【2018年版】東北三大祭り「青森ねぶた祭」。見て、踊って、学んで100%楽しもう!

2018.07.23 更新

東北三大祭りの一つ、「青森ねぶた祭」。青森市中心部を「人形ねぶた」と呼ばれる山車が運行し、「跳人(ハネト)」と呼ばれる踊り子たちが「ラッセラー、ラッセラー」と掛け声を上げながら踊り歩きます。毎年8月2~7日に開催され、全国から約300万人の観光客が訪れる青森の夏の風物詩。その多彩な楽しみ方をご紹介します!

▲迫力の大型ねぶたが魅力の「青森ねぶた祭」

あなたは「青森ねぶた祭」を見る?参加する?学ぶ?

ねぶたの起源は、七夕の灯籠流しだという説があり、その行事は東北地方の習慣で「眠り流し」と言われていました。
「眠り流し」とは、夏の農作業を妨げる眠気を追い払うために、灯籠・笹竹などを海川に流す行事のこと。それが「ねむたい」→「ねぷたい」→「ねぶた」に転化したものと考えられています(諸説あり)。

青森県内にはさまざまな「ねぶた・ねぷた」があり、扇型の山車を中心に運行する「弘前ねぷた」、高さ20mもの巨大な山車が特徴の「五所川原立佞武多(たちねぷた)」など、それぞれ異なる「ねぶた・ねぷた」で北国の短い夏を謳歌しています。その中でも最も知名度が高いのが、「青森ねぶた祭」なのです。
▲暗い夜に明るいねぶたの山車が映える

そんな「青森ねぶた祭」の楽しみ方はさまざま。ここからは「青森ねぶた祭」を楽しむための方法として、「観覧」「参加・体験」「学ぶ」の3ジャンルに分けてご紹介します。

6日間にわたって繰り広げられるねぶたの運行スケジュール

はじめに「青森ねぶた祭」の日程をおさらいしておきましょう。「青森ねぶた祭」は毎年8月2~7日の6日間にわたって開催。ねぶた運行は最終日を除いて夜間に行われ、日によって楽しみ方が異なります。

初日の8月2日と翌3日は、子どもねぶた・担ぎねぶたが参加。大型ねぶたと合わせて約30台が運行します。子どもねぶた・担ぎねぶたとは、地域の子どもや学生たち、町会が制作したもの。後継者育成や子どもたちにも参加する喜びを伝えるといった趣旨があります。
▲子どもねぶたでは、みこしタイプを中心としたさまざまなテーマの小型ねぶたが作られる(写真提供:あおもり草子)

4~6日は、大手企業などのスポンサーによる一般団体が参加。大型ねぶたのみが各日20台前後運行します。

ねぶたの運行は「ねぶた」「囃子(はやし)」「ハネト」の三位一体で成り立っており、2~5日の運行中には各団体の審査が行われます。そして、5日の夜(運行終了後)に発表。翌6日の夜の運行では、山車の正面に「ねぶた大賞」などの額縁が飾られた状態で各賞がお披露目されます。
▲2017年の大型ねぶた。正面に受賞した賞のパネルを設置して運行する

最終日の7日は、13:00~15:00に昼運行を実施。そして19:15から海上運行が始まります。海上運行とは、台船に乗せられた受賞ねぶた6台が青森港を運行すること。同時刻に開催される「青森花火大会」で打ち上がる1万発以上の花火との共演は必見です。
▲海上運行では花火が打ち上げられる

このように「青森ねぶた祭」の運行内容は日によって変わります。登場する団体が同じでも運行順を変えることから、6日間の開催中に同じ運行は一度としてありません。なお、各日に運行する団体は青森ねぶたの公式サイトや駅前で配れるパンフレットなどから確認することができます。

ねぶたを間近に見るには?

ねぶた運行は、JR青森駅から真正面に延びる新町通り、平和公園通り、国道4号線、八甲通りを結ぶ全長3.1kmのルートを通行止めにして約2時間かけて実施されます。

運行中は多くの観覧客で混雑するので、見る方法や場所を事前に決めておくのがオススメ。観覧方法には、有料観覧席を購入する方法と、沿道から見る方法の2パターンあります。有料観覧席は、各種チケットサービスや青森市内の販売店から購入できます。
▲青森市役所前の有料観覧席

購入できる観覧席は販売店によって異なり、場所によってもねぶたの見え方が異なります。例えば、道幅が狭い新町通りでは、より間近にねぶたを見られることから、その迫力を楽しめます。一方で道幅が広い国道沿いは、ハネトの動きや大太鼓、横笛の音など、運行全体を楽しみたい人にオススメ。有料観覧席にはパイプ椅子や桟敷席といった違いもあるので、ポイントを押さえて購入しましょう。

