丹後ちりめん 京都の北部・与謝野町で楽しむ手織り&ミサンガづくり体験

2018.06.14 更新

独特の製法で撚(よ)られたシルクの糸で織る織物で、約300年の歴史を誇る「丹後ちりめん」。その発祥地である丹後・与謝野町で、丹後ちりめんの歴史を学びながら、手織りのコースターやミサンガなどのかわいい小物作りが体験できるということで、さっそく体験してきました!

300年の歴史を持つ伝統工芸品「丹後ちりめん」

京都府北部にある丹後地方は、多雨多湿の気候により、古来より養蚕が盛んな地域でした。古くは奈良時代から絹の生産がおこなわれていて、奈良にある国宝・正倉院には朝廷に納められた丹後地方産の絹織物が残っています。

丹後ちりめんの歴史は、江戸時代にさかのぼります。享保5(1720)年から享保7(1722)年にかけ、絹屋佐平治が京都の西陣から縮緬(ちりめん)の技法を持ち帰ったのが始まりと言われています。
丹後ちりめんの特徴は、独特の製法で作られた糸と織り方にあります。1mあたり3,000回程度の強い撚りをかけた緯糸(よこいと)と、撚りのない経糸(たていと)を交互に織り込み、生地を作ります。それにより生地の前面にシボと呼ばれる凹凸が生まれ、独特の肌ざわりや風合いが生まれるのです。

明治から大正・昭和の初期にかけて、高級絹織物の代表格として名を馳せた丹後ちりめん。現在は技法の違いで種類も増え、また着物以外の小物や装飾品などで手にする機会も増えています。
そんな丹後ちりめんにも使用される絹糸を使ったコースターやミサンガ作りが、与謝野町観光協会で体験できるということで伺ってみました。
観光協会が入っている旧加悦(かや)町役場庁舎は昭和4(1928)年に建てられた歴史ある建造物。レトロな外観が目印です。周辺には古い町並が残り、「ちりめん街道」として重要伝統的建造物群保存地区に指定されています。

それでは、さっそく中に入って体験してみましょう!

右に左に糸を通して…卓上手織機でコースター作り

体験で作るのは、約10cm四方のサイズのコースター。所要時間は個人差がありますが45分~50分程度。体験会場にはたくさんの卓上手織機(ておりき)が設置されています。初めて見る手織機ですが、卓上というだけあってコンパクトなサイズです。
まずは糸選びから。使用する糸は、染色された糸が2本一組になっていて、シャトルと呼ばれる部品に巻かれています。シャトルは常時30種類ほど用意されているので、好みの色の組み合わせを選びましょう。今回は薄いグリーンとイエローの組み合わせをチョイスしました。
▲今回、講師をしてくれたのは事務局の小柴さん。地元与謝野町出身で、幼い頃から手織機のガチャン、ガチャンという音を聞いて育ったそう
スタートの部分は、小柴さんがお手本を見せながら織り方を教えてくれます。緯糸、経糸、機械の仕組みなどを説明しながら、実際に織っていきます。
さすが先生、見事な手さばきであっという間に3cmほどの布が出来ました。
先生の実演が終わったら、いよいよ体験スタート。手織機の手前から奥には経糸が通されています。交互に並んだ経糸を、綜絖(そうこう)という部品を前後に動かすことで上下に分け、その間をシャトルに巻いた緯糸を通しながら織っていきます。
▲黄、緑、黄、緑…と規則的な柄になるように織っていきます

二色の横糸ですが、糸の置き方によって模様が違ってきます。例えば、常に手前側に黄色の糸を置けば、整然とした幾何学模様になりますし、緑と黄色の順番を変えて置けば、変化のある模様を作ることもできるのです。

今回は前者の整然パターンで作りましたが、シャトルを通すたびに糸が前後してしまい、デリケートな作業に苦戦してしまいました。
シャトルで緯糸を通したら、糸の形を整えながら綜絖を手前側に引き寄せます。引き寄せた後は綜絖を奥に戻し、回転させることで経糸の上下を入れ替えます。続いて逆方向からシャトルを通し、形を整え綜絖を引き寄せて…という作業を繰り返すことで、手前にだんだんと糸が積み重なり布状になっていく、という仕組みです。
初めての体験で最初はかなりぎこちなかったのですが、慣れてくるとだんだん楽しくなってきます。
▲縦糸は先生がカットしてくれます

