鎌倉観光のスタートは「鶴岡八幡宮」から!ゆるりと巡る参拝&見所案内

2018.08.08 更新

古都・鎌倉の代表的な史跡と言えば、「鶴岡八幡宮」です。約800年もの歳月と伝統が薫る境内のここかしこに、歴史の足跡や四季の趣など必見スポットがたくさん。鎌倉観光では絶対はずすことができない「八幡さま」のあまたある見所へ、おすすめしたい順路に沿ってご案内。自然の息吹の中に満ちる、清らかな空気と心癒されるひとときを、しばし満喫してみませんか。

鎌倉幕府とともに遷された「鶴岡八幡宮」は、古都・鎌倉のランドマーク

鎌倉を代表する観光の定番スポット「鶴岡八幡宮」。そのルーツは康平6(1063)年に溯り、源頼義が氏神として信仰していた京都の石清水八幡宮を、由比ヶ浜辺に祀ったのが始まり。その後、源氏を再興した源頼朝が、治承4(1180)年に現在の地に遷し、建久2(1191)年に鎌倉幕府の宗社として鎌倉の都づくりの中心としたのです。

時を重ね、今も年間を通じて史跡探訪や開運祈願、自然に憩う人々で賑わう境内。鎌倉観光のスタートとして比較的混雑しない午前中に参拝し、境内各所をゆっくり巡ることをおすすめします。
▲鎌倉駅から若宮大路(わかみやおおじ)へ出ると、「二ノ鳥居」が。その先に参道「段葛(だんかづら)」の石組みが見えます

若宮大路の中央を走る参道「段葛」を通って、いざ八幡さまへ

その昔、源頼朝の妻・北条政子の安産を願って、由比ヶ浜からまっすぐ続くよう整備されたのが、この「段葛」です。参拝に赴く際は、若宮大路の中央にあるこの参道を通り、鶴岡八幡宮へ向かいましょう。
名の由来は、葛石を積み上げて一段高くしたことから。境内入口となる「三ノ鳥居」に近づけば近づくほど道幅は狭まり、土手も低くなるという遠近法が用いられ、実際の距離より長く見えるようになっています。
▲春は満開の桜が、初夏にはツツジがいっせいに咲く「段葛」は花の名所

境内の入口となる「三ノ鳥居」をくぐり、舞殿~親子銀杏~大石段の先に御本殿が

段葛を抜けると、目の前に壮麗な朱塗りの鳥居が。これが「三ノ鳥居」で、鶴岡八幡宮の境内の入口であり、絵になる撮影スポットです。ちなみに「一ノ鳥居」は石造り。参道を海の方へ歩いた先、由比ケ浜方面にあるので、時間がある場合は足を延ばしてみましょう。
▲太鼓橋の向こうに深緑に抱かれたお社が

三ノ鳥居の先を進むと、緑の中に艶やかな朱色が映える「舞殿」や、深い杜に抱かれた御本宮の「楼門」まで一望にできます。
▲現在は渡ることはできないものの、左右の源平池に架かるアーチが優美な太鼓橋。江戸時代は赤く塗られたこの橋を、将軍家の輿が渡っていったとか
▲太鼓橋のすぐ傍らで樹齢を重ねるイヌマキ。社務所前の2本には風蘭が自生し、例年7月に花を咲かせ芳香を漂わせます
▲清らかな水が流れる手水舎で、まずは身を清めて

手水舎で身を清めて参道を進むと、朱塗極彩色の下拝殿「舞殿」が。美しい佇まいに目を見張ります。
かの静御前が源義経を思い、「しずやしず しずのおだまき くりかえし」と、詠いながら舞を奉納したという、伝説の地に建てられた下拝殿「舞殿」。春の鎌倉まつりでは、この唐破風入母屋造(からはふいりもやづくり)の美しい建物で静の舞が披露されるほか、婚礼をはじめ数々の祭礼の舞台となります。
▲樹齢1000年を数える「親」の大銀杏(写真左)と、注連縄(しめなわ)の囲いの中ですくすく育つ子供の「子」銀杏(右)

さらに進むと、本宮に続く大石段の左手脇に、かつて県の天然記念物に指定されていた樹齢1000年の大銀杏があります。鎌倉幕府三代将軍・実朝の悲劇の舞台となったといわれて名高い大銀杏ですが、残念なことに2010年に倒伏してしまいました。しかし、根元から伸びた若芽であるヒコバエが順調に成長。今や親子銀杏となって未来へ希望をつなぐご神木となり、秋には金色に色づきます。