なお、曜日によって観覧客数に差があるため、観覧席の予約は早めに済ませた方がいいでしょう。
▲新町通りではねぶたを間近に感じられる(写真提供:あおもり草子)
▲国道4号線は道が広いため、団体全体を見渡すことができる(写真提供:あおもり草子)

歩きながら見たい人には、有料観覧席が少ない平和公園通りと八甲通りがオススメのポイントです。
▲沿道から見る青森ねぶた(写真提供:あおもり草子)

観覧をより楽しむために注目したいのが、ねぶたの曳き手を先導している「扇子持ち」の動き。この「扇子持ち」の号令で、ねぶたは上下にうねったり回転したり、といった演技を見せます。
▲その名通り、扇子を持って先導する「扇子持ち」。大型ねぶたを目の前で見ることができれば、感動すること間違いなし(写真提供:あおもり草子)

目の前でねぶたの演技を見るためのコツは、「扇子持ち」に気づいてもらうこと。「扇子持ち」が演技のタイミングを決めているので、気づいてもらえれば自分の目の前で演技してくれる確率が上がるんだとか。大迫力のねぶたをぜひ近くで見てみてください。

初心者OK!ハネトになって運行に参加してみよう

「青森ねぶた祭」の醍醐味の一つは、ハネトになって祭りに誰もが参加できること。「初めてだから」とか「初心者には難しいのでは」と踏み切れないこともあるかもしれませんが、全然問題ありません!
▲浴衣を着て、シゴキという布を腰に巻き、背中にタスキを掛ける。頭には花笠を被るのがハネトの正装

参加条件は実にシンプル。「ねぶた衣装」と呼ばれる浴衣のようなハネトの衣装を着用するだけ。購入すると1万円前後かかりますが、祭りの開催期間中は、市内の洋服店やスポーツ用品店などで特別にレンタルすることができます。これらのお店では荷物を預けることもできるため、荷物が多くなりがちな観光客でも気軽に参加できます。

ここで一つ注意が必要で、団体によっては着用すべき衣装の条件が異なる場合があります。お店の人がその人の参加意欲や衣装に合わせて団体を推薦してくれるので、きちんとアドバイスを聞いて参加する団体を選びましょう。
▲新町通りにある「ファッション・イン 甲州屋」では、ねぶた衣装を2,980円でレンタルすることができる(花笠や草履は販売のみ)

衣装の問題が解決したら、次は踊り。初めてでも本当に踊れるのか心配になりますが、基本的にリズムに合わせて跳ねるだけ。運動が苦手な人でも狂喜乱舞しているハネトたちの中にいれば、自然と体も動いてしまいます。
▲多い時は一台のねぶたに2,000人ものハネトがつくという

約2時間の運行ですが、途中で抜け出すこともできます。おのおのが楽しく声をあげたり飛び跳ねたりして無理せず楽しんでみてください。

「ねぶたの家 ワ・ラッセ」で青森ねぶたの迫力に圧倒されよう

「青森ねぶた祭」についてじっくり知りたい、学びたい人には、青森駅から徒歩1分ほどの場所にある「ねぶたの家 ワ・ラッセ」へ足を運んでみるのがオススメです。
▲カナダ人建築家が「日本の祭り」をテーマに設計したという特徴ある外観

ワ・ラッセは、2011年にオープンした青森市文化観光交流施設。見学できるスペースは、「ねぶたミュージアム」と「ねぶたホール」の大きく2つに分かれています。

「ねぶたミュージアム」には、ねぶたの歴史や制作過程などを紹介したパネルが展示されています。また、過去の青森ねぶたの写真やねぶたの制作者である「ねぶた師」の系譜なども展示されており、ねぶたの裏側をわかりやすく理解することができます。
▲青森ねぶたの歴史や制作工程を学ぶことができる「ねぶたミュージアム」
▲過去の大型ねぶたを写真で見ることもできる

一方の「ねぶたホール」では、1,500平方メートルものスペースに、大型ねぶたが計4台展示されています。青森ねぶたは公道を運行するため、高さ5m、横幅9m、奥行き7mというサイズ規定があります。しかし、ホールに堂々と鎮座しているねぶたを間近にみると、それ以上の迫力を感じてしまいます。
▲ねぶたホールに展示される4台

こちらで展示されているねぶたは、昨年の受賞ねぶた。最初に目に入ってくるのは、2017年の最高賞(ねぶた賞)と最優秀制作者賞をダブル受賞した「紅葉狩」です。
▲2017年のねぶた賞を受賞した「紅葉狩」

