山梨で桃尽くし。桃農家カフェ「ラ・ぺスカ」で桃スイーツを堪能!

2018.08.03 更新

桃とぶどうの生産量全国第1位(平成28年果樹生産出荷統計・農林水産省)を誇り、フルーツ王国と呼ばれる山梨県。県内には、収穫体験ができる農園をはじめ、観光施設や直売所など採れたてフルーツの美味しさを楽しめるスポットが数多く点在します。なかでも山梨市にある「桃の家カフェ ラ・ぺスカ」は、スイーツや食事メニューすべてに桃をふんだんに使った、桃好きにはたまらないカフェなのです!

恵まれた地形と気候条件で、甘くたわわに実った桃

甲府盆地の東部、甲州市・笛吹市・山梨市の3市で構成される峡東(きょうとう)地域。この地域は、昼夜の気温差が大きく日照時間が長いこと、さらに水はけがよく降水量が少ないという風土から、果物の栽培に適したエリアです。なかでも桃とぶどうの生産量は群を抜いており、日本一の産地として知られています。
▲高台にある「山梨県笛吹川フルーツ公園」から望む甲府盆地

そんな峡東地域の一角、中央自動車道・勝沼ICから車で20分ほどの場所に「桃の家カフェ ラ・ぺスカ」(以下、ラ・ぺスカ)はあります。こちらは、桃を中心とした果物栽培・加工品の販売を行なう会社であるピーチ専科ヤマシタが、「おいしい桃を食べてもらいたい」「愛して育ててきた桃を、この畑の中で味わってもらいたい」という想いから2008年にオープンさせたカフェ。毎年6月中旬~10月初旬の期間限定で営業しています。
▲桃とぶどう畑に囲まれた静かな住宅街にあるカフェ

訪れたのは6月中旬のカフェオープン初日。にもかかわらず、山梨県内をはじめ県外ナンバーの車も多く見られ駐車場は満車。店内も混雑していました。それだけ、みんな首を長くして待っていた証拠です。

なお、桃メニューは収穫状況によって早期終了となる可能性があります(メニューによって終了時期は異なる)。その後はぶどうメニューが中心となりますが、桃尽くしを楽しみたい場合は夏の早い時期に訪れることをおすすめします。
▲店舗の運営を任されている奥様が、毎年趣向を凝らし店内づくりも手がける

店内は、木を基調にした落ち着いた雰囲気。プロの手によりあつらえられた緑や花が、お店の周りや店内を飾っています。1階には店内席とテラス席、2階には店内席とデッキ席が設けられ、思い思いの席でのんびり過ごすことができます。特に2階のデッキ席からは、正面にある兜山(かぶとやま)と桃畑を見渡すことができ、吹き抜ける風が心地よい開放感ある空間になっています。

宝石のような桃を贅沢に使ったスイーツが目白押し

お店の中には、ほのかな桃の香りが漂っています。収穫したばかりの桃を使ったスイーツやドリンクが11種類も!食事メニューも含め、すべて桃尽くしです。
早速「ラ・ペスカ」ならではの桃メニューを注文してみましょう。
▲飽きさせないようにと、毎年少しずつ進化するメニュー

まずは、ここに来たら外せない「ピーチジュエル」。名前の通り宝石のようにコロンとした生の桃が乗った一番人気のパフェです。くし切りの果実の下には、角切りにされた生の桃、桃のジェラート、シャンティ(生クリーム)、桃のジュレ、コンポートなどが層になっています。
▲「ピーチジュエル」(1,100円・税込)。このかわいいフォルムがインスタ映えすると人気に火が付いた

さっそく食べてみると…桃の瑞々しさと適度な甘さが、生クリームと相性バッチリ!シュトロイゼルというフレークのようなドイツのお菓子が中層に入っているのですが、シナモンが効いていて、より一層桃の風味を引き立てています。
▲こんなに大きく角切りにされた生の桃が入っている

ジェラートと生の桃の温度感が口の中でちょうどよく溶け合い、ジューシーに味わうことができます。ジェラート、ジュレ、コンポートの甘味や酸味など、いろいろな風味が、次から次へと口の中に飛び込んできて楽しませてくれます。
▲続いて運ばれたきたのは、太陽に見立てた盛り付けが印象的な「ピーチソレイユ」(1,150円・税込)

こちらは、2008年にカフェを始めた当初、オーナー山下さんの友人で陶芸家の方が発案した記念すべきメニュー。生の桃2個分を盛り付けた、なんとも贅沢な一品です。とにかく桃をたくさん食べたい人におすすめ。

桃の上にチョコレートジェラートが乗った組み合わせに、最初こそ驚きましたが、桃の爽やかな甘さがチョコレートの濃厚さを和らげて、清涼感があるほど!ジェラートの下に敷かれたパイの皮、ココアのメレンゲも相まって、甘さが変わっていくのを楽しめるのも嬉しいですね。
▲「桃のサンドイッチ」(650円・税込)

ちょっとお腹も空いている、そんな時に食べたいのが「桃のサンドイッチ」。食パンに生の桃と生クリームをサンドした、いたってシンプルなメニューです。しかし、アクセントに入ったラズベリーソースとヨーグルトクリームで爽やかな風味に。これは病みつきになりそう!ボリューム満点と思いきや、意外にさっぱりしているのでぺロッと完食してしまいました。
▲ドリンクメニューも充実。「桃の紅茶」(500円・税込)には、生の桃以外に刻んだ桃のコンポート、桃のピューレ、レモン、オレンジが入っている

見た目のインパクトも十分な、桃を贅沢に使ったメニューの数々。食べるのはもったいない!と思いつつ、いつまでも食べられてしまう美味しさに、お腹も心も満たされました。

自社工房で作った24種類のジェラートも見逃せない!

