新感覚アクティビティ「リバーボード」に挑戦!奥多摩でジェットコースターのような急流川下りを満喫
川のアクティビティといえば、カヌーやラフティング、キャニオニングなどがありますが、近年注目されているのが、「リバーボード」!川の流れを全身に受けて自然と一体になりながら、まるでジェットコースターのように急流を下るスポーツです。その爽快感は抜群だと聞いて、自然溢れる奥多摩でリバーボードに挑戦してきました。

「リバーボード」ってどんな遊び?
1970年代にフランスで生まれ、徐々に世界中に競技が浸透し、2016年からは世界大会も開かれるようにもなりました。近年ではアメリカやニュージーランドなどで気軽に楽しまれています。

今回お世話になるのは、東京・奥多摩にある「リバーボードクラブ」。通年でリバーボード体験ができるショップです。世界大会出場経験のあるオーナーの菅原洋平さんが、リバーボード・ハイドロスピードのスペシャリストとして丁寧に教えてくれるので、初心者も安心して参加できますよ。

多摩川の急流を下ると聞いていたので、「普段まったく運動していない私でも、本当に大丈夫なのかな…。」と不安になりながら奥多摩へ向かいました。東京駅から2時間弱、最寄り駅のJR御嶽駅で降りると、「ここは本当に東京都?」と疑いたくなるくらいの大自然が広がっていてびっくり!

駅を出て右方向へ道なりに進むと、蕎麦屋「手打ち蕎麦ごろう」が見えてきます。その手前の道を左折して坂を下ると、リバーボードクラブに到着。駅からは徒歩約2分の距離です。
車の方はショップ専用駐車場もあるので、御嶽駅周辺に着いたらお店に電話をかければ場所を教えてくれますよ。

今回体験するプランは、「1日体験コース オーナー特製のランチ付」(前日15:00までに要予約)。集合時間の9:30から夕方16:30頃まで1日中たっぷり楽しめるツアーです。

持ち物は、水着とタオルだけでOK。コンタクトを使用している人は使い捨てレンズを装着するかゴーグルを持参することをおすすめします。また眼鏡の人は眼鏡ストラップをご用意ください。
指定された部屋でまず水着に着替え、その上からウェットスーツとライフジャケットを着用。貴重品や荷物はロッカー(無料)へ入れ、鍵は菅原さんに預けます。
外に出たらブーツを履き、膝+脛をガードするプロテクターとグローブ、ヘルメットを着けて準備は完了!(道具レンタル料金は体験料に含まれます)

道具がしっかり装着されていることを確認できたら、この日使うボードを渡されます。ボードは筆者の上半身くらいの大きさで約20cmの厚みがあるビート板のような素材で作られています。身長155cmの筆者が持つと大きく見えますが、かなり軽い!女性が持って歩いても、苦にならない重さです。
ボードの前方部分はトンネルの様に持つ手をすっぽり覆っており、その中央には仕切りがあるため、中はU字型の空洞になっています。


スタート地点までは多摩川沿いの遊歩道を歩いて向かいます。歩いている途中、カヌーやラフティングを楽しんでいる人たちや川の流れが速そうなポイントも見えてドキドキ!

まずは練習!ボードの扱い方をマスターしよう
川の水が冷たそうだなと思ったので、「冷たいですかね?」と聞いてみたら、「じゃあ、まずは川に入ってみようか!」という声と共に、いきなりドボン!菅原さんは川に飛び込んでいました。

筆者も後に続いて飛び込むと、そこは筆者の身長では足がつかない深さ!少し焦ったけれど、ライフジャケットのおかげで体は沈むことなく、プカプカ浮いてくれます。さらにウェットスーツを着ていたので水の冷たさを感じませんでした。

川から上がると、いよいよ体験がスタート。
最初に準備運動をします。肩をまわして、腰も伸ばし、足首は時間をかけてほぐします。

準備運動を入念に行ったら、リバーボードには欠かせないアイテム「フィン(足ヒレ)」を装着し、川に入ります。バタ足やドルフィンキック(バタフライの時の両足を揃えるキック)もフィンをつけることで力強く進みます。

ここで本格的な泳ぎに出る前に、リバーボードの基礎を習います。
まずは川岸でバタ足の練習。ボードのU字型部分の両側に手を差し込み、奥で両手を組んだら、脇をしっかりしめるようにして固定。前をしっかり見つめる体勢をとります。足を水中に下げすぎるとスピードが落ちてしまうので、注意しながらバタ足をします。

