最短20分で標高1,300m級の頂上へ!琵琶湖の絶景を見下ろす伊吹山お手軽散策

2018.08.02 更新

標高1,377mを誇る、滋賀県で一番高い山・伊吹山(いぶきやま)。岐阜県との県境に位置し、日本百名山のひとつとして県民に親しまれています。実はこの山、徒歩で最短20分で頂上へ登れるだけでなく、日本一大きな湖・琵琶湖の絶景を望めるとあって観光客にも人気。そこで今回は、登山初心者でも気軽に登れる伊吹山の散策ルートをご紹介します!

▲高山植物のお花畑も(写真提供:米原観光協会)

伊吹山ドライブウェイで9合目を目指そう

登山シーズンは春から夏。天候の良さはもちろん、頂上から見下ろす絶景の琵琶湖、そして山のあちこちで見られる高山植物のお花畑を目当てに、登山客やハイカーが各地から訪れます。
▲滋賀県民に親しまれている伊吹山

そんな伊吹山へアクセスするには、大きく分けて2つの方法があります。ひとつは、滋賀県米原市上野にある登山口から片道3時間ほどの登山道を徒歩で登るパターン。もうひとつは、岐阜県関ケ原町を起点とする有料道路・伊吹山ドライブウェイを利用し、9合目にある食事・お土産スポット「スカイテラス伊吹山」の駐車場まで車で向かい、そこから徒歩で登るパターンです。

今回は登山初心者でも気軽に挑戦できる9合目から頂上を目指します!
▲伊吹山口から「スカイテラス伊吹山」までは30~40分の道のり。山肌をうねるように続く道を登っていく

まずは名神高速道路・関ケ原ICを降り、「伊吹山口」から伊吹山ドライブウェイへ。9合目までは1本道なので迷うことはありません。取材で訪れた6月は、車窓から見えるのは目のさめるような緑色。心なしか空気も美味しく感じられます。
▲山の間から徐々に麓の景色が現れる。遠くに琵琶湖を望むことも(スカイテラス手前の停車場からの景色)

徒歩で最短20分!頂上へのルートは2つ

「スカイテラス伊吹山」へ到着したら、駐車場に車をとめて徒歩で頂上へ向かいます。登山道は、目的や難易度別に「西」「中」「東」の3つに分かれています。登りに利用できるのは「西」と「中」の2つ。
▲伊吹山登山道

西側の山肌に沿うように造られた西登山道の入り口は、「スカイテラス伊吹山」駐車場の奥にあります。足元に小石が敷かれ歩きやすく整備されているので、山からの景色や高山植物を見ながら登るにはベストの道です。
▲西登山道の入り口。山頂までの所要時間を教えてくれる親切設計が嬉しい

一方、中央登山道は約20分で頂上へ到着できる最短コース。山肌を正面にして登るので、やや急こう配の階段が頂上付近まで続きます。先に頂上へ到着してからゆっくり景色を楽しみたい場合は、中央登山道からのスタートもおすすめ。
▲中央登山道も整備されているので、比較的歩きやすい(写真提供:米原観光協会)

なお、下り専用の東登山道は、西・中央登山道と比べて最も自然の状態が残っています。この道でしか見られない花もありますが、登山上級者向けのルートです。
今回は、道中の景色もゆっくり楽しみつつ登りたいので、西登山道ルートを登り、中央登山道を下るルートに挑戦してきました!

【西登山道】風にそよぐ草花と鳥の声に癒される

▲傾斜がなだらかな西登山道。目の前には山と空だけ!
▲歩きやすい道ですが、やはり歩きなれた靴が安全。スニーカーや登山靴で登ろう

西登山道に入ると、正面には青空、左手に山肌、右側に伊吹山系の山々が望めます。視界が大きく開けているので爽快感抜群!

時折サーッと吹き抜ける風と、天高く響きわたる野鳥のさえずり、風に揺れる草花のざわめきを全身に感じながらの散策は、心が洗われるよう。
▲登山道を振り返ると、遠くに伊吹山系が広がる。大自然に包まれて、新鮮な空気を胸いっぱいに吸い込みたくなる

そして足元に目をやると、クサタチバナやヒメレンゲ、イブキシモツケやカノコソウ、アザミといった高山植物が花をつけ始めていました。
▲白い花をつけるクサタチバナ(見頃:5月下旬~6月)
▲山肌に張り付いて咲くヒメレンゲ(見頃:6月)
▲手毬のように愛らしいイブシモツケ(見頃:5月中旬~6月中旬)
▲淡い色がかわいいカノコソウ(見頃:6月)
▲花の周りには蝶などの昆虫が集まっていた

7~8月はさらに多くの草花が山肌に咲き乱れ、さながら天空のお花畑のような華やかさで登山客を魅了します。
▲7~8月には色鮮やかな花畑が出現!艶やかなピンク色のシモツケソウがまぶしい(写真提供:米原観光協会)
▲頂上付近に現れるシモツケソウのお花畑(写真提供:米原観光協会)
▲山を彩るアザミの花(見頃:8~9月)

ゆっくり歩くこと50分、ようやく頂上が見えてきました。その手前には琵琶湖を見下ろせる展望台があるとのこと。頂上への道を逸れて、まずは展望台へ向かいます。
▲西登山道を逸れて右側へ寄り道♪

1分ほどで展望台に到着。とは言っても、簡素な柵があるだけ。足元に注意して前方に視線を向けると、視界いっぱいに青色の湖面!「うわー」と思わず声を上げてしまうほどの大パノラマです。この眺めは県下一の伊吹山だからこそ。ここまで登らなければ見ることのできない、貴重な絶景です。
▲壮大な琵琶湖の景色に感動!

