金属加工の聖地・燕三条で開催される「燕三条 工場の祭典」

2015.09.18 更新

金属加工品の産地として全国的にも有名な新潟県燕三条地域で開催される「燕三条 工場の祭典」。普段は一般公開されていない工場(こうば)が、開催期間中の数日間一斉に開放され、職人たちのものづくりの様子に触れることができます。「工場で人をつなげる」をコンセプトに2013年から開催され注目を集めている同イベントも、今年で3回目。その魅力に迫ります。

工場の祭典とは

包丁の製造過程など、ふだんは見ることのできない「手業(てわざ)」の数々を実際に体感できる。
▲包丁の製造過程など、ふだんは見ることのできない「手業(てわざ)」の数々を実際に体感できる
「燕三条 工場の祭典」は、新潟県燕三条地域一帯の工場を一斉に開放し、目の前で実際に職人さんの手業(てわざ)に触れ、彼らと対話し、モノづくりにかける姿勢や思想、想いを体感できるイベントです。その他にも、各工場独自のワークショップが行われたり、実際にモノづくりを体験できたりと、さまざまな角度から工場を楽しめます。

第3回は、2015年10月1日から4日までの4日間にわたって開催。68もの工場を、自由に見て回ることができる、貴重な機会なのです。

工場で人をつなげる

▲鮮やかなストライプ模様を身にまとい、参加者へ熱心に説明する職人さん
工場の祭典には、第1回開催時から一貫して「工場で人をつなげる」という共通したコンセプトがあります。普段は一般公開されておらず、中を覗く機会がなかなかない町工場を、一般の方向けに開放。それによって、職人さんたちと訪問者をつなぐことを目的としています。

モノづくりの過程を実際に見る機会というのは、実は大変貴重なこと。さらに、日々、忙しく仕事に打ち込む職人さんたちと触れ合えるとなれば、なおさらです。「見せてください!」と言ってもなかなか見ることの出来ないものを、思う存分楽しめるイベントなのです。

そして、このイベントが面白いのは、それだけでは終わらないところ。訪問したお客さんの中にいるかもしれない「未来の後継者」や、他地域から訪れる職人さんなどとの交流をはかる目的もあります。

普段は、自らが持つ技術力や仕事へのこだわり、誇りなどを語りたくても語る機会の少ない職人さんたち。工場や職人さんに興味はあるけれど、入る機会も話す機会もない一般の方たち。「工場の祭典」は、両者を一気にマッチングする4日間なのです。

鮮やかなストライプ模様が「工場を外へとひらく」

「工場で人をつなげる」というコンセプトには、職人とクリエイターとをつなぐという意味合いも込められています。

開催工場でみられる、特徴的なピンクの斜めストライプ模様。一際目を引くこのデザインは、作業時の炎に含まれる鮮やかな「ピンク」が目を引いたことと、工場には注意すべき場所が多いことから、危険を本能に訴える、黄色と黒のストライプ模様の記憶を利用しており、ポップであり、開放的な印象を与えてくれます。

工場自体を外へひらくとともに、職人さん×デザイナー、クリエイターのコラボレーションにより、より広く発信していこうという狙いがあります。
こちらは「工場の祭典」のロゴ。ピンクとシルバーの二色で、「開いた扉」をイメージし、外へとひらかれる工場を表現しています。

第3回のテーマは「産地で過ごす秋の4日間」

▲じっくりと1軒1軒、職人さんたちと触れ合いたい。そんな方こそきっと満足できる4日間
工場の祭典は、「開け、工場!」というテーマのもと、2013年にスタート。外へと開かれた工場には、全国から多くの方が集まりました。

3回目の開催となる今回のテーマは「産地で過ごす秋の4日間」。

参加工場も回を重ねるほど増え、とても1日では回りきれない規模に。今回は、自由に工場を回れるだけでなく、ジャンルの異なる12種類ものオフィシャルツアーや、三条市の繁華街に隣接するお寺・三条別院などで大規模な交流パーティーが開催されるなど、ゆっくり、そしてじっくり楽しめる「滞在型」のイベントになっているのが大きな特徴です。

工場の祭典 夜の部

▲「夜の部」開催会場 (株)タダフサ
「燕三条 工場の祭典」開催期間中の夜には、「夜の部」と呼ばれる交流パーティーが各地で開催されます。初日の夜には、三条市の繁華街に隣接するお寺、三条別院にて開催。参加工場の職人さんたちが一堂に会し、モノづくりや道具の使用などが体験できる屋台が立ち並びます。さらに、地元燕三条の飲食店による屋台も参加するなど、地域が一体となって参加者を迎え入れる催しになっています。

「夜の部」は、三条別院を皮切りに、連日、燕三条地域内の7カ所で開催。工場で見せる顔とはまた違った、職人さんたちの素顔がみられる機会にもなっています。

なかなか見ることのできない、面白い技術も

職人さんの手業のほかに、機械を使った面白い技術にもふれることができます。写真に写っている塊…これが何かお分かりになるでしょうか?

実はこれ、軽自動車をプレスしてできた塊なのです!「金属加工産地を循環させるリサイクル技術」ということで、参加工場のひとつ、北興商事さんにて実際に実物をみることができます。限られた金属資源を活かす、たいへん重要な技術。

また、昔から伝わる伝統技術、「和釘づくり」を用いたさまざまな技術をみることができるのもイベントの醍醐味です。
「トントンカン、トントンカン…」リズミカルに打ち鳴らされる各工場独特の音は、聞いているだけで心地よくもあります。見て感じるだけで楽しく、職人さんたちとの交流も楽しめる「工場の祭典」。
秋の4日間を、日本有数の金物の産地・燕三条で過ごしてみてはいかがでしょうか。

【写真撮影】神宮巨樹写真事務所
【写真提供】「燕三条 工場の祭典」実行委員会
竹谷純平

竹谷純平

フリーライター。新潟をもっと楽しくするWEBマガジン「にいがたレポ」参加ライター。新潟県出身。SNS運営会社、WEB制作会社等に勤務後、独立。企業でWEBライティングに長年携わった経験とを活かし活動中。東京、アメリカなどを経て新潟へ帰郷した経験と、趣味の旅行での経験とを活かし、「新潟の魅力を内外へ楽しく発信する」をモットーに活動している。フィールドはインタビュー、グルメ、最新ITテクノロジーまでと幅広い。

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