お店の外も賑わっているので覗いてみると、カフェの隣にジェラートショップが併設されていました。カフェより、ひと足先の6月初旬にオープンしているテイクアウト専門店です。
▲ついつい立ち寄りたくなる、かわいらしい雰囲気のジェラートショップ(営業期間:6月初旬〜10月初旬)

こちらでは、自社工房で製造したオリジナルのジェラートを2013年から提供しています。自社農園で収穫された桃や、元スタッフが手掛けるぶどうなどから多くのジェラートを開発し、これまで24種を商品化しています。
▲ショーケースの中にはこの日、桃のフレーバー6種をはじめ、ぶどう、山梨特産の柚子、柿、味噌など計12種のジェラートが並んでいた

人気No.1の「黄金桃」と、淡いピンク色がかわいい「アルプス小町」をコーンのダブルでいただきます。
▲コーン・シングル(480円)、ダブル(530円)※いずれも税込

黄色味が強いほうが黄金桃で、とっても滑らかな舌触り。濃厚な甘さの中にほんのり酸味がある美味しさです。一方のアルプス小町は、つぶつぶした食感を楽しめる夏にぴったりのさっぱりした味わい。どちらもジェラートなの?と思ってしまうぐらい桃本来の味がダイレクトに伝わってきました。
▲桃のジェラート3種とぶどう(一番右)のジェラート。カップ・シングル(450円)、ダブル(500円)※いずれも税込

一本一本の木にカルテがある桃づくり

どうして、これほどまで桃尽くしなの?オーナーの山下一公(いっこう)さんに伺ってみました。
▲「美味しい桃を作りたい!その一心で桃を育てている」と雨の中、畑から帰ってきた山下さん
ピーチ専科ヤマシタでは、自然の気候に耐える強い農作物を作ることを目的にしています。除草剤を一切使わず、雑草などを生えさせて地表面を保護する「草生栽培」を行うことで、丈夫な土を形成。化学合成した肥料も極力避け、農家にとって重要な土作りを、たゆまぬ努力で続けてきたそうです。
▲春になると、桃の花で辺り一面ピンク一色になる

「毎年同じということはない天候と、それぞれの木が持つ特性をしっかり把握するために、約1,000本ある桃の木一本一本にカルテを作成して成長記録をつけているんです」(山下さん)

こうして山下さんが先代から継いだとき1.3haだった桃畑は、2018年現在までに6haにまで拡大。山下さんは桃の生産のほか、桃づくりの楽しさを伝える農業ボランティアサポーターを募るなど、精力的に活動しています。
▲山梨では収穫直後の固い桃を好んで食べる人が多いそう。「固い桃が美味しいということを、一般消費者の方に理解してもらうのに時間がかかった」と山下さん

「桃はデリケートだから、桃同士を隣に並べて置いておくだけで、その部分が痛んでくるんです。味は変わりませんが、出荷はできなくなってしまいます。また、搬送中の衝撃でも痛むので、通販や出荷した桃では、収穫したての美味しさを味わってもらえないんですよね。美味しい桃を、そのままの美味しさで食べてもらいたいと思って『ラ・ペスカ』を始めました」(山下さん)
▲時期によっては店内で桃の販売もしている

「桃の中には、加工することで美味しさが引き立つ品種もあります。桃それぞれの一番美味しい活かし方を追求するのが楽しい」と山下さんは続けます。そんな思いから、「ラ・ペスカ」では加工品の販売も行なっています。
▲左から「白桃100%ジュース」(250ml/370円)、「黄金桃50%ジュース」(同/370円)、「ベリーA100%ジュース」(同/398円)、手前・「ももジャム」(130ml/426円)、「黄金桃ジャム」(同/426円)、「あじろんジャム」(同/370円)※すべて税別

「桃の持つ可能性を広げたい。それを表現する場所がここなんですよ」(山下さん)

桃の魅力を十二分に発揮したピーチ専科ヤマシタの「桃農家カフェ ラ・ペスカ」。ここには、桃づくりに捧げる熱い想いと野望が詰まっていました。コンセプトに掲げる「来て見て感動」をぜひ体感しに訪れてみてください。今まで味わったことのない桃の美味しさにきっと出合えるはずですよ。
堀内麻実

堀内麻実

anlib代表。編集者/ライター。山梨県のおもしろくてかわいいモノ・コト・ヒトを女子目線で発信しています。 (編集/株式会社くらしさ)

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