頂上に着いた!登ったあとの一服は格別

展望エリアから戻り、いよいよ頂上に到着!9合目からの出発でしたが、それでもかなりの運動量。頂上へ着いた時の感動もひとしおです。
▲山頂標識を発見。これを見ると登りきった実感がわいてくる
▲山頂標識の隣には日本武尊(やまとたけるのみこと)の像。伊吹山の荒神を征伐しようとした日本武尊が、荒神から大きな痛手を負ったという伝説にちなんで祀られている

伊吹山より高い山が周囲にないため、山頂から360度の景色を見渡せます。天気が良い日は、西に琵琶湖や比叡山、東に岐阜県の街並み、南は鈴鹿山脈や伊勢湾、北は御嶽山や日本アルプス、遠くは富士山まで見えることも!
▲山頂から眺めても、琵琶湖は視界に入りきらないほどに大きい!雲がかかって見えにくくても、時間が経つと雲がはける場合も(写真提供:米原観光協会)
▲どの方角に何が見えるかを示したモニュメント。余裕があれば東西南北の景色を堪能しよう。ベンチに座ってゆっくり休憩するのも◎

頂上にある休憩処にも立ち寄ってみて。コーヒーやソフトクリームなどのほか、カレーやそばなどの軽食にお酒まで揃っています。頂上で味わう食事は、いつもの何倍も美味しく感じられるはず。
▲頂上のロッジやカフェが目に入るとホッと安心した心地に。「お疲れ様。ゆっくり休んでいって!」と気さくに声をかけてくれるお店のスタッフに癒される
▲頂上にあるベンチで景色を見ながら味わうソフトクリーム(400円)は絶品。疲れも一気に吹き飛ぶ
▲頂上付近はなだらかな平地で歩きやすい

下山は中央登山道を通れば20分ほどで9合目まで

▲頂上から中央登山道を見下ろすと、降り口まで急な階段が続いている。足腰が心配な人は、無理せず西登山道から下山しよう

一息ついたら、帰りは最短で下山できる中央登山道を通って「スカイテラス伊吹山」まで下山します。こちらの登山道でも美しい高山植物や景色を目にすることができます。直線的なルートなので、9合目まではあっという間に到着することができました。

「スカイテラス伊吹山」でお土産&食事も

9合目まで戻ってきたら、土産物や食事コーナーのある「スカイテラス伊吹山」へ。店内の手前に土産コーナーが、奥に食事コーナーがあります。
▲駐車場の一番奥に構える「スカイテラス伊吹山」。店舗左手には3階建ての展望スペースも

お土産コーナーには地元の名産品がずらり。中でも、毎年5~7月の間だけに採れる、伊吹山の花々の蜜を集めたはちみつ「伊吹百草蜜」がおすすめ。コクのある独特の味わいがクセになりそう。
▲ミツバチが集める花の蜜の種類が多いほど、味に深みが出るという。「伊吹百草蜜」(150g・1,100円)

一説によると、日本でそばが最初に伝わったのが伊吹山麓周辺とされることから、伊吹山は“そば発祥の地”と呼ばれています。また、この山独自の薬草が自生しているため“薬草の宝庫”と称されることもあるそうです。そのことから、同店では薬草をブレンドした入浴剤やそばなども人気。散策で疲れた体を薬草の入浴剤で労わり、お風呂上りにそばで一献…といった楽しみ方も良いかもしれません。
▲ほどよくコシのあるそばと、少し甘めのそばつゆ、シャキシャキとした山菜がベストマッチ。「伊吹そば(山菜)」(870円)

店内奥の食事コーナーでは、そばやうどん、カレーなどがラインナップ。そば発祥の地らしく、かき揚げや山菜をトッピングした「伊吹そば」が人気です。

カフェコーナーでは伊吹山のふもとの湧き水を使った「伊吹名水コーヒー」(300円)や、ハーブティー(350円)などもいただけます。伊吹山系を見下ろすテラス席でゆったりくつろいでみては。
▲気象条件が合えば、スカイテラス駐車場から雲海が見えることも。早朝3時からドライブウェイがオープンしている夏場が最も見えやすい(写真提供:米原観光協会)

なお7月14日~8月末は、米原駅からスカイテラス伊吹山を結ぶ「伊吹山登山バス」(片道1,400円)が毎日運行。こちらのバスも便利ですよ。
そして紅葉シーズンの伊吹山もおすすめ。10月初旬~中旬ごろに頂上あたりから色づきはじめ、そのあと11月中旬~下旬ごろ 、約1カ月かけて中腹あたりが見頃を迎えます。山全体が赤や黄色に染まり、素晴らしい景色を見せてくれます。
▲錦のように鮮やかな伊吹山(写真提供:伊吹山ドライブウェイ)

1,300m級の名山でありながら、登山初心者も手軽に登ることができる、魅力的な伊吹山。忙しい毎日を抜け出して、山の大自然の中でリフレッシュしてみませんか?
※記事中の価格は全て税込です
中河桃子

中河桃子

編集・ライター、京都出身滋賀育ち。大学在学中に京都でライター業を開始。以後、関西・東京の出版社や制作会社で、グルメ・エンタメ・街情報を中心に18年以上携わる。新しいもの・おいしいもの・興味のあることは自分で体感しないと気が済まない現場主義。今は酒蔵巡り・和菓子作り・美術鑑賞・旅にハマり中。

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