名水百選!若狭「瓜割の滝」で感じる初夏の涼。1万株のアジサイも!

2018.06.05 更新

福井県、若狭町の天徳寺境内奥に位置する「瓜割(うりわり)の滝」は、岩の間から湧き出る清泉です。昭和60(1985)年、環境庁(現・環境省)の「名水百選」に選ばれ、その水質はお墨付き。高温多湿な日本の夏を乗り切るために、マイナスイオンたっぷりの”水の森“で涼を感じる旅に出かけましょう!

▲「瓜割の滝」の名物といえば、絶品「くずまんじゅう」!

マイナスイオンたっぷりの「水の森」

JR小浜線・上中駅から徒歩約15分、車では、舞鶴若狭自動車道・若狭上中ICから約10分の場所にある「瓜割の滝」。
昭和60(1985)年には「名水百選」に、平成8(1996)年には”水を活かした町づくりに優れた成果をあげている地域”に選ばれる「水の郷百選」に認定され、夏場を中心に全国各地から多くの観光客が訪れます。

無料の駐車場から歩くこと約1分。「名勝 水の森 瓜割」と書かれている目印が見えてきました。
▲ここから10分ほど歩いて「瓜割の滝」を目指します

若狭地方は三方五湖や一級河川の北川など、水資源が豊富だったことから、もともと「水の国」と呼ばれており、「瓜割の滝」周辺は”水の森“という名前でも親しまれています。また、パワースポットとしても有名で、陰陽師の安倍晴明が雨乞いのためにこの滝を訪れたこともあったとか。

山道に入ると、ひんやりといい気持ち。木々が生い茂っているせいか、市街地よりも涼しく感じます。
▲鬱蒼と茂る木々。山道とはいえ、アップダウンが少ないので歩きやすいです

うーんと深呼吸するとなんともいい気持ち。自然のなかで思いっきり伸びをすると、身体のなかの悪いものが浄化されそうです。
▲木々の間からやわらかな光が差し込みます

1万株のアジサイが咲き誇る「若狭瓜割名水公園」

「瓜割の滝」に辿り着くまでには見どころがたくさん!まずは「若狭瓜割名水公園」に立ち寄ってみましょう。
こちらは、まさにこれからの季節にぴったりの景色が楽しめる公園。6月下旬頃になると、なんと約1万株のアジサイが咲き、花を求めて多くの観光客で賑わいます。
▲公園内が紫や青、ピンクに染まります(写真提供:一般社団法人若狭湾観光連盟)

公園内をぐるりと取り囲むように植えられたアジサイは、この時期だけの絶景です。
▲一斉に開花する眺めは壮観です(写真提供:一般社団法人若狭湾観光連盟)

アジサイで園内が染まる時期には、花菖蒲も咲き誇ります。こちらも隠れた名物。初夏らしい景色を楽しんでみてはいかがでしょうか。
▲鯉にエサ(税込100円)をやったり…
▲奥のあずまやでゆったりとした時間を過ごしたりするのもおすすめです

奈良時代からの由緒ある寺と石仏四国八十八カ所めぐり

「瓜割の滝」は高野山真言宗「天徳寺」の境内にあります。今から1300年以上も昔、奈良時代に泰澄大師(たいちょうだいし)が開基した由緒あるお寺で、境内には泰澄が刻んだという馬頭観音も祀られています。
▲毎年7月には、滝からの水の恵みに感謝し、天徳寺ご住職による護摩焚き法要が行われます
▲本坊内には枯山水のある天徳寺庭園も

そしてさらに奥に進むと、130段の階段が見えてきました。
なかなかハードな階段ですが、登りきった場所には大師堂が。こちらには弘法大師が佐渡の石工に刻ませたと言われている八十八体の石仏が並んでいます。
この八十八体の石仏の前の地面にあけられた穴には、四国八十八カ所の霊場から運んだ土が入れてあり、ここを踏むと四国八十八カ所へお参りしたのと同じ功徳があると言われています。一つひとつ表情が違う石仏を眺めながらお参りすると、ご利益がありそうですね。

いよいよ瓜割の滝へ!

