北インドの家庭カレーが食べられる「DOON食堂 印度山」。本格チキンターリーは毎日でも食べたい一皿!
長野県松本市にある「日本一小さなインド家庭料理 DOON(ドゥーン)食堂 印度山」は、北インドの家庭料理であるカレーを提供する店。店主はインド人で、代々受け継がれてきたレシピでカレーを作る。辛さ控えめでこってりしていないやさしい味わいのカレーは、消化がよくて毎日でも食べたい一皿だ!(by カレー調査隊隊長・井上岳久)

カレーの第一人者である井上岳久先生と、一番弟子りかです。私たち2人は「カレー調査隊」として、ぐるたび編集部に届いた耳寄りカレー情報をもとに全国津々浦々を旅しています。
今回は、長野県松本市で北インドの家庭料理であるカレーを提供するお店のうわさを調査してきました。
日本一小さなインド家庭料理のカレー店!?「DOON食堂 印度山」

りか「ぐるたび編集部宛てに、こんな調査依頼のメールが届きました」
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長野県松本市に「日本一小さなインド家庭料理 DOON食堂 印度山」というカレー店があり、店主は北インド出身の方だそうです。本当に日本一小さなお店なのでしょうか?また、北インドの家庭で食べられるカレーとはどんなカレーなのでしょうか?なかなか長野県まで行けないので、代わりに調査してきてもらえないでしょうか?
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井上先生「ほぉ、どれだけ小さいお店なんだろうね。ところで一番弟子のりかさんなら、北インドのカレーの特徴はわかるよね?」
りか「もちろんです!北インドは小麦が採れる地域なので、ナンなどのパンに合わせ、バターチキンのような乳製品を使ったカレーが多いです。また、どろっとした汁気の少ないカレーを食べるのが贅沢とされています!」
井上先生「その通りっ!だんだん一番弟子らしくなってきたね」



出迎えてくれたのは、店主のアシシュ・シルプカーさん。北インドのデラドゥーン出身です。アシシュさんは来日してから13年以上経っていることもあり、日本語が堪能!
井上先生「日本語がお上手ですね!」
アシシュさん「皆さんのおかげです。今は夢の中でも日本語ですよ(笑)」
お店に着いて早々、アシシュさんの陽気な雰囲気に引き込まれる私たち。アシシュさんの作るカレーとは、一体どんなカレーなのでしょうか?
毎日食べられる!やさしい味わいの「チキンターリー」

「チキンターリー」は、左下から時計回りでチキンカレー、チャナダール(ひよこ豆)のカレー、ライタ(野菜などが入ったヨーグルト)、ガジャック(ゴマの焼き菓子)、パパド(豆のおせんべい)、ごはんがセットになっています。



りか「おいしいですね!インド人が作るカレーだから、てっきり刺激的だったり、味が濃かったりするのかと思っていました」


りか「インドの家庭料理は、そんなに辛くないんですね。実は私、辛い食べ物を食べ過ぎて腸を悪くしたばかりなので、やさしい味わいのほうがちょうどいいです!」
井上先生「そうなの?大丈夫?でも、このカレーなら毎日食べられるよね」

「チキンターリー」のチキンカレーを味わったところで、そのほかのメニューもいただきましょう!



アシシュさん「一通りひと口ずつ食べたら、ごはんの上にかけて混ぜながら食べてくださいね。そうすることで、また新しい味に変化しますから」

アシシュさん「はい。安曇野産のコシヒカリを使っています。インドのお米よりも、日本のお米のほうが好きだから(笑)。それにナンはレストランの料理だから、インドでも毎日は食べないんですよ」

お母さんから教わった!代々受け継がれてきた「チキンカレー」の作り方

※アジョワンとは…ハーブのタイムに似た芳香があるスパイス。胃腸薬の原料に使われることもある
「DOON食堂 印度山」で提供するメニューは、すべてアシシュさんの家庭に代々受け継がれてきたレシピで、お母さまから教わったとのこと。そして一番のポイントは、アジョワンを使っていることだと言います。インドでもアジョワンはさほど使わないそうですが、消化を促進する役割を持つスパイスなので、毎日食べる家庭料理にぴったりなのだとか。

このカレーには玉ねぎやニンニクなどの五葷(ごくん)を使用していないため、厳格な仏教徒の人でも食べられます。ほかにも「DOON食堂 印度山」は、ヴィーガンやベジタリアンにも対応したメニューを提供しています。また全メニューがグルテンフリー、ナッツフリーになっています。それもあって、外国人観光客がよく食べに来るそうです。

運命の出会いがきっかけで、長野県松本市にカレー店を出店することに!

アシシュさんによれば帰国する1カ月前に、たまたま「愛・地球博(2005年日本国際博覧会)」に遊びに来ていた奥さまの真由美さんと知り合ったのだとか。任務を終え、一度はインドに帰国したアシシュさん。ただインドでは結婚相手は親が決めるそうで、その時はご両親に結婚したい相手がいると言えなかったそう…。そして真由美さんに会うために再び来日、ご両親に内緒で結婚することに!
アシシュさん「結婚してから親に報告した(笑)。今では両親も喜んでくれていますよ!」

入籍後は、真由美さんの地元である長野県松本市で生活を始めます。そして2006年から松本市の公民館を借りてインド料理教室などを開くように。次第に、キャンセル待ちが続出するほどの人気料理教室になっていきました。そして料理教室を始めた10周年記念として、2016年に「DOON食堂 印度山」をオープンします。

ちなみに店名には「日本一小さなインド家庭料理」とありますが、現在は向かいの店舗も「DOON食堂 印度山」として使われています。というのも、寒い季節でも外に行列ができるようになってしまったために、当初は待合室用として借りたのだとか。ですが今では、向かいの店舗も飲食スペースとして活用されています。

ということは、人気過ぎてもはや「日本一小さなインド家庭料理」店ではなくなってしまった!?
では井上先生、カレーの評価をお願いします。


りか「はい!カレーもおいしかったですが、アシシュさんの陽気な人柄が魅力的で、すっかりファンになっちゃいました」

長野県松本市で北インドカレーを食べるなら、「DOON食堂 印度山」がおすすめ。
ご協力ありがとうございました!
日本一小さなインド家庭料理 DOON食堂 印度山
長野県松本市大手4-6-18 はしご横丁
[営業時間] 11:30~20:00 L.O.
[定休日]日曜
0263-34-3103

井上岳久(カレー大學学長/株式会社カレー総合研究所代表)
カレー業界を牽引する、業界の第一人者。横濱カレーミュージアム責任者を経て現職に至る。カレーの文化や歴史、栄養学、地域的特色、レトルトカレーなど、カレー全般に精通。レトルトカレーは全国から2,000種類を収集し試食している。著書に『一億人の大好物 カレーの作り方』『国民食カレーに学ぶもっともわかりやすいマーケティング入門』など多数。
また、本記事に記載されている写真や本文の無断転載・無断使用を禁止いたします。
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