日本最北端の花の浮島・礼文島でガイドと一緒に花めぐりトレッキング

2018.08.04 更新

北海道・礼文島(れぶんとう)は「花の浮島」との異名を持ち、海抜0m地点から高山植物が見られる花の楽園。花、利尻山(りしりざん)、海、奇岩がつくりだす絶景満載の花めぐりトレッキングコースを、プロのガイドに案内してもらいました!

▲トレッキングコースからは、お隣の利尻島(りしりとう)にそびえる利尻山が!(写真提供:礼文はなガイドクラブ)

最盛期は7月~9月上旬。花の聖地、礼文島へ!

礼文島があるのは、北海道のてっぺんの町・稚内(わっかない)市より西方約60km地点。利尻島と並んで日本海に浮かぶ小さな島です。

島までの交通手段は稚内と利尻からの船のみ。稚内からは約1時間55分、利尻からは約40~45分で到着します。
▲礼文島の玄関口「香深港(かふかこう)フェリーターミナル」

面積の7割が国定公園という礼文島への上陸は、まさに大自然の懐に入っていくようなもの。島の随所では、例年4月から9月までの間に、約300種もの花がかわいらしい姿を見せてくれます。
▲4月下旬~5月上旬に咲く「レブンコザクラ」(写真提供:礼文はなガイドクラブ)
▲5月上旬~中旬に咲く「エゾカンゾウ」(写真提供:礼文はなガイドクラブ)
▲白い花は、5月下旬~6月に咲く「エゾノハクサンイチゲ」(写真提供:礼文はなガイドクラブ)

開花は2週間ペースで入れ替わり、景色もダイナミックに変化。6月下旬頃から一気に数が増え、7月~9月上旬に最盛期を迎えます。
▲6月中旬~7月に咲く「ネムロシオガマ」
▲7月上旬~下旬に咲く「レブンウスユキソウ」は礼文町の町花(写真提供:礼文はなガイドクラブ)
▲7月下旬~8月上旬に咲く「ナミキソウ」(写真提供:礼文はなガイドクラブ)

花めぐりトレッキングをとことん楽しむなら、いろいろと教えてくれるプロのガイドと一緒がいちばん!今回は、礼文島観光協会認定で、植物に精通したガイドが揃う「はなガイドクラブ」にお願いしました。

混乗するプランもありますが、私たち取材班は、ガイドを貸切できる「プライベートガイドプラン」をチョイス。料金は半日(4時間)2名で税込15,000円。担当してくれたのは、利尻島・礼文島フラワートレッキングガイド、佐坂えみさんです。
▲利尻島・礼文島フラワートレッキングガイドの佐坂えみさん

こちらのプランは予約時に、体力や見たいものに合わせたコースを設定できるのが魅力。私たちも「花がたくさん咲いていて、山歩き初級レベルの人でも行ける場所」と希望を伝えると、「桃岩展望台」から「キンバイの谷」まで行って折り返す、往復3kmのコースを提案してくれました。
▲礼文島随一の絶景スポット「桃岩展望台」。標高230mです

フラワーロードと通称されるこの道は、島内で最も多くの花が自生するトレッキングコース。さらに左手に利尻山、右に海や奇岩を望む絶景が続くそうで、話を聞いているだけで胸がわくわくします。距離もちょうどいいので、これに決定!
▲フラワーロードからは利尻山も見えます。花は6月中旬~7月に咲く「レブンシオガマ」(写真提供:礼文はなガイドクラブ)

トレッキングに必要な装備は、厚手の靴下(靴ズレ防止)、トレッキングシューズ、速乾性のある半袖または長袖Tシャツ、足首まで隠れるトレッキングパンツ、デイバッグ、防寒着、雨具上下、帽子、飲みもの、飴など糖分補給ができる甘いもの、手袋(軍手でも)、ゴミ袋、日焼け止めなど。
▲帽子は風で飛ばされないようにクリップで留めましょう

特に雨具は忘れないでくださいね。礼文島の天気は雨、霧、風が多いので、ないとトレッキングが楽しめません。飛ばされる恐れのある傘はNGなので、レインウェアがおすすめですよ。

ガイドの説明で楽しさ倍増!

当日のガイドとの待ち合わせ場所は、礼文島の玄関口「香深港フェリーターミナル」または「ホテル礼文」ロビーのどちらか。そこからは路線バスでスタート地点まで移動。トレッキング終了後はバスを使わず、待ち合わせた場所まで歩いて下りて解散です。
▲標高130m地点にある「桃岩登山口」バス停

今回のように桃岩展望台周辺を歩く場合は、香深港フェリーターミナル前からバスに乗り、終点「桃岩登山口」で下車。桃岩展望台までは1.2kmほどの坂道を上ります。時間にして40分~1時間ほどです。

それでは、桃岩展望台から出発するフラワーロードを歩いてみましょう!
▲桃岩展望台から見える景色。右のこんもりとした山が桃岩
▲フラワーロードのスタート地点。海の向こうに浮かぶのがお隣、利尻島の利尻山
▲右手には断崖絶壁や奇岩、海を見下ろします

