城ヶ崎海岸のつり橋はスリル満点! 東伊豆ならではの絶景を堪能

2018.06.23 更新

美味なグルメと温泉、絶景の三拍子がそろう静岡県の伊豆半島。その東岸の中央部に位置する伊東市の「城ヶ崎海岸」で待っていたのは、大自然の神秘を体感できる景色、そしてこれからの季節にもぴったりの爽快感でした。高い所が苦手な人は、ちょっぴり肝を冷やすかも……。

城ヶ崎海岸のつり橋を目指し、ピクニカルコースへ

伊東市を代表する観光スポット「城ヶ崎海岸」。その魅力を堪能するためには海岸沿いの遊歩道が整備された「ピクニカルコース」を歩くのがオススメです。ゆっくりと歩いておよそ2時間のコースになります。
▲ 伊豆急行富戸(ふと)駅を出発して徒歩約15分、まずは「三島神社」にお参り

伊豆急行・富戸駅を起点として、伊東市の有形文化財に指定されている三島神社へお参りしてから出発。このコース上には日本で有数のダイビングスポットもあり、海を眺めながら歩ける道が続きます。
▲ ピクニカルコース内にある磯料理の店「ぼら納屋」。三島神社から徒歩でおよそ30分

ダイビングスポットや富戸漁港を過ぎて見えてきたのは、茅葺きの屋根が印象的なぼら納屋。ぼら納屋は金目鯛をはじめとする伊豆の地魚を味わえる磯料理店で、早くもお腹が鳴りそうでしたが、散策から戻ってきた時に寄ることにしました。

ぼら納屋からしばらく歩くと、城ヶ崎海岸の案内看板があります。この海岸は、伊豆高原にそびえる大室山(おおむろやま)の噴火によって形成された景観であることが記されていました。
▲ 途中、左手には大海原の絶景が広がっています

大室山の噴火は約4000年も前のこと。相模灘になだれ込んだ溶岩流が海水に冷やされながら次第に陸地を形成し、今の城ヶ崎海岸になったのだそう。うーむ、まさに自然の神秘。大室山も伊東市を代表する観光地ですが、そちらへも行ってみたくなりますね。
▲ ピクニカルコースのところどころに休憩処が
▲ 対黒船用の防備砲台跡

幕末の黒船来航後に整備された砲台跡もありました。こちらは徳川幕府が韮山の代官・江川英龍(ひでたつ)に伊豆の防衛を命じたことで配備されたもの。江川英龍は世界遺産の韮山反射炉を築いたとして知られる偉人です。
そんな歴史の痕跡や絶景だけでなく、足元の小さな草花も目を楽しませてくれるピクニカルコース。例年6月にはアジサイ、7月にはハマカンゾウやスカシユリ、秋にはイソギクヤツワブキがかわいらしい花を咲かせるそう。
▲ハマカンゾウ

コースを彩る景色に癒されながら歩いているうち、次第に“溶岩流で形成された海岸”らしい景観になってきました。このボコボコとした岩、おそらく溶岩でしょう……。さらにその先に、ちょっと怖い? 驚きの光景が。

全長48m×高さ約23m、スリル満点の「門脇つり橋」

城ヶ崎ピクニカルコース最大のお楽しみ! 断崖絶壁に掛かる「門脇つり橋」です。
約4000年前の火山噴火がもたらしたという辺り一帯の地形はどうなっているのか、恐る恐る下を見ると……
この通り、サスペンスに登場しそうな景色。海面までの高さは約23mということで、ビル7~8階くらいの高さです! よーく見ると、海面の下からゴツゴツとした岩が見えますが、これも溶岩ということなのでしょう……。すごいスケール感です。

すごいすごい!キャー怖い! という声とともにつり橋をわたる観光客の声がこだましていました。高いところがそう苦手でもない筆者は、何度か往復して爽快なスリルを満喫したり、動画を撮影したりして、楽しいひとときを過ごしたのでした。

「門脇埼灯台」で伊東の風景を堪能し、ぼら納屋へ

つり橋を渡った先には、昭和35(1960)年に建築された「門脇埼灯台」がありました。灯台の高さは地上24.9m。地上17mのところに展望室(入場無料)があり、そこから伊豆七島や天城連山を望めます。
▲ 360度の風景を楽しめる門脇埼灯台。ここから大室山も見える

まさしく絶景! つり橋は怖くて景色を楽しむ余裕がなかった方もこちらからならゆっくり、伊豆ならではの絶景を楽しめますよ。

そろそろお腹も減ってきたところで、灯台を後にして一般道の方へまわり、ぼら納屋へ戻ります。
取材に訪れた4月中旬にはちょうどツツジが咲いていたり、緑も綺麗で、心地よい散策となりました。
そんな道すがらで特に驚いたのは、野生のリスが見られること(残念ながら写真は撮り逃してしまいました)。この界隈では普通に生息しているようで、何回か筆者の前を横切りました。車を運転する際には、かわいい動物を轢いてしまわないように気をつけたいですね。
▲ 先ほど通りかかったぼら納屋へ到着

