5万本以上のあじさいの絶景!千葉「本土寺」は、鎌倉を超える名所だった!?

2018.06.06 更新

あじさいの名所と言えば思い浮かぶのは鎌倉・明月院が有名ですよね。でも、実は千葉県松戸市にも“北の鎌倉”と呼ばれるあじさい寺があるんです。今回は、知る人ぞ知る50,000本以上のあじさいが咲き乱れる隠れた名所「本土寺」を訪れました。

JR北小金駅から徒歩約10分。閑静な参道を行く

「長谷山(ちょうこくさん)本土寺」は、日蓮宗の中心寺院の一つで、建治3(1277)年、豪族平賀家の屋敷内に日蓮上人(にちれんしょうにん)の弟子である日朗上人(にちろうしょうにん)を導師として招き、開堂したのが始まりと言われています。

鎌倉の長興山妙本寺(ちょうこうさんみょうほんじ)、東京池上の長栄山本門寺(ちょうえいざんほんもんじ)と並び「朗門(ろうもん)の三長三本(さんちょうさんぼん)」と称される宗門屈指の名刹として歴史を刻んできました。
境内を彩るあじさいの数は、鎌倉をしのぐ50,000本以上。「あじさい寺 花の寺」として親しまれてきた本土寺は、春には桜、梅雨には花菖蒲、秋には約1,500本のもみじが寺を彩り、北の鎌倉とも言われる名所です。
▲セイヨウアジサイ、ガクアジサイ、カシワバアジサイなど、約10種類あるというあじさいの見頃は例年6月中旬から下旬

東京・上野駅から約40分。JR常磐線・北小金駅の改札を出て歩道橋を渡ると、本土寺へと続く案内板が現れます。
▲周辺には神社や寺院が多く、駅を出てすぐの案内板にそれぞれの行き先が示されています

案内に従って、一本道をまっすぐ行くと約2~3分ほどで「長谷山」「本土寺」と記された石柱が左右に見えてきて、緑豊かな参道に入ります。
▲参道の入口。石柱があるので、すぐにわかります

参道の両側には松や杉などの常緑の大木が立ち並び、まるで緑のトンネルのよう。ちらほらとあじさいの低木も見られ、期待感が高まります。
訪れた4月は新緑が清々しく、マイナスイオンに包まれているような感覚。ゆっくりと寺を目指すと、ほどなく朱塗りの仁王門が現れます。
▲500mほどの緑のトンネルを行くと、仁王門が見えてきました
▲そびえるように立つ仁王門。門の赤と木々の緑のコントラストが壮麗

逞しい仁王像が見守る仁王門をくぐると、眼前が開け境内へと続く長い階段が見えます。階段の左右に無数のあじさいの低木が広がっています。境内はその先ですが、開花の時期にはここに到達した時点で、すでに美しいあじさいブルーに目を奪われるのだそう。
▲あじさいの咲き乱れる頃を想像しながら、階段を下りていきます

階段の下は、本土寺の受付がある門前へとつながっています。
▲受付で拝観料(中学生以上500円)を払って境内へ。あじさいや紅葉の季節以外は拝観料が無料の場合も

“あじさい寺 花の寺”の名の通り、季節ごとの花々が饗宴!境内をゆっくりと花めぐり

境内は勾配がゆるくあり、入口正面に本堂、左側に五重塔があります。およそ1万坪、東京ドーム3個分という広い境内には、あじさいを始め、たくさんの草木が植栽されています。
順路に従って、まずは花の見どころを見て歩きます。
▲五重塔。お釈迦様のお骨が一粒おさめられています

「五重塔」の周辺には、色とりどりのあじさい、桜などが植えられており、大変人気の高いフォトスポットです。視線を下から上にあげていくと、あじさい、もみじ、桜などの四季折々の花木と五重塔が空とつながっていき、高低差のある見事な光景が楽しめますよ。
▲五重塔をバックに咲き誇るあじさいを撮れます。フォトジェニックな角度を見つけて

続いて正面の「本堂」へ。こちらの周辺にもあじさいやつつじ、もみじなどが植えられており、お参りに彩りを添えてくれます。
▲本堂の周辺では、4月のこの時期はつつじがとても綺麗でした
▲本堂の裏手には小道があり、その周辺にも多くのあじさいが植えられています
▲それぞれ色も形も違うので、一輪一輪時間をかけて眺めたい