大石段を上って国指定重要文化財「本宮(上宮)」で参拝を

大石段を一段一段上ると、そのたびに迫ってくる楼門。掲げられた額の「八幡宮」の「八」の字は、よく見ると鳩の形。八幡さまの使いである白い鳩を、境内のあちこちで見かけます。
大石段を上りきって振り返ると、遥か遠くの由比ケ浜まで参道がまっすぐ伸びるのが見えます。空気が澄み切った日には、伊豆大島まで見えることも。鎌倉の街と参道と海、このスケール感ある絶景はここならではです。
楼門の先にあるのが、応神天皇、比売神(ひめがみ)、神功皇后(じんぐうこうごう)の三柱を祀る御本宮。現在の御社殿は文政11(1828)年、江戸十一代将軍徳川家斉が造営したもの。流権現(ながれごんげん)造り、朱塗りの壮麗な建物は国指定重要文化財。二礼二拍手一礼をして心静かに参拝しましょう。
また、武家文化を伝承する鶴岡八幡宮は、その象徴である太刀をはじめ弓具、御神服、蒔絵の硯箱など数々の国宝を所蔵。由緒あるご神宝を集めた「宝物殿」が本宮の隣にあるので、ぜひ立ち寄ってみてください。
(入館時間/8:30~16:00、定休日なし※年末に展示替え期間あり、拝観料/大人200円、小人100円)
参拝後に欠かせないのがおみくじ。引けるのは、本宮前、石段下、舞殿脇の3カ所にある授与所です。鶴岡八幡宮には2種類のおみくじがあり、箱を振って出る棒の番号でもらうスタンダードなもの(100円)と、鳩の根付入りの「鳩みくじ」(200円)が引けます。
▲鳩みくじは7色あって好きな色を選べるのも楽しい
▲おみくじと一緒に入っている鳩の根付は可愛いことで女性に人気です
▲境内の2カ所にある「凶みくじ納め箱」。中央の矢が「強運摑み矢」

引いたおみくじが、もしも凶や大凶だった場合でも鶴岡八幡宮なら安心です。「凶みくじ納め箱」なるものが用意されていて、これは、“凶運”を“強運”に変えてくれるというもの。納め箱に結んだ凶のおみくじを入れて、「強運摑み矢」を掴み願うことで、強運を掴みましょう。
▲願い事を書いて奉納する絵馬の種類も様々。大銀杏にちなむ銀杏の葉の形の絵馬(1,000円)は風に揺れるときれい
▲御本宮と駐車場にほど近い御谷(おやつ)休憩所

参拝後はほっこり休める休憩所へ。鶴岡八幡宮の境内には、無料休憩所が柳原、御谷、源氏池の3カ所にあります。それぞれに自慢の軽食やお茶が用意されています。境内の散策途中にちょっと疲れたら、近くの休憩所で寛げるのもうれしい限り。
▲ホカホカ蒸したてで出てくる、御谷休憩所名物「御神酒まんじゅう」(100円)はお土産にも絶好。ありがたいことに、お茶は無料サービス

境内の摂末社へご案内!「丸山稲荷社」「白旗神社」「旗上弁財天社」を一巡り

五穀豊饒を祈願する稲荷社は、商売繁盛の神様。境内で最も古い室町中期のお社は、国指定重要文化財にもなっています。この「丸山稲荷社」をはじめこれからご案内する「白旗神社」「旗上弁財天社」などの摂末社は御利益も異なり、お守りや絵馬、御朱印なども違うものが用意され、巡って集めていくのも一興です。
▲本宮にほど近い朱色の鳥居が連なる階段を上がった先に「丸山稲荷社」が
▲小高い丘の上に立つ「丸山稲荷社」
御本宮前に戻り左手に行くと、初夏の新緑も秋の紅葉も美しい「柳原神池」が見えてきます。6月には蛍が舞う「蛍放生祭」、9月には鈴虫が放たれ鳴き声を披露する「鈴虫放生祭」の祭場となります。
▲6月の宵に行われる「蛍放生祭」の幻想的なひとこま 

柳原神池より「白旗神社」へ向かう途中にも見逃せない珍しい石があります。
▲水で洗うと、鶴や亀のように輝くといわれるおめでたい石「鶴亀石」
源氏の旗が白かったことから、この名になった「白旗神社」。源頼朝、実朝両公を祀り、必勝祈願や学業成就の御利益があるとされています。
▲白旗神社の参道には鎌倉市立「鎌倉国宝館」があり、鎌倉の仏像をはじめ様々な展示が。その手前には、悲劇の歌人として名高い実朝の歌碑も
▲四季折々に風光明媚な景色が広がる源氏池

