博多の夜の風物詩「屋台」を満喫するおすすめハシゴコース

2015.11.03

夜になるとどこからともなく続々と現れる屋台は福岡・博多の風物詩。今回は福岡を拠点に、日本で唯一(※本人調べ)のヌードルライターとして活動する私、山田祐一郎が屋台巡りをナビゲートします。全国誌の観光ガイドブックで4年に渡って屋台ページを担当し、これまで50以上の屋台を制覇。今宵ご案内するのは、博多きっての個性派屋台ばかりです。それでは、さっそく夜の街へ。

▲博多屋台の〆はやっぱりラーメン!ヌードルライターが太鼓判を押すラーメンも後ほどご紹介します!

うまい屋台は天神、中洲にあり

この写真は天神のど真ん中。こんな大都会の一等地に屋台がたくさん並んでいるのは全国でも珍しいようです。
あたりを見回すと大型商業施設が林立しています。アーバンな空気を感じつつ、屋台での庶民的な時間が楽しめるのは、他では味わえない博多ならではの魅力ですね。

屋台は博多のどこにあるのか。細かく見ていくと、須崎エリアやキャナルシティ博多の近くなど市内に広く点在していますが、主に、天神、中洲、長浜の3エリアに集中。総数は120以上と言われ、その約半数がこの天神エリアに集まっているのです。

日本で唯一!?の屋台BARで乾杯

▲黒い看板がシックです

まずはJR・地下鉄博多駅から近い中洲の屋台からスタートしましょう。博多駅から徒歩約10分で、天神から歩いても15分くらいあれば到着します。

最初に訪れたのが、「屋台BAR えびちゃん」です。
▲一瞬、ここが屋台なのを忘れてしまうほどの作り込まれた空間

こちらは、福岡で唯一の“屋台BAR”です。読んで字の通り、屋台でありながら、中に入ればそこは本格的なBAR。
▲マスター、2代目がカクテルを作ってくれます

初来店者が最も驚くのが、この屋台内の雰囲気です。BGMには往年の名作ジャズが流れ、マスターをはじめ、スタッフさんは全員、白いカッターシャツとベスト。もちろん、屋台なので、オーセンティックなバーのように肩肘を張らず、気軽に来店できます。
▲メニューは洋風テイストが多いんです

天井を見上げると、マスターと2代目がコツコツとコレクションしたというコースターがびっしり。淡い裸電球の明かりに照らされ、雰囲気満点。

メニューを見ると、いわゆるラーメンや焼き鳥といった屋台の定番料理ではなく、洋風テイストのものが中心です。

ちなみに、こちらの名物料理の一つが、冬限定のおでん(1つ110円~・税込)。もちろん、ただのおでんではなく、牛テールで煮込んだポトフのような一品です。
▲軽やかな手さばきでカクテルを作っていくマスター

バーテンダーとして半世紀以上のキャリアがあるマスター・海老名さんは今も現役。息子さん夫婦とともに、今もカウンターに立っています。カクテルのバリエーションは100種以上。希望があれば、好みの一杯も作ってくれます。
▲テーブルチャージとして400円(税込)かかりますが、気の利いたお通しが付きます

数あるカクテルの中からオススメしたいのが、「これはウマイ」(860円・税込)というユニークなネーミングの一杯です。お任せと言われて作った名もなきこのカクテルを飲んだお客が思わず「これはウマイ」と漏らした言葉から命名したんだそう。ちなみに「これはマズイ」というカクテルもあります。実際の味はぜひご自身の舌で試してみてください。
▲クラッカーにのせて召し上がれ

一番人気のフードは「カマンベールチーズのマーマレード焼き」(860円・税込)。自家製のマーマレードは甘さがほどよく、お酒と一緒に食べるのにぴったり。

ちなみに、なんでこの「えびちゃん」に最初に来たのかというと、実は19~20時に入店すると、女性限定でカクテルが一杯500円になるんです。
女性のみなさん、ぜひ利用してくださいね。
▲これはメニューブック。おしゃれです!

博多エリアきっての多彩なメニュー数でお出迎え!

▲天神に移動して、いざ、2軒目へ

続いてやってきたのが、天神エリア。夜風に吹かれてのんびり歩いて15~20分ほどです。

お目当てが、この屋台「なかちゃん」。数ある天神エリアの屋台のなかで、なぜこちらをオススメしたいのか。その理由がこちら。
▲裏までびっしり!

