本場・長崎皿うどんは、ちゃんぽんより奥深い!?細麺&太麺おすすめ店から、皿うどんスイーツまで紹介

2018.07.24 更新

長崎発祥のグルメと言えば「ちゃんぽん」。そのちゃんぽん同等、もしかしたらそれ以上に地元で愛されている麺料理が「皿うどん」です。一口に皿うどんといってもパリパリの細麺、もっちり太麺が選べたり、盛られる具が違ったり、餡があったりなかったりと、お店によって様々で、実に奥深い。中でも特徴のある人気店を長崎新地中華街、そして町中から1軒ずつご紹介します。

フカヒレを含む豪華海鮮モリモリ!新地中華街「江山楼」のハレの日系皿うどん

まずは、長崎新地中華街を代表する名店、伝統の中国料理を守り続ける「中国菜館 江山楼(こうざんろう)」(以下、江山楼)の皿うどん。
▲長崎新地中華街の東門

JR長崎駅から路面電車(長崎電気軌道)で約10分の築町(2018年8月1日より「新地中華街」に名称変更)電停で下車し、徒歩すぐ。新地中華街は東西南北合わせ、250mの十字路で構成されています。その東門側に江山楼はあります。
▲江山楼の本店

東門をくぐって右側に新館、その先の左側に本店と、中華街内に2店舗あり。今回は本店にお邪魔しました。

諸々の説明はさておき、まずは名店の皿うどんをご覧あれ!
▲特上皿うどん(細麺)1,620円

トップに鎮座するフカヒレをはじめ、多彩な海鮮、野菜が半透明な餡に包まっています。さらにお皿の前後に2つのお団子。手前は肉団子のようですが、奥にある白い団子は…?
「これは福建省の名物料理、魚のすり身団子ですよ」と教えてくださったのは、江山楼のスタッフの方。
「創業者が福建省の出身でしてね。故郷の福建の味を今もしっかり引き継いでいます」とも。
▲すり身団子の中は肉汁を抱えた豚ミンチ

福建の名物団子とゴージャスな具がたっぷりの餡。さて、その下は!
ご覧の通りのパリパリに揚げられた細麺。餡+細麺、皿うどんといえばこのスタイルですね!では、実食させていただきます。

とろみから想像するに濃厚な味かと思いきや、意外にあっさりで、しかも多彩な海鮮の旨みをしっかり感じる実に上品な味わいです。その秘密は餡の基になるスープ!

長崎では豚骨を長時間煮込んだ白濁スープ、いわゆる白湯(ぱいたん)で、ちゃんぽんと皿うどんを作るところがほとんど。しかし、江山楼は鶏ガラでちゃんぽん用の白湯を作るほか、鶏の旨みをしっかり出しながら黄金色の澄んだ形に仕上げた清湯(ちんたん)も作り、それを皿うどん用に使っているそうです。

上品な餡にプリプリの海鮮、そして心地よい細麺の歯触りが、口の中で見事なハーモニーを奏でます。これぞ、口福!
このまま食べ進んでもいいのですが、長崎では皿うどんにウスターソースをかける方も多いそうです。最初にかける人もいれば、途中で加え、味変を楽しむ方も。
「うちでもオリジナルのものをご用意していますよ。」とスタッフさん。
それがこちら。ソースならぬ「ソー酢」。江山楼オリジナルで作られた皿うどん用のお酢だそうで、酢とはありますが、やや甘み、そして昆布のお出汁も感じるまろやかなお味。これをかけると餡をより上品に、さっぱりとした味わいにしてくれます。

さらに江山楼には皿うどんがもう一種類あります。それがこちら!
▲上皿うどん(太麺)1,080円

文字通り、太麺バージョンの皿うどん。でも、よくご覧ください。細麺にかかっていた餡がありません!
太麺の正体はちゃんぽん麺。箸で持ち上げるとズシッと重みも感じます。よく見ると麺の表面がツヤッツヤです。そして口に入れると、衝撃のもちもち感。しかも麺を噛むほどにスープと野菜、海鮮からの旨みが染み出てくる!