見晴らしのよい写真をお見せしましたが、実は私たちが行った日は、6月~7月の礼文島に多いという小雨がそぼ降る霧深い日。
▲礼文島随一の絶景スポットのはずが、見事に真っ白な桃岩展望台

絶景は拝めませんでしたが、散策路脇に咲くたくさんの花の姿はばっちり確認!なんて可憐で愛らしい姿でしょう!
▲散策路の両脇は天然の花畑。黄色い花は6月中旬頃に咲く「センダイハギ」

本州では海抜2,000m級以上の山でしか見られない花が〝その辺〟に咲いていることから、「こんな簡単にこの花が見つかるの!?」と驚く山歩きの達人も多いそう。
そう考えると、なかなか贅沢な体験です。礼文島、すごい!

鳥のさえずりが響くなか、佐坂さんが最初に紹介してくれたのは、早咲きの「イブキトラノオ」です。
▲7月に咲く「イブキトラノオ」

「これは見た目のかわいらしさとは異なり、匂いが強烈。例えるなら、履き古した靴下のような感じでしょうか(笑)」と佐坂さん。どれどれと顔を近づけてみるも、雨の影響かこの日は匂わず。残念…!?
こちら薄紫の花は「チシマフウロ」。
▲6月に咲く「チシマフウロ」

「花の後ろにある毛むくじゃらの粒がつぼみです。今日みたいな天気の日は水滴が付いてきれいですよね。実は花を見るなら、晴れの日よりも霧の日が最も適しているんですよ。キラキラしてかわいさ2倍増しです!」と佐坂さん。

そんな彼女の花への愛情たっぷりのガイドで、私たちの楽しさも2倍増しです!
▲道のりは多少のアップダウンがあります

途中で、斜面に広がる花畑と、海と「猫岩」を見下ろす場所を通るのですが、この日は当然、白いだけ。
▲「何も見えませんね(笑)」

ちなみに「猫岩」とは、後ろ姿が猫に似ている岩のことです。耳もしっぽもあって、かわいいんですよ。
▲晴れていればこのような美景に出合えます!白い花は「エゾノハクサンイチゲ」(写真提供:礼文はなガイドクラブ)
▲「猫岩」のアップ。背中を丸める猫の後ろ姿に見えませんか?(写真提供:礼文はなガイドクラブ)

猫岩をあとに歩みを進めるなか、突如「これ、見てください」と佐坂さんが指したのは濃い紫色の花。なんと、世界でこの島にしか咲かないという礼文島の固有種「レブンソウ」です。

「他にもレブンと名のつく花はたくさんありますが、そのほとんどは、他の土地でも咲くけどちょっとだけ違いのある固有変種。ですが、こちらは正真正銘、礼文島にしかないんですよ」。
▲6月下旬、7月下旬、8月下旬と三度も花を咲かせるサービス精神旺盛の「レブンソウ」

礼文島には他にも「レブンアツモリソウ」という固有種があり、フラワーロードには咲いていませんが、島の北側にある「レブンアツモリソウ群生地」で見ることができます。
▲5月下旬~6月上旬に咲く「レブンアツモリソウ」(写真提供:礼文はなガイドクラブ)

レブンアツモリソウは、ふっくらと風船のように膨らむ花の形が独特。羽のように開く白い部分は、花びらに見せかけてそうではなく、正体は「がく」なのだと佐坂さんが教えてくれました。本当にお詳しい!
そんな花のあれこれや「なぜ礼文島には高山植物が多いのか」など興味深い話を聞かせてもらっているうちに、折り返し地点のキンバイの谷に到着しました。キンバイの谷とは、その名の通り「レブンキンバイソウ」が咲く谷。眩しい黄色の姿に元気をもらえます!
▲6月中旬~下旬に咲く「レブンキンバイソウ」
▲目に鮮やかな黄色です
▲展望スペースがあるのでひとやすみ

ここから来た道を戻って、花めぐりトレッキングは終了です。帰り道は往路と同じ道とはいえ、向いている方向が違うので別の場所のようで飽きません。それにしても、ガイドがいるといないじゃ、間違いなく充実度が違います。知識欲や好奇心が満たされましたよ!

ガイドさんとはそこで別れましたが、夕方になって晴れ間が出てきたので、改めて桃岩展望台へ。そこには心に染み入る美しい夕景が広がっていました。
うーん、最高ですね!心、もう満腹です!礼文島には他にも花や絶景が楽しめるトレッキングコースがあります。頼りになるガイドによく相談して、思い出の1ページを飾る素敵な花旅をご計画くださいね!

※本記事で紹介した花の開花時期は気象条件等により前後する場合があります
ふみ

ふみ

フリーライター/札幌生まれ札幌育ち。タウン誌の営業・編集を経て独立。北海道全域を取材しながら雑誌、新聞、Web媒体で執筆している。企画や編集も行い、企業のコンセプトブックや顧客向け冊子などを手がけることも。インタビュー、観光、温泉、グルメ、雑貨、ファッション、コスメ、健康…と、わりといろいろな分野で書けるオールラウンダータイプ。

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