古都・金沢で過ごす乙女な時間。着物で茶道や香道、お琴はいかが?

2018.06.25 更新

金沢と言えば、兼六園をはじめ、ひがし茶屋街や長町武家屋敷といった歴史的な街並みが多く残る人気観光地。2015年には北陸新幹線も開通し、関東方面からのアクセスも便利になりました。今回は着物でまち歩きを楽しみながら、日本の伝統文化も体験できるお得なプランをご紹介します。金沢でしかできない、心に残る思い出をつくってみませんか?

色とりどりの着物に目を奪われる

やってきたのはJR金沢駅東口から徒歩約5分の場所にある「きものレンタル 心結(ここゆい)」。着物レンタルとさまざまな体験や観光を加えたプランが人気のお店です。着付けだけでなく、小物レンタルやヘアセットもすべてお任せ!手ぶらで利用することができるので、お友達同士はもちろん、観光で訪れた方にもぴったりです。
今回選んだのは、女性限定の「茶道・香道・お琴体験付コース」(1名10,800円・税込)。着物を着て、茶道・香道・お琴のうちどれか一つを体験することができます。もちろん、体験後はそのまま着物でまち歩きも楽しめますよ。
※体験場所には各自で向かいます
まずは着物選びからスタート。正絹(しょうけん)やちりめん、綸子(りんず/絹織物の一種)、上質化繊などなんと300着以上から選んでいきます。帯もカジュアルなものからフォーマルな場にもぴったりな名古屋帯まで幅広く揃っています。
▲色とりどりの着物がずらり
▲たくさんの着物や帯に思わず目移り。1時間くらいゆっくり悩む方もいるとか

何を選べばいいかわからない場合はスタッフの方に相談してみましょう。

「難しく考える必要はないんですよ。この色や柄が好きだなーと直感で選んでいただき、それに合う帯を私たちがご提案することもあります。普段は選ばないような色の着物を選んでみるのもいいかもしれませんね」

プロのアドバイスをうけて、自分好みの着物を選んでいきます。
▲「この柄かわいい~!」。実際に合わせてみると気分も盛り上がります
▲帯や小物の選び方で着物の印象は驚くほど変わります

着物や帯、小物を選んだらプロの着付け師に着付けてもらいます。着物というと、必要な小物が多くて大変、というイメージがあるかもしれませんが、すべてレンタルできるのでそんな心配もありません。
▲帯もちょうどいい締め具合。「これなら苦しくないので、ランチもたくさん食べられそう(笑)」

さらに嬉しいことに、着物をレンタルするとヘアセットがお得になる特典も!通常3,000円が1,000円(ともに税別)になるので、ぜひ利用してみてはいかがでしょうか。
▲シーンや好みに合わせて、さまざまなヘアスタイルから選べます
▲美容師が常駐しているので、着物に合わせてオシャレなヘアセットにしてもらえます
▲髪かざりも無料でレンタルできるのが嬉しい!

というわけで、約1時間かけて着物選びから着付けが完了しました。
▲着付け前の状態から……
▲じゃじゃーん!この通り、和服美人に大変身!

どうですか?普段とは違う和服姿もいいものですね。心なしかいつもより姿勢もしゃんとしているような気がします。
▲早速スマホで撮影。SNSにもアップしたくなりますよね

着付けが終われば、いよいよ体験です!

1時間で1曲マスターできるお琴体験

今回のプランでは、茶道・香道・お琴の体験から一つ選ぶことができます。
まずはお琴の体験からご紹介しましょう。

やってきたのは心結から徒歩5分の場所にある「関屋楽器店」。お琴をはじめ三味線や尺八など、さまざまな和楽器を扱う老舗楽器店です。
▲加賀藩の時代から金沢城に出入りしていたという由緒ある楽器店

お琴というと、お正月の時に流れる雅なイメージがありますよね。なんだか難しそうですが、初心者でも演奏できるようになるのでしょうか。
▲間近で見ると、思っていたよりも大きく感じるお琴。一面、二面と数えます

「お琴は三味線や尺八など、ほかの和楽器に比べて音を出しやすいんです。初心者の方もすぐに弾けるようになりますよ」という先生の言葉にひと安心。

早速はじめましょう!
▲「よろしくお願いいたします」

お琴には13本の絃(げん)があり、親指と人差し指、中指の3本に爪をつけて演奏します。大きく分けて生田流と山田流という2つの流派があるそうですが、今回は四角い爪を使う生田流で演奏していきます。