「白旗神社」を参拝して参道をくだると、目の前に大きな池が広がります。鶴岡八幡宮の境内には「源氏池」と「平家池」とふたつの池が。東側が源氏池で、西側が平家池とされ、源氏の方には繁栄を願って「産」にかけた「3」つの島が、平家の方には、「死」になぞらえた「4」つの島が浮かんでいます。
ともに春は桜、夏は紅白の蓮の花が咲き誇り、美しい眺めに。
また、源氏池の周囲には「神苑ぼたん庭園」(入園料500円)があり、1~2月の正月ぼたん、4~5月の春ぼたんが咲く時期に開園。手入れが行き届いた庭園内にあでやかに咲く色とりどりのぼたんが美を競います。
源氏池に浮かぶ「旗上弁財天社」は、北条政子が建立したとも伝わる家運長久の守護神。徳川二代将軍の妻・お江の方がこちらの弁財天を信仰し、三代大将軍家光を授かったという言い伝えもあります。江ノ島鎌倉七福神の一つでもあり、願をかけた白い旗が風にはためく様子も清々しい水辺の社です。
▲社殿の裏手、池のほとりには、良縁・夫婦円満、子授けの御利益があるという「政子石(姫石)」が
▲平家池のほとりに立てられた看板もおしゃれなカフェ「風の杜」

順路をひととおり巡ったら、最後に平家池をガラス越しに望む「風の杜」へ。しばし優雅なひとときを、水辺の特等席で過ごしましょう。
窓一面に広がる池の眺めに包まれて、お茶やスイーツ、お食事も楽しめます。風の杜の店内から平家池越しの対岸に見える旧近代美術館が、新しい施設「鎌倉文華館 鶴岡ミュージアム」としてリニューアルオープンするのは2019年春。ますます境内の見所がたっぷりになる予定です。
▲店内からも見える蓮の花の見ごろは7~8月

四季折々のお祭りと花が楽しめる八幡さまは、人々の心の寄り所

初詣、節分祭、菖蒲祭、蛍放生祭、大祓(おおはらえ)の茅の輪くぐり、七夕祭、そして九月の例大祭など、四季折々のお祭りが華やかに開催される鶴岡八幡宮。桜、菖蒲、藤、ぼたん、蓮、紅葉と巡る季節の花々が出迎えてくれる境内は、いつ訪れても心身がすっと静まり、改まり、明日への活力をいただける場所です。
▲鎌倉ゆかりの著名人の書画がぼんぼりに仕立てられ、明かりが灯される「ぼんぼり祭」は夏の風物詩
▲6月末日の「大祓」。無病息災を願って茅の輪をくぐる人で賑わいます
▲「七夕祭」では、願い事を書いた色紙や絵馬が、五色の紐で結ばれてご神前に奉納されます
▲9月の「例大祭」での流鏑馬(やぶさめ)神事も必見

鎌倉時代から人々の心の寄り所であり続ける八幡さまへ、密かな願いを胸に、季節の美を感じに、ぜひ訪れてみませんか。ゆっくり過ごす一瞬一瞬が、心洗われるようです。
参拝の前後は、小町通りや若宮通りで食事や買い物など、鎌倉散策を楽しみましょう。
※記事内の料金は非課税、または税込です。
ゴトウヤスコ

ゴトウヤスコ

ホテル、レストラン、神社、婚礼、旅、食、暦&歳時記、ものづくりなどの広告コピー、雑誌記事、インタビュー記事などを多数執筆し、言葉で人と人をつなぎ、心に響くものごとを伝える。旅は、基本一人旅好き。温泉、パワースポット、絶景、おいしいものがあるところなら、好奇心がおもむくままどこへでも。得意技は、手土産&グルメハンティング。最近は伝統.芸能、日本刀、蓄音機など和文化への興味を深堀中。読書会なども開催。(制作会社CLINK:クリンク)

※本記事の情報は取材時点のものであり、情報の正確性を保証するものではございません。最新の情報は直接取材先へお問い合わせください。
また、本記事に記載されている写真や本文の無断転載・無断使用を禁止いたします。

こちらもおすすめ

もっと見る

関連エリア

PAGE TOP