「京の七夕」で夏の宵をそぞろ歩き。ライトアップされた幻想的な京都へ

2018.08.01 更新

暑い夏に、宵の涼しさを楽しむ催しとして全国各地で行われている七夕のお祭り。なかでも旧暦の七夕にあたる8月上旬に開催されるのが「京の七夕」です。京都のあちらこちらで幻想的なライトアップを楽しむことができるとあって、毎年人気を博しています。7月の祇園祭がひと段落したこの時期は、ゆっくり京都を旅したいという人にもおすすめです。

▲鴨川エリアの様子。河川敷には涼やかな音色とともにほのかな灯りを点す風鈴灯が

灯りをたどり、宵の京都をめぐる「京の七夕」

“一年に一度の願いごと”をする七夕の節句。その意義や謂(いわ)れを改めて見つめ直そうというイベント「京の七夕」は、2018年で9回目を迎えます。七夕にあわせて伝統産業や和装文化を盛り上げようとさまざまな催しが行われ、現代版七夕まつりとして京都の夏の風物詩になっています。
▲堀川エリアの「メッセージ行灯」

2018年も8月上旬に各エリアでイベントが企画されており、「堀川」と「鴨川」という京都市街地を流れる二つの川のほとりがメインエリアになります。それに加えて「二条城」、北野天満宮一帯の「北野紙屋川エリア」、岡崎公園や平安神宮を中心とした「岡崎エリア」、京都水族館や京都鉄道博物館などがある「梅小路エリア」のほか、民間事業者・市民団体などと連携して、京都各所でライトアップをはじめとした催しが繰り広げられます。
▲各エリアで限定販売される「絵はがき短冊」。デザインは晴明神社と安倍晴明

イベントでは、全国からインターネットを通じて「願い」を募集するほか、来場者は会場限定販売の「絵はがき短冊」(100円・税込)に願いを書き、笹に飾り付けることができます。寄せられた願いは、京都五山の送り火や清水寺などでお焚き上げされて、天に届けられます。
それでは、各会場で注目のライトアップ・催しを見ていきましょう!

【堀川エリア 堀川遊歩道】輝く笹竹を通り抜けて

メインエリアの一つは、ライトアップされた堀川遊歩道。堀川に沿って設けられた遊歩道のなかで会場となるのは、御池(おいけ)通から一条戻橋(いちじょうもどりばし)付近まで。丸太町通から一条戻橋付近ではかがり火が焚かれ、ライブイベントが行われるほか、屋台も並びます。
▲堀川遊歩道の「願い七夕」

特におすすめなのは、ライトアップされた笹竹の間を通り抜ける「願い七夕」。夷川(えびすがわ)通から竹屋町(たけやまち)通までの約100mにわたって、高さ2mを越える約60本の竹が遊歩道の両側に並び、頭上を覆うように広がる葉と短冊がライトに照らし出されて黄金色に輝きます。
浴衣姿で歩きたくなる幻想的な空間ですよ。
▲光の友禅流し

また、堀川一帯は西陣織や京友禅など、染織産業が盛んな街。それにちなんで竹屋町~丸太町通では「光の友禅流し」が行われます。幾重にも色を重ねて表現される京友禅の華やかさが、堀川を流れる水と光の演出によって水面に浮かびあがります。必ず写真に収めておきたいワンシーンです。
▲光ファイバーのボールを使った「光のしずく」

このほか、押小路(おしこうじ)通~二条通では京都にゆかりのある著名人からのメッセージを映し込んだ大型の「メッセージ行灯」が点され、丸太町橋の下では「光のしずく」などの演出が施されます。

【堀川エリア 元離宮二条城】世界遺産の庭をライトアップ

▲二条城「二之丸庭園」のライトアップ

堀川エリアのなかでも、毎年楽しみに訪れる人が多いのが、世界遺産の元離宮二条城内で行われるライトアップです。特に人気が高いのが現存する歴史的庭園のなかでもすぐれた文化的価値を有する特別名勝「二之丸庭園」。庭園が光によって浮かびあがる姿は、見る人を幽玄の世界へいざないます。
▲ライトアップされた二条城唐門

【鴨川エリア】川面をゆく風に涼を求めて

もう一つのメインエリア「鴨川エリア」は、昔から京の人々の夕涼みスポットである鴨川河川敷が舞台です。仏光寺(ぶっこうじ)通から御池通までの河川敷のあちらこちらに置かれているのは「風鈴灯」。竹かごに京の伝統技術を用いた風鈴を入れ、それをLEDのあかりで中から灯す光のオブジェです。川のせせらぎのなかで、優しい光を放ちながら涼やかな音色を奏でます。
▲鴨川右岸の「七夕ロード」

鴨川右岸にはさまざまな願いを掲げた「光の笹」が建てられ、LEDの光で装飾されたきらびやかな「七夕ロード」が誕生。また、「願い天の川」ではステージ上に夜空の天の川のようにきらめく星をイメージした照明が演出されます。
▲2017年の「鴨川納涼」の様子

協賛事業として毎年にぎわうのが、三条大橋から四条大橋の間の河川敷で繰り広げられる「鴨川納涼」(8月4日・5日の2日間のみ)。ステージでのイベントや河川美化・伝統産業などの啓発キャンペーン、観光PR、全国の物産の販売や即売コーナーなどのブースが並びます。
このほか、三条大橋の南にある「先斗町(ぽんとちょう)歌舞練場」では、京の七夕期間中、「京の七夕 舞妓茶屋」と題して、舞妓さんの踊りを鑑賞しながらビールまたはソフトドリンク、甘味などを楽しむことができます。入場料等は下記、舞妓茶屋実行委員会までお問い合わせください。