本堂の裏の小道を進むと左手に竹林、右手に「宝物殿」が現れました。宝物殿を過ぎた、少し低くなっている場所に「菖蒲池」があります。この周辺もまた、あじさいと花菖蒲の競演が見られるフォトスポットなんです。
▲宝物殿。建治4(1278)年に造られた梵鐘(ぼんしょう)や日蓮上人直筆の書状類など国の重要文化財が数多く所蔵されています

菖蒲池には、呼んで字の如く花菖蒲が約5,000株植えられています。また花菖蒲以外に、池周辺にはあじさいなど、さまざまな樹木も植えられており、特に6月はたくさんの人で賑わうそう。池の周囲をぐるっと歩くことができるので、シャッターポイントを探しながら、またお気に入りの花を見つけながら、一周することができます。
▲花菖蒲の見頃は例年6月上旬から約2週間
▲菖蒲池の中央にある歩道を行けば、全方向から花菖蒲に囲まれているよう。ぐるっとパノラマ撮影がおすすめ

あじさいと花菖蒲どちらも写真に収めるなら、6月中旬頃までに訪れるといいそうですよ。
▲上を見上げれば、まあるいこでまりの花。あじさいに似て可愛い

菖蒲池からさらに進んだ「妙朗堂(みょうろうどう)」の周辺もまた、あじさいの見どころの一つ。妙朗堂へと続く小道の両側にはたくさんのあじさいが植えられ、ことに雨の日はしっとりとした風情で訪れた人をときめかせます。
▲妙朗堂とあじさい。妙朗堂は本土寺の開祖、日朗上人の御母堂が祀られています
▲取材当日は牡丹の花がひっそりと咲いていました。お母さんを思わせる花です

続いて順路に従い「像師堂(ぞうしどう)」周辺へ。像師堂には、日朗上人の弟であり、日蓮宗の京都開教の祖である日像上人(にちぞうしょうにん)の「日像菩薩像」が祀られています。
▲像師堂の裏手には遅咲きの八重桜も咲いていました

像師堂の正面、左手には「弁天池」があり、シャガの花が群生していました。
▲シャガは池の周辺に植えられています。開花時期は4月中旬頃

弁天池中央の小島の厨子には弁財天が、池の裏手には後ほど紹介する銭洗い弁天が祀られています。弁天池をぐるっとめぐり、入口周辺に向かって歩いていけば寺務所に行き当たります。その周辺には多くのもみじが植えられており、葉が赤く染まる秋は見事な景色です。秋にもぜひ訪れたい風情がありますよ。
▲弁天池の側には藤棚も。こちらの見頃は4月上旬~中旬頃
▲寺務所そばのあじさいの根元にはクリスマスローズが。控えめさが愛らしい

歴史的な見どころもいっぱい!本土寺は安産、子宝、開運のパワースポット!

さて、花の見どころを中心にご紹介しましたが、実は本土寺、安産や子授けにご利益があるといわれるパワースポットでもあるんです。また、歴史的にも訪れるべきスポットも点在しています。あじさいの季節はもちろんですが、花の季節以外にもぜひ、訪れて欲しいスポットをご紹介します。
▲境内の中には、歴史的スポットが点在しています

「秋山夫人の墓」
歴史好きにはたまらない、知る人ぞ知る徳川家ゆかりのスポットがこちら。徳川家康の側室だった秋山夫人の墓です。甲斐武田一族・秋山虎康の娘であり、家康の第五子、武田信吉を生んだ女性です。この墓石は信吉の甥にあたる、あの水戸光圀公が貞享元(1684)年に建立したものだそう。
ちなみに、先ほど通ってきた参道にも、光圀公が寄進したと言われる松が植えられています。
▲秋山夫人の墓。多くの歴史マニアが訪れます

「地蔵堂」
別名“お願い地蔵”とも呼ばれている願掛けスポット。お願いごとを書いた小さなお地蔵様(600円)を納めることで、願いが叶うと言われています。
▲約750年前に、沢に流れ着いたお地蔵様を祀るために建てられたという地蔵堂。日蓮宗の寺で地蔵堂があるのは大変珍しいのだとか

