奄美大島の極旨グルメ「鶏飯」を味わうならココ。鶏飯発祥のお店「みなとや」へレッツゴー!

2018.07.05 更新

ホカホカのご飯に彩り豊かな具材をのせて、アツアツのスープをたっぷり注いだおいしそうなこの料理。一見お茶漬けのようですが、「鶏飯(けいはん)」といって、鹿児島県・奄美大島のソウルフードなんです。今回は本場の鶏飯を味わうべく、奄美の鶏飯専門店「みなとや」に行ってきました。

鶏飯発祥の店「みなとや」

何はともあれ、食べてみなくちゃ始まらない!というわけで、向かったのは鶏飯発祥の店として有名な「みなとや」です。
▲鶏の石像が目印

「みなとや」は奄美空港から車で10分ほどの笠利町(かさりちょう)というところにあり、アクセスも抜群です!

「鶏飯」ってどんな料理?

ではさっそく、鶏飯をオーダー。
鶏飯は、ご飯に鶏肉や錦糸卵などさまざまな具材をのせ、丸鶏を煮込んで作ったスープを注いで食べる奄美大島のソウルフード。お茶漬け感覚で食べられてとてもヘルシーなので、奄美大島では子どもからお年寄りまで多くの人に愛されています。

スープに使った丸鶏は、細かく裂いて鶏飯の具材に使います。鶏を余すことなく味わえるのが鶏飯の特徴なんですよ。
▲鶏飯(1人前・税込1,000円)。小学生以下用のお子様鶏飯(1人前・税込500円)もある

鶏飯は通常、このようにご飯はお櫃(ひつ)で、スープは鉄鍋で提供され、セルフで盛りつけて食べます。1人前で2~3杯ほどいただける量。

具材は店舗によって多少異なりますが、「みなとや」は、鶏肉、錦糸卵、干ししいたけ、大根の漬物、ネギ、海苔、そして薬味のタンカンパウダー(柑橘類のタンカンの皮を乾燥してパウダー状にしたもの)の7種類。具を7種類にしているのは「ラッキーセブン」のゲン担ぎで、「食べた人が幸せになるように」との思いが込められているそうです。
女性にはちょっと多そうな気もしますが、ペロッと食べられるのが鶏飯マジックです。

7種類の具材は自分で盛りつけていくのですが、鶏飯をおいしくいただくためには盛りつけ方にもポイントがあるのだとか。

鶏飯の正しい食べ方をマスターしよう

鶏飯をおいしくいただくためには、ご飯と具材、スープのバランスが大切なのだそう。まず、ご飯を少なめによそい、具は鶏肉と錦糸卵をメインにたっぷりとのせます。
▲スープは並々と注ぐべし!

そして、スープもたっぷり注ぎます。スープが多いと、サラサラとかきこむように食べることができます。鶏飯の「キモ」は、なんと言っても琥珀色のスープ。そのおいしさを最大限に味わうためには「ご飯少なめ、スープ多め」が大切なんですね!

究極のスープに魅せられて

では、いよいよ実食です。
食べてみると、鶏飯の「キモ」がスープだということを実感します。スープがとにかくおいしいんです!鶏の旨みがギュッと凝縮していて、濃厚なのに脂っぽさはなく、力強さと優しさを感じられます。スープを飲むだけでも十分すぎるほどの満足感。これはぜひ一度味わっていただきたい!

錦糸卵や鶏肉も極細に切ってあるので、喉に引っかかることがなく、とても食べやすいです。

それにしてもこのスープ、一体どうやって作っているのでしょうか?
▲表面に脂が浮くほど濃厚なスープは、ただただおいしい!

驚くべきことに、「みなとや」のスープは、調味料などは一切使わず、笠利町の養鶏場で育った雌鶏のみを丸ごと煮込んで作っているそうです。鶏ダシの真骨頂ともいうべきお味の秘密は、使用している鶏肉にありました。

「うちでは創業時からずっと、笠利町で育った新鮮な雌鶏のみを使っているんですよ」と2代目女将の池山喜美子さんは話します。自然豊かな笠利町でスクスク育った鮮度抜群の雌鶏だからこそ、うまみたっぷりのスープが作れるんですね。