さて、このぼら納屋。実はすごい歴史が秘められているのです。磯料理店としての営業が始まったのは昭和43(1968)年ですが、この建物自体はそのずっと昔から存在していました。

この界隈では江戸時代から300年以上もの間「ボラ漁」が盛んで、ボラが回遊する時期になると、村人がこの納屋に住み込み、漁の準備をしていたのだそうです。
近年になるとボラが獲れなくなり、ボラ漁の衰退とともに、この納屋も使われなくなりました。撤去寸前となった際に地元の地権者が一致協力し、この建物を残せるようにと始めたのが、今の「磯料理 ぼら納屋」なのです。
▲ 店内には漁で使用されていた古道具も展示されています

このお話を教えてくれたのは、城ヶ崎の観光開発も手がける店の支配人、日吉(ひよし)公明さん。
日吉さんによると、この海で獲れたボラは徳川幕府に献上され、時の三代将軍徳川家光公が食した記録も残っているというから驚き。そんなボラ漁の拠点となっていた建物だからこそ、後世に残したいという想いが強かったのでしょう。
▲ ボラの群れを見つけるための「魚見小屋」

「家光公が食したのは、ボラが出世魚といわれていたからでしょうね。あとベテランの漁師はね、遠くでボラが一匹跳ねると、その周辺にどのくらいのボラがいるかすぐにわかったもんだよ」と日吉さん。ボラを見つけるための「魚見小屋」跡がぼら納屋のすぐ近くにも残っており、その歴史を感じさせてくれました。
歴史ロマンを感じたところで、現在のぼら納屋、その名物である「金目鯛のづけ丼」をいただきました。日吉さんが下田で仕入れてくる金目鯛のづけ丼に、近海で獲れた地魚のつみれ汁と小鉢、漬物がついて1,750円(税別)。
特製ダレに漬け込んだ金目鯛の刺身は身がプリプリ。新鮮だからこその味わいは感動ものです!つみれ汁も地魚のダシがよく効いていて美味。ピクニカルコース散策の後に堪能できる、伊豆ならではの味覚……。最高でした。

旅のラストを飾るのは、イガイガした場所

▲ 一見すると歩きやすそうな「いがいが根」。しかしその先は……

さて、心地よく散策してお腹も満たした筆者。まだ時間と体力に余裕があったので、また城ヶ崎海岸を歩き、門脇つり橋を渡ってさらに南へ。徒歩ではぼら納屋から1時間半ほどの長い道のりになりましたが、ちょっと気になっていた「いがいが根」という場所にやってきました。読み方は「いがいがね」。名前だけだと何やらわかりませんね。
遠くからでは感じなかったのですが、その先端は上の写真のようになっていました。 なるほど、確かにイガイガ。案内看板によれば、大室山の溶岩が冷え固まることによって発生した岩が、さらに流れてくる溶岩に押されてバラバラに砕かれ、トゲのような岩がたくさん形成されたとのこと。
海側から見るとこんな具合です。
▲ ドローンで海側から撮影。遠くに大室山(写真中央部)も確認できました

どうですか、このイガイガっぷり! 遠くには城ヶ崎海岸の景観を作りあげた母なる山といっても過言ではない、大室山がそびえます。
人の力ではなく、太古の火山活動と長い歴史が積み上げてきた風景……。これぞまさしく東伊豆の景色です!
そしてこんな場所にも花は咲きます。
こんな風に。イワタイゲキという花だそうですが、岩しかないようなところによくまあ咲いたものです。ほかにも厳しい環境に適応できる植物が数種類ありました。
筆者が訪れた時には老夫婦が岩場に座ってのんびりしていましたし、ピクニック気分で景色をゆっくり楽しむのにもオススメですよ。
▲ いがいが根に向かう散策路にて。この辺りにもリスがたくさんいました

伊東市の城ヶ崎という、ほんの限られた地域のなかだけでも多くの発見と感動に出合うことができました。奥が深い伊豆半島。その神秘を体感するために、城ヶ崎は外せない場所。この夏、ぜひ旅先に選んでみてください。
村松高志

村松高志

東京で旅関連雑誌の編集を経験した後、地元・静岡でフリーライター、フォトグラファーとして活動。一眼レフカメラとドローンを携えて全国、世界各地を旅しながら、素敵な風景を撮ってまわることが将来の夢。関連媒体:有限会社マイルスタッフ編集『静岡 すてきな旅カフェ〜海カフェ&森カフェ』『静岡市VS浜松市Walker』など。

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