さらに歩いていくと、次第に水のせせらぐ音が聞こえ、空気に瑞々しさが増してきました。「瓜割の滝」はもうすぐです!
▲辺りもだんだん苔むしてきました

ついに到着!
「瓜割の滝」という名前から大きな滝をイメージされる方もいるかもしれませんが、落ちる滝というよりも、湧き上がる滝と言った方がよいかもしれません。風で木々がゆれると水もキラキラ光り、なんとも幻想的な景色が広がります。

不思議なことに、「瓜割の滝」の水温は一年を通して11~12度程度。夏場も驚くほど冷たく感じるのが特徴です。

今から約300年前にこの地方の風土について書かれた『拾椎(しゅうすい)雑記』には、「冷なる氷のごとく、水中の小石を十ひろい取るものなし。瓜を冷やし置ばおのつから破るにより、俗に瓜割水と呼」という一節も。水が氷のように冷たくて川底の石を10個も拾っていられない、瓜を冷やしておこうと水に浸けておくと割れてしまう、ということから「瓜割の滝」の名前がついたと言われています。
▲湧き出し口には竹囲いにしめ縄が張られ、神聖な場所として今も大切に守られています

見てください、この透明度!水の中に入れた手が何の淀みもなく透き通っています。
▲ひゃ~冷たい!

岩間から湧き出る水が泉となり、そこから流れ出した瓜割の水。いくつもの地層が自然のフィルターとなり、長い歳月をかけてろ過されているため、純度の高いミネラル成分が溶け込んでいます。

さらに「瓜割の滝」の水が湧き出す周辺では、赤い石を見ることができます。これは、「ヒルデンブリンチアリブラリス」という、紅藻の一種が長い時間をかけて繁殖したもの。抜群の水質と水温に変化がない、という特定の条件が揃った「瓜割の滝」ならではの珍しい現象なのです。
▲紅藻をおそるおそる触ってみると……意外にヌルヌルしていませんでした

これから暑さが厳しくなってくる時期にこそ訪れたい場所ですね。

ぷるん!の食感がやみつきになる、名水の里の「くずまんじゅう」

「瓜割の滝」でマイナスイオンをたくさん浴びた後は、お土産・お食事処「名水の里」へ。地元でつくられた米や新鮮野菜など、地元の特産品が販売されています。
▲2016年にリニューアルした「名水の里」
▲地場の特産品が揃うショップ
▲瓜割の水を使った飲み物や軽食など、散策後の休憩にもぴったり

なかでも、ぜひ食べていただきたいのが「くずまんじゅう」。毎年5~10月頃まで販売している「名水の里」の名物です。「日本三大くず」の一つにも数えられる若狭の熊川くずと瓜割の水を使ったもので、ぷるぷるの食感にやみつきになる人も多いそう。
▲「くずまんじゅう」は冷蔵庫で冷やすと白く固まってしまうため、瓜割の水で冷やされています
▲涼感たっぷりの「くずまんじゅう」(2個入り・税込200円)
▲緑色のくずまんじゅう(左)は抹茶味。ほのかな抹茶の風味が漂います

ツルツルと弾力のあるくずの中には、甘さ控えめのこしあんが。口のなかに入れた途端、くずがすぅーっと溶けていきました。
▲くせになる美味しさ!

店内にあるセルフサービスの水はもちろん瓜割の水。名水百選のお水が自由に飲めるなんてお得ですよね。
水道水に比べ、瓜割の水はカルシウムとマグネシウムを多く含む、硬度47.0mg /Lの軟水。ミネラル成分のバランスが良く、口あたりがやわらかい水でした。
瓜割の水は採水場で汲み、持ち帰ってもOK。店内には採水用の容器が販売されています。もちろん、持参も可能ですが、その場合は採水用のシールを購入するのをお忘れなく(1枚300円・税込)。一度購入すると何度でも採水可能なので、お得です!
「名水の里」の目の前にある採水場では、多くの人がひっきりなしに水を汲んでいました。休日には列ができることもあるそう。
早速、購入した容器に水を入れていきます。勢いよく流れる水は一日4,500Lも湧き出るのだとか。
▲「この水でコーヒーを淹れるとまろやかになるよ」と地元の方が教えてくださいました

毎年8月の第1土曜日には、「名水の里」一帯で「若狭瓜割名水まつり」が開催。名水流しそうめんや名水野点茶会といった名水にちなんだイベントが盛りだくさんで、約1万人もの観光客で賑わいます。暑い夏の最中、爽やかな涼を求めてぜひ遊びに行ってみてはいかがでしょうか。(2018年は8月4日に開催予定)
石原藍

石原藍

ローカルライター。 大阪、東京、名古屋と都市部での暮らしを経て、現在は縁もゆかりもない「福井」での生活を満喫中。「興味のあることは何でもやり、面白そうな人にはどこにでも会いに行く」をモットーに、自然にやさしく、心地よい生き方、働き方を模索しています。趣味はキャンプと切り絵と古民家観察。

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