そういえば、「みなとや」は鶏飯発祥の店。創業時のお話を伺ってみました。

試行錯誤のすえ辿り着いた、現代風の鶏飯

▲時代とともに旅館から鶏飯専門店に生まれ変わった、現在の「みなとや」

「みなとや」は元々は旅館だったそうです。1946(昭和21)年に「みなとや旅館」を創業した岩城(いわき)キネさんが、旅館の名物になるような料理として考案したのが、古くから奄美に伝わっていた郷土料理・鶏とご飯を一緒に炊いた鶏飯をお茶漬け風にアレンジした今の鶏飯なのです。

キネさんは、新しい鶏飯を開発するにあたって何度も試行錯誤を繰り返したといいます。今ではすっかり定着したお茶漬けスタイルの鶏飯は、キネさんの研究の賜物。すべてはここ「みなとや」から始まったんですね。
▲創業時のレシピを今も変わらず守り継いでいる

昔の鶏飯は、鶏の炊き込みご飯のようなものだったそうで、その歴史は約400年前にさかのぼります。当時薩摩藩の支配下だった奄美大島の人々が、来島した薩摩の役人をもてなすためにふるまった贅沢な料理――それが鶏飯でした。貧しい島民にとって、鶏飯は超贅沢品。貴重な鶏を無駄にしないため、身も骨もすべて使って作っていました。

時代とともにスタイルは変わっても、「食べ物を無駄にしない」という精神は、現在の鶏飯にもきちんと受け継がれているんです。
▲店名と鶏のイラストが描かれたプレートは特注品なのだそう

「みなとや」の鶏飯のおいしさを象徴する逸話もあるんですよ。1968(昭和43)年に現在の天皇皇后両陛下が来島された際、両陛下は「みなとや」の鶏飯を召し上がり、おかわりを求められたほどお気に召したご様子だったのだそう。すごいですよね!

また、ほぼすべてが手作りなのも「みなとや」のこだわり。たとえば錦糸卵は、なんと10個口のコンロで毎日焼いているのだとか。「家族3人で切り盛りしているから、たくさんは作れません。その日作ったものだけを提供しているため、売り切れてしまう日も多いです」と池山さん。

早ければ朝3~4時に起きて仕込むこともあるそうですが、「鶏飯専門店だからこそ、まごころ込めて手作りする」というポリシーは、ずっと変わりません。

鶏飯と並ぶ、奄美名物を発見!

さて、ここでもう一つご紹介したいサイドメニューがあります。「みなとや」でも人気のドリンクなんですが、これなんだと思いますか?
▲奄美大島のソウルドリンクともいえる「ミキ」(1杯・税込250円)

甘酒のように見えるこの飲み物、島民なら誰でも知っている「ミキ」というドリンクなんです。飲んでみると、甘酒に少しだけ酸味のあるヨーグルトを足したようなお味。もったりしていますが、意外と爽やかな飲み口で、とてもおいしいです。

「ミキ」は、米粉と水、砂糖を混ぜて煮詰めたあと、すったサツマイモを入れて発酵させて作ります。昔は家庭でもよく作られていたそうで、疲れたときに飲みたくなるドリンクです。島外ではめったに手に入らないご当地ドリンクなので、来島の際はぜひ飲んでみてくださいね。
▲波が穏やかな「崎原(さきばる)海岸」は、海水浴も楽しめるおすすめの観光スポット♪

「みなとや」の周辺には、「崎原海岸」など、島北部の絶景スポットもあり、観光ついでに立ち寄るにはピッタリの立地です。夜営業は行っていない上に、材料がなくなり次第終了なので、開店と同時に来店するのをおすすめします。
鶏飯は、ランチにぴったりのほど良いボリューム感も魅力です。一度その味を知ると、鶏飯を食べるために奄美に行きたくなるほどヤミツキになるかも!?そんな鶏飯マジックを、ぜひ体験してみてください。
さわだ悠伊

さわだ悠伊

鹿児島市出身・在住のフリーライター。グルメ、旅、コラム等ジャンルや媒体を問わず活動中。鹿児島県内の離島取材も豊富。

※本記事の情報は取材時点のものであり、情報の正確性を保証するものではございません。最新の情報は直接取材先へお問い合わせください。
また、本記事に記載されている写真や本文の無断転載・無断使用を禁止いたします。

こちらもおすすめ

もっと見る

今おすすめのテーマ

PAGE TOP