群馬・桐生名物!幅広の麺「ひもかわうどん」は絶対に食べるべき一品

2018.10.05 更新

群馬県桐生(きりゅう)地域に伝わる「ひもかわうどん」を知っていますか?10cmにも及ぶ幅広な麺が特徴であり、そのフォトジェニックな見た目からここ数年、SNSなどでも注目を集める群馬県の郷土料理です。ひもかわうどんの味、形、歴史などを探るべく、地元にある人気店の「めん処 酒処 ふる川」と「藤屋本店」にお邪魔しました!

きっかけはメディア露出!知名度が急上昇した群馬のグルメ「ひもかわうどん」

群馬県のご当地グルメといえば、何を思い浮かべますか?「焼きまんじゅう」や「水沢うどん」、食材では「下仁田ねぎ」や「こんにゃく」が有名ですが、ここ数年の間、メディアへの露出がきっかけで知名度が急上昇しているグルメがあります。それが、群馬県の東部に位置する桐生地域の郷土料理である「ひもかわうどん」。
▲こんにちは!フリー素材モデルの大川竜弥です

ひもかわうどんの特徴は、なんといっても幅広の麺。そのサイズは店によって異なるものの、広いところでは10cm以上のものまであるそう!一般的なうどんは太麺でも幅4mm前後なので、10cm以上の麺はとんでもない幅の広さ…。

その一方で厚みは1mm程度と非常に薄く、つるんとしたのど越しも特徴のひとつだとか。早く見たい、そして食べたい!そこで、ひもかわうどん2大人気店の「めん処 酒処 ふる川」と「藤屋本店」を訪ねるべくJR桐生駅に降り立ちました!

驚きの12cm!「めん処 酒処 ふる川」のひもかわうどん

まず紹介するのは「めん処 酒処 ふる川」。「パークイン桐生店」と「暮六つ桐生店」の2店舗あり、今回訪れたのはうどんのメニューが豊富な暮六つ桐生店。電車で行く場合、桐生駅でわたらせ渓谷鐵道に乗り換え、最寄り駅の相老(あいおい)駅から徒歩5分程度です。
創業1972(昭和47)年の「めん処 酒処 ふる川」は、ロードサイドにある居酒屋。麺類だけでなく、おかず・おつまみ系のメニューも充実しているため、夜はお酒を飲みに来る地元のお客さんで賑わいます。名物は、10~12cmにも及ぶ幅広な麺が特徴のひもかわうどん!口の中で圧倒的な存在感を放ち、一度食べたら病みつきになる味だそうです。
▲店内の棚にはお酒がたくさん並んでいます。特に、焼酎の品ぞろえがハンパない!
▲そして、うどんメニューの充実っぷりもすごい!もり、冷たいつけ汁、温かいつけ汁と何でもあり、具材のバリエーションも豊富です

噛んでモチモチ、飲み込んでツルツル、気持ちがいいうどん

早速、人気メニューの「もりひもかわ」660円(税込)を注文。テーブルに運ばれてきた麺を見ると、想像以上に幅広い!うどんはうどんでも、普段食べているうどんとはまったくの別ものです。インパクトたっぷりのビジュアルに衝撃を受けました。果たして、味と食感はどのくらい違うのでしょうか…?
麺を一枚持ち上げてみたところ、ズシリとくるその重さに驚きました…!うどんに限らず、持ち上げるのにここまで筋力を必要とする食べものは初めてかもしれません。
つゆをつけて、いざ実食!

筆者のような大人の男性でも、麺が幅広すぎてひと口では食べられそうにありません。店主の古川聡さんに伺うと、特に決まった食べ方はないそう。無理にひと口で食べようとせず、箸で切ってから食べてもいいかもしれませんね。
いざ口に運んでみると、薄さのおかげで意外にも噛み切りやすく、ツルツルっと飲み込むことができます。ビール以外の味の感想でこの表現を使うのは初めてですが、のど越しがいい!麺そのものの味はさっぱりで、幅広さが影響しているのかカツオ出汁の効いたつゆがよくからみます。
▲麺のボリュームは、茹でた状態で約200g。麺の枚数は普通もりが7枚、大盛りが10枚で約300gになるのだとか