【北野紙屋川エリア】天神さまの七夕祭

▲北野七夕祭でライトアップされた北野天満宮三光門(さんこうもん)

“天神さま”の呼び名で親しまれる全国天満宮の総本社「北野天満宮」。その境内夜間拝観と、史跡「御土居(おどい)」のライトアップが中心となるのが「北野紙屋川エリア」です。花街として知られる北野上七軒(かみしちけん)、今出川(いまでがわ)通北野門前界隈、北野商店街、大将軍商店街の一帯でさまざまな催しが行われます。
▲「御手洗川足つけ燈明神事」でろうそくを手に川に入る参拝者

北野天満宮の境内を流れる御手洗川では、期間中の9:00~20:00まで、川に入って厄を祓う「足つけ燈明神事」が行われます。御手洗ろうそく付きで初穂料は300円です。
▲御本殿石の間通り抜け神事

また、8月10~12日の3日間に限り、16:00~20:00にかけて国宝の御本殿が特別公開されます。「御本殿石の間の通り抜け神事」と呼ばれ、古式にならい御神宝類の虫干しに併せて、御装束等の展覧と特別参拝が行われます。御手洗ろうそく・水みくじ付きで初穂料は1,000円です。

【岡崎エリア】音楽と食が集う光のプロムナード

▲光のプロムナードの向こうに見えるのは、岡崎のシンボル・平安神宮の大鳥居

京都随一の文化ゾーンである岡崎では、京の七夕「岡崎プロムナード 星の饗宴」と題して、ライトアップや音楽イベント、飲食ブースなどが展開されます。

平安神宮応天門から大鳥居までの約300mを「光のプロムナード」に見立て、願い笹、花灯路行灯などに灯りが点ります。
▲手前が「ロームシアター京都」、奥の紫の灯りが「みやこめっせ」

二条通では「音のプロムナード」と題し、沿道のロームシアター京都やみやこめっせ、府立図書館、各飲食店等の協力のもと、オーケストラ、ジャズ、ソウル音楽などそれぞれ特色のある多彩な音楽イベントが開催される予定です。
▲岡崎公園内のフードブースで夕涼みを楽しむ人々

また岡崎公園周辺の飲食店では「食のプロムナード」と題したグルメイベントも開催。岡崎公園内には夏の夕涼みにふさわしいフードブースも登場します。
他のエリアで観覧した後は、岡崎公園でゆっくりディナーというのもいいですね。

【梅小路エリア】あそびをテーマに夜の公園を満喫

京都水族館や京都鉄道博物館のオープンに加え、2019年春のJR線・梅小路京都西駅の開業を控え話題を呼んでいる「梅小路エリア」。ここでは「京都・梅小路七夕あそび2018~夜の公園で憩う~」をテーマにイベントが目白押しです。
期間中、梅小路公園の中央広場は星やハートをモチーフにしたイルミネーションで彩られ、およそ300基の行灯が中央園路をやわらかな光で照らします。

例年人気なのが、梅小路公園の樹木でつくるオリジナル行灯。出来上がった行灯は子供たちの手で天の川のように並べられます。※事前予約制。2018年度は定員となっているため当日参加はできません。
▲梅小路公園内の樹木を使ってつくるオリジナル行灯
▲家族連れなどでにぎわうオリジナル行灯の制作風景

期間中の土日の14:00~21:00には「キッチンカー」が登場し、限定メニューが食べられるほか、キャンドルライトなどを使った休憩スペースも設置されます。ボールすくいや射的など、大人も子供も遊べるミニ縁日コーナーも開かれます。家族連れで京の七夕を楽しむならこの梅小路エリアがおすすめです。
▲公園内のグルメエリアに登場する飲食ブース「キッチンカー」

ちなみにエリア内にある京都水族館は3~10日まで10:00~20:00、11~13日までは9:00~20:00まで延長営業(入館受付19:00まで)。京都鉄道博物館は、4・5・11・12日は19:00まで延長営業(入館受付18:30まで)。また、通年で園内を走っているチンチン電車は4・11日の2日間のみ20:00まで夜間特別運行される予定です(最終便19:50発)。
最後にもう一つ耳より情報を。浴衣や和装で来場した人にはさまざまな特典がありますよ。「着ていきたいけど着物がない!」という方もご安心。協賛店舗では特別料金での貸出や着付もあります。お得にイベントを楽しみましょう!

ライトアップに用いられる照明器具は可能な限りLEDが使われているほか、一部の装飾などに使用している竹材は、ボランティアを募って放置竹林を整備した際に採集したものを使っています。こういった取り組みに力を入れているところが、さすが世界をリードする環境都市・京都といったところでしょうか。
美しいライトアップと楽しいイベントが満載の「京の七夕」。暑い日中を避けて、夕涼みがてら京都の街へ繰り出してみてはいかがですか。

※掲載写真はいずれも2017年の会場風景です(各エリア実行委員会・事務局提供)。
若林扶美子

若林扶美子

フリーのライター&プランナー。京都をはじめ関西を中心に、雑誌、書籍、PR誌の企画・執筆を手掛け、伝統文化や地域情報などを発信している。6匹の猫とともに滋賀在住。

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