体験型のお茶専門カフェ「サングラム(san grams)」が静岡県菊川市に誕生!

2015.09.29 更新

お茶処、静岡。県内で最もお茶の生産が盛んな牧ノ原台地に位置する菊川市に、2015年4月、お茶専門カフェ「san grams(サングラム)」がオープンしました。深蒸し茶を中心に、27種類のお茶を取りそろえ、本当のお茶の味を体験できると注目を集めています。

ペットボトルやティーバッグなど、手軽にお茶を飲めるようになった反面、急須でお茶をいれることは少なくなりました。そんなお茶ばなれが進む中、「おいしいお茶を飲んで欲しいから」と、100年の歴史を持つ「丸松製茶場」が、お茶の魅力を伝えるカフェをオープンしました。
▲白を基調にしたシンプルで落ち着いた空間。フルオープンにできる窓の向こうには、200種類もの季節の花や草木が彩るガーデンが広がります

シングル茶葉、というこだわり

▲静岡の古地図をあしらった壁がおしゃれ
普段口にするお茶は、いくつかの生産家の茶葉を製茶場でブレンドしてつくられています。安定したおいしさはありますが、どこか個性を感じられません。

こちらでは、「シングル」と呼ばれる、ひとつの茶園で摘み取られた茶葉を使うことにこだわっています。その理由は、ブレンドする前の茶葉が持つ個性や、製茶方法にこだわった生産家の特長を伝えることで、豊かなお茶の世界を知って欲しいという思いがあるからです。
▲さまざまな茶葉が並ぶ。実際に手にとって香りを確かめることもできます
菊川が発祥の地ともいわれる深蒸し茶をはじめ、玉露やかぶせ茶、茎茶に焙じ茶など、バリエーション豊富なお茶を用意。さらに、インドの紅茶、ドイツのフレーバーティーなど、世界各地のお茶もふくめると、その数は27種類にもなります。

カフェとは別に試飲スペースもあるので、気になったお茶を試すことも可能。茶葉の育て方、加工・精製方法のちがいによって、色や香り、味が変わってきます。今回は、深蒸し茶の「菊翠(きくすい)」、かぶせ茶の「ピュアグリーン」、浅蒸し茶「杉村」の3種類を試飲させてもらいました。
▲左から、深蒸し茶「菊翠」、かぶせ茶「ピュアグリーン」、浅蒸し茶「杉村」
深蒸し茶は、煎茶よりも葉を長く蒸すため、渋みが少なく、まろやかな味なのが特徴です。

かぶせ茶は、摘み取る前の茶葉に2週間ほど覆いをすることで日を遮ります。被覆により旨みと甘みが増し、すっきりとした味わい。鮮やかな深緑の湯が特徴です。

摘みたて茶葉を短時間で蒸したのが、浅蒸し茶。いれると、透き通った黄金色で、ほんのりした甘さと、すっきりとした味を感じられます。

水のきれいな山間部で育った茶葉、霧の多い谷、日照時間が長い平野など、環境によって異なる茶葉の特性を生かした製法によって、できあがるお茶の味はまったく異なります。コーヒーの豆やワインのように、お気に入りの茶葉を見つけるのもいいかもしれません。

ちゃんといれたお茶は、おいしい

カフェでは、スタッフが急須を使って目の前でサーブしてくれます。オーダーしたのは、深蒸し茶の「菊翠」540円(税込)。茶葉の量、お湯の温度や量、正しい抽出時間でいれることで、お茶本来のおいしさを味わうことができます。
お湯を一度お茶碗に入れることで、正しいお湯の量が分かるだけでなく、茶器がほどよく温まる効果も。茶葉の量は、一人分70mlに対して3gが適量。お店の名前もここから来ています。

急須を動かさず、30~40秒ほどじっと待つのがポイントです。
抽出したお茶は、旨みがぎゅっとつまった最後の一滴まで絞りきるように注ぐことが大事。その後は、急須のお尻をポンポンと軽く叩いて茶葉を集めます。熱気がこもらないよう蓋を開けておくことで、二煎目もおいしくいただけます
口にすると、渋みはほとんどなく、旨みと甘さを感じることができました。このひと手間を覚えるだけで、家で飲むお茶もぐっとおいしくなります。

静岡の新鮮素材を使ったメニューも充実

深蒸し茶や焙じ茶のだしをかけていただくお茶漬け、地元の野菜を使った日替わり御膳やとろろ汁、ガーデンで採れたバジルを使ったパスタなど、フードメニューも豊富。抹茶を使った手づくりスイーツもお茶によくあいます。
▲抹茶と上級粉茶を練り込んでつくった白玉と、小豆がたっぷり入った甘さ控え目の「抹茶白玉しるこ」(温・冷)400円(税込)
▲愛知県西尾市の抹茶をふんだんに使った「抹茶のシフォンケーキ」500円(税込)
▲かわいらしいパッケージに入ったお茶うけも。「薄はり氷」1箱2,200円(税込)

菊川からお茶の魅力を発信する

店内では、急須や煎茶碗といった茶器セットなども販売しています。お茶のいれ方を教わったあとだけに、茶器にも興味がわいてきます。また、お茶教室をはじめ、ガーデニング教室や講習会、ハーブティー教室といったカルチャースクールも開催予定。

「お食事やイベントをきっかけに、お茶の世界に触れてもらえたら嬉しいです」と、スタッフは語ります。お茶のプロフェッショナルとの会話やガーデンを眺めならゆっくりとお茶を楽しむ贅沢なひと時。訪れるたびに、お茶の魅力にはまってしまいそうです。
大杉晃弘

大杉晃弘

大阪にて結婚・住宅情報誌の制作ディレクターとして、企業の販促活動に従事。その後、地元浜松へUターン。編集、文章、写真の仕事をしつつ、活版印刷工としても修行中。

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