麺は薄いのですが、ブツブツ切れることはなく、箸でしっかりと持ち上げることができます。この絶妙なコシの強さが、食べたときの食感に影響しているのかもしれませんね!
あっという間に完食!うどんとはいえ、麺の幅と厚みが違うだけで、こんなにも食感が変わるとは思いませんでした。噛んでモチモチ、飲み込んでツルツルと本当に気持ちがいい。「もりひもかわ」は、暑い時期に食べたくなるメニューです。
もう一品、温かいひもかわうどんの人気メニュー「カレー南蛮ひもかわ」970円(税込)も注文。大きな豚肉がたくさん入っています!
「ひもかわうどん」は元々寒い時期に食べる料理だったため、秋から冬にかけては先ほどの「もりひもかわ」ではなく、「カレー南蛮ひもかわ」を注文するお客さんが多いのだとか。
スープをひと口飲むと…。ウマイッ!そば屋のカレー特有の、ほんのりとカツオ出汁の甘みが効いた汁です。これは体が温まりますね…。
次は、麺をいただきます。麺が幅広いだけあって汁がからむというよりは、麺に汁がのるイメージ!
口に運んでみると、モチモチした食感は「もりひもかわ」と同じなのですが、のど越しが全然違います。ツルツルというよりは、麺を温めたことでモチモチな弾力がよりアップし、薄く切ったお餅を食べている感じ。でも、のどを通過したときにツルツルとした名残があるんです。
▲こちらもペロリと完食しました!

群馬県産の小麦粉を使用!想像以上に古い「ひもかわうどん」の歴史に驚き

特別に、厨房でひもかわうどんを茹でる様子を見学させてもらいました。3代目店主の古川さん自らが調理します。
ひもかわうどんの材料は、一般的なうどんと同じく水と小麦粉と塩を練ったもの。小麦粉は群馬県産のものを使用。麺の厚みは、厚すぎず薄すぎない約2mmまで伸ばしています。
茹で時間は5~6分とやや短め。流水でもみ洗いした後、氷水で締めます。
▲氷水で締めた後のひもかわうどん。見た感じ、うどんというより厚めの湯葉っぽい
▲茹でたひもかわうどんを一枚ずつ盛りつける古川さん

群馬県桐生地域の郷土料理「ひもかわうどん」は、いつ頃から存在するのでしょうか?知名度が急上昇したきっかけも古川さんに聞いてみました。

古川さん「はっきりと記録に残っていませんが、約100年前にはあったそうです。ひもかわうどんという名前は、愛知県の芋川地域のうどんが伝搬し、”いもかわ”がなまって”ひもかわ”と呼ばれるようになったと言われています」

群馬県の桐生市は絹織物が盛んで、機織り工場で忙しく働く女性が時間がないときでも食べられるようにと、幅広く切ったひもかわうどんが作られ、広まったそうです。
▲まるで絹織物のようにきれいに盛りつけられて提供される

古川さん「そして平成22(2010)年、テレビ番組『カミングアウトバラエティ 秘密のケンミンSHOW』で当店のひもかわうどんを紹介していただき、それから一気に有名になりました。放送された翌日は、行列がすごかったんですよ!」

約100年前から存在し、地元の人たちから親しまれているひもかわうどんが、メディア露出をきっかけに全国区になる。現代的な認知度の広がり方がおもしろいですよね!フォトジェニックな見た目も、最近のSNSブームと相性が良さそうです。
▲先代の店主、古川さんの父が考案した「ひもかわうどん」のゆるキャラ「ひもかわくん」ストラップ。スタッフのTシャツにもプリントされている

週末は県外からのお客さんも多く、ランチタイムはオープン前から並ぶこともあるそうです。ゴールデンウィークや「桐生八木節まつり」が開催される8月上旬、お盆の時期も行列ができるそうで、狙い目は平日のお昼。ただし、「めん処 酒処 ふる川」の「ひもかわうどん」は並んでも食べる価値があります!ぜひ一度12cmの幅広麺を体験してください!

老舗「藤屋本店」のうどんは幅4cm、長さ約60cmでボリューミー!

次にやって来たのは、「めん処 酒処 ふる川」と並ぶ人気店の「藤屋本店」。創業120余年を数える老舗で、地元の水、地元の粉を使った品々が人気を集めています!最寄り駅の桐生駅から徒歩20分ほどと少し距離はありますが、駅周辺を散策しながら向かえば町並みも楽しめます。
現在の店舗は新しく建てたものですが、すぐ近くに旧店舗が残っています(上写真)。旧店舗は本町通りという大通り沿いにあり、桐生駅から来る場合は旧店舗がある交差点を右に曲がればすぐ新店舗が見えます。
▲レジ前には、お土産用の「ひもかわうどん」がありました。麺は1袋2人前・600円、つゆは1袋1人前・50円(ともに税込)
うどんのメニューはつけめん、せいろ、かけうどんに分けれており、具材の種類も豊富。それぞれ+50円で通常のうどんからひもかわうどん、またはそばに変更することができます。

