダモンを強めに効かせた爽やかな香りがするカレー粉で、辛み成分は入っていません。そのためオーダーの辛さによってカイエンペッパーを加え、辛味を出していると言います。

井上先生「本当にそれだけですか?色々とテクニックが隠されていると思ったのですが」
小玉さん「これだけですよ~(笑)」
スパイス事典を読んでいた子供時代を思い出し、スパイス専門店をオープン

小玉さんによれば、大阪の美術大学で脚本の勉強をしていたものの、脚本家として食べていけるのは一握りの人である現実を目の当たりにし、また実家が日南市に引っ越すこともあって、帰郷することに。最初は、ご両親が経営するギャラリーを手伝っていたのですが、独立を考えて、スパイス専門店の開業を思いついたそう。

井上先生「冒頭の質問に戻るのですが、なぜスパイス専門店を始められたのですか?カレーが好きだったとか?」
小玉さん「実は小学生の時に、図書館でスパイスの事典を読むのが好きだったんです。当時はスパイスということをよくわからず、RPGゲームに登場する薬草が現実世界にもあるんだと思っていましたけど。スパイス専門店は日南市にないですし、九州全体にも少ないのでいいかなと」
周りにスパイスについて教えてくれる人がいなかったことから、1つ1つスパイスをかじるなどし、独学で研究していったと言います。そして2016年2月に「スパイスカフェ ヒトツブ」をオープン。現在は、奥さんのしおりさんとご夫婦で経営しています。

小玉さん「実は…オープン後に、曽祖父の歴史を調べたことがあって。そしたら明治時代に薬種商として漢方を売っていたんです!血は争えないなぁと思いましたよ」
小玉さんはより多くの人にスパイスを身近に感じてもらうために、オリジナルのカレー粉を作るイベントなどを不定期で開催。参加者は近隣に住む主婦やお子さんなど、初めてスパイスに触れる人も多いとのこと。こうしてスパイス文化の普及活動も行なっているそうです。
では井上先生、カレーの評価をお願いします。

井上先生「スパイス専門店であり、自家製ブレンドのカレー粉を使っていたのでスパイステクニックは5。ココナッツの粉や牛乳を使うなどしていたので、コクも5。南インド系のカレーと欧風カレーを融合させたカレーで、おいしかったね」
りか「はい!スパイスに慣れていない人でも食べやすいカレーでした。『スパイスカフェ ヒトツブ』を筆頭に、宮崎県全体にスパイス文化が普及するとおもしろいですね」

宮崎県でスパイス料理を食べるなら、「スパイスカフェ ヒトツブ」へ。
ご協力ありがとうございました!
スパイスカフェ ヒトツブ
宮崎県日南市飫肥6-7-1
[営業時間] 11:30~16:30(L.O.15:30)、18:00~22:00(L.O.21:30)※ご飯なくなり次第終了、夜は予約のみ
[定休日]月曜、日曜
0987-67-5399

井上岳久(カレー大學学長/株式会社カレー総合研究所代表)
カレー業界を牽引する、業界の第一人者。横濱カレーミュージアム責任者を経て現職に至る。カレーの文化や歴史、栄養学、地域的特色、レトルトカレーなど、カレー全般に精通。レトルトカレーは全国から2,000種類を収集し試食している。著書に『一億人の大好物 カレーの作り方』『国民食カレーに学ぶもっともわかりやすいマーケティング入門』など多数。
また、本記事に記載されている写真や本文の無断転載・無断使用を禁止いたします。
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