すき焼 「金谷」で食通・肉通をうならせる極上の伊賀牛を味わう

2015.10.01

「おいしいお肉が食べた~い!」ということで、やってきたのは、歴史情緒あふれる城下町の三重県伊賀市。「伊賀牛」が食べられる名店「すき焼 金谷」さんを訪ねてみました。

元祖伊賀肉金谷
三重県といえば松阪牛が有名ですが、その松阪牛と肩を並べる「伊賀牛」の存在をご存知でしょうか?
三重県が誇るブランド肉「伊賀牛」。でも、そのほとんどが地元で消費されるため、一般に出回ることは少ないのだそう。
そんな希少なものと知れば、なおさら食べたくなりますよね。

寒暖差の大きい気候と緑の山々をぬってせせらぐ清らかな水。
豊かな自然の中でストレスを与えることなく、丹精込めて肥育された牛だからこそ、最高級の肉質になるんですって。

そして「伊賀肉」といえば「金谷」。「すき焼 金谷」さんは、代々地元で愛されつづけ、創業100余年を誇る老舗。
優れた血統の伊賀牛を、幾代にもわたってさらに改良、吟味した至極の伊賀牛が味わえるとあって、地元の人が太鼓判を押す名店中の名店なんです。
三重ブランド「伊賀牛」
▲これぞ伊賀牛!

ゆったりとくつろげる趣のある客室

風格のある店内に入り案内されるまま階段を上りきると、どこまで続いているのだろうと思わせる長い廊下。
「なるほど! 壁一面に大きな鏡が貼ってあるのかな? 伊賀流忍者の街だけあって、なにかからくりがあるのかも?」
「???」
いえいえ。鏡があるわけではなく、ほんとうに長い長い廊下だったんです。7~80mはあるでしょうか?
小ぢんまりとした外観からは想像ができない広さなんです。
長い廊下づたいに大小10部屋の個室、奥には70畳もの大広間があるんですよ。
金谷の廊下
▲長~い廊下
温もりのある木の風合いが心にしみますね。
昭和初期からそのまま使われているという大きな窓の1枚ガラスは、ビードロ細工に見られるような気泡があったり、ふくらみがあったり。
今となっては手に入れることができないという、見事なものなんです。
金谷の窓から
金谷の客間
▲ゆったりとくつろげる個室の客間

繊細で甘美な逸品を食す

すき焼の材料が運ばれてきました。
「わ~ぉ! なんと美しい」
濃いピンクの中に、まるで葉脈のように走る真っ白な「さし」。
バラの花のようにきれいに盛りつけられたお肉は、まるでひとつの芸術品です。
そしてお皿にどーんと盛られた野菜は、ほとんどが地元で栽培されたもの。
採れたてのみずみずしい野菜も、これまた食欲をそそるんです。
寿き焼
▲すき焼 1人前:7,722円(税・サービス料込、写真は2人前)
調理はすべて仲居さんが手際よく進めてくれるので、指をくわえて待つことに。
煙が出るほどに熱した鉄鍋に脂を塗り、お肉を焼いていきます。
「ジュッ!」
お肉が鉄鍋に触れたとたんに芳ばしい香りが。
「う~。たまりません!」
すばやくお肉に砂糖としょうゆを振りかけます。使う調味料はこれだけ。
「割り下を使わない関西風の調理法なので、関東からいらっしゃるお客様は驚かれるんですよ」
と仲居さん。
金谷の仲居さん
「まずは野菜を入れる前のお肉を1枚味わってください」
と、溶いた卵の器によそっていただいたお肉。

鼻先をくすぐる香りに「早く早く~!」とお腹が叫んでいます。
卵を絡め、さらに艶っぽくなったお肉を口の中に入れると、とろ~ん!
鼻を抜ける芳ばしい香りと舌の上でほどける芳醇な旨みと甘みが最高です。

そして、とろけるほどに「さし」の入ったお肉なのに、かみしめるほどににじみ出る肉汁も繊細で、あとを引くようなしつこさがまったくないのが不思議。
サラッと胃袋に収まってしまいました。

味つけも、甘からず辛からず、絶妙な加減。
ややもすれば適当な目分量にも見える砂糖としょうゆの入れ方ですが、これがまぎれもなく、この道30年のプロの技なんですね。
「おそれいります!」
卵がからんだ伊賀牛
1枚目のお肉をいただいている間に、野菜や糸こんにゃく、豆腐、そして最後にお肉が鉄鍋に並べられていきます。
仲居さん「次は本来のすき焼になりますから、先ほどのお肉と食べ比べてみてくださいね」
おかみさんが鉄鍋でつくってくれる
旨みをまとった具。いい艶でしょう!?
豆腐も一般的な焼き豆腐ではなく、地元の豆腐屋さんに「金谷のすき焼用」として作ってもらっている特注の木綿豆腐なんですって。
肉以外の具も絶品
「あれ? 確かにさっきのものと、お肉の味がまったく違う。不思議ですね」
野菜の出汁が絡んだお肉は、先ほどの芳ばしさとは代わって、とてもまろやかで優しい味に。
そして野菜や豆腐は、本来の甘みに加え、お肉の旨みとコクをたっぷりと吸い込んで、まったりとした深い味わいに!

はじめの1枚はお肉本来の味を楽しんで、2枚目からはすき焼を楽しむ。
ひとつのお料理で2回も楽しめるなんて、なんて贅沢なんでしょう!

器に使われている陶器はすべて「伊賀焼」。つやつやのご飯は「伊賀米」。お漬け物には伊賀名産の「伊賀漬」。
「伊賀肉」を極める「金谷」さんで、伊賀をまるごと味わってしまいました。
仲居さんとの楽しいおしゃべりとともに、あっという間に完食です。

個人的に、極上のお料理を気取らずにいただけるお店が大好きなんです。
「金谷」さんの、控えめながらも気遣いの行き届いたおもてなしがとても心地いいんですよね。
絶品伊賀肉を堪能するなら、ここ「金谷」さんで決まりですね!
金谷の客室にて
Yukitake

Yukitake

三重の雑誌「Edge」をはじめ、さまざまな雑誌・情報誌において、グルメ・観光などの記事を執筆。女性目線の取材とソフトな文体を大切にしています。

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