「銭洗い弁天」
銭洗い弁財天と言えば鎌倉が有名ですが、本土寺も金運アップのスポットとしてひそかに人気。わざわざこのために訪ねてくる人もいるそうです。
▲備え付けのざるにお金を入れて洗います。金運アップを願いました

「乳出の御霊水」と「像師堂」
日朗上人の弟であり、第二の日蓮と讃えられた日像上人がこの地で生誕した際に泉が湧き出て、それを産湯として使ったとされています。
後にその水を飲むと病気が治り、たちまちに乳の出がよくなるという不思議なご利益によって参詣祈願の列が絶えなかったそうです。今では「乳出の御霊水」として、子授け、安産、縁結びにご利益があるといわれる人気のパワースポットとなっています。
▲「乳出の御霊水」が湧く井戸は菖蒲池をのぞむ高台にあります。この場所から花菖蒲を眺めるのもおすすめ
▲今は水は湧いていませんが、井戸に手をあわせるとご利益があるとされています
▲像師堂は、乳出の御霊水と合わせて、子授けや安産、七五三などの祈祷に訪れる人も多いそう

他にも、日蓮、日朗、日像など本土寺・歴代貫首(日蓮宗諸本山の頭領の意)の墓や、芭蕉の句碑、本堂を始め歴史ある建造物もたくさんあるので、じっくり時間をかけてめぐってみるのも面白いと思います。

オリジナルの御朱印帳はあじさい柄が人気!

本土寺にはオリジナルの御首題帳(御朱印帳)があり、なかでもあじさい柄は大変人気が高いそう。御首題帳とは御首題、御題目「南無妙法蓮華経」を書いていただく専用の御朱印帳(日蓮宗寺院のみ回るための御朱印帳)のこと。
通常日蓮宗では御首題を書いていただきますが、御朱印も書いていただけるそう。他の宗派と同じ御朱印帳に書いていただく場合は、その旨をお伝えしましょう。
▲オリジナルの御朱印(御首題)帳。左のあじさい柄が一番人気(各1,000円)
▲写真右が御首題。左が御朱印。お願いすれば書き分けてくれます(各300円)

四季折々の美しさもまた見どころの一つ

梅雨時期の賑わいはそれとして、春には桜、秋には紅葉と四季折々の絶景で迎えてくれるのも、本土寺の魅力です。本土寺境内には、しだれ桜やソメイヨシノ、八重桜など約100本ほどの桜の木が植えられていて、見ごたえがあります。
▲境内のしだれ桜。五重塔をバックに息をのむほどの美しさ。例年の見頃は3月下旬から4月上旬頃

もみじは「山モミジ」「大盃(おおさかずき)」「秋山紅(あきやまべに)」の3種類があり、それぞれ微妙に異なる配色に染まる葉の色が、景色に奥行きを与えてくれます。
▲葉の形でもみじの種類を見分けるのはなかなか難しいそうですが、紅葉時には微妙な色の違いを楽しめます

ことに、会合の際などに使われるお茶室からの中庭の眺めは絶景。こちらも混んでいる時期でなければ、中を見せてもらうことも可能です。
▲お茶室からの中庭の眺め。丸窓からの光景はまるで絵画のよう
▲五重塔周辺の紅葉は壮観。例年11月下旬~12月上旬に見頃を迎えます

雨の日にこそ、ゆっくりと訪れたい

例年6月頃のあじさいや花菖蒲のオンシーズンには、たくさんの人が訪れる本土寺。ゆっくりまわるなら、特に平日の雨の日がおすすめとのこと。しっとりと濡れたあじさいは、新緑とのコントラストも美しく、色鮮やかに梅雨空を彩ります。鎌倉もよいけれど、喧騒を離れて知る人ぞ知る隠れた名所を訪れたいと考えている人に、特におすすめしたいスポットです。

※あじさい、花菖蒲、桜、紅葉の写真は2017年以前のものです。
平間美樹

平間美樹

某広告代理店で情報誌・Webサイト等の広告企画・制作を経て独立。現在、企画制作会社CLINK(クリンク)を運営し、結婚・進学・就職・旅行など幅広い分野で企画・ライティング活動中。テニス・フラ・猫にハマる日々。 テニス観戦でグランドスラムを達成するのが目下の目標。

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