登山初心者におすすめ!千葉・南房総にある富山の絶景スポットを巡ってきた

2018.02.06 更新

日頃の運動不足を解消するべく、これから登山を始めたい人におすすめの“都心からアクセスのよい山”を調べたところ、千葉県・南房総にある富山(とみさん)を発見。初心者でも登りやすく、『南総里見八犬伝』の舞台にもなった場所なのだそう。また、毎年1月中旬~2月下旬に見頃を迎える水仙の群生地も近くにあるのだとか。早速高速バスに乗り、富山の最寄りにある「道の駅富楽里(ふらり)とみやま」に向かいました!

フリー素材モデルの大川竜弥です。

富山は、千葉県・南房総市の中央に位置する標高349.5mの山。初心者でも登りやすく、美しい自然が残る町のシンボルになっています。「伏姫籠穴(ふせひめろうけつ)」を筆頭に、『南総里見八犬伝』ゆかりの地が数多くあるところも魅力のひとつです。
スタート地点となるのは、東京駅から高速バスで約80分の場所にある「道の駅富楽里とみやま」。24時間利用可能なトイレ・自販機・公衆電話が設置された道の駅です。JR岩井駅から徒歩15分~20分と電車でもアクセス可能。

軽食コーナーとインフォメーションコーナーがあるので、登山前の腹ごしらえや情報収集もできます。ここを出たら、道中で飲み物と食べ物を買える場所はありません。特に登山中の水分補給は大事なので、必ずここで必要なものを買っておきましょう!

最初の目的地は、南総里見八犬伝に登場する「伏姫籠穴」

「とみさん伏姫ハイキングコース」にはいくつかルートがあり、今回挑戦する「とみさん伏姫ハイキングコース」は登山が約90分の山歩き散策コース。富楽里とみやまを出発後、「伏姫籠穴」に立ち寄って、富山山頂に向かいます。ちなみに下山は「福満寺(ふくまんじ)」を経由し、富楽里とみやまに戻ってくる約60分のルートを選びました。
いよいよ散策スタート!富楽里とみやまを出て富山方面に10分ほど歩くと、この看板があります。「伏姫籠穴」は、江戸時代の戯作者・滝沢馬琴の南総里見八犬伝の作中で、伏姫(ふせひめ)と八房(やつふさ)がともに暮らしたとされる洞窟。富山登山の途中にあるため、人気のスポットになっているそうです。

そこで、まずは伏姫籠穴を目指して進みます!
看板の指示通りに10分ほど道を歩いていると…、
今度は「伏姫籠穴・富山」と描かれた木の看板を発見。ここでひとつ注意点があります。
木の看板の近くに、左斜め上を指す矢印と「伏姫籠穴 1.0km」と記された小さい案内板が植わっています。後ほど詳しく説明しますが、こちらは通常のルートではなく急勾配な尾根ルート。
初心者は左ではなく、右。大きな木の看板が指している通常のルートを選びましょう。
富楽里とみやまを出発してから、約20分。風景がガラッと変わり、一気に緑が。
多少の傾斜はあるものの、地面がアスファルトで舗装されているため、まだ登山ではなく散歩といった感じ。しばらく歩いていると、何やら白い建物が見えてきました。

神秘的な雰囲気が漂う伏姫籠穴!作品のファンは感動すること間違いなし

白い建物の正体は、伏姫籠穴の山門でした。石段は、南総里見八犬伝で八房が伏姫を背負って歩いた階段だとか。

この山門の横にトイレがあります。富山の山頂までトイレはないので、ここで用を足しておきましょう。
山門をくぐり階段を上ると…
洞窟が見えてきました!

南総里見八犬伝に登場する人物は、モデルになった実在の人物がいますが、物語そのものはフィクション。この洞窟はいつ誰が掘ったものかわからないそうで、大昔からあるものなのか、物語を読んだ人が掘ったものなのか気になりますね…。
洞窟の内部には入れませんが、アップするとこんな感じです。
洞窟の手前にあるのは「伏姫舞台」と呼ばれるスペースで、ベンチが設置されています。8つある柱には、物語に登場する八犬士の名前が刻まれています。写真の右側に写っているのが、柱の1つ。
伏姫舞台から洞窟へ続く階段を上ると、鉄製の門があります。ところどころ錆があり、歴史を感じますね。門が開いていましたが、ここから先は非公開とのこと。入ってはいけません。

南総里見八犬伝ファンは聖地巡礼ができますし、作品のことをよく知らなくても、神秘的な雰囲気を感じられるスポットになっています。富山を登るときは、ぜひ立ち寄ってください!

尾根ルートはとにかく険しい。初心者は要注意!