幅15cmほど織りあがったところで、織作業は終了。上下の縦糸を切り離し、玉止めの作業に入ります。
織った経糸が解けないように経糸を結ぶ作業が玉止めです。経糸を3本ずつ集め、玉結びにします。その際に、結び目が一番端の緯糸にくっつくように止めるのが必要なんですが、これが結構難しい!輪っかをつくり、糸を通し慎重に絞るようにして結び目を端に寄せていきます。

「あれ、意外に早いですね!」と先生。聞くと、男性は結構苦戦する方が多いらしく、こんなにスムーズに結べる人は珍しい、とのこと。さして器用でもないのですが、褒められると嬉しいものですね!
▲上下全ての経糸が結びおわったら、長さを揃えてカットします
…というわけで、ジャーン、完成でーす!
いかがでしょう?なかなかの出来栄えではないでしょうか?先生のご指導のたまものか、あるいは私の眠っていた才能が開花したのか…。初めての割にはなかなかの完成度…っと。自画自賛はこれぐらいにして。
シルク素材だけあって、肌ざわりは滑らか。緯糸の撚りもアクセントになっていて、なるほど、これは他には無い風合いです。
▲完成後はこんな感じで包装もしてくれるので、お土産やプレゼントにもピッタリですね

先生がしっかり教えてくれるので、私のような不器用な初心者でも完成まできっちり指導してくれますよ!

十字に置いた糸を交互に回して組んでいく「ミサンガ」づくり

続いてはミサンガづくりにチャレンジ。こちらもまずは糸選びから。ミサンガは4本の糸を使用します。用意されている糸の色は30~40色。4本全部色を変えてもいいし、3色、2色で組むのもありです(4本全部同じ色でも可能ですが、あまりそういう人はいないそうです)。
今回は、赤とシルバーっぽい白の2色をチョイスしました。
まずは先生のお手本。4本の糸をまとめて重りをつけ、台の中心の穴に通します。十字に糸を配置し、糸巻を台の外側に垂らします。
配置ができたら、縦の2本の糸を同時に持ち、くるりと180度回転させます。続いて、横の2本を逆回りに180度回転させます。この作業をひたすら続けていくだけ。
おお、これは意外とシンプル!さっそく続けて私もやってみました。
「縦糸を2本掴んでぐるり、横糸を2本掴んでぐるり、縦糸を2本掴んでぐるり、横糸を…」
ひたすら同じ作業を繰り返します。途中で、あれ、今どっちやったかな?と何度かなりました。そうなった場合は、糸の中心部をチェック。下になっている糸が次の回転の糸になります。ただ、順番を間違えてしまっても特に問題なく糸は組むことができます。模様は若干ズレてしまいますが、それもまたオンリーワンということで。
▲重りが糸を下に引っ張る力で糸が組まれていきます。重りが下についたら完成
ジャーン!完成です。
長さはだいたい20cmぐらいでしょうか?足に巻くか、手首に巻くかで長さは少し変わります。糸を回す順番も間違えずにできたので、模様もキレイにできました!
▲さっそく腕に巻きました。紅白のジャパンカラーでなんだかオメデタイですね

こちらの体験は完成までだいたい20分程度。作業もシンプルですし、時間のない人でも気軽に体験できるのでオススメですよ!
コースター(税込1,000円~)やミサンガ(税込700円~)は、事務局の方が作った作品の販売もあります。気に入ったら、お土産に買って帰ることもできます。
▲上達するとこんなコースターも作れるようになります
▲メガネケース(写真左上、税込1,730円~)、がま口財布(写真右、税込1,300円~)、カードケース(写真左下、税込1,220円~)

ほかにも、丹後ちりめんを使ったグッズの販売がありました。なかでも人気なのは、メガネケースやがま口財布、カードケースなどの小物類。柄も伝統的な和柄ではなく、ポップでカワイイものが多く、女性にも人気だそうです。
いかがでしたか?どちらの体験も先生が丁寧に教えてくれるし、慣れれば簡単にできるので、気軽にチャレンジできます。
天橋立や伊根の舟屋からも近い与謝野町。ぜひ旅の思い出作りに立ち寄って体験してみてください。

【与謝野町までのアクセス】
京都市街から京都縦貫自動車道・与謝小天橋IC経由で約1時間50分
妙加谷 修久

妙加谷 修久

京都市在住の旅行系ライター兼ディレクター。全国各地に足を運び、旨いモノを食べ、温泉に浸かる日々。ここ京都を中心に、知っているようで知らない「日本のイイトコロ」を紹介します。日本酒好きが高じて利き酒師の資格を取得しました。

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