この作品は、歴史的快挙を成し遂げた作品でもあります。制作したねぶた師は北村麻子さん。女性が同賞を受賞したのは初。紅葉の宴で鬼女に襲われながらも勇敢に戦った武将の姿を描いています。
▲ねぶたには厄除けの意味あいもあり、睨みを効かせた題材が多いとも言われている
▲同じ作品でも角度によって印象がガラリと変わる

その迫力もさることながら、さまざまな角度から楽しめるのもねぶたの魅力。また、ねぶたは歴史的な場面や、歌舞伎・中国の歴史小説などをテーマにして作られています。そんな背景にも着目すれば、ねぶたの面白みや迫力が増すかもしれませんね。
▲地元藤崎町にある赤沼伝説をテーマにしたねぶた。赤沼に住み着いたカニが背中にいる

ねぶた制作現場を覗ける「ねぶたラッセランド」へ

「青森ねぶた祭」をさらにディープに楽しむためのスポットもあります。ワ・ラッセから徒歩5分ほど、青森観光物産館「アスパム」に隣接した「ねぶたラッセランド」(以下、ラッセランド)は、大型ねぶたの制作現場。祭りの期間中ねぶたの待機場所にもなっています。一般人でも立ち寄ることができ、さながら大型ねぶたの展示場です。
▲大型ねぶたが並ぶラッセランド

普段は公園となっているこの場所ですが、5月の連休が明けると小屋が立ち、およそ3カ月かけてねぶたが制作されます。
▲ねぶたが制作されるねぶた小屋

取材した6月中旬は、ねぶたの骨組みがほぼ完成し、800~1,000個もつけるというLED電球の電気配線を行っているタイミングでした。
▲窓が設置され、制作現場を覗くことができる

今回制作現場を見せてくれたのは、北村春一(しゅんいち)さん。若手のねぶた師として今後が期待される一人で、父は制作技術が高いと評判のねぶた師である北村蓮明(れんめい)さんです。春一さんは2007年に脱サラしてねぶた師の道を歩み始めたそうです。
▲青森ねぶた師の北村春一さん

下絵を元に設計図を作り、骨組みしていくこの作業。角材をつないだり、細かい形を表現したりするために使われる針金の量は一台につき約250kgだとか。見当がつきませんが、とにかくすごい量だということだけはわかります。
▲下絵をもとに作られた設計図にならって骨組みを作っていく

2018年、春一さんが制作するテーマは「西王母(せいおうぼ)の祝福」。ねぶたで女性をテーマにすることは珍しく、これは春一さんの挑戦でもあります。「青森ねぶた祭に新しい風を吹かせたい」と笑顔を見せる春一さん。今から運行当日が楽しみです(春一さんのねぶたは3日を除く全日運行します)。
▲女性をテーマにした青森ねぶたは少なく、あえて挑戦したという

なお、ラッセランドでは地元ボランティアガイドによる案内サービスも提供しています。ねぶたの解説だけでなく、地元ならではのマニアックな情報なども聞けるかもしれませんね。

お土産や思い出作りに自分でねぶたを作ってみよう

最後に紹介するのは、ねぶたのお土産を買うのにぴったりなショップ「ねぶた屋」です。ワ・ラッセとラッセランドの間に位置する空きガレージを利用した店内には、若手ねぶた制作者の作ったさまざまなグッズが置かれています。
▲ねぶた屋の店内

ねぶたグッズを購入できるだけでなく、「だるまリンゴねぶた」の制作体験もできます(体験料金:税込7,500円、体験時間:3~4時間)。リンゴの形をしたダルマに墨書きをし、色付け、ロウ書きをしてねぶたを作るというワークショップで、できた作品はその日に持ち帰ることができます。
▲左のガラスケースに入っているのが「だるまリンゴねぶた」。右は、同じく制作体験できる「ねぶたdeライト」(体験料金:税込2,160円、体験時間:20〜40分)

7月中旬~祭りの開催期間中は制作体験を実施していませんが、ねぶたの魅力に触れられるいい機会になりそうですね。
見るだけでなく、ハネトとして参加したり、ねぶたについて深く学んだりすることもできる「青森ねぶた祭」。今回は「青森ねぶた祭」に絞って紹介しましたが、冒頭でお伝えした通り、青森の各地域に「ねぶた・ねぷた」があり、それぞれに特徴があって楽しみ方もさまざまです。ぜひ「青森ねぶた」だけでなく、他地域の「ねぶた・ねぷた」なども見に訪れてみてください。
※ねぶた運行の写真は2017年以前に撮影されたものです。
くどうたける

くどうたける

東京でウェブライターを経験し、2012年に青森へ移住。地域新聞や地域の情報を発信するお仕事をいただきながら、田舎でせっせと暮らしてます。(編集/株式会社くらしさ)

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