こちらは、先ほど紹介した尾根ルート。「この先、道が大変険しくなっております」と看板に書いてありますが、本当に険しいのです。実を言うと、道を間違えて通常ルートではなく尾根ルートから登ってしまったため、体力を大きく消耗しました…。
尾根ルートは、アスファルトで舗装されていません。足場がある程度で道らしい道はなく、急な坂を登ることに…。
とにかく、登り下りの繰り返し。通常のルートであれば木の看板があったところから伏姫籠穴まで20分ほどで着くのに、尾根ルートは1時間もかかりました…。

さらに道が険しいだけではなく、滑りやすくなっています。何度も言いますが、登山初心者は通常のルートで登るのがおすすめですよ!

富山は「愛の山」。縁結びのボタンスギの巨木も

伏姫籠穴を出たら、いよいよ富山山頂に向かいます。「富山遊歩道 入口 1.1km 20分」「富山山頂」と描かれた看板が並んでいますが、富山山頂まで20分ではなく、富山遊歩道の入口まで20分という意味。
登山者とすれ違うときは、「こんにちは!」と挨拶を忘れずに。1月上旬のやや寒い時期ですが、登山客をちらほら見かけました。
富山遊歩道に到着。ここから展望台がある富山北峰までもうひと踏ん張り!
尾根ルートほどではありませんが、先ほどまでのアスファルトで舗装された道とは違い、少し傾斜が強くなってきました。とはいえ、難易度は高くありません。階段を上るようなイメージです。
当日雨が降っていなくても地面がぬかるんでいるところがあります。滑らないように気をつけましょう。
富山遊歩道に入って30分ほど歩いたら、「北峰 展望台」「南峰・観音堂」の看板が。南峰・観音堂がある方向は下山ルートなので、左に向かいます。ここまできたら山頂まであと少し!
この鐘は、「愛の鐘」。富山は平成11(1999)年2月5日に皇太子ご夫妻が登山され、一躍有名になったとか。皇太子ご夫妻が登られた後、富山は「愛の山」として広く知られ、カップルで登る人が増えたそうです。
愛の鐘の隣にあるのは、縁結びの杉の木と呼ばれる「ボタンスギの巨木」。看板の奥に見える木がボタンスギの巨木で、なんと樹齢300年以上!
こちらは、レンタルの杖(無料)。初心者向けの山とはいえやや疲れが見えてきたところだったので、助かります。
「里見八犬士終焉の地」と書かれた看板。物語のあらすじはなんとなく知っているのですが、ファンと言えるほどの知識はありません。もっと事前に調べておけば、より楽しめたのかもしれませんね。
この道を登ったら、いよいよ山頂です…!

展望台から見える景色は、登山の疲れが吹き飛ぶほどの絶景!

つ、ついに北峰山頂までたどり着きました!

富山は2つの峰からなる双耳峰(そうじほう)で、僕が今立っている北峰の標高は349.5m。東京タワー(333m)より少し高いくらいです。
左が展望台、右の石碑は皇太子ご夫妻登山記念の印です。
展望台から見える景色は、感動を言葉では表せないほどの絶景!

写真だけだと、この感動は伝わらないかもしれません。展望台から見える360度の絶景を動画に収めたので、見てください!

山頂から眺める360度の景色。「房総丘陵(ぼうそうきゅうりょう)」と呼ばれる房総半島に広がる丘陵地帯と、東京湾が一望できます!

富楽里とみやまを出発してから、山頂まで2時間弱。体力的にはややキツかったのですが、この絶景が目に入った瞬間、疲れが吹き飛びました!
残念ながらこの日は靄(もや)がかかっていたのですが、天気や条件がよければ富士山も見えるそうです。

南峰側はスズメバチの発生エリア!夏から秋は要注意!

展望台から見える絶景を堪能した後は、下山です。南峰に立ち寄ってから、山を下りましょう。
南峰へ向かう道に、「スズメバチ注意!」の注意書きが貼ってありました。南峰側にはスズメバチの巣がいくつかあり、刺されたという被害の報告が何件もあるとのこと。巣を見つけ次第、市が駆除しているそうですが、スズメバチの攻撃性の高まる期間は夏から秋にかけてと言われています。そのシーズンに登る方は、対策をしてから登りましょう!
北峰を出発してから10分ほどで、すぐ南峰に到着。
北峰の349.5mに対し、南峰の標高は若干低く342.0m。観音堂がひっそりと立っていました。観音堂があることから南峰は観音峰、北峰は金比羅峰とも呼ぶそうです。
北峰側と比べて緩やかな傾斜が続き、1時間弱で下山。
こちらは富楽里とみやまに戻る途中に立っている、福満寺。僕の後ろにある2体の仁王像はもともと南峰山頂にあったもので、平成10(1998)年にこの場所へ移されたそうです。
近くで見るとなかなかの迫力!

