青森・平内町で絶品の陸奥湾ホタテを見て、学んで、贅沢に味わう

2018.07.07 更新

「大間のマグロ」を筆頭に、イカやサバなど様々な海産物で日本一の水揚げ量を誇る青森県。今回紹介するホタテも、北海道に次いで全国2位の生産量を誇るんです(農林水産省「平成29年漁業・養殖業生産統計」)。なかでも平内(ひらない)町は養殖ホタテ発祥と言われており、県内シェア51%(青森県漁業協同組合「平成28年度ほたて貝の組合別共販実績」)を占めるホタテの名産地。そこでホタテの旬に突入した5月下旬、平内町で獲れたてのホタテを楽しみ尽くしてきました!

▲「ひらないまるごとグルメ館」では、ホタテ三昧の御膳も味わえます!

養殖ホタテで栄えた平内町

青森市から東へ20kmほど離れた場所にある平内町。津軽半島と下北半島に囲まれた陸奥湾に、少し飛び出ている夏泊(なつどまり)半島がその場所です。穏やかな天候と浅瀬が続く陸奥湾では、イワシやタラ漁が盛んで天然ホタテの水揚げも昔から行われていました。
▲現在では、養殖ホタテの水揚げが盛んな平内町(写真提供:平内町)

平内町では、自然に左右されない安定的なホタテの水揚げ量を確保するため、陸奥湾ホタテの養殖に戦後間も無くから着手。パールネットなどの道具を開発し、1963(昭和38)年に初の養殖に成功しました。
▲ホタテ用に開発されたパールネット。この網に稚貝を入れて海に浮かべる

ホタテの養殖は、新しい地場産業としてすぐに根付きました。最盛期には町内の6,000世帯のうち、800世帯以上がホタテの養殖に従事していたそうです。

それでは、そんなホタテの町・平内町でホタテを堪能してみます!
▲地元のコンビニ「オレンジハート」では、ホタテを店内のプールで飼育している。販売用ではなく店内で調理する惣菜用

ホタテを見て学べる「ほたて広場」へ

今回向かったのは、国道4号線で青森市から平内町内に入ってすぐの「ほたて大橋」の脇にある「ほたて広場」です。
▲入り口脇にはご当地キャラ「ホタちゃん」の顔出しパネルもある

こちらは、新鮮な養殖ホタテを食べられるのはもちろん、陸奥湾で水揚げされたさまざまな魚介類の販売、情報発信などを行っている施設。広さ約300平方メートルの館内は、1階が販売スペース、2階はホタテの歴史や文化が学べる展示コーナーとなっています。
▲2階は吹き抜けになっており、無料で見学できるホタテの展示スペースもある

今回は館長の須藤元克(すとうもとかつ)さんに館内を案内していただきました。
▲ホタテ広場の須藤館長。地元平内町出身で、晩酌にホタテは欠かせないというほどホタテ好きです

館内に入ってすぐの「活ほたてコーナー」では、ホタテの実演販売を行なっていました。さっそくチェックしてみましょう。
▲ホタテの実演販売。店員さんが大きさを見定めリズミカルにホタテを袋に入れていく。注文の際、貝の大きさを指定することもできる

ほたて広場ではその日に水揚げされたホタテを並べており、1kg(7枚程度)・650円(税込)で販売しています(2018年6月現在)。須藤館長は「おいしく新鮮なホタテを消費者に直接届けたい」と笑顔を見せます。

続いて、館内でひときわ目立つ水槽へ。こちらはホタテの鑑賞コーナーです。これらのホタテはそのまま販売用にもなり、「活ほたてコーナー」のホタテが少なくなると、ここから補充されます。須藤館長自らがホタテを運びます。
▲ホタテの鑑賞コーナー

水槽内では、水揚げされたばかりのホタテたちが常に活き活きと活動しています。下の写真の中央に寄りかかっているホタテに注目してみてください。大きく口を開け、何かしようとしています。
▲水面に少し出ているホタテに注目!
▲プシュと水を吹き出しました!