座り方はお琴に対して45度の角度。こうすると、爪の角が絃に触れやすくなるそうです。
▲左手は添える程度。背筋を伸ばして一音ずつ音を奏でていきます

お琴の楽譜は縦に記号が並んだ「縦譜(たてふ)」というもの。初めての方でもお琴に番号が振られているので、戸惑うことなく演奏することができます。
▲「爪がきれいに絃にあたって綺麗な音色が出せるとすごく嬉しいです!」

きれいな音色を出すコツは、指の力で絃を弾くのではなく、上から下に絃を滑らせるように弾くこと。最初はピンと突っ張ったような音が混じっていましたが、少しずつ先生の音に近づいてきました。

今回教えてもらった曲は、おなじみの「さくらさくら」。馴染みのある曲なので演奏しやすく、体験の終盤にはこの通り。1曲ちゃんと演奏できるようになりました!

「普段楽器を弾くことがない私でも、十分楽しめました!」と体験した彼女も大満足。和楽器は難しそうと思っている方も、これをきっかけに和楽器への興味が広がりそうですね。

ゆったりとした時間を楽しむ茶道体験

茶道体験の場所は、風情ある街並みが人気のひがし茶屋街で行われます。やってきたのは心結からタクシーで約10分の場所にある町家「宗友(そうゆう)」。2017年にオープンした茶道体験ができるお宿です。
▲2階は一日一組限定のお宿になっています

正式な茶席の経験はなくても、訪問先や寺などで抹茶を出されたことがあるという方も多いのではないでしょうか。出されたお菓子はいつ頃食べるのか、お茶碗はどうやって回すのか、茶事の作法は知っているようで知らないことばかり……。
しかし、予備知識があれば、お茶をおいしくいただけるだけでなく、季節感を大切にしたおもてなしの心を楽しむこともできます。
▲まずは茶席に使う茶碗を選びます。「今日の気分に合わせて花柄の茶碗にしようっと」

茶室に入り、先生にご挨拶します。
▲「よろしくお願いいたします」。心地よい緊張感が漂います

今回は茶道のなかでも裏千家の作法でお茶を点てていきます。まずは先生にお手本を見せていただきました。
▲一つひとつの所作が無駄なく美しい

「お菓子をどうぞ」と先生。お菓子は、お茶を美味しく飲むために先にいただくのが基本。先生が点てている間に食べ終えるのが茶道の作法の一つです。
本来、お茶会に参加する時は手元のお皿がわりに使用する「懐紙(かいし)」という和紙が必要ですが、ここでは体験なのでなくても大丈夫です。
▲お菓子は季節によって変わるそう

先生から出されたお茶をいただくときは、「お点前、頂戴します」と挨拶をし、茶碗を手に取ります。
左手の上で時計回りに2回茶碗を回し、3~4回に分けて抹茶を飲んでいきます。最後はすぅーっと音を立てて飲み終えるのが茶道の作法。これは「吸いきり」と言い、飲み終わった事を相手に示します。
▲お菓子を食べた後は爽やかな苦味のお茶がよく合います

この後は実際に、自分でお茶を点てていきます。
茶杓(ちゃしゃく)でお抹茶を入れる所作、お湯を入れ茶せんで点てる所作など、一つひとつ先生が丁寧に教えてくださるので安心です。
▲今回体験した彼女、実は高校時代は茶道部だったそう。「久々にお茶を点てると気持ちが引き締まりますね」
▲茶せんでお茶を点てていきます。細かい泡を立てるのがコツ

「茶せんは回さず振るイメージで。生クリームを泡立てるようなイメージでやってみるとうまくいきますよ」と先生。

次第にお抹茶のいい香りが立ち上ってきました。細かい泡がしっかり立ったところで茶せんをゆっくり置き、時計回りに茶碗を回して差し出します。
▲正面の柄を向けて相手に渡す所作にも、おもてなしの心が込められています
ゆったりとした空気が流れるなか、心地よい緊張感で点てたお茶の味は格別ですよ。

嗅ぐのではなく香りを「聞く」、香道体験

香道体験は心結から徒歩8分の場所にあるお香専門店「香屋(こうや)」で行います。茶道や和楽器に比べ、馴染みのない「香道」の世界。一体どんな体験ができるのでしょうか。
▲店内にはさまざまなお香が揃っています

香道は茶道・華道・能とともに室町時代の頃に誕生した芸道の一つ。香りを嗅ぐのではなく、心を傾けて香りを聞くという意味で「聞香(もんこう)」という言葉が用いられます。