次に、激流に揉まれ転覆した場合の対処方法を2種類習います。


続いて川の動作について主な3パターンを習いました。
(1)流れる:川の流れに対して体の向きを上流に向かって斜め45度の角度で入っていきます。これを「フェリーアングル」と呼び、この角度で入ると流れにうまく乗ることができます。ボードを下流側に少し傾けると、エッジが効いた状態になり入りやすくなります。ただし、エッジをつける時は慎重にしないと流れにあおられるので、注意が必要とのこと。

(2)止まる:休憩する時は、岩や障害物の下流側にできる流れが穏やかな場所に入ります。流れが障害物にあたることで逆流するポイントで「エディー」と呼びます。川の中ではエディ―からエディ―へと移動しながら進みます。これは「エディ―ホッピング」と言われています。

(3)横切る:進みたい方向に体を向け力強くバタ足をすると、川を横切って進むことができます。また、方向転換したい場合は、向きたい方向側の片足を体の外側に向かって蹴ると行きたい方向に体の向きが変わります。

浅瀬で練習した後は、実際に川に流れてみます。菅原さんが先陣を切って進んでくれるので、同じルートをついていきます。

川に入るとある程度、自分でコントロールすることが必要になるので、「少し上流からフェリーアングルで流れに乗り、エディ―に入る」を繰り返し練習します。

川の流れは思っているより速いので、エディーなど行きたい場所には早めに向かうようにすると、行ける確率が上がりますよ。

エディ―に入る時は、逆流に入っていくのでフェリーアングルでしっかり奥まで泳ぐのがポイント。筆者は中途半端な場所で止まってしまったため、エディ―に入れずに何度か下流に流されてしまいました。もし望み通りに行かなかった場合は、次のエディーに入って菅原さんの指示を待ちます。

わからない動作は質問すると丁寧に説明してくれたり、「こうするといいよ」と見本を見せてくれたりします。

私はバタ足よりもドルフィンキックの方が進みやすいことがわかり、積極的にドルフィンキックを使うようにしました。菅原さんからも「いいね!うまくなってきたよ!」と褒められ、ちょっと自信がついてきました。

いよいよ多摩川の急流を下る冒険に出発!
なお、川では会話ができない時もあるため、ハンドサイン(ジェスチャー)で意思の疎通を行います。川の中で使うサインを数個教えてもらったら、いよいよ出発です。

スムーズに流れに乗ったら、練習で習ったことをひとつひとつ思い出しながら泳いでいきます。慣れるまでは細かいエディーホッピングを繰り返して進んでいくので、菅原さんに指示される方向へ進路を調整します。緊張しながらも菅原さんの通る道をしっかり付いていきます。また、「大丈夫?心配事はない?」等、しっかりケアしてもらえるので、安心して自分のペースで進むことができますよ。
間もなくして、最初の急流ポイントへ到着。流れに勢いがあるのはもちろん、岩にあたって弾けるような水しぶきを見て急に緊張してきました。


あまりの流れの速さに緊張している私に菅原さんは「ジェットコースターみたいで楽しいから大丈夫!よし行こう!」と声を掛け、急流に向かって行きました。私も勇気を振り絞って後を追います。

強い流れに抵抗せずにそのまま急流に入ると、見た目以上に勢いがあり、全身で川の流れを受け止めるという感じ。今までと違って、ボードの自由が利かない!緊張のあまり、ボードを持つ手にもつい力が入ります。

岩にぶつかりそうになったり、ひっくり返りそうになったり、顔にもたっぷり水を浴びながらも、無事、なんとか急流ポイントを乗り切りました!

川の流れの速さはさることながら、自然に流される感覚が楽しい!さらに同じ流れは2度とないため、毎回違うスリルを味わえるのもおもしろい!まさに天然のジェットコースターのようで興奮しっぱなしでした。一方、ボードをコントロールするための体勢を整えるのが難しかったので、動作に不安なポイントはエディ―に入るたびに質問。その都度解消させ、いくつもの急流にチャレンジしました。
菅原さんと一緒に何カ所か急流ポイントをクリアしたら、午前中の体験は終了。通常はスタート地点から下流に約4km行った軍畑大橋(いくさばたおおはし)の下あたりがゴール地点(天候や川のコンディション、それぞれの体力等に合わせて変更あり)。

オーナー特製ランチに舌鼓♪量も味も満足!
菅原さんがランチの前にフルーツを出してくれました。ショップのベランダで奥多摩の大自然を眺めながら食べれば、疲れも癒されて気分もさっぱり。

フルーツをいただいている間に、菅原さんが香辛料から作った特製カレーが用意されました。その日のお客様をイメージして作ってくれるランチは、毎回オリジナルの味でおいしいと評判なんだそうです。今回は女性向けに辛さ控えめのカレーでした。とっても食べやすかったです!
ランチはカレーの他にサンドイッチなどさまざま。どんなメニューになるかは当日までのお楽しみです。なお、ショップの近くの畑でトマトやパプリカなどの野菜を作っているそうで、いずれは育てた野菜を提供するのが目標なんだとか。