まるで水族館のよう。こんなに間近でホタテを見ることなんて初めてです。
ここで、ホタテにまつわるトリビアを2つ須藤館長に教えてもらいました。まず、ホタテの貝殻は裏と表で色が違います。どちらが表でどちらが裏か。それは後ほど、実際に調理する時にお伝えすることにします。
▲どちらが表でどちらが裏か?

もう1つ、ホタテは成長すると貝殻が大きくなりますが、実は木と同じように年輪があるそうなんです。
ホタテの貝殻に年輪ができる仕組みは明らかになっていないようですが、須藤館長によると、「8~9月の水温が高くなる時期にホタテは食事をしなくなり、年輪はその時にできる」とのこと。
▲並べてみると一目瞭然。左から1年目、2年目、3年目。ちなみに1年未満のホタテはベビーホタテとして扱われ、2年~3年のホタテが市場に出回ることが多いよう

続いて、2階の展示スペースでホタテの歴史や文化をちょっと学んでみましょう。
▲一周すれば、ホタテの歴史から世界のホタテまで見ることができる

「映像コーナーや実際の養殖に使う網などの展示コーナーで構成されたこちらでは、陸奥湾でホタテの養殖に尽力した人物をはじめ、世界各地のホタテにまつわる豆知識まで紹介しています」と須藤館長。
▲養殖の様子がわかるように海の中を再現している

中でも驚いたのは、オーストラリア・シドニーにあるオペラハウスはホタテをモチーフにデザインされたということ。そして、ルネサンス期(15世紀後半)のイタリア画家・ボッティチェリによる名画「ヴィーナスの誕生」は、まさにホタテから生まれていたということです。
▲ホタテの貝からヴィーナスが誕生していることを紹介するパネル

ほたて広場で買い物!ホタテエキスの入った…

最後に1階の販売スペースで、須藤館長にオススメ商品を紹介してもらいました。長らく人気商品となっているのはホタテのかりんとう「あどはだり」。津軽弁で「おかわり」の意味です。
▲ホタテのかりんとう「あどはだり」(300円・税込)

細かく刻んだホタテの貝柱と地産の野菜を混ぜ、薄く揚げたお菓子。口に入れるとホタテの風味が広がり、素朴でやさしい味がします。塩加減もちょうどよく、まさに「あどはだり」と言ってしまいそうです。

そのほかにも、冷凍の「蒸しベビーホタテ」や、ボイルしたほたての貝柱をマヨネーズで和えた「ほたてマヨネーズ」が人気商品なのだとか。お土産にぜひチェックしてみてください。
▲「蒸しベビーホタテ」(750円・税込)
▲「ほたてマヨネーズ」(540円・税込)

また、館内のレジ脇で販売しているのが、ホタテのエキスが入った変わり種ソフトクリーム。甘みと塩味のバランスがよく、磯の香りがほんのりしてくるようなこちらの定番商品です。ほどよくホタテ感があるバランスのよい味でした。
▲「ホタテソフト」(200円・税込)

ホタテ尽くしのグルメに舌鼓

ホタテについて学んだ後は、より本格的なホタテ料理を楽しんでみたくなりますね。ほたて広場の隣には、2018年5月8日に「ひらないまるごとグルメ館」がオープンしました。その中にあるご当地レストラン「ホタテ一番」では、さまざまなホタテ料理を味わうことができます。
▲黒い外観が特徴の「ひらないまるごとグルメ館」
▲ホタテ一番の入り口

こちらはホタテ料理のみを提供するホタテ料理専門店。ナポリタンやカレー、ラーメンといったさまざまな料理に新鮮なホタテが入っています。
▲ホタテだけのメニューが約10種並ぶ

何を食べようかつい悩んでしまいますが、今回はその中でも人気の「平内ホタテ活御膳」をオーダー。活ホタテ5個とベビーホタテ5個、新鮮なホタテが計10個もいただけるということで楽しみに待っていると、やってきました!
▲どこから手をつけていいのか迷ってしまう「平内ホタテ活御膳」(1,500円・税込)