香道で使うのは「香木」という香りを帯びた木。木が不健康な状態になると、樹木本来の力で治そうと芳香成分のある樹脂を出します。この部分を切り出したものが「香木」で、それぞれ大きさや香りの種類もさまざまです。
▲少量でも大変貴重な香木。木に何かをコーティングしたような、すべすべとした手触りです。この一本で軽く数万円はするのだとか
▲思ったより香りはきつくありません。「甘いような酸っぱいような……不思議だけどいい香り」

体験で行うのは、香木の独特な香りを聞き分けて当てるゲーム形式の「組香(くみこう)」。そのなかでも、3種類の香木を使う「三種香(さんしゅこう)」に挑戦しました。
▲初挑戦!「がんばりまーす!」

まずは小さく刻んだ3種類の香木を各3つずつ紙に包み、合計9つの香包(こうづつみ)を用意します。その香包を中身がわからないようシャッフル。香元(こうもと)と呼ばれる人が任意で3つの香包を選び、包まれている香木を一つずつ香炉で焚いていきます。
三種香は参加者がその香りを順番に聞いて、当てるというもの。答えは記紙(きがみ)に記入し、その成績を競います。

まずは3つの香包を選びます。どの香木が入っているのか、誰にもわかりません。
▲香元が香包を選んでいきます

香包から取り出されたちいさな香木は、香炉で焚いていきます。
▲炭団(たどん)で温められた香炉の灰の上に「銀葉(ぎんよう)」と呼ばれる小さな板を置き、その上に香木をのせると、香りが立ち上っていきます

「出香(しゅっこう)」という香元の言葉とともに、香炉は参加者のもとに回されます。3つの香りを聞き分けられるのでしょうか。
▲少し肘を張り、香炉を手で覆い香りを集め、かすかなにおいを聞き分けます

参加者は各々香りを聞いて、次の参加者へと回していきます。香炉の受け渡しやお辞儀の仕方など、いくつか作法がありますが、香元である先生がしっかり教えてくださるので安心です。

香りを記憶しておくのは思ったより難しく、時間が経つとすぐに忘れてしまいます。
「香りを記憶するときは、何かのイメージと結びつけることがコツですよ」と先生。
▲むむっ?さっきの香りと似てるような違うような……

各参加者には筆と硯、記紙の一式が用意されており、答えを記入していきます。答えの書き方も独特。それぞれの香りは縦線で表し、それぞれに同じ香りだと思うものの線の頭を横線でつなげます。組合せてできた図には「隣家の梅」「琴の音」など美しい名前がついています。
▲三種香の場合は5通りの答えがあります
▲筆で記入するのもなかなか緊張します

記入が終われば、答え合わせの時間です。出香した香木を香元が調べたところ、今回の答えは2番目と3番目が同じ香りという結果でした。なんと一人が正解!
組香では全員の回答が美しく記録に残され、正解者が記念としていただくことができます。
▲先生から記録を授与されます
知れば知るほど奥の深い香道の世界ですが、初めてでも楽しむことができました。グループで三種香を体験するのもおすすめですよ。

体験後は着物でまち歩き

体験が終わった後は、返却時間の17:30までまち歩きを楽しみましょう。昔ながらの街並みが残る場所を着物で歩くと、絵になりますね。
ひがし茶屋街(写真)や長町武家屋敷兼六園を歩く人も多いそう

まち歩きでは金沢らしいグルメを食べるのも楽しみの一つ。

ひがし茶屋街にある「金座和アイス 金沢東山店」はなんと、溶けないアイスクリームのお店として人気です。金沢で開発された天然素材の「イチゴポリフェノール」により、真夏でもアイスクリームをしっかり固める効果があるそうです。
▲金沢市はアイスクリームの年間消費量が全国一なんですよ(2016年総務省家計調査より)

溶けないので着物や手が汚れず、安心して食べられるのが嬉しいですよね。
▲バニラ味の「前田家家紋風アイス」(写真右)と、抹茶味の「雪吊り風アイス」(写真左)をいただきました(ともに650円・税込)

今回体験した二人は「普段なかなかできない体験が華やかな着物を着てできるので、とても贅沢な一日でした!」と大満足の様子でした。
金沢という趣のあるまちで、普段とは違う非日常の体験を楽しんでみませんか。
石原藍

石原藍

ローカルライター。 大阪、東京、名古屋と都市部での暮らしを経て、現在は縁もゆかりもない「福井」での生活を満喫中。「興味のあることは何でもやり、面白そうな人にはどこにでも会いに行く」をモットーに、自然にやさしく、心地よい生き方、働き方を模索しています。趣味はキャンプと切り絵と古民家観察。

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