この皿うどん太麺の作り方を解説していただくと、
「まず鍋で野菜や海鮮を炒め、スープを注いで、具材の旨みを引き出す。そこに油で揚げたちゃんぽん麺を投入。揚げたちゃんぽん麺に鍋の中のスープを炊き込んでできあがりです」
見た目は焼きそばのようですが、焼くのではなく、揚げた麺を炒め、そして煮込んで仕上げる麺料理ですね。
▲ちゃんぽん、皿うどんなどのメニューは店内1階のテーブル席で。2~3階には中国料理のコースが味わえる個室もあり

スタイルは違えど、江山楼の皿うどんは細麺、太麺ともに同料金です。ただし、具材の内容によって3段階あり、通常の皿うどんは864円、肉団子などが入る上皿うどんは1,080円、さらにすり身団子やフカヒレなどが入る特上皿うどんは1,620円(2018年6月末現在の価格)。せっかくの長崎旅、ハレの日の旅ですから、ここはぜひ特上で!

やまもり極細麺に甘い餡がどろりん!眼鏡橋近くにある「共楽園」の庶民派皿うどん

さてもう1軒はハレの日向けの中華街皿うどんと好対照、庶民的な中華料理屋さんの皿うどん。場所は長崎市街地を流れる中島川沿い。長崎駅から路面電車で約20分の賑橋(2018年8月1日より「めがね橋」に名称変更)電停で下車。そこから徒歩で約2分。お昼は地元客で常に満杯の人気店「共楽園(きょうらくえん)」。
▲長崎の名所、中島川にかかる石橋「眼鏡橋」や「賑橋」の近くにあり
▲入口にある「ちゃんぽん 皿うどん」の垂れ幕が目印
店内はうなぎの寝床のような細長い作り。中央のカウンター席を挟んで、入口遠くにテーブル席があります。

さて、カウンターの中からカンカーンとお玉で中華鍋を叩く小気味いい音が聞こえてきます。やがてふわ~といい匂いも。近づいてみましょう。
お、まさに皿うどんを作っている最中。たっぷりのキャベツともやしを炒め、そこへアツアツのスープを投入。
野菜の甘みをスープに移したところで、野菜をすくって麺の上にてんこ盛りに。さらに鍋の中のスープに海鮮やかまぼこ類などを入れてひと煮たちさせ、味付けをしたら水溶き片栗粉でとろみを。

こうして出来上がった餡を、細麺&野菜のマウンテンにたっぷりかけて、はい出来上り!
すみません、筆者にも、同じものをお願いします!
▲皿うどん(パリパリ細麺)770円

そして登場したのがコチラ!細麺&野菜のマウンテンぶりがいいですね~。何より、餡のこってり&どろりん感がすごい!透けて見えるキャベツともやしをこじ開けると…、
はい、でました細麺!しかもかなり細い。他店の皿うどんの細麺は、かのベビースターラーメンくらいの太さですが、こちらの細麺は直径1mmあるかないかの極細麺です。

では、実食!このどろりん餡に早速、口内やけど注意報、発令。入念にフーフーしつつ、餡と野菜と細麺をバランスよく箸で挟み、口に入れて即実感、「餡、うま!甘っ!」。

これは麺料理というより、餡料理。しかもこの餡を味わうには通常のパリパリ細麺はかえって邪魔。極細麺のシャクシャク食感こそベストマッチ。しかも極細ながらもどろりん餡に負けない、へたらない、この麺、なかなか芯のあるヤツ。この餡と極細麺について、3代目の、許 龍樹(きょ りゅうき)さんに伺いました。
▲戦後すぐに創業したという共楽園の3代目、許さん

「餡、甘いですか?長崎の料理は砂糖を多く使いますからね。僕らにとっては当たり前の甘さというか、これが普通。創業時からこの味ですよ」と許さん。

「仰る通り、この餡には通常の細麺じゃ合わないんですよね。長崎には麺屋さんがいっぱいあるんですけど、その中でも結構細めのものを選んで仕入れています」とのこと。

そしてこちらのお店にもありました、皿うどんの太麺バージョン。
▲そぼろ皿うどん(味付け太麺)770円

こちらのお店も揚げたちゃんぽん麺をスープに吸わせる“炒め煮”タイプ。しかも山盛りの麺の上に鮮やかなかまぼこが蝶が舞うかのごとく、キレイに盛られています。繊細ですね~、3代目。しかも細かくカットされているので、太麺によく絡み食べ易いです。お優しいですね~、3代目。
共楽園のちゃんぽん麺はご覧のような平麺タイプ。ここに鶏ガラ白湯、野菜、海鮮類の味がギュッと詰まっています。実はこの太麺の皿うどん、ルーツはちゃんぽんにあるそうです。