「なかちゃん」は“博多一”のメニュー数を誇る屋台なんです。「お客さんのリクエストを受けて作っているうちに、こんなに増えてしまいました」と大将・中川さんは屈託のない笑顔で教えてくれました。
▲大将の中川さん(中央)。常連さんと談笑中

料理のバリエーションは実に100種以上。大型店舗の居酒屋ならいざ知らず、ここは台車一台分のスペースしかない屋台ですから、驚愕です。鉄板メニューが中心で、お好み焼きやステーキ、ヤマイモの鉄板焼きなどが揃っているほか、ラーメンもしっかり用意しているという懐の深さ。
はいよっと料理を渡されて気がつくことがあります。お皿がすごく重いんです。「せっかくだからお腹いっぱいになってほしいと」と中川さんはまたまた目を細めて嬉しそうに教えてくれました。ただ、量が多いと食べきれないお客さんもいるため、ハーフサイズにも対応してくれます。
▲お客さんからのビールに笑顔!中川さんはみんなの人気者です
ここで食べておきたいのが、「明太玉子焼」(750円・税込)です。ご覧ください、このたっぷり入った明太子を。
明太子がぎっしり包んであり、食べごたえ満点。どの料理も一貫してサービス精神旺盛なんです。
▲ビールが進みます♪
そしてこの日は「肉焼きの盛り合わせ」(1,200円・税込)も食べました。豚バラ、牛タン、地鶏の3種を一度に食べられるお得な一皿です。一品ごとのボリューム感があるので、料理を2人以上でシェアしながら楽しむのが正解。

気がつくと、大将に負けない笑顔になっていること間違いなし!

女性大将が父と営む人気屋台で〆

▲パッと見た瞬間、好奇心をそそる佇まい

最後に訪れたのが天神からやや中洲寄りに戻った須崎町にある「かじしか」。リバーサイドにあって、とっても雰囲気の良い人気屋台です。
実はこちらの大将はまだ20代前半の女性で、“小大将”ことお父さんと二人三脚で営んでいます。

そんな屋台なので、女性ならではの感性が隅々に行き渡っています。
▲丁寧な仕事ぶりが伺えます

まず驚くのが、このネタケース。今までいろんな屋台を見てきましたが、こんなに整然と美しく保ってあるショーケースは稀有です。

ピンと張った暖簾、客席の清潔さ、そして極め付けのショーケースの美しさ。屋台初心者でも安心して楽しめる要素が満載です。
▲パチパチとよい音を立てて焼かれている串物

こちらの屋台の名物が、彩り豊かな串物の数々。そして、ここでしか食べられないような、巻き串、創作串が人気を呼んでいます。ちなみに上の写真は殻ごと焼く「うずらの卵」(1本150円・税込)。殻の食感がアクセントになる売れ筋の一本です。
▲この日は大将はお休み。小大将が腕を振るっていました
▲締めの飲み物には、九州らしく焼酎を。こちらでは壱岐焼酎(1杯500円~・税込)が味わえます。
▲関東からやってきたという男性2人組。小大将からの紹介もあり、すぐに溶け込んでいました
▲創作串をまとめてオーダー

手前から、ネギをびっしり豚バラで巻いた「博多のねぎ」(1本200円・税込)。シャッキシャキのネギの食感がたまりません。その後ろがベーコンでブドウを巻いた「ブドウ串」(1本200円・税込)。ベーコンの塩気とブドウの甘酸っぱさが見事にマッチしています。
旬の魚介も串焼きで楽しめます。この日はサンマをチョイス。若い女性大将が切り盛りしているという点で注目されていますが、加えて、一つひとつの料理のレベルの高さが来店客の心をしっかり掴んでいるのです。
▲ラーメンは1杯550円、替え玉は120円(ともに税込)です

そして締めには博多ラーメン。ヌードルライターとして屋台でいろいろとラーメンを食べてきましたが、最近のお気に入りがここなんです。白濁した豚骨スープはコクがあり、油分は抑えめで、後味がすっきり。豚骨から抽出されたエキスが前面に出ているので、「ああ、豚骨ラーメン食べている!」という実感が持てます。
そして合わせてあるのは、王道の細麺。しなやかな食感で、スープをほどよく絡め取ってくれます。麺とスープの相性がとってもよく、何より濃度は高いのに脂っこくないスープがその日の締めくくりに最適です。
先ほど、ちらっと紹介したお二人ともすっかり意気投合。僕も一緒に乾杯させてもらいました! こうしていろんな人と交流できるのも屋台の醍醐味ですね。
▲平日でも満席が続く人気ぶり。予約がベター

いかがだったでしょうか? もちろん、今回の3軒以外にも魅力溢れる屋台はまだまだあります。ぜひぜひ博多の屋台、堪能してみてくださいね。
山田祐一郎

山田祐一郎

日本で唯一(※本人調べ)のヌードルライター(麺の物書き)として活動。麺の専門書、地元の情報誌などで麺に関する執筆を続ける。7月には福岡のうどん文化を一冊にまとめた自費出版本「うどんのはなし」を上梓。福岡市内の一部書店、オフィシャルwebサイト、掲載されるうどん店などで販売する。

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