違いは幅だけじゃない!「藤屋本店」の特徴は弾力にあり

人気メニューの「ひもかわせいろ」550円(税込)を注文。「藤屋本店」の麺は幅4cm。10cm以上あった「めん処 酒処 ふる川」の麺とはだいぶ印象が違います。では、食べてみましょう!
ムムム!麺の幅が違うだけで、これほど食感が変わるとは思いませんでした。「藤屋本店」の方が若干麺の厚みがあるのかもしれませんが、噛んだときのモチモチ感が強いのです。コシというか、弾力があります。
そして、「めん処 酒処 ふる川」のひもかわうどんと同じく、のど越しがいい!ツルツルと喉を通り、どんどん胃の中に入っていく感触です。つゆはあっさり目ですが、口に運んだ瞬間、カツオ出汁の香りが広がります。いやー、本当に気持ちがいい食べ物です!
もう一品、人気メニューの「カレーせいろ」830円(税込)を注文!以前は秋・冬限定メニューだったものを、お客さんからの要望に応え、定番メニューに加えたそうです。
麺にたっぷりと汁をからませて、いただきます!約4cmとひもかわうどんにしてはやや幅が狭めになっているため、麺をすすって食べることもできますし、折りたたんでパクっとひと口で食べることもできます。とにかく麺に汁がからむ!
▲麺1本が長い!
スパイシーというよりも、出汁が効いた和風カレー。麺と汁がからむことで、麺のモチモチが強調され、口の中でムチムチと跳ねるような弾力のある食感になっています。カレーの程よい甘みと辛味がひもかわうどんと相性バッチリ!こちらも完食しました!

「ひもかわ」は桐生の特産物にも由来していた!?

今回も特別に、厨房でひもかわうどんをゆでる様子を見学させてもらいました。調理しているのは、6代目の店主・藤掛将之さん。
麺の幅は約4cmと、ひもかわうどんとしては中くらいの幅広さ。長さは50~60cm、麺の量は生麺の状態で約200g、ゆで麺の状態で約300gと多めです。「うちの麺の幅は、女性でも食べやすいように約4cmにしました」と藤掛さん。麺の幅を狭めにする代わりに、長くすることで食べごたえのあるものにしているのだそうです。
▲茹で時間は5~6分。茹でている間、何度か麺の状態をチェックする
▲茹でた麺は流水でもみ洗い。あとは、きれいに盛りつけます

藤掛さんは、なんと筆者と同じ36歳(2018年現在)。一度東京に上京し、4年間和食料理店で修行した後、28歳のときお店を継ぐために戻ってきたそうです。
創業120余年の歴史がある「藤屋本店」では、いつからひもかわうどんを提供しているのでしょうか?
藤掛さん「それが、はっきりとはわからないんです。ただ祖母が嫁いできた4代目の頃には、ひもかわうどんを出していたそうです。70年以上前には確実にあったと思います」

藤掛さんによると、ひもかわうどんの名前の由来は、“芋川(いもかわ)”がなまって“ひもかわ”になった説とは別に、もうひとつの説があるそうです。

藤掛さん「桐生は機織り物が盛んで、昔は染めた帯を川で洗っていたのですが、”帯川(おびかわ)”がなまって”ひもかわ”と呼ばれるようになったという説もありますよ」
▲確かに、幅広く長い麺が川の流れに揺れる帯のようにも見える

週末は家族連れや年配のお客さんで混雑し、ランチに並ぶこともあるそうです。また、麺がなくなり次第お店を閉めることもあるため、早めの時間がおすすめとのこと。平日はランチ営業のみなので、平日行く方は注意してくださいね。

食感とのどごしがクセになるひもかわうどん、ぜひご賞味ください!

「めん処 酒処 ふる川」と「藤屋本店」のひもかわうどんを食べてわかったのは、美味しくて、気持ちがいいということ。約12cmと約4cm、お店によって麺の幅は違うのですが、どちらもモチモチの食感、ツルツルののど越しがクセになるんです。この快感は、ひもかわうどん以外では味わえませんよ!

ひもかわうどんが食べられるのは、群馬県でも桐生地域だけ。県内のみならず、関東近郊からも多くのお客さんが食べに訪れる人気グルメを、ぜひ一度味わってみてください!
大川竜弥

大川竜弥

1982年生まれ。アパレル販売員、Web開発会社、ライブハウス店長、ザ・グレート・サスケ氏のマネージャーなどさまざまな職を経て、現在は"自称・日本一インターネットで顔写真が使われているフリー素材モデル"として活動している。

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