手前にあるベビーホタテの寿司3貫は、左からマヨネーズがアクセントの海苔巻きタイプ、ホタテの唐揚げと錦糸卵のコラボ、そして甘く煮たホタテが入ったいなり寿司。3種類のベビーホタテを味わえるのは小さな贅沢で、かわいらしく盛り付けられた一口サイズもうれしいですね。
▲ベビーホタテ寿司。酢飯とホタテの相性が抜群

奥にあるのは、ステーキ鍋を使った料理です。カット野菜と一緒にホタテを焼いて食べることができます。ホタテは刺身でも食べられる新鮮なものなので、自分好みの焼き加減でいろいろ楽しんでみます。
▲彩よく贅沢な気分になれる

つややかな色が食欲をそそるホタテを生のまま口に入れると、ぷりっとした肉厚感。焼いて食べるとホクホクで香ばしく、コリッとした貝ひもの食感もたまりません。
▲続いて、串刺しのホタテをちょっと炙って食べてみました。盛りだくさんすぎる!

ホタテをタレにつけて食べるのもおすすめ。下の写真の左から、辛味噌、りんご塩ダレ、ホタテ醤油の3種のつけダレが用意されています。
▲青森らしくリンゴ塩ダレで食べるかホタテ醤油にするか。悩みます

ホタテとの相性はどれもばっちりで、味にちょっとアクセントが欲しい場合は辛味噌をつけ、酸味の効いたりんご塩ダレは箸休めにぴったり。貝の成分が濃縮されているというホタテ醤油をつければ、ダブルのホタテづくしを楽しめます。さまざまな味わい方ができるのもうれしいですね。
▲肉厚のホタテを辛味噌といっしょにいただきます!

そして最後にデザートが出てきました。なんと、「ホタテアイス」だそう!ホタテの甘塩っぱい風味と濃厚なミルクが思った以上に相性良く、上にトッピングされたリンゴの果肉とのアクセントも絶妙です。ごちそうさまでした。
▲デザートでついてきた「ホタテアイス」

他に「唐揚げホタテの昔懐かしナポリタン」(880円・税込)や「熱々!ホタテのラクレットチーズ焼き」(1,200円・税込)など、ホタテを贅沢に味わえるメニューがずらり。お子様ランチにもホタテがたっぷり使われているそうです。
▲「ナイフ&フォークで食べる活ホタテ皿寿司」(1,500円・税込)もおすすめ

ホタテをその場で焼ける新スポットも登場!

ひらないまるごとグルメ館には「浜焼きコーナー」というホタテを自分で焼ける場所もあり、バーベキュースタイルでホタテを味わうことができます(土・日曜のみ、受付は11:00~18:00、営業は15:00~19:00)。みんなでワイワイと楽しみながら、なんていう楽しみ方もOK。ワクワクしますね。
▲浜焼きコーナーの店内

ホタテを焼く時に気をつけること。それはホタテの表か裏かに注意することです。ホタテ広場の須藤館長から教わったことの正解をここでお伝えすると、ホタテの白い方が表で黒い方が裏とのこと。焼くときには白い方を上に、黒い方を下にするのが正解です。
▲正解は白い方が表でした
▲新鮮なホタテは海水を多く含んでいるため、須藤館長によるとそのままが一番美味しいとのこと

浜焼きコーナーでは、ホタテを自分で焼いて食べる楽しさや、合席した人とのコミュニケーションといった旅ならではの時間も含めて、「おいしい」ホタテがありました。
最後に敷地内にある話題のスポットも紹介します!ホタテの貝殻を絵馬にして願いを書いて奉納できる絵馬掛所があるんです。こちらでは、持ち込んだホタテの貝殻を自由に吊るすことができます。
▲「受験合格」や「恋愛成就」といった願い事が書かれてあるホタテの貝殻絵馬
▲ほたて観音という小さなお寺もありました

水揚げされてすぐのホタテが気軽に手に入るのは、やっぱり平内町ならではの魅力。ホタテだけでもこんなに楽しめるとは驚きと発見があり、そして何より、ホタテを肴にお酒が飲みたくなりました。
くどうたける

くどうたける

東京でウェブライターを経験し、2012年に青森へ移住。地域新聞や地域の情報を発信するお仕事をいただきながら、田舎でせっせと暮らしてます。(編集/株式会社くらしさ)

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