ベストシーズンを迎えた「とみやま水仙遊歩道」は、まるで絵画のように美しい絶景ポイント!

富山周辺の絶景スポットは、山頂からの景色だけではありません。もうひとつ、1月中旬~2月下旬にかけて見頃を迎える絶景スポットがあります。
白く可憐な日本水仙が咲き誇る「とみやま水仙遊歩道」です。
富楽里とみやままで引き返し、そこから徒歩15分ほどで到着。この看板がとみやま水仙遊歩道入口の目印。
とみやま水仙遊歩道は約3.5km。入口から出口までびっしりと水仙が咲き誇り、まるで絵画のような美しい絶景が広がっています!
遊歩道を進めば進むほど、咲いている水仙の数が増えていきます。
僕が訪れたのは、1月上旬。ベストシーズンの1月中旬~2月下旬より若干早いタイミングでしたが、それでもこれだけ多くの水仙が咲いていました!
▲こちらがベストシーズン時の写真。時期によっては梅も一緒に見られるそうです(写真提供:南房総市)

毎年1月には、スタンプラリーを開催。富楽里とみやまで配布している専用用紙をもらい、とみやま水仙遊歩道内のポイント2カ所でスタンプを押せば、先着300名に水仙の苗をプレゼントしているそうです。
とみやま水仙遊歩道の途中に展望所があり、そこから見える景色も格別!
富山山頂から見える景色とは、また違った魅力を持つ絶景。タイミングがよく、岩井海岸に沈む夕日を眺めることもできました。

富山の名物を使った「伏姫さんが焼き」が美味しすぎる!

富山山頂まで約2時間、下山して富楽里とみやまに戻ってくるまでに約1時間半。さらに、とみやま水仙遊歩道を1時間散策…。本当にたくさん歩きました。そこで、東京に帰る前に富楽里とみやまで食事をいただくことに。
1階は、直売・物販コーナー。南房総市で採れた旬の野菜や果物がずらりと並び、多くのお客さんで賑わっていました。
イワシと太刀魚のすり身。他にもアワビとサザエなど、地元の岩井漁港で水揚げされた新鮮な魚介類が売っています。どちらのコーナーも、夕方近くになると人気商品は売り切れてしまうとのこと。
2階には軽食コーナーがあり、お弁当やお惣菜、ラーメン、スイーツなどを販売しています。
軽食コーナーでお惣菜を買い、フードコートでいただきます!
左上が富山名物の「伏姫さんが焼き」(税込250円)。鯵のたたきと南房総の野菜を混ぜ、つなぎに大和芋を入れて焼き上げたもの。イワシのつみれ汁と白ごはん、「青唐さんが味噌」のセット(税込300円)も購入しました。
伏姫さんが焼きは、鯵の旨みと野菜の風味が絶妙なハーモニー!青唐さんが味噌はピリリと辛く、ごはんがどんどん進みます。登山後の疲れた体には、ぴったりの組み合わせですね!

ちなみに「さんが焼き」とは、なめろうを蒸した、もしくは焼いたもの。漁師が船の上で作ったなめろうを山小屋で蒸したり焼いたりして食べたということで、「山家(さんが)焼き」と呼ぶようになったそうです。

絶景を記録に残すため、カメラの用意は忘れずに!

最後に、富山ハイキングに行くなら知っておきたい情報をご案内。富山の山頂ととみやま水仙遊歩道は、どちらもフォトジェニック!美しい風景を記憶だけではなく、記録に残すためにカメラの用意をおすすめします。

富山は登山初心者向けの山なので、重たいカメラを持っていても登ることができます。小型のものであれば三脚をリュックに入れてもいいでしょう。絶景スポットを撮影して、SNSにアップすればたくさんの「いいね!」がつくこと間違いなし!
ちなみに僕はデジタル一眼レフカメラを忘れてしまったので、スマートフォンで撮影しました。次回は水仙のベストシーズンを狙い、富山山頂から見える景色と両方、自前のカメラに収めたいと思います。

都心からアクセスがよく、登山と水仙、南房総のグルメが楽しめる富山。ぜひ、みなさんも一度足を運んでみてくださいね!
大川竜弥

大川竜弥

1982年生まれ。アパレル販売員、Web開発会社、ライブハウス店長、ザ・グレート・サスケ氏のマネージャーなどさまざまな職を経て、現在は"自称・日本一インターネットで顔写真が使われているフリー素材モデル"として活動している。

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