「ちゃんぽんを出前する際、どうしてもスープがこぼれてしまう。その解決策としてできたのが、麺にスープを吸わせる太麺での皿うどんと言われています。ちゃんぽんを作るのと同じ材料、手順で作られていますからね。ま、諸説ありです」と許さん。

どろりん餡が主役の皿うどん(パリパリ細麺)に対し、そぼろ皿うどんの醍醐味は麺。この2つの皿うどんは実に好対照ですから、思い切って1度に2品注文、あるいは昼夜通うなどして、ぜひ両方味わってください。

我が家でもLet’s長崎皿うどん!パリパリ細麺を使った、オリジナルスナックもあり

最後にお土産情報。お家でも本場の長崎皿うどん、食べたいですよね。でしたら、昭和39(1964)年創業、家庭用の長崎ちゃんぽん、皿うどん商品を製造販売する「みろくや」はいかがですか?
▲みろくや浜町店

長崎駅から路面電車で約10分の観光通電停下車、徒歩2分。中島川を背にした観光通り左手、1つめの小道に入ってすぐ。目の前にあるスタバも目印。
店内には長崎ちゃんぽん、皿うどんのほか、角煮まんじゅうや出島ビーフカレーなど、長崎ならではのおいしいお土産が満載。
中でも家庭用の長崎ちゃんぽん、皿うどんの商品が充実。人気2大麺がセットになった商品もあります。皿うどん関連の商品では以下が人気だそうです。
▲「みろくやの長崎皿うどん具材付き」(2人前)1,360円

パリパリの細麺とレトルトタイプの具材入りの餡がセット。フライパンいらずで本場の長崎皿うどんが味わえます。
▲左/「長崎皿うどん・揚麺」(1人前)、右/「皿うどんサラダ」(2人前) 各294円

「長崎皿うどん・揚麺」は「餡は自分で作りたい!」という方のための、揚麺+粉末スープの商品。同料金で太麺タイプもあります。さらに細麺をサラダのトッピングとして楽しむ「皿うどんサラダ」も人気だそうです。
また、皿うどんの友とも言うべき、長崎ならではの調味料もありました。
▲「皿うどんソース」294円

さらに皿うどんの細麺を使ったオリジナルスイーツも!
▲左/「皿うどんチョコレート」6個入り637円、右/「焼き皿うどんチョコレート」745円

「皿うどんチョコレート」はライスパフのサクサクと細麺のパリパリが一度に楽しめるチョコスナック。6個入りはブラックとホワイトチョコが3個ずつ。10個入り(1,058円税込)もあります。
また、「焼き皿うどんチョコレート」は、その名の通り、「皿うどんチョコレート」のベイクドタイプ。チョコ感、歯触りがさらにアップ!

みろくやは写真の浜町店のほか、海沿いの複合施設「ゆめタウン夢彩都」、さらに長崎空港内にも店舗がありますので、ご都合の合う場所で、ぜひお土産を選んでみては。
ということで、長崎に来たらぜひ立ち寄っていただきたい皿うどんのお店、そしてお土産店でした。どっちに行きます?そしてパリパリ細麺ともっちり太麺、どっちにします?

ほかにも長崎には皿うどん自慢のお店がいっぱいありますし、中には太麺に餡をかけるスタイルのところも。ぜひいろいろ味比べしてMY皿うどん、MY細麺&太麺を見つけてくださいね。

※記事内の価格はすべて税込です。
山田誠

山田誠

新潟県十日町市生まれ、現在は福岡県福岡市在住のフリー編集者・ライター。九州の宿や温泉、飲食、雑貨系のショップ、さらに漁村、農村、道の駅など、暮らしと休日に関わるスポットをほぼ毎月、年間150軒以上を取材。取材後は必ず近隣の直売所で地元食材を買って帰る。1児の父。

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