ランチの後は、午後の体験へ。参加者の体調に合わせて休憩時間を調整してくれるので、ランチの後すぐ出かける人もいれば、お昼寝をして1時間以上しっかり休む人もいるそう。私は午前中の体験内容を忘れないように、早めに出ることにしました。
午後の体験はスキルアップ重視!自然の力をフルに浴びて気分爽快

装備を身に着けたら、午前中と同じスタート地点から出発。午前中に練習したことをまずは思い出しながら、進んでいきます。

コースは、午前中と同じコースなので、景色を楽しむ余裕も出てきて、周囲を眺めながらゆっくり進んだり、急流でスリルを堪能したり、緩急を楽しめるようになってきました。


午後は午前中にできなかった、急流を利用した技「サーフィン」にチャレンジしてみることに。サーフィンは、体を上流方向に向き、川の流れに逆流するように波に乗ります。

あぁ~、ダメだ。波に乗れるポイントまでたどり着く前に下流に流されてしまいました。これは難しい。
2回チャレンジして失敗。しかも2回目はエディーにも戻れずに流されてしまったので、残念ながら、ここでチャレンジ終了。あと少しのところでサーフィンポイントに辿りつけそうだったのに流れに負けて、本当に悔しい!

ちょっと疲れてきたところで、休憩をとることにしました。川岸に座って景色を眺めながらのもぐもぐタイムです。オーナーが持ってきてくれたチョコレートを食べたり、温かい味噌汁を飲んだり、エネルギーを補給すれば疲れも飛んでいきます。

休憩後は、再びゴールを目指して進みます。急流では相変わらず奮闘しましたが、流れが穏やかなポイントでは、川沿いの遊歩道を歩く人たちと手を振り合う余裕も出てきました。

スタートから約1時間半、菅原さんと楽しく話をしながら泳いでいると軍畑大橋が見えてきました。この辺りは川幅も広がり、流れもかなり穏やか。
「あの橋の下がゴールだよ」と教えてもらうと、ラストスパートでキックにも力が入りました。

これで約2時間の午後の川下りが終了。最初は緊張していてうまくボードをコントロールできなかったけど、だんだんとコツをつかみ始めると、流れに身を任せ、川との一体感が気持ちよかったです。また、急流では日常ではなかなか味わえないスリルも楽しめました。


川遊び後も充実!川下り体験の写真や動画を見ながらティータイム♪
着替えが終わった後は、用意された温かい飲み物をいただきながら、この日菅原さんが体験中に撮影してくれた動画や写真を見せてもらいました。この画像データは体験の記念に無料でもらえます。嬉しいサービスですよね!

▲急流に飲み込まれたけど楽しかったリバーボードでの川下り!
「川の流れを全身に受けながら、自然と一体になれるのがリバーボードの醍醐味!一度遊びに来てもらったら、今まで知らなかった『川の楽しさ』を知ることができるはず!」と菅原さん。もっと多くの人に、気軽に楽しく安全な川遊びに親しんでもらいたい、という熱い思いが伝わってきました。

リバーボードクラブは、日本で唯一ボード制作を手掛けている施設です(2018年7月現在)。そのため、最後にショップの近くにある作業スペースで制作中のボードを見せてもらいました。こだわりはボードの裏に「チャネル」という水の通り道を作ること。チャネルを作ることでボードが水に密着して、川の流れや動きを最大限に生かせるボードになるそうです。

リバーボードクラブでは、今回体験した1日プラン以外にも気軽に参加できる半日体験プランがあります。半日プランは、練習からスタートして4kmのコースを1回下ります。体力に自信がない方や、まずはお試しでやってみたい方は半日プランがおすすめですよ。
アウトドアが好きな人や、新しい川遊びにチャレンジしてみたい人は、都心から日帰りで気軽に行ってみてください。また、奥多摩にはBBQ場やキャンプ場もあるのでその帰りにリバーボードを楽しむのもおすすめですよ。
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岸 久美子
東京在住フリーライター。好きなことは海・山・ビールにワイン、たまにスポーツ観戦。気になる場所には行ってみないと気がすまない性分で、ちょっと暇ができると旅に出るフットワークの軽さがウリ。知らない文化に触れ刺激を受け、一緒に暮らすウサギに癒される日々。(制作会社CLINK:クリンク)
また、本記事に記載されている写真や本文の無断転載・無断使用を禁止いたします。
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